イオン銀行の住宅ローンとは
住宅購入を検討する際、「どの銀行の住宅ローンを選べばいいのか」「イオン銀行の金利は他行と比べてどうなのか」と迷う方は少なくありません。住宅ローンは数千万円の借入となり、金利や手数料、審査基準、付帯サービスなど、多くの要素を比較検討する必要があります。
イオン銀行の住宅ローンは、イオングループでの買い物特典や365日営業の店舗での相談など、独自のメリットを持つ金融商品です。オリコン顧客満足度調査では、2019年~2024年まで6年連続で第1位を獲得しており、利用者からの評価が高いことが分かります。
この記事では、イオン銀行の住宅ローンの金利、手数料、メリット・デメリット、審査基準、メガバンク・ネット銀行との比較を解説します。自身のライフスタイルやニーズに合った住宅ローンを選べるようになります。
この記事のポイント
- イオン銀行の変動金利は0.78%~0.83%(2025年11月時点)で、物件価格の80%以下の借入で金利が低くなる
- イオングループでの買い物が毎日5%オフ+ポイントアップの特典があり、日常的にイオンを利用する家庭では大きな節約効果が期待できる
- 土日祝日、年末年始も含めて365日営業の店舗で相談でき、平日に仕事を休まずに手続きが可能
- 審査金利4%・返済比率45%で他行より基準が緩やかなため、他の銀行で否決された人も審査通過の可能性がある
- ネット銀行の中では金利水準がやや高く、イオンが生活圏内にない人にはメリットが少ない点に注意
イオン銀行の住宅ローンの金利と手数料
イオン銀行の住宅ローンの金利と手数料について、具体的に確認しましょう。
(1) 変動金利と固定金利プラン
イオン銀行の公式サイトによると、2025年11月時点の金利は以下の通りです。
金利プラン:
| 金利タイプ | 金利(年率) | 適用条件 |
|---|---|---|
| 変動金利 | 0.78% | 物件価格の80%以下の借入 |
| 変動金利 | 0.83% | 物件価格の80%超の借入 |
| 3年固定金利 | 1.33% | - |
| 5年固定金利 | 1.43% | - |
| 10年固定金利 | 1.83% | - |
金利の特徴:
- 変動金利: 市場金利に応じて定期的に見直される。物件価格の80%以下の借入で金利が低くなる(頭金20%以上)
- 固定金利: 3年、5年、10年の固定金利プランを提供。固定期間中は金利が変動しない
重要な注意点: 金利は市場動向により変動します。最新の金利はイオン銀行の公式サイトで確認してください。
(2) 保証料・繰上返済手数料0円
イオン銀行の住宅ローンでは、以下の手数料が0円です。
手数料0円の内容:
- 保証料: 住宅ローンの保証会社に支払う手数料(他行では数十万円かかることが多い)
- 一部繰上返済手数料: ローンを一部、予定より早く返済する際の手数料(1円から繰上返済可能)
これにより、総返済額を抑えることができます。
(3) 事務手数料の選択肢(定額型・定率型)
事務手数料は、住宅ローン契約時に金融機関に支払う手数料です。イオン銀行では2つのタイプから選べます。
事務手数料のタイプ:
| タイプ | 金額 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 定額型 | 110,000円(税込) | 初期費用を抑えたい人 |
| 定率型 | 借入額の2.20%(税込) | 長期的な総返済額を重視する人 |
例: 借入額3,000万円の場合
- 定額型: 110,000円
- 定率型: 3,000万円 × 2.20% = 660,000円
初期費用を抑えたい場合は定額型が有利です。
(4) 環境配慮型住宅の金利優遇
ZEH水準省エネ住宅等の環境配慮型住宅を購入する場合、金利が0.03%引き下げられます。
対象住宅:
- ZEH水準省エネ住宅
- 認定長期優良住宅
- 認定低炭素住宅
環境に配慮した住宅を検討している方は、この優遇制度を活用することで総返済額を抑えられます。
イオン銀行住宅ローンのメリット
イオン銀行の住宅ローンには、他行にはない独自のメリットがあります。
(1) イオングループでの買い物特典(毎日5%オフ)
イオン銀行の住宅ローンを利用すると、イオングループでの買い物が毎日5%オフ+ポイントアップになります。これは、日常的にイオンを利用する家庭にとって大きな節約効果が期待できる特典です。
買い物特典の内容:
- 毎日5%オフ: イオン、イオンスタイル、ダイエー、マックスバリュ等での買い物が5%オフ
- ポイントアップ: WAON POINTが通常よりも貯まりやすくなる
- 期間: 住宅ローン契約中はずっと適用
節約効果の試算:
例えば、月5万円をイオンで買い物する家庭の場合:
- 年間買い物額: 5万円 × 12ヶ月 = 60万円
- 5%オフ: 60万円 × 5% = 3万円
- 30年間の節約額: 3万円 × 30年 = 90万円
この特典だけで、数十万円~百万円の節約になる可能性があります。
(2) 365日営業の店舗で相談可能
イオン銀行の店舗は、土日祝日、年末年始、ゴールデンウィークも含めて365日営業しています。
365日営業のメリット:
- 平日に仕事を休まずに済む: 土日祝日に相談・手続きができる
- イオンモール内の店舗: 買い物のついでに立ち寄れる
- 夜間も対応: 一部店舗では夜21時まで営業
メガバンクや地方銀行は平日のみ営業していることが多く、仕事を休んで銀行に行く必要があります。イオン銀行なら、ライフスタイルに合わせて柔軟に相談できます。
(3) 事前審査最短即日回答
イオン銀行の住宅ローン事前審査は、最短即日回答です。また、免許証などの書類アップロードも不要なため、スピーディに審査結果を知ることができます。
事前審査のメリット:
- スピーディ: 最短即日で審査結果が分かる
- 書類不要: 免許証などのアップロード不要
- オンライン完結: スマホ・PCで申し込み可能
物件購入の意思決定を早く進めたい方や、複数の銀行を比較検討したい方に便利です。
(4) 審査基準が比較的緩やか
イオン銀行の審査基準は、他行と比較して比較的緩やかです。
審査基準の特徴:
- 審査金利: 4%(他行は3.5%~3.75%が多い)
- 返済比率: 45%(他行は35%~40%が多い)
- 前年度年収: 100万円以上
- 勤続年数: 6ヶ月以上
審査が通りやすい理由:
審査金利が高く、返済比率が緩いため、他の銀行で返済比率オーバーで否決や減額回答となった人でも、イオン銀行では審査が通る可能性があります。
注意: 審査基準は個別の状況により異なります。必ず公式サイトや窓口で確認してください。
(5) オリコン顧客満足度6年連続第1位
オリコン顧客満足度調査によると、イオン銀行は2019年~2024年まで6年連続で第1位を獲得しています(対面銀行部門・住宅ローン付帯サービス部門)。
高評価のポイント:
- 金利が安い
- 日曜日でも対応してくれる
- イオンでの買い物特典が大きなメリット
利用者からの評価が高く、安心して利用できる住宅ローンと言えます。
イオン銀行住宅ローンのデメリットと注意点
イオン銀行の住宅ローンにはメリットが多い一方、デメリットや注意点もあります。
(1) ネット銀行の中では金利水準がやや高い
イオン銀行の変動金利は0.78%~0.83%(2025年11月時点)ですが、ネット銀行の中では金利水準がやや高い部類に入ります。
他のネット銀行との比較例:
| 銀行名 | 変動金利(年率) | 備考 |
|---|---|---|
| イオン銀行 | 0.78%~0.83% | 買い物特典あり |
| 他のネット銀行A | 0.3%台~ | 買い物特典なし |
| 他のネット銀行B | 0.4%台~ | 買い物特典なし |
金利の低さを最優先する場合の対応:
金利の低さを最優先する場合は、他のネット銀行も比較検討することを推奨します。ただし、イオンでの買い物特典を考慮すると、総合的なメリットは大きい可能性があります。
(2) 期間固定金利は10年まで
イオン銀行の固定金利プランは、3年、5年、10年の3種類です。10年を超える長期固定金利プランはありません。
長期固定金利を希望する場合の対応:
- フラット35: 住宅金融支援機構の長期固定金利プラン(最長35年)
- 他の銀行: 15年、20年、35年固定金利プランを提供している銀行もある
長期固定金利を希望する場合は、フラット35や他の銀行も検討しましょう。
(3) イオンが生活圏内にない人にはメリットが少ない
イオン銀行住宅ローンの最大のメリットは、イオングループでの買い物特典です。しかし、生活圏内にイオンがない場合、この特典のメリットを感じにくくなります。
イオンが近くにない場合の対応:
- 他のネット銀行や地方銀行を検討する
- 金利の低さや手数料、審査基準など、他の要素を重視する
イオン銀行の住宅ローン審査基準と他行との比較
イオン銀行の住宅ローン審査基準と、他行との比較を確認しましょう。
(1) 審査金利4%・返済比率45%の基準
イオン銀行の審査基準は、他行と比較して比較的緩やかです。
イオン銀行の審査基準:
- 審査金利: 4%
- 返済比率: 45%
他行の審査基準(一般的):
- 審査金利: 3.5%~3.75%
- 返済比率: 35%~40%
審査金利・返済比率の意味:
- 審査金利: 金融機関が返済能力を審査する際に使用する金利。実際の適用金利ではなく、返済能力を評価するための仮想金利
- 返済比率: 年収に対する年間返済額の割合。イオン銀行では45%まで認められている
例: 年収500万円の場合
- 年間返済額の上限: 500万円 × 45% = 225万円
- 月間返済額の上限: 225万円 ÷ 12ヶ月 = 18.75万円
他行で返済比率35%の場合、月間返済額の上限は14.58万円となり、イオン銀行の方が借入可能額が大きくなります。
(2) 申込条件(年収・勤続年数)
イオン銀行の公式サイトによると、申込条件は以下の通りです。
申込条件:
- 前年度年収: 100万円以上
- 勤続年数: 6ヶ月以上
- 借入時年齢: 18歳以上71歳未満
- 完済時年齢: 80歳未満
メガバンクでは、年収300万円以上、勤続年数1年以上が条件のことが多いため、イオン銀行の方が申込のハードルが低いと言えます。
(3) メガバンク・ネット銀行との比較
イオン銀行、メガバンク、他のネット銀行の特徴を比較します。
比較表:
| 項目 | イオン銀行 | メガバンク | 他のネット銀行 |
|---|---|---|---|
| 変動金利 | 0.78%~0.83% | 0.5%~1.0% | 0.3%~0.5% |
| 買い物特典 | イオン5%オフ | なし | なし |
| 営業時間 | 365日営業 | 平日のみ | オンラインのみ |
| 審査基準 | 比較的緩やか | 厳しめ | 銀行により異なる |
| 保証料 | 0円 | 数十万円 | 0円が多い |
| 事務手数料 | 定額型110,000円または定率型2.20% | 数万円~ | 定率型2.20%が多い |
使い分け:
- イオンをよく利用する: イオン銀行
- 金利の低さを最優先: 他のネット銀行
- 対面での相談を重視: メガバンクまたはイオン銀行
まとめ:イオン銀行の住宅ローンが向いている人・向いていない人
イオン銀行の住宅ローンは、変動金利0.78%~0.83%(2025年11月時点)で、イオングループでの買い物が毎日5%オフ+ポイントアップの特典があります。365日営業の店舗で相談でき、事前審査は最短即日回答、審査金利4%・返済比率45%で他行より基準が緩やかです。
オリコン顧客満足度調査で6年連続第1位を獲得しており、利用者からの評価が高い住宅ローンです。ただし、ネット銀行の中では金利水準がやや高く、期間固定金利は10年まで、イオンが生活圏内にない人にはメリットが少ない点に注意が必要です。
イオン銀行の住宅ローンが向いている人:
- 日常的にイオンで買い物をする
- 土日祝日や夜間に住宅ローンの相談をしたい
- 他行で返済比率オーバーで否決された経験がある
- イオンモールが生活圏内にある
イオン銀行の住宅ローンが向いていない人:
- 金利の低さを最優先する
- 10年を超える長期固定金利プランを希望する
- イオンが生活圏内になく、買い物特典のメリットが少ない
住宅ローンは数千万円の借入となり、金利や手数料、審査基準、付帯サービスなど、多くの要素を比較検討する必要があります。複数の金融機関を比較し、ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談した上で、自身のライフスタイルやニーズに合った住宅ローンを選びましょう。最新の金利や詳細は、イオン銀行の公式サイトでご確認ください。
