マンションで避けるべき階数は?各階のメリット・デメリット徹底比較

公開日: 2025/11/1

マンションで「買ってはいけない階」は存在しない|ライフスタイル次第

マンション購入を検討する際、「何階を選べばいいのか」「買ってはいけない階はあるのか」と迷う方は少なくありません。

この記事では、各階層(低層・中層・高層・最上階・1階)のメリット・デメリットを客観的に比較し、ライフスタイル別の選び方を解説します。

実際には「絶対に買ってはいけない階」は存在せず、各階にメリット・デメリットがあり、ライフスタイル・優先事項により最適な階数は異なります。この記事を読むことで、自分に合った階数を選択できるようになります。

この記事のポイント

  • マンションに「絶対に買ってはいけない階」は存在せず、各階にメリット・デメリットがある
  • 低層階は避難容易・揺れ少、高層階は眺望良好・揺れ大、1階は出入り便利・防犯対策必要
  • 高層階は地震時の長周期地震動で大きく揺れるが、建築基準法で安全性は担保されている
  • ライフスタイル(高齢者・子育て・ペット・眺望重視)に応じて最適な階数を選ぶことが重要

各階層のメリット・デメリット徹底比較|低層・中層・高層・最上階・1階

マンションの階層は、大きく5つに分類できます。それぞれの特徴を比較表で整理しました。

階層 主なメリット 主なデメリット
低層階(2-5階) 地震時の揺れが少ない、避難が容易、エレベーター待ち時間短 眺望が限定的、周辺騒音が届きやすい
中層階(6-10階) 低層・高層のバランス型、価格も中程度 特徴が少なく、決定打に欠ける
高層階(11階以上) 眺望が良好、日当たり・風通しに優れる 地震時の揺れが大きい、エレベーター依存度が高い
最上階 眺望が最も良い、上階騒音がない 価格が高い、夏は屋根からの輻射熱で暑い
1階 庭・専用庭付きの可能性、出入りが便利 防犯リスク、湿気・騒音の懸念

低層階(2-5階):避難容易・揺れ少・眺望限定

低層階は、地震時の揺れが少なく、避難が容易な点が最大のメリットです。エレベーターが停止しても階段で昇降可能で、高齢者や小さい子供がいる家庭に適しています。

エレベーター待ち時間も短く、日常の出入りがストレスになりにくい点も魅力です。

一方、眺望は限定的で、周辺の騒音(道路・商業施設)が届きやすいというデメリットがあります。

中層階(6-10階):バランス型

中層階は、低層階と高層階のバランスが取れた階層です。眺望もそこそこ確保でき、地震時の揺れも高層階ほど大きくありません。

価格も中程度で選択肢が多く、ライフスタイルに関わらず万人向けと言えます。特徴が少なく決定打に欠ける面もありますが、無難な選択として人気があります。

高層階(11階以上):眺望良好・揺れ大・エレベーター依存

高層階は、眺望が良好で日当たり・風通しに優れる点が最大のメリットです。周辺の騒音も届きにくく、静かな環境を求める方に適しています。

一方、地震時の揺れが大きく、長周期地震動の影響を受けやすい点がデメリットです(詳細は後述)。エレベーター依存度が高く、エレベーター停止時は階段での昇降が困難です。

最上階:眺望最高・価格高・暑さ

最上階は、眺望が最も良く、上階騒音がない点が魅力です。プライバシーも確保しやすく、ステータス性もあります。

ただし、価格が高く、夏は屋根からの輻射熱で暑くなりやすい点がデメリットです。冷房費が増加する可能性があります。

1階:庭付き・出入り便利・防犯リスク

1階は、庭・専用庭付きの可能性があり、出入りが便利な点がメリットです。ペット飼育や小さい子供がいる家庭に適しています。

一方、防犯リスク(侵入経路として狙われやすい)、湿気、騒音の懸念があります(詳細は後述)。

1階の注意点と対策|防犯・湿気・騒音のリスク管理

1階特有の注意点と、それぞれの対策を整理します。

防犯対策(窓の施錠・防犯グッズ)

1階は侵入窃盗の統計で狙われやすい階層です。ただし、適切な対策で安全性を高めることができます。

有効な対策:

  • 窓の施錠徹底(外出時だけでなく在宅時も)
  • 防犯フィルムの貼付(ガラス破りを防ぐ)
  • センサーライトの設置(不審者を威嚇)
  • 防犯カメラの設置(抑止力となる)

マンションのセキュリティ(オートロック・管理人常駐)も重要な判断材料です。購入前に必ず確認してください。

湿気対策(換気・除湿)

1階は地面に近いため、湿気がこもりやすい傾向があります。

有効な対策:

  • 定期的な換気(1日2回以上、各15分程度)
  • 除湿機の使用(梅雨時期・冬季)
  • カビ予防のための清掃(浴室・キッチン等)

騒音対策(遮音カーテン・二重窓)

1階は歩行者や車の音が届きやすい階層です。

有効な対策:

  • 遮音カーテンの設置
  • 二重窓(内窓)の設置(騒音を大幅に軽減)

リスクを過度に恐れる必要はなく、適切な対策で快適に住むことができます。

高層階の注意点と対策|地震時の揺れ・エレベーター停止リスク

高層階特有の注意点と、それぞれの対策を整理します。

長周期地震動と建物構造(耐震・制震・免震)

高層階は、長周期地震動の影響を受けやすい点に注意が必要です。

長周期地震動とは: M8クラスの地震では、50階建てビルで振幅2メートルの揺れが10分以上継続する可能性があります(iTSCOM安心安全情報)。

ただし、建築基準法で安全性は担保されており、倒壊リスクは低いとされています。建物の耐震構造により、揺れの大きさは異なります。

構造 特徴 揺れの軽減率
耐震構造 地震エネルギーを建物が直接受け止める -
制震構造 ダンパー等で揺れを吸収 約30-50%低減
免震構造 建物と地盤の間に免震装置を設置 約1/3に低減

購入前に建物の耐震構造を確認し、制震・免震構造であれば揺れを大幅に低減できます。

必須の対策:

  • 家具の固定(転倒防止)
  • 防災備蓄の準備(水・非常食・簡易トイレ等、1週間分)

エレベーター停止時の備蓄と対策

大地震時はエレベーターが停止し、高層階では階段での昇降が困難になります。

推奨する備蓄:

  • 水(1人1日3リットル × 7日分)
  • 非常食(7日分)
  • 簡易トイレ(7日分)
  • 懐中電灯・電池
  • モバイルバッテリー

避難経路の確認

日頃から非常階段の場所・避難経路を確認し、マンションの避難訓練に参加することをおすすめします。

ライフスタイル別おすすめ階数|高齢者・子育て・ペット・眺望重視

ライフスタイル別のおすすめ階数を整理します。

高齢者・小さい子供:低層階(避難容易・階段利用可)

高齢者や小さい子供がいる家庭には、低層階(2-5階)がおすすめです。

理由:

  • エレベーターが停止しても階段で昇降可能
  • 避難が容易
  • 日常の出入りが負担にならない

ペット飼育:1階(専用庭・出入り便利)

ペットを飼育している場合は、1階がおすすめです。

理由:

  • 専用庭があれば散歩が楽
  • 出入りが頻繁でも負担が少ない

ただし、防犯対策(窓の施錠・防犯グッズ)は必須です。

眺望重視・静かな環境:高層階

眺望を重視する方、静かな環境を求める方には、高層階(11階以上)がおすすめです。

理由:

  • 眺望が良好
  • 周辺の騒音が届きにくい

ただし、価格が高く、地震時の揺れ対策(家具の固定・防災備蓄)が必要です。

予算重視:中層階(価格バランス)

予算を重視する方には、中層階(6-10階)がおすすめです。

理由:

  • 低層・高層のバランスが取れている
  • 価格も中程度で選択肢が多い

価格差は一般に高層階ほど高いですが、最上階や角部屋等の例外もあります。実際の販売価格を確認することが必須です。

まとめ|各階のメリット・デメリットを理解して自分に合った階を選ぼう

マンションで「買ってはいけない階」は存在せず、各階にメリット・デメリットがあります。

低層階は避難容易・揺れ少、高層階は眺望良好・揺れ大、1階は出入り便利・防犯対策必要、最上階は眺望最高・価格高です。

ライフスタイル(高齢者・子育て・ペット・眺望重視・予算)に応じて最適な階数を選ぶことが重要です。

実際の物件で各階の内見を行い、価格・眺望・セキュリティ・建物構造(耐震・制震・免震)を確認し、自分の優先事項に合った階を選択してください。専門家(不動産エージェント)への相談もおすすめします。

よくある質問

Q1マンションで一番人気の階数は何階ですか?

A1一般的に5-7階が人気です。低層階の利便性(避難容易・エレベーター待ち短)と高層階の眺望をバランスよく享受できるためです。ただし物件により人気階は異なり、タワーマンションでは高層階が人気の場合もあります。実際の販売価格や売れ行きを不動産会社に確認することをおすすめします。

Q2高層階は地震で危険ですか?

A2建築基準法で安全性は担保されており、倒壊リスクは低いとされています。ただし長周期地震動で揺れが大きく継続時間も長い(M8で振幅2メートル・10分以上)点に注意が必要です。制震・免震構造なら揺れを大幅に低減できます。家具の固定と防災備蓄(水・非常食・簡易トイレ等、1週間分)が重要です。

Q31階は防犯上危険ですか?

A3侵入窃盗の統計で1階は狙われやすい階層ですが、適切な対策で安全性を高められます。窓の施錠徹底、防犯フィルム、センサーライト、防犯カメラの設置が有効です。マンションのセキュリティ(オートロック・管理人常駐)も重要な判断材料です。購入前に必ず確認してください。

Q4マンションの価格は階数でどのくらい変わりますか?

A4一般的に高層階ほど高く、1階あたり数十万円〜数百万円の差があります。最上階や角部屋はさらに高い傾向です。低層階は価格が抑えられる場合が多いです。ただし物件・立地により異なるため、実際の販売価格を確認することが必須です。複数の物件を比較して相場感を掴むことをおすすめします。

Q5中層階のメリットは何ですか?

A5低層階と高層階のバランスが取れた階層(6-10階程度)である点が最大のメリットです。眺望もそこそこ確保でき、地震時の揺れも高層階ほど大きくありません。価格も中程度で選択肢が多く、ライフスタイルに関わらず万人向けと言えます。決定打に欠ける面もありますが、無難な選択として人気があります。