住宅ローン審査に源泉徴収票が必要な理由とは?見られる項目を解説

公開日: 2025/11/11

住宅ローン審査に源泉徴収票が必要な理由とは

住宅ローンの申込を検討している方の中には、「なぜ源泉徴収票が必要なのか」「どの項目が審査に影響するのか」と疑問に思う方もいるでしょう。

源泉徴収票は、年収の正確な確認、返済能力の判断、勤務先・雇用形態の確認のために、住宅ローン審査で必須の書類です。金融機関は、源泉徴収票に記載された情報をもとに、申込者の返済能力を客観的に評価します。

この記事では、住宅ローン審査における源泉徴収票の役割、審査で特に見られる項目、必要年数、紛失時の対処法を、国税庁や金融庁の公式情報を元に解説します。

この記事のポイント

  • 源泉徴収票は年収の正確な確認、返済能力の判断、勤務先の確認に使用される
  • 審査で特に見られる項目は、支払金額(年収)、源泉徴収税額、社会保険料、扶養親族の数
  • 必要年数は直近1年分が基本、転職・収入変動が大きい場合は2-3年分
  • 紛失時は勤務先の経理・人事部門に再発行依頼(無料、1-2週間程度)
  • 副業収入は源泉徴収票に記載されないため、別途確定申告書の提出が必要な場合がある

源泉徴収票が必要な理由

住宅ローン審査で源泉徴収票が必要な理由は、以下の3点です。

年収の正確な確認(自己申告ではなく客観的証明)

申込書に記載された年収が正確かどうかを、公的書類である源泉徴収票で確認します。自己申告だけでは信頼性に欠けるため、客観的な証明として源泉徴収票が求められます。

返済能力の判断(返済比率の計算に使用)

年収をもとに返済比率(年収に対する年間返済額の割合)を計算し、無理なく返済できるかを判断します。一般的に、返済比率は30-35%以内が目安とされています。

勤務先・雇用形態の確認(在籍確認の一環)

源泉徴収票には勤務先の名称・所在地が記載されており、在籍確認の一環として利用されます。正社員か契約社員かといった雇用形態も、審査で考慮されます。

審査で見られる源泉徴収票の項目

住宅ローン審査では、源泉徴収票の以下の項目が特に重視されます。

支払金額(年収、審査の最重要項目)

支払金額は、税込年収(控除前)を示す最重要項目です。住宅ローン審査では、この金額をベースに返済比率を計算します。

源泉徴収税額(年収の裏付け)

1年間に勤務先が給与から天引きして国に納めた所得税の合計額です。年収が高いほど税額が大きくなるため、年収の裏付けとして参照されます。

社会保険料(給与からの正規控除を確認)

健康保険・厚生年金保険・雇用保険の合計額です。給与からの正規控除を確認し、申告年収の信頼性を裏付ける項目です。

扶養親族の数(返済余力に影響)

配偶者・子供等の扶養家族の人数です。扶養人数が多いほど生活費が大きく、返済余力が減ると判断される場合があります。

勤務先の名称・所在地(在籍確認)

勤務先の名称・所在地が記載されており、在籍確認の一環として利用されます。

項目 内容 審査での役割
支払金額 税込年収 返済比率計算の基礎
源泉徴収税額 天引きされた所得税 年収の裏付け
社会保険料 健康保険・年金等 正規控除の確認
扶養親族の数 配偶者・子供等 返済余力の判断
勤務先 会社名・所在地 在籍確認

源泉徴収票は何年分必要か

住宅ローン審査で必要な源泉徴収票の年数は、状況により異なります。

直近1年分(基本)

多くの金融機関では、直近1年分の源泉徴収票が基本です。現在の年収を確認するために使用されます。

直近2-3年分(年収の安定性確認、転職・収入変動が大きい場合)

転職したばかりの場合や、年収が大きく変動している場合は、直近2-3年分の源泉徴収票の提出を求められることがあります。これは、年収の安定性を確認するためです。

源泉徴収票を紛失した場合の対処法

源泉徴収票を紛失した場合は、以下の方法で再発行できます。

勤務先の経理・人事部門に再発行依頼(無料、1-2週間程度)

勤務先の経理・人事部門に依頼すれば、無料で再発行してもらえます。再発行には1-2週間程度かかる場合があるため、早めに依頼してください。

退職済みの場合も前勤務先に依頼可能

退職済みの場合でも、前勤務先に依頼すれば再発行してもらえます。連絡先が分からない場合は、管轄の税務署で「源泉徴収票の不交付の届出書」を提出することで、税務署から勤務先に指導が入ります。

源泉徴収票と確定申告書の違い

給与所得者は源泉徴収票、個人事業主は確定申告書を提出します。

給与所得者は源泉徴収票

会社員・公務員等の給与所得者は、源泉徴収票を提出します。

個人事業主は確定申告書(3期分)

個人事業主・フリーランスは、確定申告書(直近3期分)を提出します。事業所得の安定性を確認するため、3期分が求められることが一般的です。

まとめ:源泉徴収票は住宅ローン審査の必須書類

源泉徴収票は、年収の正確な確認、返済能力の判断、勤務先の確認のために、住宅ローン審査で必須の書類です。

審査では、支払金額(年収)、源泉徴収税額、社会保険料、扶養親族の数が特に重視されます。紛失した場合は、勤務先に再発行を依頼してください。

住宅ローンの申込前に、源泉徴収票を確認し、必要な書類を準備しておきましょう。

よくある質問

Q1源泉徴収票はいつ発行されますか?

A1源泉徴収票は、1年間(1月1日〜12月31日)の給与・賞与の総額と天引きされた所得税額を記載した書類で、毎年12月〜翌年1月に勤務先から発行されます。年末調整後に配布されるため、遅くとも1月末までには受け取れます。

Q2副業収入は源泉徴収票に影響しますか?

A2副業収入が給与所得の場合、副業先からも源泉徴収票が発行されます。住宅ローン審査では、本業と副業の両方の源泉徴収票を提出し、合算した年収で審査されます。副業が事業所得の場合は、確定申告書の提出が必要です。

Q3確定申告書でも代用できますか?

A3給与所得者で確定申告を行っている場合(副業収入がある、医療費控除を受けている等)、確定申告書を追加で提出することがあります。ただし、源泉徴収票の代わりにはならないため、両方の提出を求められることが一般的です。個人事業主は確定申告書(3期分)を提出します。

Q4転職したばかりですが、前職の源泉徴収票も必要ですか?

A4転職したばかりの場合、現職の給与が少ないため、前職の源泉徴収票も提出を求められることがあります。これは、年収の安定性を確認するためです。前職の源泉徴収票が手元にない場合は、前勤務先に再発行を依頼してください。