なぜ建売住宅の諸費用が払えない状況になるのか
建売住宅を契約したが諸費用の支払いに困っている方は少なくありません。「諸費用の見積もりが甘かった」「予想外の出費が発生した」と後悔する声が多く聞かれます。
この記事では、建売住宅の諸費用の内訳、払えない理由の分析、対処法(諸費用ローン・親族からの借入・契約条件の交渉)、契約解除のリスク、予防策を、ハウスドゥやアットホームの公式情報を元に解説します。
諸費用の支払いに困っている方でも、具体的な対処法と予防策を正確に把握できるようになります。
この記事のポイント
- 建売住宅の諸費用は物件価格の5-10%程度(4,000万円の物件で200-400万円が目安)
- 諸費用を住宅ローンに組み込める(オーバーローン)、住宅ローンと同様の低金利で借りられる
- つなぎ融資を利用すれば諸費用を一時的にカバーできる(ただし金利は約2-3%と高め)
- 手付金放棄による契約解除は売主の履行着手前まで可能、履行着手後は違約金(10-20%)が発生
- 資金不足が判明した場合は専門家(宅建士・FP)への早期相談を強く推奨
(1) 諸費用の見積もり不足
建売住宅の諸費用は物件価格の5-10%程度が目安ですが、初めて住宅を購入する方は諸費用の見積もりが甘くなりがちです。
ハウスドゥによると、4,000万円の物件で200-400万円、2,000万円の物件で80-180万円程度が必要です。この金額を事前に把握していない場合、資金不足に陥るリスクがあります。
(2) 物件価格の上昇による予算超過
住宅市場の価格上昇により、当初予算を超える物件を選んでしまうケースがあります。物件価格が上昇すると、諸費用も比例して増加するため、予算オーバーになりやすいです。
2024年度フラット35利用者調査によると、建売住宅を購入する際の全国平均費用は3,826万円です。
(3) 予期せぬ出費の発生
引越費用、家具・家電購入費用、リフォーム費用など、予期せぬ出費が発生することがあります。これらの費用を諸費用に含めずに計画すると、資金不足に陥るリスクがあります。
建売住宅の諸費用の内訳と平均額
建売住宅の諸費用の内訳と平均額を、具体的な数字を元に解説します。
(1) 諸費用の目安:物件価格の5-10%程度
建売住宅の諸費用は物件価格の5-10%程度が目安です。ハウスドゥの調査によると、具体的な金額は以下の通りです。
| 物件価格 | 諸費用の目安 |
|---|---|
| 2,000万円 | 80-180万円 |
| 3,000万円 | 150-300万円 |
| 4,000万円 | 200-400万円 |
(2) 価格別シミュレーション:4,000万円の物件で200-400万円、2,000万円の物件で80-180万円
4,000万円の物件を購入する場合、諸費用は200-400万円程度が必要です。2,000万円の物件の場合は80-180万円程度です。
物件価格が高いほど諸費用も高額になるため、予算計画を慎重に立てることが重要です。
(3) 内訳:手付金、印紙税、登記費用、仲介手数料、住宅ローン保証料、事務手数料、火災保険料、不動産取得税
諸費用の主な内訳は以下の通りです。
- 手付金:物件価格の5-10%(売買契約時)
- 印紙税:売買契約書・住宅ローン契約書に貼付(1-2万円程度)
- 登記費用:所有権移転登記・抵当権設定登記(登録免許税+司法書士報酬で10-30万円程度)
- 仲介手数料:物件価格の3%+6万円+消費税(売主直売の場合は不要)
- 住宅ローン保証料:借入金額の0-2%程度(金融機関により異なる)
- 事務手数料:住宅ローン契約時(数万円〜借入金額の2%程度)
- 火災保険料:10年一括払いで20-30万円程度
- 不動産取得税:固定資産税評価額の3%(2027年3月31日まで軽減税率適用)
(4) ローンに組み込める費用と現金で支払う費用の区分
日建住宅によると、諸費用の一部は住宅ローンに組み込めます(オーバーローン)。ただし、手付金や印紙税など、契約時に現金で支払う費用もあります。
ローンに組み込める費用と現金で支払う費用の区分を事前に確認し、必要な現金を準備することが重要です。
諸費用が払えない時の対処法
諸費用が払えない場合の対処法を、具体的な方法とメリット・デメリットを元に解説します。
(1) 住宅ローンに組み込む(オーバーローン):メリット・デメリット
カーディフ生命によると、諸費用を住宅ローンに組み込むことができます(オーバーローン)。住宅ローンと同様の低金利で借りられるため、金利負担を抑えられます。
メリット:
- 現金を用意する必要がない
- 住宅ローンと同様の低金利で借りられる
デメリット:
- 審査が厳しくなる
- 毎月返済額が増える
- 引越費用や家電購入には利用不可
(2) つなぎ融資を利用:金利約2-3%と高め
アットホームによると、つなぎ融資を利用すれば諸費用を一時的にカバーできます。ただし、金利は約2-3%と高めに設定され、住宅ローン控除が適用されません。
メリット:
- 一時的な資金不足をカバーできる
デメリット:
- 金利が高め(約2-3%)
- 住宅ローン控除が適用されない
- 2つの融資の両方でローン手数料がかかる
(3) 手付金の減額交渉:通常は物件価格の5-10%が相場
手付金の減額交渉は可能です。通常は物件価格の5-10%が相場ですが、買主と売主の合意で任意の金額に設定できます。
HOME4Uによると、宅建業者は20%を超える手付金を受け取れないため、最大20%までです。
(4) 親族からの借入:贈与税に注意
親族から借入をする場合、贈与税に注意が必要です。正式な借入契約書を作成し、返済計画を明確にすることで、贈与と見なされないようにすることが重要です。
返済が滞ると贈与と見なされ、贈与税が課される可能性があります。
(5) 諸費用ローンの利用:金利は約2-3%
諸費用ローンを取り扱う金融機関は限られており、金利は約2-3%と住宅ローンよりもかなり高いです。
モゲチェックによると、諸費用ローンは審査が厳しく、借入金額が制限される場合があります。
契約解除のリスクと住宅ローン特約
諸費用が払えない場合、契約解除を検討する方もいます。ここでは、契約解除のリスクと住宅ローン特約について解説します。
(1) 手付金放棄による契約解除:売主の履行着手前まで可能
三井住友トラスト不動産によると、手付金放棄による契約解除は売主の履行着手前まで可能です。理由を問わず解除できますが、手付金(物件価格の5-10%相場)は戻りません。
売主が買主名義で建物の表示登記を行った場合、売主は契約の履行に着手したことになり、その時点で買主は手付放棄で解約できなくなります。
(2) 違約金のリスク:履行着手後は売買代金の10-20%
履行着手後のキャンセルは違約金(通常は売買代金の10-20%)を支払って契約解除する必要があります。
違約金は手付金よりも高額になるため、契約解除は慎重に検討することが重要です。
(3) 住宅ローン特約:審査が通らなければ手付金が返還される
住宅ローン特約とは、住宅ローンの審査が通らなければ契約を白紙に戻せる特約です。手付金が返還されます。
住宅ローン特約は契約書に記載されているため、契約前に確認することを推奨します。
(4) 履行着手の定義と注意点
履行着手とは、客観的に外部から認識し得るような形で履行行為の一部をなし、または履行行為の提供をするために欠くことのできない前提行為をした場合を指します。
売主が買主名義で建物の表示登記を行った場合、履行着手に該当するため、注意が必要です。
諸費用を安く抑えるコツと予防策
諸費用を安く抑えるコツと予防策を、具体的な方法を元に解説します。
(1) 売主直売物件を選ぶ:仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税)を節約
売主直売物件を選ぶことで、仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税)を節約できます。4,000万円の物件の場合、約138万円の節約になります。
(2) 火災保険の見直し:複数社の見積もり比較
火災保険は複数社の見積もりを比較することで、10-20%削減可能です。ネット保険や共済を利用することで、さらに費用を抑えられる場合があります。
(3) 登記を自分で行う:司法書士報酬を節約(ただし専門知識が必要)
登記手続きを自分で行うことで、司法書士報酬(5-10万円程度)を節約できます。ただし、専門知識が必要で、手続きミスのリスクがあるため、初めての方には推奨しません。
(4) 不動産取得税の軽減措置を活用:2027年3月31日まで軽減税率3%適用
2027年3月31日までに取得した住宅は不動産取得税の軽減税率3%が適用されます(本則4%)。新築住宅の場合、最大1,200万円控除があります。
軽減措置を活用することで、諸費用を抑えることができます。
まとめ:資金不足時の判断基準と専門家相談の重要性
建売住宅の諸費用は物件価格の5-10%程度で、4,000万円の物件で200-400万円が必要です。諸費用を住宅ローンに組み込む(オーバーローン)、つなぎ融資を利用、手付金の減額交渉、親族からの借入などの方法があります。
ただし、それぞれメリット・デメリットがあるため、専門家(宅建士・FP)への早期相談を強く推奨します。
手付金放棄による契約解除は売主の履行着手前まで可能ですが、手付金(物件価格の5-10%相場)は戻りません。履行着手後は違約金(通常は売買代金の10-20%)を支払って契約解除する必要があります。
住宅ローン特約があれば、審査が通らなかった場合に手付金が返還されます。契約前に特約の有無を確認することを推奨します。
諸費用を安く抑えるコツとして、売主直売物件を選ぶ、火災保険の見直し、不動産取得税の軽減措置を活用する方法があります。資金計画の見直しと返済計画の慎重な検討を行い、無理のない資金計画を立てましょう。


