つなぎ融資とは?住宅ローンとの違い・利用シーンと注意点

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/3

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つなぎ融資とは?住宅ローンとの違い

注文住宅を建てる際、「土地代金を先に支払う必要があるが、住宅ローンはまだ実行されない」という状況に直面する方は少なくありません。

この記事では、つなぎ融資の仕組み、住宅ローンとの違い、利用が必要なケース、金利・手数料、メリット・デメリット、注意点について、SBI新生銀行みずほ銀行SUUMOなどの信頼できる情報源をもとに解説します。

注文住宅購入を検討している方でも、つなぎ融資の必要性を判断し、適切な資金計画を立てられるようになります。

この記事のポイント

  • つなぎ融資は住宅ローン実行までに必要な資金を一時的に借りる融資で、注文住宅の土地購入費・着工金・中間金の支払いに利用される
  • 金利は年2~4%と住宅ローン(0.3~1.8%)より高く、融資期間中は利息のみを返済し、住宅ローン実行後に元金を一括返済する
  • すべての金融機関では扱っておらず、住宅ローンと同じ金融機関に一緒に申し込む必要がある
  • 住宅ローン控除の対象外で、工事遅延で融資期間が延びると利息負担が大幅に増えるリスクがある

つなぎ融資の定義:住宅ローン実行までの一時的な融資

SBI新生銀行によると、つなぎ融資は土地購入から建物建築の最終金支払いまで一時的に借りる融資です。

注文住宅では、土地購入費・着工金・中間金など、住宅ローン実行前に支払いが必要な費用が発生します。つなぎ融資は、これらの支払いを賄うための短期融資です。

住宅ローンとの違い:融資実行のタイミング・返済方法・金利

項目 つなぎ融資 住宅ローン
融資実行のタイミング 工事の進捗に応じて複数回 住宅引き渡し時に一括
返済方法 融資期間中は利息のみ返済、住宅ローン実行後に元金を一括返済 毎月元金+利息を返済
金利 年2~4%(高い) 年0.3~1.8%(低い)
融資期間 最長1年程度 10~35年
住宅ローン控除 対象外 対象

つなぎ融資の仕組み:利息のみ返済→住宅ローン実行後に一括返済

SBI新生銀行によると、つなぎ融資は住宅ローン実行までは利息のみを返済し、融資実行後に一括返済する仕組みです。

:土地購入費1,000万円、着工金500万円、中間金500万円のつなぎ融資を利用した場合

  1. 土地購入時:1,000万円を融資(利息のみ返済開始)
  2. 着工時:500万円を追加融資(合計1,500万円の利息を返済)
  3. 上棟時:500万円を追加融資(合計2,000万円の利息を返済)
  4. 住宅引き渡し時:住宅ローン実行で2,000万円を一括返済

つなぎ融資が必要なケース

つなぎ融資が必要となる主なケースを解説します。

注文住宅の土地購入・着工金・中間金の支払い

SUUMOによると、注文住宅では以下のタイミングで支払いが必要です。

  • 土地購入時:土地代金(全額)
  • 着工時:着工金(建築費の約30~40%)
  • 上棟時:中間金(建築費の約30%)
  • 引き渡し時:残金(建築費の約30~40%)

住宅ローンは引き渡し時に一括で実行されるため、それまでの支払いを賄うためにつなぎ融資が必要です。

土地先行購入:土地代金を先に支払う場合

土地を先に購入し、後から建物を建てる場合、土地代金を先に支払う必要があります。この場合、つなぎ融資を利用することで、自己資金不足をカバーできます。

住み替えの買い先行:新居購入が先で旧居売却が後の場合

新居の購入が先で、旧居の売却が後になる場合、一時的に資金が不足します。つなぎ融資を利用することで、旧居売却までの資金を確保できます。

つなぎ融資を使わない方法:自己資金で賄う・分割融資を利用する・建売住宅を選ぶ

つなぎ融資を使わない方法として、以下の選択肢があります。

  • 自己資金で賄う:土地購入費・着工金・中間金を自己資金で支払う
  • 分割融資を利用する:住宅ローンを工事の進捗に応じて複数回実行する(金融機関により取り扱いが異なる)
  • 建売住宅を選ぶ:建売住宅は引き渡し時に一括で住宅ローンを実行できるため、つなぎ融資が不要

つなぎ融資の金利・手数料と返済方法

つなぎ融資の金利・手数料、返済方法を解説します。

つなぎ融資の金利:年2~4%(住宅ローン0.3~1.8%より高い)

つなぎ融資の金利は年2~4%が一般的です。2024年現在、住宅ローン変動金利は0.3~0.5%程度と低水準ですが、つなぎ融資は2~4%と高止まりしています。

事務手数料:約10~11万円が相場(1回目の融資時のみ支払い)

融資事務手数料は約10~11万円が相場で、1回目の融資時のみ支払います。2回目以降の融資時には不要です。

利息の計算方法:日割り計算のため工事遅延で追加負担が発生

利息は日割り計算のため、工事の進捗遅れが1ヶ月延びると数万円の追加負担が発生します。工事スケジュールの管理が重要です。

計算例:1,000万円を金利3%で6ヶ月借りた場合

1,000万円 × 3% ÷ 365日 × 180日 = 14.8万円

工事が1ヶ月遅れると、追加で約2.5万円の利息負担が発生します。

返済方法:融資期間中は利息のみ返済、住宅ローン実行後に元金を一括返済

みずほ銀行によると、融資期間中は利息のみを返済し、住宅ローン実行後に元金を一括返済します。

融資期間:最長1年程度、期間内に返済しないと遅延損害金が年利14%程度発生

融資期間は最長1年程度で、期間内に返済しないと遅延損害金が年利14%程度発生します。工事スケジュールを守ることが重要です。

つなぎ融資のメリットとデメリット

つなぎ融資のメリット・デメリットを解説します。

メリット:自己資金不足時でも注文住宅が建てられる、工事スケジュールに合わせて支払い可能

つなぎ融資を利用することで、自己資金が不足していても注文住宅を建てることができます。工事の進捗に応じて支払いができるため、資金計画が立てやすくなります。

デメリット①:金利が高い(2~4%)ため利息負担が大きい

金利が2~4%と住宅ローンより高いため、利息負担が大きくなります。工事期間が長引くと、利息負担がさらに増加します。

デメリット②:住宅ローン控除の対象外

つなぎ融資は住宅ローン控除の対象外です。税制面での優遇を受けられない点がデメリットです。

デメリット③:すべての金融機関で取り扱っていない

すべての金融機関がつなぎ融資を提供しているわけではありません。住宅ローンと同じ金融機関に一緒に申し込む必要があるため、事前に取り扱いの有無を確認する必要があります。

「もったいない」と言われる理由:金利が高いため利息負担が大きいが、自己資金不足時には必要

つなぎ融資は金利が高いため「もったいない」と言われることがあります。しかし、自己資金が不足している場合、つなぎ融資を利用しなければ注文住宅を建てることができません。利息負担を抑えるコツを実践しつつ、必要に応じて利用することが重要です。

つなぎ融資の利用の流れと注意点

つなぎ融資の利用の流れと注意点を解説します。

利用の流れ:住宅ローンと同じ金融機関に一緒に申し込み→審査通過→融資実行(土地購入・着工金・中間金の各タイミング)→住宅ローン実行→一括返済

  1. 住宅ローンと同じ金融機関に一緒に申し込み:つなぎ融資は住宅ローンとセットで申し込む
  2. 審査通過:住宅ローンとつなぎ融資の両方の審査を受ける
  3. 融資実行:土地購入時・着工時・上棟時の各タイミングで融資を実行
  4. 住宅ローン実行:住宅引き渡し時に住宅ローンを実行
  5. 一括返済:住宅ローンでつなぎ融資の元金を一括返済

注意点①:工事遅延で融資期間が延びると利息負担が増える

工事が遅延すると、融資期間が延び、利息負担が増加します。工事スケジュールを厳守することが重要です。

注意点②:1回目の融資を受けた時点で返済義務が発生、工事中断でも返済は必要

1回目の融資を受けた時点で返済義務が発生します。工事が中断した場合でも、利息の返済は必要です。

注意点③:取り扱い金融機関が限られているため事前確認が必須

すべての金融機関がつなぎ融資を提供しているわけではないため、事前に取り扱いの有無を確認してください。

2024年の最新動向:auじぶん銀行が東光商事のブリッジローン紹介開始

auじぶん銀行によると、2024年8月1日よりauじぶん銀行が東光商事の「とうこうブリッジローン」の紹介サービスを開始しました。最新の金融機関サービスとして注目されています。

まとめ:つなぎ融資を使うべきか?

つなぎ融資は、注文住宅で自己資金が不足している場合に有効な選択肢です。

つなぎ融資を検討すべき人:注文住宅で自己資金が不足している、土地先行購入や住み替えで一時的な資金が必要

注文住宅で土地購入費・着工金・中間金を自己資金で賄えない場合、土地先行購入や住み替えで一時的な資金が必要な場合は、つなぎ融資を検討してください。

利息負担を抑えるコツ:工事期間を短縮する、分割融資を検討する、複数の金融機関を比較する

利息負担を抑えるコツとして、以下の方法があります。

  • 工事期間を短縮する:工事スケジュールを厳守し、遅延を防ぐ
  • 分割融資を検討する:金融機関により取り扱いが異なるが、分割融資の方が金利が低い場合がある
  • 複数の金融機関を比較する:金利・手数料を比較し、有利な金融機関を選ぶ

専門家への相談:ファイナンシャルプランナー・税理士・金融機関の住宅ローン担当者

つなぎ融資の利用を検討する際は、ファイナンシャルプランナー、税理士、金融機関の住宅ローン担当者への相談を推奨します。

資金計画、税制面での影響、金利・手数料の比較など、専門家の意見を聞くことで、適切な判断ができます。(執筆時点:2025年)

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よくある質問

Q1つなぎ融資はどんな時に必要?

A1注文住宅で土地購入費・着工金・中間金の支払いが発生する場合、土地先行購入、住み替えの買い先行などで、住宅ローン実行前に資金が必要な時に利用されます。自己資金で賄えない場合の選択肢です。住宅ローンは引き渡し時に一括で実行されるため、それまでの支払いを賄うためにつなぎ融資が必要になります。

Q2つなぎ融資の金利はどれくらい?

A2年2~4%が一般的で、住宅ローン(0.3~1.8%)より高い水準です。2024年現在、住宅ローン変動金利は0.3~0.5%程度と低水準ですが、つなぎ融資は2~4%と高止まりしています。金融機関により異なるため、複数社を比較することをおすすめします。利息は日割り計算のため、工事の進捗遅れが1ヶ月延びると数万円の追加負担が発生します。

Q3つなぎ融資の手数料はいくら?

A3融資事務手数料は約10~11万円が相場で、1回目の融資時のみ支払います。2回目以降の融資時には不要です。金融機関により異なるため、事前に確認が必要です。また、融資期間は最長1年程度で、期間内に返済しないと遅延損害金が年利14%程度発生するため、工事スケジュールの管理が重要です。

Q4つなぎ融資はどこで借りられる?

A4すべての金融機関では扱っておらず、提供している金融機関は限られています。住宅ローンと同じ金融機関に一緒に申し込む必要があるため、事前に取り扱いの有無を確認することが重要です。2024年8月にはauじぶん銀行が東光商事のブリッジローン紹介サービスを開始するなど、最新の動向にも注目が必要です。

Q5つなぎ融資を使わない方法はある?

A5自己資金で賄う、分割融資(住宅ローンを工事の進捗に応じて複数回実行)を利用する、建売住宅を選ぶ(つなぎ融資が不要)などの選択肢があります。分割融資は金融機関により取り扱いが異なるため確認が必要です。また、つなぎ融資は住宅ローン控除の対象外であるため、税制面でのデメリットもあります。専門家への相談を推奨します。

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Room Match編集部

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