相続手続きを「まとめて依頼」できるサービスを活用すれば、戸籍収集から財産調査、遺産分割協議、名義変更、相続登記まで、煩雑な手続きをワンストップで進めることができます。この記事では、まとめて依頼する全体の流れと最短ルート、かかる期間と費用の目安、よくある詰まりポイントと回避策、向いている人・向いていない人を解説します。
結論:相続手続きをまとめて依頼する全体の流れと最短ルート
相続手続きをまとめて依頼すると、無料相談→契約→戸籍収集→財産調査→遺産分割協議→名義変更という流れで進みます。オンライン完結型のサービスなら自宅から手続きを進めることができ、複数の手続きを同時進行できるため効率的です。
まず最初にやること3つ
相続手続きをまとめて依頼する際に、まず最初にやるべきことは以下の3つです。
まとめて代行サービスを選ぶ:相続ナビなど、複数の手続きをワンストップで対応してくれるサービスを選びましょう。銀行の相続代行サービスもありますが、オンライン完結型のサービスの方が費用を抑えられるという声が多いです。
無料相談を申し込む:多くのサービスは無料相談を提供しています。遺産の概要や相続人の状況をヒアリングしてもらい、見積もりを取ることができます。複数のサービスで相談して比較することをおすすめします。
遺産の概要と相続人の状況を整理:無料相談をスムーズに進めるために、不動産、預貯金、株式、保険などの遺産の概要と、相続人の人数・連絡先を事前に整理しておきましょう。遺言書の有無も確認しておくと良いでしょう。
かかる時間の目安
相続手続きをまとめて依頼した場合、全体で3〜6ヶ月程度かかるのが一般的です。内訳は以下の通りです。
- 戸籍収集:3週間〜2ヶ月(被相続人が転籍を繰り返している場合はさらに時間がかかることがあります)
- 財産調査:1〜2ヶ月(金融機関や不動産の調査に時間がかかります)
- 遺産分割協議:1〜3ヶ月(相続人全員の合意形成が必要です)
- 名義変更・相続登記:1〜2ヶ月(複数の金融機関や法務局への手続きが含まれます)
法定相続情報一覧図を使うことで、複数の手続きを同時進行できるため、効率的に進めることができます。この一覧図は、法務局が認証した相続関係を証明する書類で、金融機関への提出や不動産登記に使えます。
ステップ別の手順
相続手続きをまとめて依頼する際の具体的な手順を、Step1(事前準備)、Step2(申し込み〜契約)、Step3(手続き開始・完了まで)の3段階に分けて解説します。
Step1 事前準備(チェックリスト)
まとめて依頼する前に、以下の情報を整理しておくとスムーズです。
遺産の概要:不動産(自宅、土地、マンションなど)、預貯金(銀行口座、ゆうちょ銀行など)、株式(証券会社の口座)、保険(生命保険、損害保険)などをリストアップしましょう。固定資産税の納税通知書や通帳、証券会社からの郵便物などが手がかりになります。
相続人の状況:相続人の人数と連絡先を確認しましょう。被相続人の配偶者、子、親、兄弟姉妹など、法定相続人が誰になるかを把握しておくことが重要です。
遺言の有無:遺言書がある場合は、手続きの流れが変わります。自筆証書遺言の場合は家庭裁判所での検認手続きが必要です。公正証書遺言の場合は検認不要ですが、公証役場で遺言書の有無を確認できます。
すでに取得済みの戸籍や住民票:すでに戸籍謄本や住民票を取得している場合は、それを提出することで、不足分のみを代行してもらえます。
Step2 申し込み〜契約
事前準備ができたら、次は申し込みと契約の段階です。
無料相談で遺産の概要や相続人の状況をヒアリング:専門家が遺産の種類や金額、相続人の人数などをヒアリングし、必要な手続きを洗い出します。遺言書の有無によって手続きが変わるため、この段階で確認されます。
遺産整理の基本方針を固める:遺産をどのように分けるか(法定相続分通りか、特定の相続人に多く渡すかなど)の基本方針を決めます。遺言書がある場合はその内容に従いますが、ない場合は相続人全員で話し合います。
見積書の確認:パック料金(一律○万円)または個別料金(不動産1件あたり○万円、預貯金1口座あたり○万円など)の見積もりが提示されます。遺産の額や手続きの範囲によって費用は変わるため、複数のサービスで見積もりを取って比較することをおすすめします。
相続財産承継業務委任契約書の締結:見積もりに納得したら、正式に契約を結びます。契約書には、依頼する業務の範囲、費用、支払い時期、キャンセル条件などが記載されています。内容をよく確認してから署名・押印しましょう。
Step3 手続き開始・完了まで
契約後、実際の手続きが始まります。以下の流れで進みます。
戸籍関係書類の取得と相続関係説明図の作成:被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得し、相続人を確定します。転籍を繰り返している場合は、複数の市区町村に請求が必要です。専門家は職務上請求という制度を使って戸籍を取得できるため、相続人が自分で取りに行く必要はありません。法定相続情報一覧図も作成されます。
相続財産調査と財産目録の作成:不動産の登記簿謄本や固定資産評価証明書、金融機関の残高証明書、証券会社の取引残高報告書などを取得し、遺産の全容を把握します。負債(借金、未払い税金など)も調査します。財産目録は、遺産分割協議の基礎資料となります。
遺産分割協議のサポートと遺産分割協議書の作成:相続人全員で遺産の分け方を話し合います。専門家は法定相続分や各相続人の希望を踏まえ、公平な分割案を提案します。全員が合意したら、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・押印します。この協議書がないと、銀行口座の解約や不動産の名義変更ができません。
各種名義変更:銀行口座の解約・名義変更、証券口座の名義変更、保険金の請求など、金融機関ごとに手続きを進めます。遠方の銀行でも、専門家が郵送や代理人として対応してくれるため、相続人が現地に行く必要はありません。
相続登記の申請:不動産がある場合は、法務局に相続登記を申請します。2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しないと過料(罰金)が科される可能性があります。専門家が登記申請書を作成し、法務局に提出します。
完了報告・書類の受け取り:全ての手続きが完了したら、専門家から完了報告書と各種書類(登記識別情報通知、預金通帳、解約証明書など)を受け取ります。相続税の申告が必要な場合は、税理士への引き継ぎもサポートしてもらえます。
よくある詰まりポイントと回避策
相続手続きをまとめて依頼する際に、詰まりやすいポイントと対処法を紹介します。
相続手続きでよくある詰まりポイントは、戸籍収集や財産調査の負担が大きいこと、遺産分割協議で合意できないこと、複数の金融機関手続きが煩雑なことです。これらは専門家に依頼することで回避できますが、相続人の協力が必要な場面もあります。
入力・書類・連絡で起きがちなミス
戸籍収集が面倒で負担が大きい:被相続人が転籍を繰り返している場合、複数の市区町村に戸籍を請求する必要があります。古い戸籍は手書きで読みにくく、どこまで遡ればよいかわからないこともあります。専門家に依頼すれば、職務上請求で必要な戸籍を全て取得してもらえます。
相続人調査に相続人の協力が必要:戸籍を取得した結果、知らない相続人(前妻の子、認知された子など)が判明することがあります。その場合、その相続人にも連絡を取り、遺産分割協議に参加してもらう必要があります。疎遠な相続人との連絡調整は専門家がサポートしてくれます。
財産目録作成に相続人からの資料提示が必要:財産調査では、相続人が把握している情報(銀行名、証券会社名、保険会社名など)を提供する必要があります。情報が不足していると、調査に時間がかかったり、財産を見落としたりするリスクがあります。
遺産分割協議書に相続人全員の署名押印が必要:遺産分割協議書には、相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付する必要があります。遠方に住んでいる相続人や高齢で外出が難しい相続人がいる場合、郵送でのやりとりになるため時間がかかることがあります。
トラブル時の代替手段
詰まった時の解決策を知っておくと、スムーズに進められます。
戸籍収集が面倒→専門家が職務上請求で代行可能:司法書士や行政書士は、職務上請求という制度を使って戸籍を取得できます。相続人が何度も役所に行く必要はありません。
遠方の銀行手続きが困難→まとめて代行サービスが対応:相続人が遠方に住んでいても、専門家が郵送や代理人として金融機関とやりとりしてくれます。複数の銀行口座がある場合でも、並行して手続きを進められます。
遺産分割協議で合意できない→弁護士への依頼が必要:相続人同士で意見が対立し、話し合いで解決できない場合は、弁護士に依頼して調停や審判に進む必要があります。まとめて代行サービスは紛争案件には対応できないため、早めに弁護士に相談しましょう。
複数の金融機関手続きが負担→法定相続情報一覧図で効率化:法定相続情報一覧図を作成すると、戸籍謄本の束を何度も提出する代わりに、1枚の一覧図で相続関係を証明できます。複数の銀行や法務局に同時に提出できるため、手続きが大幅にスピードアップします。
事前に確認しておきたいこと
相続手続きをまとめて依頼する際に、誤解しやすい点や、ケースによって変わる点を確認しておきましょう。
期待しがちな点(実際はこうなりがち)
「全て丸投げできる」→実際は遺産分割協議書への署名押印など相続人の協力が必要:専門家が戸籍収集や財産調査、書類作成を代行してくれますが、遺産分割協議の合意形成や遺産分割協議書への署名・押印は相続人本人が行う必要があります。完全に丸投げできるわけではありません。
「すぐ完了する」→実際は3〜6ヶ月程度かかる:戸籍収集に時間がかかる場合や、遺産分割協議に時間がかかる場合は、半年以上かかることもあります。相続登記の義務化(3年以内)の期限が迫っている場合は、早めに依頼しましょう。
「費用は安い」→実際は数十万円前後かかる(自分で手続きするより高い):まとめて代行サービスの費用は、遺産の額や手続きの範囲によって変わりますが、一般的に数十万円前後かかります。自分で手続きする場合は実費(戸籍取得費用、登録免許税など)のみで済みますが、時間と手間がかかります。費用対効果を考えて判断しましょう。
ここはケースで変わる
相続財産の種類や数で手続き範囲が変わる:不動産が複数ある場合や、金融機関の口座が10以上ある場合は、手続きの手間が増えるため費用も高くなります。逆に、不動産がなく預貯金のみの場合は、比較的シンプルに進められます。
相続人の人数で合意形成の難易度が変わる:相続人が2〜3人の場合は比較的スムーズに合意できますが、相続人が10人以上いる場合や、疎遠な相続人がいる場合は、連絡調整に時間がかかります。
遺言書の有無で手続きの複雑さが変わる:公正証書遺言がある場合は、検認手続きが不要で、遺言内容に従って手続きを進められます。遺言書がない場合は、遺産分割協議が必要になります。自筆証書遺言がある場合は、家庭裁判所での検認手続きが必要です。
向いている人/向いていない人
相続手続きをまとめて依頼するのが向いている人と、向いていない人を整理します。
向いている人:
平日に時間が取れない会社員:役所や銀行は平日の日中しか開いていないため、仕事をしながら手続きを進めるのは困難です。専門家に依頼すれば、平日に休む必要はありません。
遠方在住で実家に何度も帰省できない人:実家が遠方にある場合、戸籍を取りに行ったり、銀行に行ったりするのに往復の交通費と時間がかかります。専門家に依頼すれば、自宅にいながら手続きを進められます。
複数の金融機関手続きが負担な人:銀行、証券会社、保険会社など、複数の金融機関に同じ書類を何度も提出するのは煩雑です。まとめて代行サービスなら、一括で対応してもらえます。
相続手続きが初めてで不安な人:相続手続きは一生に数回しか経験しないため、何から始めればよいかわからないことが多いです。専門家のサポートがあれば、手続き漏れや書類の不備を防げます。
向いていない人:
費用を最小限に抑えたい人:自分で手続きする場合は実費のみ(数千円〜数万円)で済みます。時間と手間をかけても費用を抑えたい場合は、自分で手続きする方が良いでしょう。
時間に余裕がある人:退職後などで時間に余裕がある場合は、自分で戸籍を取り、銀行に行くことも可能です。手続きを通じて相続の全体像を把握したい場合は、自分で進めるのも一つの選択肢です。
相続トラブルがある人:相続人同士で争いがある場合は、まとめて代行サービスでは対応できません。弁護士に依頼して調停や審判に進む必要があります。
まとめ:今日できる最短の一歩
相続手続きをまとめて依頼すると、戸籍収集から財産調査、遺産分割協議、名義変更、相続登記まで、ワンストップで対応してもらえます。全体で3〜6ヶ月程度かかりますが、オンライン完結型のサービスなら自宅から手続きを進められます。
今日できる最短の一歩は、以下の通りです。
まとめて代行サービスを選ぶ:相続ナビなど、オンライン完結型のサービスを候補に挙げましょう。複数のサービスを比較することをおすすめします。
無料相談を申し込む:多くのサービスは無料相談を提供しています。遺産の概要や相続人の状況をヒアリングしてもらい、見積もりを取りましょう。
遺産の概要と相続人の状況を整理:不動産、預貯金、株式、保険などの遺産の概要と、相続人の人数・連絡先を整理しておくと、相談がスムーズに進みます。
見積もりを確認してから契約:費用は遺産の額や手続きの範囲によって変わります。見積もりを確認し、納得してから契約しましょう。
相続手続きは期限があるものもあるため、早めに動き出すことが大切です。まずは無料相談から始めてみましょう。
