土地購入諸費用の内訳と相場を徹底解説!節約方法も

公開日: 2025/10/26

土地購入諸費用とは?総額の目安を知ろう

土地購入を検討する際、「物件価格以外にどれくらい必要なのか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、土地購入時の諸費用の内訳、計算方法、軽減措置を国税庁総務省の公式情報を元に解説します。

諸費用は土地価格の5-10%が目安で、土地代金とは別に準備する必要があります。予算計画が不十分だと決済時に資金不足を起こすリスクがあるため、事前に正確な金額を把握しましょう。

この記事のポイント

  • 土地購入の諸費用は土地価格の5-10%が目安(土地価格3,000万円なら150-300万円)
  • 主な諸費用は税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税)と手数料・報酬(仲介手数料、司法書士報酬)
  • 諸費用は原則として現金で用意する必要がある(一部金融機関では諸費用込みローン可能)
  • 登録免許税の軽減税率は2026年3月末まで、不動産取得税の軽減税率は2027年3月末まで
  • 土地の状況により測量費・上下水道引込費・地盤改良費など追加費用が発生する可能性がある

諸費用の総額目安は土地価格の5-10%

土地購入時に必要な諸費用は、土地価格の5-10%が目安です。土地価格3,000万円なら150-300万円、土地価格2,000万円なら100-200万円の諸費用を準備する必要があります。

諸費用は原則として現金で用意する必要があります。一部金融機関では諸費用込みで住宅ローンが組めるケースもありますが、金利が高い傾向があるため注意が必要です。

予算計画の重要性

予算計画が不十分だと、決済時に資金不足を起こすリスクがあります。土地代金とは別に諸費用を準備することを前提に、事前に詳細な見積もりを不動産会社に依頼しましょう。

諸費用の内訳:税金編

税金関連の諸費用を詳細に解説します。

登録免許税(固定資産評価額の1.5%)

登録免許税は、不動産の所有権移転登記時に課税される国税です。土地の売買による移転登記は、固定資産評価額の1.5%(2026年3月末まで軽減、本則2.0%)が税率です。

固定資産評価額は市町村が決定する不動産の評価額で、実勢価格(取引価格)の7割程度が目安です。

計算例:
土地価格3,000万円、固定資産評価額2,100万円(実勢価格の7割)の場合
登録免許税 = 2,100万円 × 1.5% = 31.5万円

不動産取得税(取得後3-6ヶ月後に請求)

不動産取得税は、不動産を取得した際に都道府県が課税する地方税です。土地は固定資産評価額×1/2×3%で計算されます(2027年3月末まで軽減、本則4%)。

重要: 不動産取得税は取得後3-6ヶ月後に納税通知書が届く「忘れた頃に請求される」税金です。支払い準備を忘れないよう注意してください。

計算例:
固定資産評価額2,100万円の場合
不動産取得税 = 2,100万円 × 1/2 × 3% = 31.5万円

印紙税(契約書に貼付)

印紙税は、売買契約書に貼付する印紙代です。契約金額に応じて段階的に税額が決まります。

契約金額 印紙税額
100万円超500万円以下 2,000円
500万円超1,000万円以下 1万円
1,000万円超5,000万円以下 1万円
5,000万円超1億円以下 3万円

(出典: 国税庁

土地価格3,000万円の場合、印紙税は1万円です。

諸費用の内訳:手数料・報酬編

仲介手数料(取引価格×3%+6万円+消費税)

仲介手数料は、不動産会社に支払う報酬です。宅地建物取引業法で上限が定められており、400万円超の取引では(取引価格×3%+6万円)×1.1(消費税込)が上限です。

計算例:
土地価格3,000万円の場合
仲介手数料 = (3,000万円 × 3% + 6万円)× 1.1 = 105.6万円

司法書士報酬(5-15万円が相場)

司法書士報酬は、登記手続きを代行する司法書士に支払う費用です。自由料金で地域・物件により5-15万円程度が相場です。

「必ず〇万円」とは断定できないため、複数社から見積もりを取得して比較することを推奨します。

その他の費用(測量費、固定資産税日割り清算等)

  • 測量費: 境界が未確定の場合、測量が必要(30-100万円程度)
  • 土地家屋調査士報酬: 測量・境界確定の際に必要(5-10万円程度)
  • 固定資産税・都市計画税の日割り清算: 売主と買主で日割り計算
  • 上下水道引込費: インフラ未整備の場合、引込工事が必要(数十万円~数百万円)
  • 地盤改良費: 地盤が軟弱な場合、改良工事が必要(数十万円~数百万円)

土地の状況により追加費用が発生する可能性があるため、事前に不動産会社に確認してください。

具体的な計算例:土地価格3,000万円のケース

土地価格3,000万円、固定資産評価額2,100万円(実勢価格の7割)と仮定し、諸費用の総額を試算します。

税金

  • 登録免許税: 31.5万円(2,100万円 × 1.5%)
  • 不動産取得税: 31.5万円(2,100万円 × 1/2 × 3%)
  • 印紙税: 1万円

手数料・報酬

  • 仲介手数料: 105.6万円((3,000万円 × 3% + 6万円)× 1.1)
  • 司法書士報酬: 10万円
  • その他: 20万円(測量費、固定資産税日割り清算等)

総額の試算

総額: 約200万円(土地価格の6.7%)

土地の状況により測量費や上下水道引込費が追加で発生する可能性があるため、余裕を持った予算計画を立てることを推奨します。

軽減措置と支払いタイミング

軽減措置の適用要件

  • 登録免許税の1.5%軽減: 2026年3月末まで(本則2.0%)
  • 不動産取得税の3%軽減: 2027年3月末まで(本則4%)
  • 宅地評価特例: 固定資産評価額×1/2(2027年3月末まで)

軽減措置の期限を明記し、期限後に購入する場合は税率が上がる可能性があることに注意してください(延長される可能性もありますが、現時点では不明)。

支払いタイミング(契約時・決済時・事後)

諸費用の支払いタイミングは3段階に分かれます。

  1. 契約時: 手付金、印紙税
  2. 決済時: 残代金、仲介手数料、登録免許税、司法書士報酬、固定資産税日割り清算
  3. 事後: 不動産取得税(取得後3-6ヶ月後)

不動産取得税は「忘れた頃に請求される」ため、手元資金を確保しておく必要があります。

まとめ:諸費用を正しく把握して予算計画を立てよう

土地購入の諸費用は土地価格の5-10%(土地価格3,000万円なら150-300万円)が目安です。主な諸費用は税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税)と手数料・報酬(仲介手数料、司法書士報酬)です。

軽減措置の期限(登録免許税2026年3月末、不動産取得税2027年3月末)を確認し、支払いタイミング(契約時・決済時・事後)を把握してください。土地の状況により追加費用が発生する可能性があるため、不動産会社への詳細見積依頼、司法書士への相談を行い、余裕を持った予算計画を立てましょう。

よくある質問

Q1諸費用はいつ支払いますか?

A13段階に分かれます。①契約時(手付金、印紙税)、②決済時(残代金、仲介手数料、登録免許税、司法書士報酬、固定資産税日割り清算)、③事後(不動産取得税は取得後3-6ヶ月後)。不動産取得税は「忘れた頃に請求される」ため、手元資金を確保しておく必要があります。

Q2諸費用は現金で用意する必要がありますか?

A2原則として現金で用意する必要があります。一部金融機関では諸費用込みで住宅ローンが組めるケースもありますが、金利が高い傾向があるため注意が必要です。事前に金融機関に確認することを推奨します。

Q3諸費用込みで住宅ローンは組めますか?

A3基本的には土地代金のみがローン対象ですが、一部金融機関では諸費用込みで借入可能です。ただし、金利が高くなる傾向があるため注意が必要です。事前に金融機関に相談することをおすすめします。

Q4諸費用で節約できる項目はありますか?

A4税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税)は法定金額なので節約不可です。仲介手数料は上限の範囲で交渉余地あり、司法書士報酬は自由料金なので複数社から見積取得で比較可能です。測量費等の追加費用は土地の状況次第です。