住宅ローン組んだ後に外構ローンは組める?審査への影響と対策

公開日: 2025/11/11

住宅ローン組んだ後に外構ローンは組める?

新築住宅を購入後、外構工事の費用が予算オーバーになり、「追加で外構ローンを組めるか」と悩む方は少なくありません。

結論から言うと、住宅ローン組んだ後でも外構ローンは組めます。ただし、**返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)**が問題になる可能性があります。

この記事では、住宅ローン後に外構ローンを組む方法、審査への影響、対策を、住宅金融支援機構全国銀行協会の公式情報を元に解説します。

理想は住宅ローン契約時に外構費用を組み込むことですが、後から組む場合でも対策を知っていれば、安全に外構工事を実現できます。

この記事のポイント

  • 住宅ローン後でも外構ローンは組めるが、返済負担率が問題になる可能性がある
  • 返済負担率は年収の35-40%以内が審査基準で、これを超えると審査に通りにくい
  • 対策として、リフォームローン、信販系ローンを検討する方法がある
  • 無理な借入は家計を圧迫し、延滞や自己破産のリスクがあるため慎重に
  • 理想は住宅ローン契約時に外構費用を組み込むこと

外構ローンが住宅ローン審査に与える影響

追加で外構ローンを組むと、既存の住宅ローンと合わせた総返済額が増え、返済負担率が上昇します。

返済負担率の基準:

  • 一般的に年収の35-40%以内が融資審査の基準
  • これを超えると、追加融資の審査に通らない可能性が高い

例:

  • 年収400万円
  • 住宅ローン月々返済額: 10万円(年間120万円)
  • 返済負担率: 120万円 ÷ 400万円 = 30%
  • 外構ローンを追加(月3万円、年間36万円)すると、返済負担率は39%に上昇

この場合、基準(35-40%)を超える可能性があり、審査に通りにくくなります。

また、複数ローンを組むと日本信用情報機構(JICC)等の信用情報機関に記録され、将来の借入審査(車のローン、カードローン等)にも影響を及ぼす可能性があります。

外構ローンを組むための3つの対策

住宅ローン後に外構ローンを組む場合、以下の3つの対策があります。

住宅ローンに外構費用を組み込む(事前検討が重要)

最も有利な方法は、住宅ローン契約時に外構費用を含めて借入額を設定することです。

メリット:

  • 住宅ローンと同じ低金利(年0.5-1.5%程度)で融資を受けられる
  • 返済期間を35年等に延ばせるため、月々の返済額を抑えられる

注意点:

  • 契約前に外構工事の見積もりを取り、正確な金額を把握する必要がある
  • 住宅ローン契約後に追加融資を受けるのは審査が厳しくなる

税制上の注意点:

  • 国税庁によると、住宅ローンに外構費用を組み込んだ場合、外構部分は原則として住宅ローン控除の対象外です。控除対象は建物本体と土地の取得費用のみです。

リフォームローンを利用する

リフォームローンは、住宅の改修・リフォーム費用を対象とした融資で、外構工事も対象になる場合があります

メリット:

  • 住宅ローンよりは金利が高いが(年2-4%程度:金融機関の一般的な水準)、信販系より低め
  • 審査は比較的柔軟

デメリット:

  • 借入額の上限が500-1,000万円程度
  • 返済期間が10-15年と短いため、月々の返済額が高くなる

各金融機関(三井住友銀行、みずほ銀行等)がリフォームローンを提供しているため、複数社の金利・条件を比較することが重要です。

信販系ローンを利用する

信販系ローン(クレジット会社が提供するローン)は、審査が比較的柔軟ですが、金利が高めです。

メリット:

  • 審査が比較的柔軟(返済負担率が基準を少し超えていても通る場合がある)
  • 手続きが簡単

デメリット:

  • 金利が高い(年3-5%程度:一般的な水準)
  • 長期返済では利息負担が大きくなる

例: 外構費用300万円を年利4%、10年返済の場合、総返済額は約360万円(利息60万円)

無理な借入がもたらすリスク

返済負担率が基準を超える借入は、以下のリスクがあります。

家計が圧迫され、生活費が不足

月々の返済額が手取り収入の30-40%を超えると、生活費(食費、光熱費、教育費等)が不足し、家計が圧迫されます。

延滞や自己破産のリスク

返済が困難になると、延滞が発生し、信用情報に傷がつきます。最悪の場合、自己破産に至るリスクもあります。

金融庁は、過剰貸付の防止を金融機関に求めており、審査基準を満たさない融資は受けられません。

将来の借入審査に影響

複数ローンを組むと、信用情報機関に記録され、将来の借入(車のローン、教育ローン等)の審査に影響を及ぼす可能性があります。

外構工事は必要最小限に抑え、自己資金での対応も検討すべきです。無理な借入は将来の生活設計を狂わせる可能性があります。

まとめ:計画的な資金計画で安全に外構工事を実現

住宅ローン後でも外構ローンは組めますが、返済負担率の基準(年収の35-40%以内)を守ることが必須です。

理想は住宅ローン契約時に外構費用を組み込むことです。後から組む場合は、リフォームローンや信販系ローンを検討し、金利・返済期間を比較して最適な選択をしてください。

無理な借入は避け、自己資金での対応も含めた総合的な資金計画を立てることが、安心して外構工事を進めるカギとなります。

次のアクションとして、以下を検討してください。

  1. 外構工事の見積もりを複数社から取る(相場を把握)
  2. 返済負担率を計算(住宅ローン+外構ローンの合計が年収の35%以内か確認)
  3. リフォームローン・信販系ローンの金利を比較
  4. 自己資金で対応できる範囲に工事を縮小(優先順位を決める)
  5. ファイナンシャルプランナーに相談(総合的な資金計画を立てる)

よくある質問

Q1外構ローンの審査に落ちた場合、どうすればいいですか?

A1返済負担率を下げるため、①頭金を増やして借入額を減らす、②返済期間を延ばして月々の返済額を下げる、③自己資金で対応できる範囲に外構工事の規模を縮小する、等の方法があります。外構工事の優先順位を決め、まずは最低限必要な部分(駐車場、フェンス等)だけ実施し、残りは貯金してから後日実施することも有効です。

Q2外構費用はどのくらいかかるのが一般的ですか?

A2外構工事の費用は物件や地域により異なりますが、一般的には100万円~300万円程度(業界相場)です。フェンス(30-80万円)、駐車場(50-150万円)、庭の造成(20-100万円)等、内容により大きく変動します。事前に複数社から見積もりを取り、相場を把握することが重要です。

Q3住宅ローン控除は外構費用にも適用されますか?

A3外構費用を住宅ローンに組み込んだ場合でも、外構部分は原則として住宅ローン控除の対象外です。国税庁によると、控除対象は建物本体と土地の取得費用のみです。詳細は国税庁の公式サイトまたは税理士に確認することをおすすめします。

Q4外構工事を後回しにして、貯金してから現金で払う方が良いですか?

A4金利負担を避けられる点ではメリットがあります。しかし、外構が未完成のまま生活する不便さ(雨の日に泥だらけになる、プライバシーが守られない等)や、将来的に物価上昇で工事費が高くなるリスクもあります。家計状況と優先順位を考慮し、必要最小限の部分だけローンで実施し、残りは貯金してから対応する等、バランスを取ることが重要です。