固定資産税の勘定科目|個人事業主・法人の仕訳方法を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2026/1/10

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固定資産税の勘定科目とは?なぜ重要なのか

固定資産税の会計処理で迷う方は少なくありません。「勘定科目は何を使えばいいのか」「いつ経費計上すればよいのか」といった疑問は、個人事業主・法人経営者にとって避けて通れない課題です。

この記事では、固定資産税の勘定科目、個人事業主と法人の仕訳方法、経費計上のタイミングを、国税庁の公式情報を元に解説します。

正しい会計処理を理解することで、税務調査での指摘リスクを減らし、適切な経費計上ができるようになります。

この記事のポイント

  • 固定資産税の勘定科目は「租税公課」を使用する
  • 個人事業主は事業用部分のみ経費計上し、家事按分が必要
  • 法人は固定資産税の全額を損金算入できる
  • 計上時期は「賦課決定日基準」「納付日基準」から選択でき、一度採用した方針は原則継続する
  • 法人は発生主義(賦課決定日基準)、個人事業主は現金主義(納付日基準)を採用することが多い

固定資産税の勘定科目と仕訳の基礎知識

(1) 固定資産税の勘定科目は「租税公課」

固定資産税の勘定科目は**「租税公課」**を使用します。租税公課は、事業に関連する税金や公的な負担を計上する費用科目です。

国税庁「損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期」によると、固定資産税は損金算入が認められており、租税公課として経費計上できます。

(2) 租税公課とは何か(租税と公課を合わせた勘定科目)

租税公課は、以下の2つを合わせた勘定科目です。

  • 租税: 国や地方公共団体に納める税金(固定資産税、自動車税、印紙税等)
  • 公課: 公的な団体に支払う会費や手数料(商工会議所会費、同業組合費等)

固定資産税は「租税」に該当するため、租税公課として計上します。

(3) 経費計上できる税金とできない税金(法人税・所得税・延滞税は経費計上不可)

租税公課として経費計上できる税金には制限があります。

税金の種類 経費計上 理由
固定資産税 ✅ 可能 事業用資産の税金
自動車税 ✅ 可能 事業用車両の税金
印紙税 ✅ 可能 契約書等の税金
法人税・所得税 ❌ 不可 所得に対する税金
延滞税・過怠税 ❌ 不可 罰則的性質の税金

(出典: 国税庁

法人税・所得税は事業の経費ではなく、所得から支払う税金のため経費計上できません。延滞税や過怠税は罰則的性質があり、経費として認められません。

個人事業主の固定資産税の仕訳方法(家事按分)

(1) 事業用と個人用の按分が必要

個人事業主が自宅兼事務所で事業を行っている場合、固定資産税の事業用部分のみを経費計上できます。プライベート使用分は経費にできないため、家事按分が必要です。

国税庁「固定資産税、登録免許税又は不動産取得税を支払った場合」によると、事業用資産の固定資産税は必要経費に算入できます。

(2) 按分の計算方法(床面積や使用時間の割合)

家事按分の計算方法は、以下の基準が一般的です。

  • 床面積比: 自宅の総床面積に対する事業用スペースの割合
  • 使用時間比: 1日のうち事業で使用している時間の割合

例:床面積比で按分する場合

  • 自宅の総床面積: 100㎡
  • 事業用スペース(事務所部分): 20㎡
  • 按分割合: 20㎡ ÷ 100㎡ = 20%

固定資産税が年間12万円の場合、事業用部分は12万円 × 20% = 2.4万円となり、この金額を経費計上できます。

按分の計算根拠は明確にし、税務調査で説明できるようにしておくことが重要です。

(3) 仕訳例:自宅兼事務所の場合

【納付日基準・現金払いの場合】

固定資産税(年間12万円)を6月に現金で納付し、事業用按分20%を経費計上する例:

日付 借方 金額 貸方 金額
6/30 租税公課 24,000円 現金 24,000円
6/30 事業主貸 96,000円 現金 96,000円

事業用部分(24,000円)を租税公課として経費計上し、プライベート部分(96,000円)は事業主貸で処理します。

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法人の固定資産税の仕訳方法(全額経費計上)

(1) 法人は全額を経費計上可能(損金算入)

法人が所有する事業用不動産の固定資産税は、全額を損金算入できます。個人事業主のような家事按分は不要です。

国税庁「損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期」によると、法人の固定資産税は損金算入が認められています。

(2) 仕訳例:事業用不動産の固定資産税

【賦課決定日基準・未払金計上の場合】

固定資産税(年間20万円)の納税通知書が5月に届き、賦課決定日に未払金として計上し、6月に第1期分(5万円)を納付する例:

5月(賦課決定日):

日付 借方 金額 貸方 金額
5/1 租税公課 200,000円 未払金 200,000円

6月(第1期納付日):

日付 借方 金額 貸方 金額
6/30 未払金 50,000円 普通預金 50,000円

賦課決定日基準では、税額が確定した時点で全額を租税公課として計上し、実際の納付時に未払金を減らします。

(3) 未払金勘定を使った管理方法

固定資産税は年4回に分けて納付されるため、未払金勘定を使った管理が効果的です。

  • 賦課決定日: 全額を租税公課/未払金で計上
  • 各納期: 未払金/現金(または普通預金)で納付

この方法により、期ごとの損益を正確に把握でき、決算時の調整が不要になります。

固定資産税の計上時期と注意点

(1) 賦課決定日基準(発生主義・法人向け)

賦課決定日基準は、市区町村から納税通知書が届き、税額が確定した日に経費を計上する発生主義の方法です。

特徴:

  • 法人が採用することが多い
  • 未払金勘定を使用
  • 期ごとの損益が正確に把握できる

(2) 納付日基準(現金主義・個人事業主向け)

納付日基準は、実際に税金を支払った日に経費を計上する現金主義の方法です。

特徴:

  • 個人事業主が採用することが多い
  • 未払金勘定を使用しない
  • キャッシュフローと一致するため管理がシンプル

国税庁「固定資産税、登録免許税又は不動産取得税を支払った場合」によると、賦課決定日、納期開始日、または実際の納付日のいずれかを選択できます。

(3) 一度採用した方針は原則継続する

固定資産税の計上時期(賦課決定日基準または納付日基準)は、一度採用した方針を原則継続する必要があります。

毎年異なる基準を採用すると、税務調査で指摘される可能性があります。計上方針を変更する場合は、税理士に相談することを推奨します。

(4) 年4回の納期に合わせた仕訳管理

固定資産税は通常、年4回に分けて納付されます(市区町村により異なる場合があります)。

納期の例:

  • 第1期: 6月末
  • 第2期: 9月末
  • 第3期: 12月末
  • 第4期: 翌年2月末

納付日基準を採用する場合は、各納期に合わせて仕訳を行います。賦課決定日基準を採用する場合は、賦課決定時に全額を計上し、各納期に未払金を減らします。

まとめ:固定資産税の会計処理で失敗しないポイント

固定資産税の勘定科目は「租税公課」を使用し、個人事業主は事業用部分のみを経費計上、法人は全額を損金算入できます。

計上時期は「賦課決定日基準」または「納付日基準」を選択でき、法人は発生主義、個人事業主は現金主義を採用することが多いです。一度採用した方針は原則継続する必要があります。

正しい会計処理を行うことで、税務調査での指摘リスクを減らし、適切な経費計上ができます。詳細な会計処理については、税理士等の専門家に相談することを推奨します。

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よくある質問

Q1固定資産税の勘定科目は何を使うべき?

A1「租税公課」を使用します。租税公課は租税(国や地方公共団体に納める税金)と公課(公的な団体に支払う会費や手数料等)を合わせた勘定科目です。国税庁の公式サイトでも、固定資産税は損金算入が認められており、租税公課として経費計上できることが明記されています。

Q2固定資産税はいつ経費計上すればよい?

A2賦課決定日、納期開始日、または実際の納付日のいずれかを選択できます。法人は発生主義(賦課決定日基準)、個人事業主は現金主義(納付日基準)を採用することが多いです。一度採用した方針は原則継続する必要があるため、計上方針を変更する場合は税理士に相談することを推奨します。

Q3個人事業主で自宅兼事務所の場合はどうする?

A3事業用部分のみを経費計上し、床面積や使用時間の割合で家事按分を行う必要があります。例えば、総床面積100㎡のうち事業用スペースが20㎡の場合、按分割合は20%となり、固定資産税の20%を経費計上できます。按分の計算根拠を明確にし、税務調査で説明できるようにしておくことが重要です。

Q4固定資産税の仕訳方法は?

A4借方に「租税公課」、貸方に「現金」または「未払金」を計上します。賦課決定日基準の場合は、税額が確定した時点で全額を租税公課/未払金で計上し、実際の納付時に未払金/現金で処理します。納付日基準の場合は、実際に支払った日に租税公課/現金で処理します。

Q5賦課決定日基準と納付日基準の違いは?

A5賦課決定日基準は発生主義で、税額が確定した日に経費計上する方法です(法人向け)。未払金勘定を使用し、期ごとの損益を正確に把握できます。納付日基準は現金主義で、実際に支払った日に経費計上する方法です(個人事業主向け)。キャッシュフローと一致するため管理がシンプルになります。

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