固定資産税4期分の納付期限とは|市区町村により異なる重要なポイント
不動産を所有している方で、「固定資産税の4期分はいつまでに払えばいいの?」と疑問に思う方は少なくありません。
この記事では、固定資産税4期分の納付期限、市区町村による違い、納付方法、延滞を防ぐコツを、総務省や各自治体の公式情報を元に解説します。
納税通知書の見方を理解し、延滞を防ぐ方法を把握することで、安心して納付できるようになります。
この記事のポイント
- 固定資産税の納期は市区町村条例で定められ、全国共通ではない
- 一般的な納期は東京23区が6月・9月・12月・2月、大阪市が4月・7月・12月・2月など
- 4期分は通常2月末〜3月上旬が多いが、必ず納税通知書で確認する必要がある
- 延滞すると延滞金(2024年は1か月まで2.4%、以降8.7%)が発生
- 口座振替、クレジットカード払い、スマホ決済を活用することで延滞を防げる
固定資産税の納期とは|市区町村による違い
固定資産税の納期は、地方税法により「市町村が条例で定める」とされており、全国共通ではありません。
市区町村による納期の違い
多くの市区町村では、年4回の分割納付を採用しています。
一般的な納期の例を示します。
| 市区町村 | 1期 | 2期 | 3期 | 4期 | 
|---|---|---|---|---|
| 東京23区 | 6月末 | 9月末 | 12月末 | 2月末 | 
| 大阪市 | 4月末 | 7月末 | 12月末 | 2月末 | 
| 横浜市 | 4月末 | 7月末 | 12月末 | 2月末 | 
| 名古屋市 | 4月末 | 7月末 | 12月末 | 2月末 | 
| 札幌市 | 5月末 | 7月末 | 9月末 | 12月末 | 
このように、市区町村により納期が大きく異なります。
(参考: 総務省 - 固定資産税、東京都主税局、大阪市)
4期分の納付期限の傾向
4期分の納付期限は、多くの自治体で2月末〜3月上旬に設定されています。
- 東京23区: 2月末
- 大阪市: 2月末
- 横浜市: 2月末
- 札幌市: 12月末(札幌市は4期が12月末)
ただし、自治体により異なるため、必ず納税通知書で確認してください。
納税通知書の見方|納付期限を正確に確認する方法
固定資産税の納税通知書は、毎年4〜5月に市区町村から郵送されます。
納税通知書に記載されている情報
納税通知書には、以下の情報が記載されています。
- 年税額: 固定資産税・都市計画税の年間合計額
- 納期: 1期〜4期の納付期限
- 各期の納付額: 1期〜4期それぞれの納付額
- 納付書: 各期の納付書(4枚)または年一括払い用の納付書(1枚)
納付期限の確認方法
納税通知書の納付書に、各期の納付期限が記載されています。
確認すべきポイント
- 4期分の納付期限(通常2月末〜3月上旬)
- 納付期限が土日祝日の場合、翌営業日が期限になる
納付期限を過ぎると延滞金が発生するため、必ず期限内に納付してください。
固定資産税の納付方法|口座振替・クレジットカード払い・スマホ決済
固定資産税の納付方法は、以下の選択肢があります。
納付書払い(金融機関・コンビニ)
最も一般的な納付方法です。
- 金融機関: 銀行、郵便局の窓口で納付
- コンビニエンスストア: セブンイレブン、ファミリーマート等で納付
- メリット: 領収証書が発行される
- デメリット: 毎回窓口に行く手間がかかる
コンビニ納付は24時間可能ですが、納付書にバーコードが印刷されている必要があります。
口座振替(自動引き落とし)
指定した銀行口座から自動引き落としされる方法です。
- メリット: 納付忘れを防げる、手間がかからない
- デメリット: 領収証書が発行されない、納税証明書が必要な場合は市区町村で取得が必要
口座振替の申込みは、市区町村の窓口または金融機関で受付けています。申込みから登録まで1〜2ヶ月かかるため、早めに手続きすることをおすすめします。
クレジットカード払い(ポイント還元)
クレジットカードで納付する方法です。
- メリット: ポイント還元、24時間納付可能
- デメリット: 決済手数料がかかる(1万円あたり約80円)、領収証書が発行されない
ポイント還元率が決済手数料を上回る場合は、クレジットカード払いが得になります。
例(還元率1%のカードで10万円納付する場合)
- ポイント還元: 1,000円相当
- 決済手数料: 約800円
- 差額: +200円得
(参考: JCBカード - 固定資産税はクレジットカード払いできる?)
スマホ決済(PayPay・LINE Pay等)
スマートフォンアプリで納付する方法です。
- メリット: 24時間納付可能、手数料無料、ポイント還元(PayPayボーナス等)
- デメリット: 領収証書が発行されない、納付書にバーコードが必要
自治体により対応しているスマホ決済サービスが異なるため、納税通知書で確認してください。
納付期限を過ぎた場合のペナルティ|延滞金の計算方法と税率
納付期限を過ぎると、延滞金が発生します。
延滞金の計算方法と税率
延滞金は、納期限の翌日から発生します。
延滞金の税率(2024年)
| 期間 | 税率 | 
|---|---|
| 納期限翌日から1か月まで | 年2.4% | 
| 1か月経過後 | 年8.7% | 
延滞金の税率は毎年変動するため、最新の税率は市区町村の公式サイトで確認してください。
(参考: auPAY - 固定資産税を払い忘れるとどうなる?)
延滞金の計算例
例(税額10万円、納期限から2か月後に納付した場合)
- 1か月目の延滞金: 10万円 × 2.4% × (30日 ÷ 365日) = 約197円
- 2か月目の延滞金: 10万円 × 8.7% × (30日 ÷ 365日) = 約716円
- 合計延滞金: 約913円
延滞期間が長くなるほど、延滞金が高額になります。
督促状・差押えのリスク
納付期限を過ぎると、以下の流れでペナルティが課されます。
- 延滞金の発生(納期限翌日から)
- 督促状の送付(納期限から20日以内)
- 財産調査(督促状を無視した場合)
- 財産差押え(預金、給与、不動産等)
督促状が届いた場合は、すぐに市区町村の税務課に連絡し、分納等の相談をすることをおすすめします。
延滞を防ぐための4つの方法
固定資産税の延滞を防ぐために、以下の方法を活用してください。
1. 口座振替の設定
口座振替を設定することで、納付忘れを防げます。
- 市区町村の窓口または金融機関で申込み
- 申込みから登録まで1〜2ヶ月かかるため早めに手続き
2. クレジットカード払いの活用
クレジットカード払いを利用することで、以下のメリットがあります。
- 24時間納付可能
- ポイント還元で実質的な負担軽減
- 納付を忘れても、カード会社から督促が来る
3. スマホ決済の活用
スマホ決済(PayPay・LINE Pay等)を利用することで、以下のメリットがあります。
- 24時間納付可能
- 手数料無料
- ポイント還元
4. 年一括払いの検討
一部の自治体では、年一括払いで割引が受けられる場合があります。
- 前納報奨金制度: 年一括払いで数%の割引(ただし、廃止されている自治体が多い)
年一括払いで割引があるかどうかは、市区町村の公式サイトで確認してください。
よくある疑問|4期分の納付に関するQ&A
口座振替からクレジットカード払いに変更できますか?
可能です。ただし、口座振替の停止手続きが必要です。
- 市区町村の窓口または金融機関で口座振替の停止を申請
- 停止が完了するまで1〜2ヶ月かかる場合がある
- 停止完了後、クレジットカード払いに切替え
(参考: 三井住友VISAカード - 固定資産税をクレジットカードで支払い可能?)
納税通知書を紛失した場合はどうすればいいですか?
市区町村の税務課に連絡し、再発行を依頼してください。
- 再発行には数日〜1週間かかる場合がある
- 納付期限が近い場合は、窓口で直接納付することも可能
年一括払いすると割引はありますか?
自治体により異なります。
- 前納報奨金制度がある自治体は少ない(多くの自治体で廃止)
- 割引がない場合でも、納付忘れを防ぐメリットがある
年一括払いの割引の有無は、市区町村の公式サイトで確認してください。
まとめ|固定資産税4期分の納付を忘れずに
固定資産税の納期は市区町村条例で定められており、全国共通ではありません。
4期分の納付期限は、多くの自治体で2月末〜3月上旬ですが、必ず納税通知書で確認してください。
延滞を防ぐためには、口座振替、クレジットカード払い、スマホ決済を活用することをおすすめします。
納付期限を過ぎると延滞金(2024年は1か月まで2.4%、以降8.7%)が発生し、督促状や財産差押えのリスクもあるため、必ず期限内に納付しましょう。
