固定資産税4期分の納付期限はいつ?納付方法と延滞防止

公開日: 2025/10/26

固定資産税4期分の納付期限とは|市区町村により異なる重要なポイント

不動産を所有している方で、「固定資産税の4期分はいつまでに払えばいいの?」と疑問に思う方は少なくありません。

この記事では、固定資産税4期分の納付期限、市区町村による違い、納付方法、延滞を防ぐコツを、総務省や各自治体の公式情報を元に解説します。

納税通知書の見方を理解し、延滞を防ぐ方法を把握することで、安心して納付できるようになります。

この記事のポイント

  • 固定資産税の納期は市区町村条例で定められ、全国共通ではない
  • 一般的な納期は東京23区が6月・9月・12月・2月、大阪市が4月・7月・12月・2月など
  • 4期分は通常2月末〜3月上旬が多いが、必ず納税通知書で確認する必要がある
  • 延滞すると延滞金(2024年は1か月まで2.4%、以降8.7%)が発生
  • 口座振替、クレジットカード払い、スマホ決済を活用することで延滞を防げる

固定資産税の納期とは|市区町村による違い

固定資産税の納期は、地方税法により「市町村が条例で定める」とされており、全国共通ではありません。

市区町村による納期の違い

多くの市区町村では、年4回の分割納付を採用しています。

一般的な納期の例を示します。

市区町村 1期 2期 3期 4期
東京23区 6月末 9月末 12月末 2月末
大阪市 4月末 7月末 12月末 2月末
横浜市 4月末 7月末 12月末 2月末
名古屋市 4月末 7月末 12月末 2月末
札幌市 5月末 7月末 9月末 12月末

このように、市区町村により納期が大きく異なります。

(参考: 総務省 - 固定資産税東京都主税局大阪市

4期分の納付期限の傾向

4期分の納付期限は、多くの自治体で2月末〜3月上旬に設定されています。

  • 東京23区: 2月末
  • 大阪市: 2月末
  • 横浜市: 2月末
  • 札幌市: 12月末(札幌市は4期が12月末)

ただし、自治体により異なるため、必ず納税通知書で確認してください。

納税通知書の見方|納付期限を正確に確認する方法

固定資産税の納税通知書は、毎年4〜5月に市区町村から郵送されます。

納税通知書に記載されている情報

納税通知書には、以下の情報が記載されています。

  • 年税額: 固定資産税・都市計画税の年間合計額
  • 納期: 1期〜4期の納付期限
  • 各期の納付額: 1期〜4期それぞれの納付額
  • 納付書: 各期の納付書(4枚)または年一括払い用の納付書(1枚)

納付期限の確認方法

納税通知書の納付書に、各期の納付期限が記載されています。

確認すべきポイント

  • 4期分の納付期限(通常2月末〜3月上旬)
  • 納付期限が土日祝日の場合、翌営業日が期限になる

納付期限を過ぎると延滞金が発生するため、必ず期限内に納付してください。

固定資産税の納付方法|口座振替・クレジットカード払い・スマホ決済

固定資産税の納付方法は、以下の選択肢があります。

納付書払い(金融機関・コンビニ)

最も一般的な納付方法です。

  • 金融機関: 銀行、郵便局の窓口で納付
  • コンビニエンスストア: セブンイレブン、ファミリーマート等で納付
  • メリット: 領収証書が発行される
  • デメリット: 毎回窓口に行く手間がかかる

コンビニ納付は24時間可能ですが、納付書にバーコードが印刷されている必要があります。

口座振替(自動引き落とし)

指定した銀行口座から自動引き落としされる方法です。

  • メリット: 納付忘れを防げる、手間がかからない
  • デメリット: 領収証書が発行されない、納税証明書が必要な場合は市区町村で取得が必要

口座振替の申込みは、市区町村の窓口または金融機関で受付けています。申込みから登録まで1〜2ヶ月かかるため、早めに手続きすることをおすすめします。

クレジットカード払い(ポイント還元)

クレジットカードで納付する方法です。

  • メリット: ポイント還元、24時間納付可能
  • デメリット: 決済手数料がかかる(1万円あたり約80円)、領収証書が発行されない

ポイント還元率が決済手数料を上回る場合は、クレジットカード払いが得になります。

(還元率1%のカードで10万円納付する場合)

  • ポイント還元: 1,000円相当
  • 決済手数料: 約800円
  • 差額: +200円得

(参考: JCBカード - 固定資産税はクレジットカード払いできる?

スマホ決済(PayPay・LINE Pay等)

スマートフォンアプリで納付する方法です。

  • メリット: 24時間納付可能、手数料無料、ポイント還元(PayPayボーナス等)
  • デメリット: 領収証書が発行されない、納付書にバーコードが必要

自治体により対応しているスマホ決済サービスが異なるため、納税通知書で確認してください。

納付期限を過ぎた場合のペナルティ|延滞金の計算方法と税率

納付期限を過ぎると、延滞金が発生します。

延滞金の計算方法と税率

延滞金は、納期限の翌日から発生します。

延滞金の税率(2024年)

期間 税率
納期限翌日から1か月まで 年2.4%
1か月経過後 年8.7%

延滞金の税率は毎年変動するため、最新の税率は市区町村の公式サイトで確認してください。

(参考: auPAY - 固定資産税を払い忘れるとどうなる?

延滞金の計算例

(税額10万円、納期限から2か月後に納付した場合)

  • 1か月目の延滞金: 10万円 × 2.4% × (30日 ÷ 365日) = 約197円
  • 2か月目の延滞金: 10万円 × 8.7% × (30日 ÷ 365日) = 約716円
  • 合計延滞金: 約913円

延滞期間が長くなるほど、延滞金が高額になります。

督促状・差押えのリスク

納付期限を過ぎると、以下の流れでペナルティが課されます。

  1. 延滞金の発生(納期限翌日から)
  2. 督促状の送付(納期限から20日以内)
  3. 財産調査(督促状を無視した場合)
  4. 財産差押え(預金、給与、不動産等)

督促状が届いた場合は、すぐに市区町村の税務課に連絡し、分納等の相談をすることをおすすめします。

延滞を防ぐための4つの方法

固定資産税の延滞を防ぐために、以下の方法を活用してください。

1. 口座振替の設定

口座振替を設定することで、納付忘れを防げます。

  • 市区町村の窓口または金融機関で申込み
  • 申込みから登録まで1〜2ヶ月かかるため早めに手続き

2. クレジットカード払いの活用

クレジットカード払いを利用することで、以下のメリットがあります。

  • 24時間納付可能
  • ポイント還元で実質的な負担軽減
  • 納付を忘れても、カード会社から督促が来る

3. スマホ決済の活用

スマホ決済(PayPay・LINE Pay等)を利用することで、以下のメリットがあります。

  • 24時間納付可能
  • 手数料無料
  • ポイント還元

4. 年一括払いの検討

一部の自治体では、年一括払いで割引が受けられる場合があります。

  • 前納報奨金制度: 年一括払いで数%の割引(ただし、廃止されている自治体が多い)

年一括払いで割引があるかどうかは、市区町村の公式サイトで確認してください。

よくある疑問|4期分の納付に関するQ&A

口座振替からクレジットカード払いに変更できますか?

可能です。ただし、口座振替の停止手続きが必要です。

  • 市区町村の窓口または金融機関で口座振替の停止を申請
  • 停止が完了するまで1〜2ヶ月かかる場合がある
  • 停止完了後、クレジットカード払いに切替え

(参考: 三井住友VISAカード - 固定資産税をクレジットカードで支払い可能?

納税通知書を紛失した場合はどうすればいいですか?

市区町村の税務課に連絡し、再発行を依頼してください。

  • 再発行には数日〜1週間かかる場合がある
  • 納付期限が近い場合は、窓口で直接納付することも可能

年一括払いすると割引はありますか?

自治体により異なります。

  • 前納報奨金制度がある自治体は少ない(多くの自治体で廃止)
  • 割引がない場合でも、納付忘れを防ぐメリットがある

年一括払いの割引の有無は、市区町村の公式サイトで確認してください。

まとめ|固定資産税4期分の納付を忘れずに

固定資産税の納期は市区町村条例で定められており、全国共通ではありません。

4期分の納付期限は、多くの自治体で2月末〜3月上旬ですが、必ず納税通知書で確認してください。

延滞を防ぐためには、口座振替、クレジットカード払い、スマホ決済を活用することをおすすめします。

納付期限を過ぎると延滞金(2024年は1か月まで2.4%、以降8.7%)が発生し、督促状や財産差押えのリスクもあるため、必ず期限内に納付しましょう。

よくある質問

Q1固定資産税の4期分を払い忘れたらどうなりますか?

A1納期限翌日から延滞金が発生します。2024年の延滞金は、1か月まで年2.4%、1か月経過後は年8.7%です。督促状が送付され、放置すると財産差押え(預金、給与、不動産等)のリスクがあります。払い忘れに気づいたら、すぐに市区町村の税務課に連絡し、分納等の相談をすることをおすすめします。分納に応じてもらえる場合があります。

Q2固定資産税を年一括払いすると割引はありますか?

A2自治体により異なります。前納報奨金制度がある自治体は少なく、多くの自治体で廃止されています。割引がない場合でも、年一括払いには納付忘れを防ぐメリットがあります。年一括払いの割引の有無は、市区町村の公式サイトまたは納税通知書で確認してください。割引がない場合は、4期に分けて納付した方が資金繰りが楽になります。

Q3口座振替からクレジットカード払いに変更できますか?

A3可能ですが、口座振替の停止手続きが必要です。市区町村の窓口または金融機関で口座振替の停止を申請してください。停止が完了するまで1〜2ヶ月かかる場合があるため、早めに手続きすることをおすすめします。停止完了後、クレジットカード払いに切替えることができます。クレジットカード払いは、ポイント還元や24時間納付可能なメリットがあります。

Q4納税通知書を紛失した場合はどうすればいいですか?

A4市区町村の税務課に連絡し、再発行を依頼してください。再発行には数日〜1週間かかる場合があります。納付期限が近い場合は、窓口で直接納付することも可能です。再発行の際には、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)が必要になる場合があるため、事前に市区町村に確認することをおすすめします。