土地評価証明書とは?取得方法・必要書類・手数料を徹底解説

公開日: 2025/11/4

土地評価証明書とは?何のために必要か

不動産の相続登記や住宅ローンの申込を進める際、「土地評価証明書を提出してください」と言われて困った経験はありませんか。

この記事では、土地評価証明書の基本的な役割、取得場所と方法、必要書類と手数料、評価証明書と公課証明書の違いを、総務省や各自治体の公式情報をもとに解説します。

初めて取得する方でも、スムーズに手続きを進められるようになります。

この記事のポイント

  • 土地評価証明書は固定資産税評価額を証明する公的書類
  • 主な用途は相続登記・不動産売買の登記・住宅ローン申込・相続税申告
  • 取得場所は土地所在地の市区町村役場(固定資産税課・資産税課)
  • 手数料は300-400円程度(自治体により異なる)
  • 登記申請には最新年度の証明書が必要(毎年4月1日更新)

土地評価証明書とは何か

土地評価証明書は、固定資産税評価額を証明する公的書類です。地方税法第382条の3に基づき、市区町村が交付します。

証明書には以下の情報が記載されます。

  • 土地の所在地(地番)
  • 地目(宅地・畑・山林等)
  • 地積(面積)
  • 固定資産税評価額
  • 評価年度

固定資産税評価額とは、総務省が定める固定資産評価基準に基づき、市町村長が3年ごとに決定する価格です。この評価額は、固定資産税の課税だけでなく、登録免許税・相続税・贈与税の計算基準としても使用されます。

土地評価証明書の主な用途

土地評価証明書が必要になる主な場面は以下の通りです。

用途 理由
相続登記 登録免許税の計算に評価額が必要
不動産売買の登記 所有権移転登記の登録免許税計算
住宅ローン申込 担保評価の参考資料
相続税申告 土地の評価額算定の基礎
贈与税申告 贈与財産の価額証明

特に登記申請では、登録免許税の計算基礎となるため、評価証明書の添付が法律上義務付けられています。

土地評価証明書の取得場所と方法

土地評価証明書は、土地が所在する市区町村で取得します。取得方法は主に3つあります。

窓口申請(市区町村役場)

最も一般的な方法です。土地所在地の市区町村役場の固定資産税課または資産税課の窓口で申請します。

手順

  1. 市区町村役場の固定資産税課・資産税課に行く
  2. 申請書に必要事項を記入(土地の所在・地番・必要部数等)
  3. 本人確認書類を提示
  4. 手数料を支払う(現金・自治体によりキャッシュレス決済可)
  5. 即日交付(通常5-10分程度)

窓口申請のメリットは即日交付される点です。登記申請の期限が迫っている場合等、急ぎの際に適しています。

郵送申請

遠方に住んでいる場合や、窓口に行く時間が取れない場合は郵送申請が便利です。

手順

  1. 市区町村のホームページから申請書をダウンロード
  2. 申請書に必要事項を記入
  3. 本人確認書類のコピーを準備
  4. 手数料分の定額小為替を郵便局で購入(例:300円の証明書なら300円の小為替)
  5. 返信用封筒(切手貼付、宛名記入済み)を準備
  6. 上記をまとめて市区町村役場に郵送

郵送申請の所要時間は1-2週間程度です。東京都主税局等、自治体の公式サイトに詳細な手順が掲載されています。

オンライン申請(マイナンバーカード)

一部の自治体では、マイナンバーカードを使用したオンライン申請が可能です。

対応状況

  • 対応自治体:東京都23区、大阪市、名古屋市等(順次拡大中)
  • 必要なもの:マイナンバーカード、ICカードリーダーまたは対応スマートフォン
  • 手数料:クレジットカード決済
  • 交付:自宅に郵送、またはコンビニ交付(自治体による)

オンライン申請の対応状況は自治体により大きく異なります。利用前に、土地所在地の市区町村公式サイトで対応状況を確認してください。

土地評価証明書の取得に必要な書類と手数料

土地評価証明書を取得する際、誰が申請するかによって必要書類が異なります。

本人確認書類(免許証・マイナンバーカード等)

本人(納税義務者)が申請する場合、以下のいずれかの本人確認書類が必要です。

1点で可

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • パスポート
  • 在留カード

2点必要(顔写真なしの場合)

  • 健康保険証 + 年金手帳
  • 健康保険証 + 住民票

代理人の場合は委任状

代理人が申請する場合、以下の書類が必要です。

書類 内容
委任状 委任者の住所・氏名・押印・生年月日・電話番号を記載
代理人の本人確認書類 運転免許証・マイナンバーカード等

委任状の様式は、多くの自治体がホームページで提供しています。記載漏れがあると受付できないため、事前に自治体のサイトで確認することをおすすめします。

委任状が不要なケース

以下の場合、委任状なしで取得できる自治体が多いです(自治体により異なるため要確認)。

  • 相続人が被相続人の土地の証明書を取得
  • 借地人が借地の証明書を取得
  • 一定の利害関係者(総務省の通知による)

手数料(300-400円程度)

手数料は自治体により異なりますが、1通あたり300-400円程度が一般的です(2025年時点)。

主要都市の手数料例

自治体 手数料
東京都23区 300円
大阪市 300円
名古屋市 300円
横浜市 200円
福岡市 300円

土地と建物を別々に取得する場合、それぞれ手数料が発生します。登記申請で複数の不動産の証明書が必要な場合、必要通数を事前に確認しておきましょう。

評価証明書と公課証明書の違い

土地の証明書には「評価証明書」と「公課証明書」の2種類があり、記載内容が異なります。用途により必要な書類が異なるため、間違えないように注意が必要です。

記載内容の比較

項目 評価証明書 公課証明書
固定資産税評価額
課税標準額 ×
税相当額 ×
主な用途 登記申請 不動産売買の固定資産税日割り計算

生駒市公式ホームページによると、評価証明書は評価額のみを記載し、公課証明書は評価額に加えて課税標準額と税相当額を記載します。

どちらを取得すべきか

用途に応じて、必要な証明書を取得してください。

評価証明書が必要な場合

  • 相続登記
  • 不動産売買の所有権移転登記
  • 贈与による登記
  • 住宅ローンの担保評価

公課証明書が必要な場合

  • 不動産売買時の固定資産税日割り計算
  • 固定資産税の納税額確認

登記申請には評価証明書が必要です。公課証明書を提出しても受理されないため、法務局や司法書士に確認した上で取得してください。

土地評価証明書の取得時の注意点

土地評価証明書を取得する際、知っておくべき注意点がいくつかあります。

最新年度の証明書が必要(毎年4月1日更新)

固定資産税評価額は毎年4月1日に新年度版に更新されます。登記申請では、申請時点の最新年度の証明書が必要です。

年度の切り替え時期に注意

  • 3月に取得した令和6年度版の証明書
  • 4月1日に令和7年度版に切り替わる
  • 4月以降の登記申請では令和7年度版が必要

登記申請の直前に取得することをおすすめします。古い年度の証明書を提出すると、法務局から補正(訂正)を求められ、手続きが遅れることがあります。

取得できる人(本人・代理人・相続人・借地人)

地方税法第382条の3により、以下の人が土地評価証明書を取得できます。

  • 納税義務者本人
  • 納税義務者の代理人(委任状が必要)
  • 相続人(被相続人の土地について)
  • 借地権者・賃借権者(借地の証明書について)
  • 一定の利害関係者(訴訟当事者等、自治体により判断)

第三者が無断で取得することはできません。個人情報保護の観点から、厳格に運用されています。

所要時間と有効期限

所要時間

方法 所要時間
窓口申請 即日(5-10分程度)
郵送申請 1-2週間程度
オンライン申請 数日〜1週間程度(郵送受取の場合)

有効期限

土地評価証明書に法的な有効期限は定められていません。ただし、登記申請では「3か月以内」が目安とされています。

  • 法務局の運用:発行から3か月以内が望ましい
  • 金融機関の要求:1-3か月以内が一般的

用途により求められる期限が異なるため、提出先に事前確認することをおすすめします。

まとめ:土地評価証明書をスムーズに取得するために

土地評価証明書は、固定資産税評価額を証明する公的書類で、登記申請・住宅ローン申込・相続税申告等で必要になります。

取得前に以下のポイントを確認しましょう。

  • 用途の確認: 登記なら評価証明書、固定資産税日割りなら公課証明書
  • 取得場所: 土地所在地の市区町村役場(固定資産税課・資産税課)
  • 必要書類: 本人確認書類、代理人なら委任状
  • 最新年度: 登記申請には最新年度の証明書が必要(毎年4月1日更新)
  • 手数料: 300-400円程度(自治体により異なる)

窓口申請が最速ですが、郵送・オンラインも活用できます。自治体により手続きや手数料が異なるため、事前に公式サイトで確認してください。

登記申請の期限が迫っている場合は、窓口で即日取得することをおすすめします。司法書士に依頼している場合は、代理取得を依頼することも検討しましょう。

よくある質問

Q1代理人でも土地評価証明書を取得できますか?

A1可能です。代理人が取得する場合、委任状(委任者の住所・氏名・押印・生年月日・電話番号を記載)と代理人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)が必要です。ただし、相続人が被相続人の土地の証明書を取得する場合、借地人が借地の証明書を取得する場合等、一定の利害関係者は委任状が不要なことがあります。詳細は土地所在地の市区町村にお問い合わせください。

Q2土地評価証明書は郵送で取得できますか?

A2可能です。郵送申請の手順は以下の通りです。①市区町村のホームページから申請書をダウンロードして記入、②本人確認書類のコピーを準備、③手数料分の定額小為替を郵便局で購入、④返信用封筒(切手貼付、宛名記入済み)を準備、⑤これらをまとめて市区町村役場に郵送します。所要時間は1-2週間程度です。急ぎの場合は窓口申請をおすすめします。

Q3土地評価証明書に有効期限はありますか?

A3法的な有効期限は定められていませんが、登記申請では発行から3か月以内が目安とされています。また、固定資産税評価額は毎年4月1日に新年度版に更新されるため、登記申請には申請時点の最新年度の証明書が必要です。例えば、3月に令和6年度版を取得しても、4月以降の登記申請では令和7年度版が求められます。登記申請の直前に取得することをおすすめします。

Q4評価証明書と公課証明書の違いは何ですか?

A4評価証明書は固定資産税評価額のみを記載し、主に登記申請で使用されます。公課証明書は評価額に加えて課税標準額と税相当額を記載し、不動産売買時の固定資産税日割り計算に使用されます。用途により必要な書類が異なるため、登記申請には必ず評価証明書を取得してください。公課証明書を提出しても法務局で受理されません。提出先(法務局・金融機関等)に事前確認することをおすすめします。