住宅ローン金利「みんないくら?」という疑問に答えます
住宅ローンを検討する際、「自分が借りている(借りようとしている)金利は妥当なのか」「他の人はどのくらいの金利で借りているのか」と気になる方は少なくありません。
この記事では、2025年10月時点の最新金利相場、金利の決まり方、金利タイプの選び方、金利を下げる方法を、住宅金融支援機構や日本銀行の公式情報を元に解説します。
本記事の金利情報は2025年10月時点のものです。最新情報は各金融機関にご確認ください。
初めて住宅ローンを組む方でも、自分に合った金利タイプを選び、適正な金利で借りられるようになります。
この記事のポイント
- 変動金利は0.3~0.6%、固定金利は1.5~2.0%が2025年10月の相場
- 金利は「基準金利 - 優遇幅」で決まり、審査結果により優遇幅が変動
- 7割以上が変動金利を選んでいるが、リスク許容度により最適な選択は異なる
- 金利交渉や複数社比較で条件を改善できる可能性がある
- 金利だけでなく、事務手数料・保証料・団信など総合的に比較すべき
住宅ローン金利の最新相場(2025年10月時点)
住宅ローン金利は金利タイプにより相場が大きく異なります。
変動金利の相場(0.3~0.6%)
変動金利は市場金利(短期プライムレート)に連動し、通常年2回見直される金利タイプです。2025年10月時点で0.3~0.6%程度が一般的な相場です。
価格.comの比較データによると、最も低い変動金利は0.179%から提供されています(2025年10月時点)。ただし、この金利は審査結果や条件により適用されない場合があります。
変動金利は低金利であるため返済負担が軽い一方、将来の金利上昇リスクがある点に注意が必要です。
固定金利の相場(1.5~2.0%)
全期間固定金利は借入時に全期間の金利が確定するタイプで、2025年10月時点で1.5~2.0%程度が相場です。
住宅金融支援機構のフラット35(全期間固定金利)の最頻金利は1.87%(2025年10月)です。固定金利は変動金利より金利が高いものの、返済額が確定するため、将来の金利上昇リスクを避けたい方に適しています。
金融機関別の金利比較
金融機関により金利は異なります。価格.comの比較データでは、変動金利0.179%から、固定金利0.280%からという金融機関があります(2025年10月時点)。
ただし、金利だけで判断すると総支払額で損をする可能性があります。事務手数料、保証料、団信の内容なども含めて総合的に比較することが重要です。
みんなが選んでいる金利タイプ
実際に住宅ローンを利用している人は、どの金利タイプを選んでいるのでしょうか。
金利タイプ別の選択割合
住宅金融支援機構の2023年度利用者調査によると、金利タイプの選択割合は以下の通りです。
| 金利タイプ | 選択割合 | 
|---|---|
| 変動金利 | 73.9% | 
| 固定期間選択型 | 17.3% | 
| 全期間固定 | 8.9% | 
変動金利が7割以上を占めています。
変動金利が7割以上選ばれる理由
変動金利が多数派である理由は、以下の点が挙げられます。
- 低金利メリット: 0.3~0.6%と、固定金利(1.5~2.0%)に比べて大幅に低い
- 返済負担の軽減: 月々の返済額が少なく、家計への負担が軽い
- 繰上返済の柔軟性: 低金利のため余裕資金を繰上返済に回しやすい
ただし、変動金利は金利上昇リスクがあるため、リスク許容度や返済計画により、必ずしも変動金利が最適とは限りません。
金利の決まり方
住宅ローン金利は「基準金利 - 優遇幅」で決まります。
基準金利と優遇金利の仕組み
基準金利は各金融機関が設定する店頭金利です。優遇幅は審査結果に応じて基準金利から引き下げられる幅で、主要銀行の例では一般的に1.5~2.0%程度です。
例えば、基準金利2.475%、優遇幅2.0%の場合、実際の適用金利は**0.475%**になります。
基準金利と政策金利の関係
変動金利は日本銀行の政策金利と短期プライムレートに連動します。2025年1月時点の政策金利は**0.5%**です。
政策金利が引き上げられると、短期プライムレートが上昇し、変動金利の基準金利も上昇する傾向があります。ただし、将来の金利動向を断定することはできません。
審査結果による金利の変動
優遇幅は審査結果により決まります。以下の要素が影響します。
- 年収: 高いほど優遇幅が大きくなる傾向
- 勤続年数: 長いほど有利
- 信用情報: 過去の延滞がないことが重要
- 返済負担率: 年収に対する返済額の割合が低いほど有利
審査結果が良ければ、より大きな優遇を受けられる可能性があります。
金利タイプの選び方
変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきかは、個々のリスク許容度・返済計画により異なります。
リスク許容度で選ぶ
- 金利上昇リスクを避けたい: 固定金利が適している。返済額が確定し、将来の家計管理がしやすい。
- 低金利メリットを重視: 変動金利が適している。ただし、金利上昇時に返済額が増加するリスクを受け入れる必要がある。
返済計画と金利タイプ
- 返済期間が短い(10年以内): 変動金利でも金利上昇リスクが限定的。
- 返済期間が長い(30年以上): 固定金利で返済額を確定させる方が安心。
- 繰上返済を予定: 変動金利で低金利メリットを享受し、余裕資金で繰上返済する方法も有効。
変動金利の「5年ルール」と「125%ルール」
変動金利には以下の仕組みがあります。
- 5年ルール: 金利が上昇しても、返済額は5年間据え置かれる。ただし、未払い利息が発生するリスクがある。
- 125%ルール: 5年ごとの返済額見直し時、前回の返済額の1.25倍までしか増額されない。急激な負担増を防ぐ。
これらのルールは返済額の急増を防ぐ仕組みですが、未払い利息が元金に加算される可能性があるため、注意が必要です。
金利を下げる方法
優遇金利を引き出すための実践的な方法を紹介します。
金利交渉のポイント
金利交渉の方法として、以下の手段が有効です。
- 他行の事前審査結果を提示: 他の金融機関でより低い金利を提示されている場合、交渉材料になる。
- 複数社を比較: 3社以上の事前審査を受け、条件を比較する。
- 金融機関の期末時期(3月、9月)に交渉: 融資実績を伸ばしたい時期のため、優遇を受けやすい。
借り換え検討のタイミング
既に住宅ローンを借りている場合、借り換えにより金利を下げられる可能性があります。借り換え費用(数十万円)を考慮した一般的な目安では、以下の条件が揃う場合に借り換えを検討する価値があります。
- 金利差1%以上
- 残債1000万円以上
- 残期間10年以上
これらの条件を満たす場合、借り換えにより総支払額を削減できる可能性があります。ただし、借り換えには手数料がかかるため、総合的に比較する必要があります。
金利以外の比較ポイント
金利だけで判断すると、総支払額で損をする可能性があります。
事務手数料・保証料の違い
住宅ローンの手数料には以下の種類があります。
| 項目 | 内容 | 目安額 | 
|---|---|---|
| 事務手数料(定額型) | 固定額 | 3~5万円 | 
| 事務手数料(定率型) | 借入額×2.2% | 借入3000万円で66万円 | 
| 保証料(一括前払い) | 保証会社に支払う | 借入3000万円で60~90万円 | 
| 保証料(金利上乗せ) | 金利に0.2%程度上乗せ | 総支払額に影響 | 
定率型の事務手数料は借入額が大きいほど高額になるため、総支払額を比較する際は注意が必要です。
団信の保障内容
団体信用生命保険(団信)は、借入者が死亡・高度障害時にローン残債が保険金で完済される保険です。金融機関により保障内容が異なります。
- 基本の団信: 死亡・高度障害時のみ保障
- がん保障付き: がんと診断された時点でローン残債が半額または全額免除
- 三大疾病特約: がん・脳卒中・急性心筋梗塞時に保障
団信の保障内容が充実しているほど、金利が高くなる(または別途保険料が発生する)場合があります。
繰上返済手数料
繰上返済手数料は金融機関により異なります。
- 無料: ネット銀行を中心に無料の金融機関が増えている
- 有料: 一部繰上返済で数千円~数万円、全額繰上返済で数万円
繰上返済を予定している場合は、手数料無料の金融機関を選ぶことで、総支払額を抑えられます。
まとめ
住宅ローン金利は、変動金利0.3~0.6%、固定金利1.5~2.0%が2025年10月時点の相場です。金利は「基準金利 - 優遇幅」で決まり、審査結果により優遇幅が変動します。
金利タイプは個々のリスク許容度・返済計画で選ぶべきで、一概に「この金利がお得」とは言えません。変動金利は7割以上が選んでいますが、金利上昇リスクを受け入れられるかが重要です。
金利交渉や複数社比較で条件を改善できる可能性があります。また、金利だけでなく、事務手数料・保証料・団信など総合的に比較し、自分に合った住宅ローンを選ぶことが重要です。
信頼できる金融機関に相談しながら、無理のない返済計画を立てましょう。
