固定資産税のおすすめ支払い方法|ポイント還元率で比較する6つの納付手段

公開日: 2025/11/4

固定資産税の6つの納付方法

固定資産税の納付方法は、年々多様化しています。「クレジットカードやスマホ決済でポイントが貯まる」と聞いたことがある方も多いでしょう。しかし、決済手数料や還元率の違いを理解していないと、逆に損をする可能性があります。

この記事では、固定資産税の6つの納付方法を手数料・ポイント還元率・手軽さで比較し、自分に合った最適な納付方法を選べるよう、総務省や各決済サービス事業者の公式情報を元に詳しく解説します。

納付方法の選び方を理解し、少しでもお得に固定資産税を納められるようになります。

この記事のポイント

  • 固定資産税の納付方法は窓口、口座振替、コンビニ、クレジットカード、スマホ決済、ペイジーの6つ
  • クレジットカード納付は決済手数料(1万円あたり約80円)が発生、還元率1.0%以上なら得になる可能性
  • スマホ決済は手数料無料が多く、クレジットカードチャージ経由で0.5-1.5%還元が主流(2025年時点)
  • 自治体により対応する決済方法が異なるため、納税通知書や自治体ホームページで確認が必須
  • 損益分岐点を計算し、総合的に判断することが重要

固定資産税の納付方法は、2023年4月に導入された地方税統一QRコード(eL-QR)により、多様化しました。以下の6つの方法から選択できます。

  1. 窓口納付: 市区町村・金融機関の窓口で現金納付
  2. 口座振替: 金融機関口座から自動引落
  3. コンビニ納付: コンビニエンスストアで24時間納付可能
  4. クレジットカード納付: インターネット経由でクレジットカード決済
  5. スマホ決済: PayPay、LINE Pay、楽天ペイ等のスマホ決済アプリ
  6. ペイジー: ATM・インターネットバンキング経由の納付

ただし、自治体により対応する決済方法が異なります。納税通知書に記載されたQRコードや自治体ホームページで、利用可能な納付方法を必ず確認してください。

(参考: 総務省 地方税統一QRコード制度

各方法を詳細比較

窓口納付(市区町村・金融機関)

特徴:

  • 市区町村の窓口または指定金融機関で現金納付
  • 手数料無料
  • ポイント還元なし
  • 平日日中のみ営業(一部土曜日営業あり)

メリット:

  • 決済手数料がかからない
  • 領収書が即座に発行される
  • 窓口で相談しながら納付できる

デメリット:

  • 平日日中に窓口に行く必要がある
  • 混雑時は待ち時間が長い
  • ポイント還元がない

おすすめの人: 平日日中に時間が取れる、領収書を即座に受け取りたい、ポイント還元にこだわらない

口座振替

特徴:

  • 金融機関口座から納期限に自動引落
  • 手数料無料
  • ポイント還元なし
  • 事前に口座振替の申込が必要

メリット:

  • 納め忘れを防止できる
  • 決済手数料がかからない
  • 納付の手間がかからない

デメリット:

  • ポイント還元がない
  • 口座残高不足で引落不能になるリスク
  • 一度設定すると、変更手続きが必要

おすすめの人: 納め忘れを防ぎたい、毎年同じ方法で納付したい、ポイント還元にこだわらない

コンビニ納付

特徴:

  • 全国のコンビニエンスストアで24時間納付可能
  • 手数料無料
  • ポイント還元なし
  • 納付書の金額が30万円以下の場合のみ利用可能

メリット:

  • 24時間いつでも納付できる
  • 決済手数料がかからない
  • 自宅や職場近くのコンビニで納付可能

デメリット:

  • ポイント還元がない
  • 30万円を超える納付書は利用不可
  • 現金納付のみ(一部コンビニでは電子マネー可)

おすすめの人: 24時間営業の利便性を重視、30万円以下の納付書、ポイント還元にこだわらない

クレジットカード納付

特徴:

  • インターネット経由でクレジットカード決済
  • 決済手数料が発生(1万円あたり約80円)
  • カードのポイント還元率により得or損が変わる
  • 24時間納付可能

決済手数料:

納付額 決済手数料(目安)
1万円 約80円
5万円 約400円
10万円 約800円
20万円 約1,600円

(参考: 三菱UFJニコス クレジットカード納付の解説

損益分岐点の計算例:

固定資産税10万円をクレジットカード(還元率1.0%)で納付する場合:

  • 決済手数料: 800円
  • ポイント還元: 10万円 × 1.0% = 1,000円
  • 差引: +200円の得

還元率0.5%のカードの場合:

  • 決済手数料: 800円
  • ポイント還元: 10万円 × 0.5% = 500円
  • 差引: -300円の損

一般的な損益分岐点: 還元率1.0%以上なら得、0.8%以下なら損する可能性があります。

注意点:

  • 自治体により上限額がある(30-100万円)
  • 一部のクレジットカードは税金・公共料金でポイント付与対象外
  • 還元率が半減するカードもある(例:通常1.0%→税金0.5%)

クレジットカードで納付する前に、カード会社の規約を確認してください。

おすすめの人: 還元率1.0%以上のクレジットカードを保有、ポイント還元を最大化したい

スマホ決済(PayPay、LINE Pay、楽天ペイ等)

特徴:

  • スマホ決済アプリで納付書のQRコードを読み取り決済
  • 手数料無料が多い(2025年時点)
  • クレジットカードチャージ経由で0.5-1.5%還元が主流
  • 24時間納付可能

2025年時点の状況:

2024年にスマホ決済各社の直接還元(PayPayボーナス等)がほぼ終了しました。現在は、クレジットカードでスマホ決済アプリにチャージし、カードのポイントを獲得する方法が主流です。

主なスマホ決済サービス:

サービス 手数料 還元方法
PayPay 無料 クレジットカードチャージで0.5-1.0%還元
LINE Pay 無料 Visa LINE Payカードで0.5-1.0%還元
楽天ペイ 無料 楽天カードチャージで1.0%還元
au PAY 無料 auカードチャージで1.0%還元

(参考: 2025年固定資産税の最もお得な支払い方法

損益計算例:

固定資産税10万円を楽天ペイ(楽天カードチャージ、還元率1.0%)で納付する場合:

  • 決済手数料: 0円
  • ポイント還元: 10万円 × 1.0% = 1,000円
  • 差引: +1,000円の得

スマホ決済は手数料無料のため、クレジットカード納付より有利です。

注意点:

  • 自治体により対応するスマホ決済サービスが異なる
  • チャージ上限額がある(1回30万円等)
  • クレジットカードチャージに対応していないサービスもある

納税通知書のQRコード(eL-QR)対応状況を確認してください。

おすすめの人: スマホ決済アプリを日常的に使用、クレジットカードチャージ経由で還元を受けたい、手数料無料でポイントを貯めたい

ペイジー

特徴:

  • ATM・インターネットバンキング経由で納付
  • 手数料無料(金融機関により異なる)
  • ポイント還元なし
  • 24時間納付可能(インターネットバンキングの場合)

メリット:

  • 決済手数料がかからない(一部金融機関を除く)
  • ATMやインターネットバンキングで24時間納付可能
  • 口座から直接引落のため安全

デメリット:

  • ポイント還元がない
  • 一部金融機関は手数料が発生する場合がある

おすすめの人: インターネットバンキングを日常的に使用、ポイント還元にこだわらない、安全性を重視

納付方法の選び方(比較表)

納付方法 手数料 ポイント還元 24時間納付 おすすめ度
窓口納付 無料 なし × ★★☆☆☆
口座振替 無料 なし 自動 ★★★☆☆
コンビニ納付 無料 なし ★★★☆☆
クレジットカード 約0.8% 0.5-1.5% ★★★★☆
スマホ決済 無料 0.5-1.5% ★★★★★
ペイジー 無料 なし ★★★☆☆

おすすめ順位:

  1. スマホ決済(クレジットカードチャージ経由): 手数料無料+ポイント還元で最もお得
  2. クレジットカード(還元率1.0%以上): ポイント還元で得になる可能性
  3. 口座振替: 納め忘れ防止、手数料無料
  4. コンビニ納付: 24時間対応、手数料無料
  5. ペイジー: インターネットバンキング利用者向け
  6. 窓口納付: 平日日中のみ、ポイント還元なし

納付時の注意点

自治体により対応方法が異なる

全ての自治体が6つの納付方法に対応しているわけではありません。納税通知書に記載された納付方法、または自治体ホームページで確認してください。

納期限を過ぎた場合

納期限を過ぎると、延滞金が発生します。延滞金の利率は自治体により異なりますが、年率2.4-14.6%程度です。ポイント還元以上に損失が大きいため、必ず納期限内に納付してください。

領収書が必要な場合

クレジットカード・スマホ決済・ペイジーでは、領収書が発行されません。領収書が必要な場合(確定申告等)は、窓口納付またはコンビニ納付を選択してください。

税金はポイント付与対象外のカードもある

一部のクレジットカードは、税金・公共料金でポイント付与対象外、または還元率が半減します。カード会社の規約を事前に確認してください。

(参考: 固定資産税のクレジットカード納付方法

まとめ

固定資産税の納付方法は、窓口、口座振替、コンビニ、クレジットカード、スマホ決済、ペイジーの6つから選択できます。

2025年時点では、スマホ決済(クレジットカードチャージ経由)が最もお得です。手数料無料でポイント還元0.5-1.5%を受けられるためです。次いで、クレジットカード納付(還元率1.0%以上)が有利ですが、決済手数料(1万円あたり約80円)を考慮して損益分岐点を計算してください。

自治体により対応する決済方法が異なるため、納税通知書や自治体ホームページで確認が必須です。損益分岐点を計算し、自分に合った納付方法を選びましょう。

よくある質問

Q1クレジットカード納付の決済手数料はいくらですか?

A11万円あたり約80円(税込)が目安です。自治体により異なりますが、eLTAXの場合は82-83円です。固定資産税10万円なら約800円、20万円なら約1,600円の決済手数料が発生します。還元率1.0%以上のクレジットカードなら、ポイント還元で決済手数料を上回り、得になる可能性があります。還元率0.8%以下のカードでは損する可能性があるため、事前に計算してください。

Q2スマホ決済でポイントは貯まりますか?

A22025年時点では、スマホ決済の直接還元(PayPayボーナス等)はほぼ終了しています。現在はクレジットカードでスマホ決済アプリにチャージし、カードのポイントを獲得する方法が主流です。楽天ペイ(楽天カードチャージ)で1.0%還元、PayPay(PayPayカードチャージ)で0.5-1.0%還元が一般的です。手数料無料のため、クレジットカード納付より有利です。

Q3どの納付方法が一番お得ですか?

A32025年時点では、スマホ決済(クレジットカードチャージ経由)が最もお得です。手数料無料でポイント還元0.5-1.5%を受けられます。次いで、クレジットカード納付(還元率1.0%以上)が有利ですが、決済手数料を考慮して損益分岐点を計算してください。ただし、自治体により対応する決済方法が異なるため、納税通知書や自治体ホームページで確認が必須です。

Q4領収書は発行されますか?

A4窓口納付とコンビニ納付では即座に領収書が発行されます。一方、クレジットカード・スマホ決済・ペイジーでは領収書が発行されません。領収書が必要な場合(確定申告等)は、窓口納付またはコンビニ納付を選択してください。口座振替の場合は、引落通知書が送付されますが、領収書とは異なります。

Q5納期限を過ぎた場合はどうなりますか?

A5納期限を過ぎると、延滞金が発生します。延滞金の利率は自治体により異なりますが、年率2.4-14.6%程度です。ポイント還元以上に損失が大きいため、必ず納期限内に納付してください。納期限を過ぎた場合、コンビニ納付・スマホ決済が利用できなくなる場合があります。窓口納付または口座振替で納付することになります。