マンション一棟買い完全ガイド|投資メリット・資金調達・リスク管理

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/27

広告

ノムコムが運営する不動産資料請求・見学予約キャンペーン【マンション】

マンション一棟買いとは何か|区分所有との違い

マンション一棟買いを検討している方にとって、「必要資金はどのくらいか」「利回りは何%が妥当か」「空室リスクをどう管理するか」といった疑問は、投資判断の重要な要素です。

この記事では、マンション一棟買いという高額な不動産投資手法に特化し、区分所有投資との違い、必要資金のシミュレーション、物件選定の基準、リスク管理の方法を解説します。国土交通省の不動産投資市場データや国税庁の税金計算方法など、公的機関の情報を元に実践的な知識を提供します。

不動産投資初心者から、区分マンション投資経験者まで、マンション一棟買いの基本と注意点を理解できるようになります。

この記事のポイント

  • マンション一棟買いは収益性が高い一方、初期投資額が大きく管理負担も増える
  • 初期費用は物件価格の25-40%程度(頭金20-30%+諸費用5-10%)
  • 表面利回り5-8%が一般的、実質利回りは管理費・修繕費を差し引いて計算
  • 空室リスク対策として、駅近・賃貸需要の高いエリアを選ぶことが重要
  • 税務・法務面では専門家(不動産鑑定士・税理士)への相談が必須

(1) 一棟買いの定義と投資手法

マンション一棟買いとは、集合住宅の建物全体を購入し、複数の住戸を賃貸に出して収益を得る不動産投資手法です。

一棟買いの特徴:

  • 複数の住戸から賃料収入を得られる
  • 建物全体の管理・運営を自分で決定できる
  • 収益性が高い一方、初期投資額が大きい

(2) 区分所有投資との違い(収益性・管理負担・リスク)

マンション一棟買いと区分所有投資の違いを整理します。

項目 一棟買い 区分所有
初期投資額 数千万円〜数億円 数百万円〜数千万円
収益性 高い(複数戸から収入) 中程度(1戸のみ)
管理負担 大きい(建物全体) 小さい(1戸のみ)
空室リスク 分散可能 全収入が消失
自由度 高い(管理方針を決定) 低い(管理組合に従う)

マンション一棟買いのメリット・デメリット

(1) メリット:収益性の高さと自由な管理運営

マンション一棟買いの主なメリットは以下の通りです。

収益性の高さ:

  • 複数戸から賃料収入を得られるため、総収入が大きい
  • 空室が出ても他の住戸からの収入でカバーできる

自由な管理運営:

  • 管理会社の選定、修繕計画、家賃設定など、自分の判断で決定できる
  • リノベーションや設備改善も自由に実施可能

スケールメリット:

  • 一戸あたりの管理コストを抑えられる
  • 一括での修繕・改修により単価を抑えられる

(2) デメリット:初期投資額の大きさと管理負担

一方、マンション一棟買いには以下のデメリットもあります。

初期投資額の大きさ:

  • 物件価格が数千万円〜数億円と高額
  • 頭金だけで数百万円〜数千万円必要

管理負担の増大:

  • 建物全体の維持管理責任を負う
  • 入居者トラブル、修繕対応など業務が増える

大規模修繕のリスク:

  • 外壁塗装、屋上防水など、数百万円〜数千万円の修繕費用が必要になる可能性

必要資金と融資の流れ|頭金・ローン審査のポイント

(1) 初期費用の内訳(物件価格・諸費用)

マンション一棟買いの初期費用は、以下のように構成されます。

項目 金額の目安 備考
物件価格 数千万円〜数億円 立地・規模により変動
仲介手数料 物件価格の3%+6万円+消費税 売主直売の場合は不要
登記費用 30-100万円 司法書士報酬を含む
不動産取得税 固定資産税評価額の3% 軽減措置あり
火災保険 50-200万円 建物規模により変動
その他 印紙税、融資手数料等

諸費用は物件価格の5-10%が目安です。

(2) 頭金の目安と融資条件

不動産投資ローンの融資条件は、住宅ローンよりも厳しくなります。

頭金の目安:

  • 物件価格の20-30%が一般的
  • 物件価格が1億円の場合、頭金2,000-3,000万円

融資条件:

  • 金利: 2-4%程度(住宅ローンより高い)
  • 返済期間: 15-30年
  • 審査基準: 収益性の証明が重要

(3) ローン審査で重視される収益性の証明(想定賃料収入・稼働率)

金融機関の融資審査では、以下の点が重視されます。

収益性の証明:

  • 想定賃料収入(周辺相場に基づく)
  • 稼働率(入居率)の見込み
  • 実質利回りの計算

物件の評価:

  • 立地(駅距離、周辺環境)
  • 建物状態(築年数、修繕履歴)
  • 賃貸需要の有無

複数の金融機関で融資条件を比較し、最も有利な条件を選ぶことが重要です。

物件選びのポイントと収益性の見極め方

(1) 立地選定の重要性(駅近・賃貸需要の高いエリア)

マンション一棟買いで最も重要なのが立地選定です。

賃貸需要が高い立地:

  • 駅徒歩10分以内
  • 商業施設・学校・病院など生活利便施設が近い
  • 都心へのアクセスが良好

避けるべき立地:

  • 人口減少が著しいエリア
  • 駅から遠い(徒歩15分以上)
  • 周辺に空室の多い物件が目立つエリア

(2) 利回りの計算方法(表面利回り・実質利回り)

利回りは、物件の収益性を判断する重要な指標です。

表面利回り:

  • 計算式: 年間賃料収入 ÷ 物件価格 × 100
  • 目安: 5-8%が一般的

実質利回り:

  • 計算式: (年間賃料収入 − 年間経費)÷(物件価格 + 購入時諸費用)× 100
  • 年間経費: 管理費、修繕積立金、固定資産税、火災保険等
  • 実質利回りは表面利回りより2-3%低くなるのが一般的

(3) 建物状態の確認(修繕履歴・修繕積立金・将来の修繕計画)

購入前に、建物の状態を詳細に確認しましょう。

確認項目:

  • 過去の修繕履歴(外壁塗装、屋上防水、配管工事等)
  • 修繕積立金の残高
  • 今後5-10年の修繕計画と予算

修繕積立金が不足している場合、購入後に大規模な追加費用が発生するリスクがあります。

(4) デューデリジェンス(投資前の詳細調査)の実施

デューデリジェンスとは、投資前に物件を総合的に評価する詳細調査です。

調査項目:

  • 建物の構造・設備の状態
  • 収益性の分析(賃料相場、稼働率)
  • 法的リスクの確認(登記、用途地域等)
  • 周辺環境の調査(競合物件、賃貸需要)

専門家(不動産鑑定士、建築士)に依頼することで、リスクを最小限に抑えられます。

リスク管理と税務・法務上の注意点

(1) 空室リスクへの対策(賃貸需要の調査・管理会社の選定)

マンション一棟買いで最大のリスクが空室リスクです。

対策:

  • 賃貸需要が高いエリアを選ぶ
  • 適切な賃料設定(周辺相場を調査)
  • 信頼できる管理会社を選定
  • 定期的な修繕・リフォームで物件価値を維持

(2) 大規模修繕費用のリスク管理

大規模修繕費用は、収益計画に大きな影響を与えます。

対策:

  • 購入前に修繕履歴と今後の修繕計画を確認
  • 修繕積立金を適切に積み立てる
  • 修繕費用を実質利回りの計算に含める

(3) 不動産所得の計算と税負担(減価償却・必要経費)

国税庁によると、不動産所得は以下のように計算されます(2025年時点)。

不動産所得の計算式:

  • 不動産所得 = 賃料収入 − 必要経費

必要経費に含まれるもの:

  • 管理費、修繕費
  • 固定資産税、都市計画税
  • 減価償却費
  • 火災保険料
  • ローン利息(元本は除く)

減価償却:

  • 建物の価値減少を経費として計上できる制度
  • 税負担を軽減する効果がある

(4) 専門家(不動産鑑定士・税理士・FP)への相談の必要性

マンション一棟買いは高額な投資判断であり、専門家への相談が必須です。

相談すべき専門家:

  • 不動産鑑定士: 物件の適正価格評価
  • 税理士: 税務上の最適な投資スキーム設計
  • FP(ファイナンシャルプランナー): 資金計画の立案
  • 弁護士: 契約書のチェック、法的リスクの確認

まとめ:マンション一棟買い投資を成功させるために

マンション一棟買いは、収益性が高い一方で、初期投資額が大きく管理負担も増える投資手法です。成功のためには、立地選定、収益性の見極め、リスク管理が重要です。

初期費用は物件価格の25-40%程度(頭金20-30%+諸費用5-10%)が必要で、表面利回り5-8%が一般的な目安です。空室リスクを減らすためには、駅近・賃貸需要の高いエリアを選び、信頼できる管理会社と連携することが重要です。

税務・法務面では、不動産鑑定士・税理士・FPなどの専門家に相談しながら、無理のない投資計画を立てましょう。詳細な物件情報や融資条件については、複数の不動産会社・金融機関で比較検討することを推奨します。

広告

ノムコムが運営する不動産資料請求・見学予約キャンペーン【マンション】

広告

よくある質問

Q1マンション一棟買いの初期費用はどのくらい必要ですか?

A1物件価格に加え、諸費用(仲介手数料・登記費用・不動産取得税等)が物件価格の5-10%程度必要です。頭金は物件価格の20-30%が一般的です。例えば、物件価格が1億円の場合、頭金2,000-3,000万円+諸費用500-1,000万円で、合計2,500-4,000万円程度の初期資金が必要になります。

Q2利回りは何%以上が妥当ですか?

A2表面利回り5-8%が一般的です。実質利回りは管理費・修繕費等の経費を差し引いて計算し、表面利回りより2-3%低くなるのが一般的です。立地や築年数により利回りは大きく変動するため、表面利回りだけでなく実質利回りを確認し、総合的に判断することが重要です。

Q3融資を受ける際のローン審査で重視されるポイントは何ですか?

A3収益性の証明(想定賃料収入・稼働率)が最も重要です。周辺の賃料相場に基づく収入見込みや、入居率の実績・見込みを示す必要があります。また、建物の状態(築年数、修繕履歴)や立地、管理計画も審査対象となります。複数金融機関での比較検討を推奨します。

Q4空室リスクを減らすための対策は何ですか?

A4賃貸需要が高いエリア(駅徒歩10分以内・商業施設の近く)を選ぶことが基本です。信頼できる管理会社の選定、適切な賃料設定(周辺相場を調査)、定期的な修繕・リフォームによる物件価値の維持も重要です。複数戸から収入を得られる一棟買いの特性を活かし、リスクを分散できます。

Q5税務上の注意点は何ですか?

A5不動産所得として賃料収入から必要経費(管理費・修繕費・固定資産税・減価償却費等)を差し引いた金額に課税されます。減価償却により税負担を軽減できる効果があります。税制改正の可能性があるため、執筆時点(2025年)の情報を参考にしつつ、税理士への相談を推奨します。

R

Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

関連記事