結論:専任媒介と一般媒介の違いは「契約社数と報告義務」、選び方はこうする
不動産を売却する際、不動産会社と結ぶ「媒介契約」には主に「専任媒介」と「一般媒介」の2種類があります。どちらを選ぶかで売却活動の進め方が大きく変わるため、違いをしっかり理解しておくことが大切です。
専任媒介と一般媒介の主な違い
| 項目 | 専任媒介 | 一般媒介 |
|---|---|---|
| 契約できる不動産会社数 | 1社のみ | 複数社可能 |
| レインズ登録義務 | 7日以内に登録 | 義務なし |
| 報告義務 | 2週間に1回以上 | 義務なし |
| 自己発見取引 | 可能 | 可能 |
どちらを選ぶかの判断軸
- 早期売却を優先したい場合:専任媒介が適しています。1社に集中して依頼することで、不動産会社が積極的に売却活動を行いやすくなります。
- 複数社を比較したい場合:一般媒介が適しています。複数の不動産会社の提案を受けながら売却を進められます。
- 手間をかけたくない場合:専任媒介が適しています。定期的な報告があるため、進捗を把握しやすくなります。
まず最初にやること3つ
媒介契約を結ぶ前に、以下の3つを準備しておくとスムーズに進められます。
1. 複数社に査定を依頼して相場を把握する
不動産の適正価格は、1社の査定だけでは判断しにくいものです。複数社に査定を依頼することで、売却価格の相場感を掴むことができます。査定額に差が出ることも多いため、比較検討することが重要です。
2. 不動産会社の売却実績と対応を比較する
査定額だけでなく、不動産会社の売却実績や担当者の対応も確認しておきましょう。特に、売却したい物件のあるエリアでの実績があるかどうかは、売却のスピードや価格に影響することがあります。
3. 専任媒介と一般媒介の違いを理解する
この記事で解説している内容を参考に、自分の状況に合った媒介契約の種類を検討しておきましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼する際は、一括査定サービスを利用すると効率的です。1回の入力で複数社に査定依頼ができるため、個別に問い合わせる手間が省けます。
かかる時間の目安
媒介契約から売却完了までの時間は、契約の種類によって異なります。
専任媒介の場合
- 契約締結から7日以内にレインズ(不動産流通標準情報システム)に物件情報が登録されます
- 2週間に1回以上、売却活動の状況報告を受けられます
- 媒介契約期間は3ヶ月が一般的です
一般媒介の場合
- レインズ登録の義務がないため、登録時期は不動産会社の判断によります
- 報告義務がないため、進捗確認は自ら問い合わせる必要があります
- 媒介契約期間の定めがない場合もあります(明確な期限を設けることをおすすめします)
売却にかかる期間は物件の立地や価格設定によって大きく異なりますが、一般的には3〜6ヶ月程度と言われています。
ステップ別の手順
専任媒介と一般媒介、それぞれの手順を時系列で整理します。
Step1 事前準備(チェックリスト)
媒介契約を結ぶ前に、以下の書類や情報を揃えておきましょう。
必要な書類
- 登記簿謄本(登記事項証明書)
- 固定資産税評価証明書
- 権利証(登記識別情報)
- 本人確認書類
- 住宅ローンの返済予定表(残債がある場合)
確認しておくべき情報
- 売却希望価格の目安
- 引渡し希望時期
- 住宅ローンの残債額
複数社への査定依頼
- 一括査定サービスなどを利用して複数社に査定依頼
- 各社の査定額と売却戦略の提案を比較
Step2 媒介契約の締結
査定結果を比較し、依頼する不動産会社が決まったら媒介契約を締結します。
専任媒介の場合
1社のみと媒介契約書を締結します。契約書には以下の内容が記載されているか確認しましょう。
- 契約期間(通常3ヶ月以内)
- 仲介手数料(売買価格の3%+6万円が上限目安)
- 解約条件
- レインズ登録の有無
- 報告の頻度と方法
一般媒介の場合
複数社と媒介契約書を締結できます。各社との契約内容を整理し、どの会社とどのような条件で契約しているか把握しておくことが大切です。
Step3 売却活動の開始とレインズ登録
媒介契約を締結したら、不動産会社による売却活動が始まります。
専任媒介の場合
- 契約締結から7日以内にレインズに物件情報が登録されます
- レインズに登録されることで、他の不動産会社も買主を探すことができるようになります
- 2週間に1回以上、売却活動の状況報告を受けられます
一般媒介の場合
- レインズ登録義務がないため、登録されるかどうかは不動産会社の判断になります
- 報告義務がないため、進捗を知りたい場合は自ら問い合わせる必要があります
- 複数社が同時に売却活動を行うため、内覧の調整などの連絡が増える可能性があります
売却活動では、広告掲載、内覧対応、価格交渉などが行われます。専任媒介では担当の不動産会社が窓口となって対応し、一般媒介では複数社からの連絡に対応することになります。
よくある詰まりポイントと回避策
媒介契約の種類によって、起こりやすい問題が異なります。事前に把握しておくことで、対処しやすくなります。
詰まりやすいポイント:不動産会社の選定と報告管理
専任媒介で起こりやすい問題
- 1社頼みとなるため、その会社の販売力が低いと売却が遅れる
- 途中で不満が出ても、契約期間中は簡単に他社に切り替えられない
一般媒介で起こりやすい問題
- 複数社からの問い合わせ対応に追われ、手間が増える
- 報告義務がないため、各社の売却活動の進捗が把握しにくい
- 不動産会社が「他社で決まるかもしれない」と考え、積極的な売却活動を行いにくい
トラブル時の代替手段
もし売却活動がうまく進まない場合は、以下の対応を検討しましょう。
専任媒介で売却が進まない場合
- まずは担当者に状況を確認し、販売戦略の見直しを相談する
- 契約期間満了後に一般媒介に切り替える、または別の不動産会社と専任媒介を結ぶ
- 価格設定を見直す
一般媒介で手間が増えた場合
- 対応する不動産会社を絞り、効率化を図る
- 対応の良い1社に専任媒介で依頼し直す
売却が長引く場合
- 不動産買取サービスを検討する(市場価格より安くなるが、早期に現金化できる)
- 価格を下げて再募集する
事前に確認しておきたいこと
媒介契約を結ぶ前に、以下の点を確認しておくと、後悔のない選択がしやすくなります。
不動産会社の売却実績と得意エリア
売却したい物件のあるエリアでの実績があるかどうかを確認しましょう。地域に強い不動産会社は、買主のネットワークを持っていることが多いためです。
媒介契約の期間と解約条件
専任媒介の契約期間は通常3ヶ月以内ですが、途中解約の条件も確認しておきましょう。一般媒介の場合も、期限を明確にしておくことをおすすめします。
仲介手数料の交渉余地
仲介手数料は法律で上限が定められていますが、不動産会社によっては交渉に応じてくれる場合もあります。複数社を比較する際に確認してみましょう。
期待しがちな点(実際はこうなりがち)
媒介契約に関して、よくある誤解を整理しておきます。
「専任媒介なら必ず早く売れる」
→ 実際には、不動産会社の販売力や物件の立地・価格設定によります。専任媒介だから売れるわけではなく、適切な不動産会社を選ぶことが重要です。
「一般媒介なら複数社が競争して高く売れる」
→ 実際には、一般媒介では不動産会社が「他社で決まるかもしれない」と考え、積極的な売却活動が期待しにくいケースがあります。
「レインズ登録で必ず買主が見つかる」
→ レインズに登録されることで他の不動産会社も買主を探せるようになりますが、物件の立地や価格設定が適切でなければ買主は見つかりにくくなります。
ここはケースで変わる:売却優先度と手間の許容度
最適な媒介契約は、状況によって異なります。
早期売却を優先する場合
専任媒介が有利です。不動産会社が「自社で売却できる」と確信できるため、積極的に動いてくれることが期待できます。
複数社を比較したい場合
一般媒介が有利です。複数社の提案を受けながら、最も条件の良い会社を見極められます。
手間をかけたくない場合
専任媒介が有利です。定期的な報告があるため進捗を把握しやすく、窓口が1社に限定されるため連絡の手間が減ります。
向いている人/向いていない人
専任媒介と一般媒介、それぞれに向いている人の特徴を整理します。
専任媒介が向いている人
- 早期売却を優先したい人
- 手間をかけたくない人
- 信頼できる不動産会社を見つけた人
- 定期的な報告を受けて進捗を把握したい人
専任媒介が向いていない人
- 複数社の提案を比較したい人
- 不動産会社を1社に絞ることに不安がある人
一般媒介が向いている人
- 複数社の提案を比較したい人
- 時間的な余裕がある人
- 複数社からの問い合わせ対応の手間を許容できる人
一般媒介が向いていない人
- 早期売却を優先したい人
- 複数社とのやり取りが面倒な人
- 進捗を定期的に報告してほしい人
まとめ:今日できる最短の一歩
専任媒介と一般媒介の違いについて解説してきました。どちらを選ぶかは、あなたの売却優先度と手間の許容度によって変わります。
今日からできることをまとめます。
1. まず一括査定サービスで複数社に査定依頼する
専任媒介・一般媒介どちらを選ぶ場合でも、複数社の査定を比較することが大切です。査定額だけでなく、各社の対応や売却戦略の提案も比較材料になります。
2. 査定結果と各社の対応を比較する
査定額に大きな差がある場合は、その理由を確認しましょう。また、担当者の対応や売却実績も判断材料になります。
3. 専任媒介か一般媒介かを判断する
早期売却優先なら専任媒介、複数社比較優先なら一般媒介を検討しましょう。迷う場合は、査定を依頼した不動産会社に相談してみるのも一つの方法です。
4. 媒介契約書の内容を確認して契約締結
契約期間、仲介手数料、解約条件など、契約内容をしっかり確認してから署名しましょう。
まずは複数社への査定依頼から始めてみてはいかがでしょうか。一括査定サービスを利用すれば、1回の入力で複数社に査定を依頼でき、各社の対応を比較することができます。
