相続手続きをアプリやオンラインで完結できるサービスを活用すれば、役所や銀行に何度も足を運ぶ必要がなく、自宅にいながら戸籍収集から相続登記まで進めることができます。この記事では、相続手続きアプリの全体の流れと最短ルート、ステップ別の手順、よくある詰まりポイントと回避策、向いている人・向いていない人を解説します。
結論:相続手続きアプリの全体の流れと最短ルート
相続手続きアプリ(相続ナビなど)は、オンライン完結で相続手続きを進められるサービスです。従来は役所や銀行に何度も足を運ぶ必要がありましたが、アプリを使えば書類送付とウェブ登録だけで、戸籍収集・遺産調査・相続登記などを専門家が代行してくれます。
最短ルートは「無料相談→見積もり確認→申し込み→オンライン登録」の流れです。オンライン登録後は、進捗をアプリやウェブで確認でき、やることリスト機能で次に何をすべきかが明確になります。
まず最初にやること3つ
相続手続きアプリを使い始める際に、まず最初にやるべきことは以下の3つです。
無料相談で自分のケースに対応できるか確認:相続ナビなどのサービスは無料相談を提供しています。自分のケース(遺産の種類、相続人の人数、遺言書の有無など)がサービスの対応範囲内か確認しましょう。相続トラブルがある場合や海外資産が絡む場合は対応外となることがあります。
見積もりを取って費用感を把握:遺産の額や手続きの範囲によって費用は変わります。無料相談の際に見積もりを取り、自分で手続きする場合と比較して納得できるか確認しましょう。銀行の相続代行サービスより安いという声が多いですが、自分で手続きする場合(実費のみ)より高くなることは理解しておく必要があります。
申し込み後、必要書類や遺産情報をアプリ/ウェブで登録:見積もりに納得したら正式に申し込みます。その後、いくつかの書類を郵送またはアップロードし、遺産の情報(不動産、預貯金、株式など)や分割の仕方をウェブで登録します。登録後は、専門家が戸籍収集や相続登記を代行してくれます。
かかる時間の目安
相続手続きアプリを使った場合、オンライン登録自体は短時間(数十分程度)で完了します。その後、戸籍収集・遺産調査・相続登記は専門家が代行するため、相続人が役所に何度も足を運ぶ必要はありません。
全体の完了までの期間はケースにより異なりますが、従来の方法(自分で役所や銀行に何度も足を運ぶ)よりは短縮されると言われています。戸籍収集に3週間〜2ヶ月、遺産調査に1〜2ヶ月、相続登記に1〜2ヶ月程度かかるのが一般的ですが、オンラインで手続きを進めることで、相続人の負担は大幅に軽減されます。
ステップ別の手順
相続手続きアプリを使った手続きの流れを、Step1(事前準備)、Step2(申し込み〜確認)、Step3(利用開始・初期設定)の3段階に分けて解説します。
Step1 事前準備(チェックリスト)
アプリを使い始める前に、以下の情報を整理しておくとスムーズです。
相続人の確認:誰が相続人になるかを確認しましょう。被相続人の配偶者、子、親、兄弟姉妹など、法定相続人が誰になるかを把握しておくことが重要です。相続人全員の連絡先も確認しておきましょう。
遺産の概要把握:不動産(自宅、土地、マンションなど)、預貯金(銀行口座、ゆうちょ銀行など)、株式(証券会社の口座)などをリストアップしましょう。固定資産税の納税通知書や通帳、証券会社からの郵便物が手がかりになります。負債(借金、未払い税金など)も忘れずに確認しましょう。
遺言書の有無確認:遺言書がある場合は、手続きの流れが変わります。自筆証書遺言の場合は家庭裁判所での検認手続きが必要です。公正証書遺言の場合は検認不要ですが、公証役場で遺言書の有無を確認できます。
相続登記義務化の期限(3年以内)を意識:2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しないと過料(罰金)が科される可能性があります。期限が迫っている場合は、早めにアプリを使って手続きを進めましょう。
Step2 申し込み〜確認
事前準備ができたら、次は申し込みと確認の段階です。
ネットや電話で無料相談を申し込む:相続ナビなどのサービスは、ネットや電話で無料相談を受け付けています。自分のケースに対応できるか、どの程度の費用がかかるかを確認しましょう。
サービス内容や料金を確認:無料相談では、専門家が遺産の種類や金額、相続人の人数などをヒアリングし、必要な手続きを洗い出します。サービスに含まれる内容(戸籍収集、遺産調査、相続登記など)と、含まれない内容(相続税申告、相続トラブル解決など)を確認しましょう。
見積もりに納得したら正式に申し込み:見積もりに納得したら、正式に申し込みを行います。契約書には、依頼する業務の範囲、費用、支払い時期、キャンセル条件などが記載されています。内容をよく確認してから署名・押印しましょう。
オンライン上で簡単な登録を行う:申し込み後、スマホやPCでオンライン登録を行います。基本情報(氏名、住所、連絡先など)を入力し、アカウントを作成します。
Step3 利用開始・初期設定
オンライン登録が完了したら、実際の手続きが始まります。
必要書類を送付(郵送またはアップロード):専門家から指示された書類(被相続人の死亡診断書、すでに取得済みの戸籍謄本など)を郵送またはアプリ経由でアップロードします。書類の不備があれば、専門家が確認してフィードバックしてくれます。
遺産の情報や分割の仕方をウェブで登録:不動産の所在地、金融機関名、口座番号、保険会社名などの情報をウェブで登録します。遺産をどのように分けるか(法定相続分通りか、特定の相続人に多く渡すかなど)の希望も入力します。
戸籍収集・遺産調査・相続登記などは専門家が代行:登録後は、専門家が戸籍収集、遺産調査、相続関係説明図の作成、遺産分割協議書の作成、相続登記申請などを代行してくれます。相続人は専門家の指示に従って、必要に応じて追加書類を提出したり、遺産分割協議書に署名・押印したりするだけです。
進捗はアプリ/ウェブで確認できる(やることリスト機能):手続きの進捗はアプリやウェブで随時確認できます。やることリスト機能により、次に何をすべきかが明確になり、手続きの抜け漏れを防げます。疑問点があれば、電話やメールで専門家に相談できます。
よくある詰まりポイントと回避策
相続手続きアプリを使う際に、詰まりやすいポイントと対処法を紹介します。
アプリで解決できることとできないことを明確に理解しておくことが重要です。相続手続きの代行はできますが、紛争解決や税務申告は対応外であることを把握しておきましょう。
入力・書類・連絡で起きがちなミス
書類の不備(必要書類の漏れ、記入ミス):戸籍謄本や印鑑証明書などの必要書類に漏れがあったり、記入ミスがあったりすると、手続きが遅れます。ただし、専門家が書類をチェックするため、ミスを事前に防ぎやすくなっています。指示された書類を正確に提出することが大切です。
遺産情報の入力ミス(金額、口座番号など):不動産の評価額や預貯金の金額、口座番号などを入力する際に、誤りがあると遺産調査に時間がかかったり、財産を見落としたりするリスクがあります。通帳や固定資産税の納税通知書を手元に置いて、正確に入力しましょう。
相続人全員の連絡先が不明で進まない:遺産分割協議には相続人全員の参加が必要です。疎遠な相続人や連絡先が不明な相続人がいる場合、戸籍を辿って住所を調べる必要があります。専門家がサポートしてくれますが、相続人調査に時間がかかることがあります。
これらは専門家がチェックするため、ミスを防ぎやすい:アプリを使う最大のメリットは、専門家がチェックしてくれることです。書類の不備や入力ミスがあれば、早い段階で指摘してもらえるため、自分で手続きするよりも安心です。
トラブル時の代替手段
アプリで解決できない場合の対応を知っておきましょう。
相続人間で紛争がある場合 → 弁護士に依頼:相続人同士で遺産の分け方について意見が対立し、話し合いで解決できない場合は、弁護士に依頼して調停や審判に進む必要があります。相続手続きアプリは紛争解決には対応していません。弁護士の職務領域であるため、早めに弁護士に相談しましょう。
相続税の申告が必要な場合 → 税理士に依頼(一部サービスは連携あり):遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合は、相続税の申告が必要です。相続税の申告は税理士の職務領域であり、アプリでは対応していません。一部のサービスは税理士と連携しているため、無料相談の際に確認することをおすすめします。
海外資産が絡む場合 → 専門家に相談:海外に不動産や銀行口座がある場合は、国際相続案件として高度な専門知識が必要です。相続手続きアプリでは対応範囲外となることが多いため、国際相続に詳しい専門家に相談しましょう。
事前に確認しておきたいこと
相続手続きアプリを使う際に、誤解しやすい点や、ケースによって変わる点を確認しておきましょう。
期待しがちな点(実際はこうなりがち)
期待:全部自動でやってくれる → 実際:書類送付や情報登録は必要:アプリを使えば全て自動で完了すると期待しがちですが、実際には書類の郵送やアップロード、遺産情報の登録は相続人が行う必要があります。ただし、戸籍収集や相続登記などの面倒な手続きは専門家が代行してくれるため、負担は大幅に軽減されます。
期待:完全無料 → 実際:基本料金+追加費用がかかる:無料相談は無料ですが、サービス利用には基本料金や追加費用が発生します。遺産の額や手続きの範囲によって費用は変わるため、見積もりを確認してから申し込みましょう。銀行の相続代行サービスより安いという声が多いですが、自分で手続きする場合(実費のみ)より高くなることは理解しておく必要があります。
期待:相続トラブルも解決 → 実際:紛争解決は対応外(弁護士領域):相続人同士で争いがある場合、アプリでの対応は難しく、弁護士に依頼する必要があります。紛争解決は弁護士の職務領域であり、相続手続きアプリは紛争案件には対応していません。
期待:相続税申告も含む → 実際:税務申告は別途税理士が必要(連携サービスあり):相続税の申告は税理士の職務領域であり、アプリでは対応していません。ただし、一部のサービスは税理士と連携しているため、相続税申告が必要な場合は無料相談の際に確認しましょう。
ここはケースで変わる
遺産の額や種類によって費用が変わる:不動産が複数ある場合や、金融機関の口座が10以上ある場合は、手続きの手間が増えるため費用も高くなります。逆に、不動産がなく預貯金のみの場合は、比較的シンプルに進められます。無料相談で自分のケースの費用を確認しましょう。
相続人の人数や関係性によって手続きの複雑さが変わる:相続人が2〜3人の場合は比較的スムーズに合意できますが、相続人が10人以上いる場合や、疎遠な相続人がいる場合は、連絡調整に時間がかかります。相続人調査に時間がかかることもあります。
遺言書の有無によって手続きの流れが変わる:公正証書遺言がある場合は、検認手続きが不要で、遺言内容に従って手続きを進められます。遺言書がない場合は、遺産分割協議が必要になります。自筆証書遺言がある場合は、家庭裁判所での検認手続きが必要です。
無料相談で自分のケースを確認することが重要:相続手続きは個々のケースによって異なるため、無料相談で専門家に自分のケースを確認してもらうことが重要です。対応できるか、費用はどの程度か、完了までの期間はどのくらいかを把握してから申し込みましょう。
向いている人/向いていない人
相続手続きアプリが向いている人と、向いていない人を整理します。
向いている人:
平日に役所に行く時間がない会社員:役所や銀行は平日の日中しか開いていないため、仕事をしながら手続きを進めるのは困難です。アプリを使えば、平日に休む必要はありません。
遠方在住で実家に何度も帰省できない人:実家が遠方にある場合、戸籍を取りに行ったり、銀行に行ったりするのに往復の交通費と時間がかかります。アプリを使えば、自宅にいながら手続きを進められます。
初めての相続で不安な人:相続手続きが初めてで、何から始めればよいかわからない人には、やることリスト機能や専門家のサポートが心強いです。手続きの抜け漏れや書類の不備を防げます。
相続登記義務化の期限が迫っている人:2024年4月から相続登記が義務化され、3年以内に登記しないと過料が科される可能性があります。期限が迫っている人は、アプリを使って早めに手続きを進めましょう。
向いていない人:
費用を最小限に抑えたい人:自分で手続きする場合は実費のみ(数千円〜数万円)で済みます。時間と手間をかけても費用を抑えたい場合は、自分で手続きする方が良いでしょう。
相続トラブルがある人:相続人同士で争いがある場合は、アプリでは対応できません。弁護士に依頼して調停や審判に進む必要があります。
相続税申告が必要な人(連携サービスがない場合):相続税の申告は税理士の職務領域です。一部のサービスは税理士と連携していますが、連携がない場合は別途税理士に依頼する必要があります。
まとめ:今日できる最短の一歩
相続手続きアプリ(相続ナビなど)を使えば、オンライン完結で戸籍収集から相続登記まで進められます。役所や銀行に何度も足を運ぶ必要がなく、自宅にいながら手続きを進められるため、平日に時間が取れない会社員や遠方在住の人に向いています。
今日できる最短の一歩は、以下の通りです。
まずは無料相談を申し込む:相続ナビなどのサービスは無料相談を提供しています。自分のケースに対応できるか、費用はどの程度かを確認しましょう。
見積もりを確認して、自分のケースに合うか判断:遺産の額や手続きの範囲によって費用は変わります。見積もりを確認し、自分で手続きする場合と比較して納得できるか判断しましょう。
申し込み後、オンライン登録で手続きを進める:見積もりに納得したら、申し込み後にオンライン登録を行います。書類送付や遺産情報の登録を済ませれば、あとは専門家が代行してくれます。
完璧を目指さず、まずは情報整理から始める:相続手続きは複雑に感じますが、まずは遺産の概要と相続人の状況を整理することから始めましょう。完璧を目指さず、一歩ずつ進めることが大切です。
相続登記の義務化(3年以内)の期限が迫っている場合は、早めに動き出すことをおすすめします。まずは無料相談から始めてみましょう。
