株の相続手続きの流れと必要書類|証券口座の名義変更を解説

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公開日: 2026/1/21

結論:株式相続の全体の流れと最短ルート

親が亡くなり、証券口座に株式が残っていることがわかった。そんなとき「株の相続って何から始めればいいの?」と途方に暮れる方は少なくありません。

株式相続の手続きは、遺産分割協議書の有無によって必要書類や流れが変わります。複雑に見えるかもしれませんが、大きく分けると「3つのやること」に整理できます。

  1. 証券会社への連絡(亡くなったことを届け出る)
  2. 必要書類の準備(戸籍謄本・印鑑証明書など)
  3. 名義変更・口座移管の手続き

この流れを押さえておけば、何をすべきかが明確になります。

まず最初にやること3つ

今日からできる具体的なアクションをお伝えします。

①証券会社への連絡

被相続人(亡くなった方)が口座を持っていた証券会社に連絡し、相続が発生したことを届け出ます。この連絡により、口座が凍結され、相続手続き用の書類が送られてきます。

②必要書類の確認

証券会社から届く案内を確認し、どの書類が必要かをリストアップします。遺産分割協議書の有無や相続人の人数によって必要書類が異なるため、不明点はこの時点で証券会社に確認しておくのがおすすめです。

③戸籍収集の開始

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を集める作業は時間がかかります。早めに着手することで、手続き全体の期間を短縮できます。

かかる時間の目安

株式相続にかかる期間の目安は以下の通りです。

  • 書類収集:1〜2ヶ月程度
  • 証券会社での手続き:数週間程度

合計で2〜3ヶ月程度を見ておくとよいでしょう。ただし、相続人が多い場合や戸籍の取得に時間がかかる場合は、さらに長くなることもあります。印鑑証明書など有効期限のある書類は、発行後6か月以内のものを求められるのが一般的です。書類収集が長引くと取り直しが必要になる可能性があるため、計画的に進めることが大切です。

仕事で忙しく平日に役所や金融機関に行く時間が取れない方、書類収集の手間を減らしたい方は、相続手続きの代行サービスを検討してみるのも一つの方法です。戸籍収集から各種名義変更までをオンラインでワンストップで任せられるサービスもあります。

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ステップ別の手順|株式相続の進め方

証券会社によって細かい様式や手続きの流れは異なりますが、基本的なステップは共通しています。

Step1 事前準備(必要書類チェックリスト)

株式相続に必要な書類をチェックリスト形式でまとめました。

基本的に必要なもの

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等
  • 法定相続人全員の戸籍謄本等
  • 法定相続人全員の印鑑証明書(発行後6か月以内)
  • 証券会社所定の届出書類(相続手続き届出書など)

遺産分割協議がある場合

  • 遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印押印)
  • 株式を相続する人の戸籍謄本・印鑑証明書

遺言書がある場合

  • 遺言書
  • 検認調書(自筆証書遺言の場合)

有効期限に注意

戸籍書類や印鑑証明書は発行後6か月以内のものを求められるのが一般的です。書類の準備が長引くと取り直しが必要になることもあるため、計画的に進めてください。

Step2 証券会社への届出〜書類提出

必要書類が揃ったら、証券会社に提出します。

提出する書類

  • 相続手続き届出書(証券会社所定の様式)
  • 戸籍謄本等一式
  • 印鑑証明書
  • 遺産分割協議書(ある場合)
  • 委任状(代表者が手続きする場合)

法定相続情報一覧図について

法務局が発行する「法定相続情報一覧図」を使えば、戸籍謄本の束を何度も提出する必要がなくなります。複数の金融機関で相続手続きを行う場合は、先に法定相続情報一覧図を取得しておくと便利です。

相続人代表者を選任する場合は、法定相続人全員分の印鑑証明書に加えて「相続人代表者・代理人選任委任状」も必要になります。

Step3 名義変更・口座移管の完了

書類に不備がなければ、証券会社での審査を経て名義変更が完了します。

完了後、証券会社から「相続手続き完了通知」などの書面が届きます。これで株式が相続人名義の証券口座に移管され、売却や保有継続を選択できるようになります。

株式を相続する人が証券口座を持っていない場合は、新規で口座を開設する必要があります。口座開設には数日〜2週間程度かかることがあるため、並行して準備を進めておくとスムーズです。

よくある詰まりポイントと回避策

株式相続の手続きで実際に躓きやすいポイントと、その対処法をお伝えします。

書類の不備・有効期限切れでやり直しになるケース

印鑑証明書は発行後6か月以内のものが必要です。書類の準備に時間がかかり、提出時には有効期限が切れていた……というケースは少なくありません。

回避策

  • 戸籍謄本の収集と印鑑証明書の取得は、タイミングをずらして計画的に
  • 印鑑証明書は、他の書類が揃ってから取得するのがおすすめ
  • 書類は原本提出が原則。コピーでは受理されないので注意

遺産分割協議書の有無で必要書類が変わる

遺産分割協議書がある場合とない場合で、必要書類が異なります。

遺産分割協議書がある場合

  • 被相続人の死亡がわかる戸籍謄本
  • 株式を相続する人の戸籍謄本・印鑑証明書
  • 遺産分割協議書

遺産分割協議書がない場合

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 法定相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書
  • 証券会社所定の届出書に法定相続人全員の署名捺印

遺産分割協議書がない場合は、法定相続人全員の関与が必要になるため、手続きが煩雑になりがちです。事前に証券会社に確認し、自分のケースではどの書類が必要かを明確にしておきましょう。

事前に確認しておきたいこと

手続きを始める前に知っておくと、期待と現実のギャップを防げます。

期待しがちな点(実際はこうなりがち)

「すぐ終わると思っていた」

実際は書類収集だけで1〜2ヶ月かかることも珍しくありません。特に被相続人が転籍を繰り返していた場合、複数の市区町村に戸籍を請求する必要があり、さらに時間がかかります。

「書類を出せば終わりだと思っていた」

提出後も審査があり、書類に不備があれば差し戻されます。一度で完了しないケースも想定しておくとよいでしょう。

「1つの証券会社だけだと思っていた」

被相続人が複数の証券会社に口座を持っていた場合、それぞれで手続きが必要です。事前に保有口座を調査しておくことをおすすめします。

証券会社によって手続きが異なる点

大手証券会社でも、手続きの細部は異なります。

  • 書類の様式:各社オリジナルの届出書を使用
  • 提出方法:郵送のみ、店頭のみ、または両方対応
  • 必要書類の範囲:法定相続情報一覧図の取り扱いなど

SBI証券、野村證券、SMBC日興証券など、会社によって必要書類や手続きフローが異なるため、該当する証券会社のウェブサイトや案内資料を必ず確認してください。

株式相続を自分でやる人/専門家に任せた方がいい人

株式相続を自分で進めるか、専門家や代行サービスに任せるかは、以下のポイントで判断できます。

自分で進めるのが向いている人

  • 平日に役所や金融機関に行く時間がある
  • 相続人が少なく、関係がシンプル
  • 必要書類の収集や申請作業が苦にならない
  • 遺産分割協議がスムーズにまとまっている

専門家や代行サービスに任せた方がいい人

  • 仕事で忙しく、平日の日中に時間が取れない
  • 相続人が多く、書類のやり取りが煩雑
  • 戸籍の収集や申請手続きに不安がある
  • 複数の金融機関で相続手続きが必要
  • 不動産など株式以外の相続財産もある

株式以外にも不動産の相続登記や銀行口座の名義変更が必要な場合、手続きを個別に進めるより、まとめて任せられる相続代行サービスを利用した方が効率的なこともあります。

まとめ:今日できる最短の一歩

株式相続の手続きは、大きく分けて「証券会社への連絡」「書類の準備」「名義変更」の3ステップです。

今日からできる最短の一歩は、以下の2つです。

1. 証券会社に連絡する

被相続人が口座を持っていた証券会社に電話やウェブから連絡し、相続が発生したことを届け出てください。これにより、必要書類の案内が届きます。

2. 戸籍の収集を始める

被相続人の本籍地の市区町村役場に、戸籍謄本の請求を行いましょう。郵送請求も可能です。

書類収集に時間がかかりそうな場合や、平日に役所や金融機関に行く時間が取れない場合は、相続手続きの代行サービスに相談してみるのも選択肢の一つです。戸籍収集から証券口座の名義変更、不動産の相続登記まで、オンラインでワンストップで対応してもらえるサービスもあります。

相続手続きは、後回しにすればするほど書類の有効期限切れなどで手間が増えがちです。まずは今日、証券会社への連絡から始めてみてください。

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よくある質問

Q1株式の相続手続きはどのくらい時間がかかりますか?

A1書類収集に1〜2ヶ月、証券会社での手続きに数週間が目安です。合計で2〜3ヶ月程度かかることが多いですが、相続人の人数や書類の準備状況によって変わります。印鑑証明書の有効期限(発行後6か月以内)に注意しながら計画的に進めることをおすすめします。

Q2遺産分割協議書がなくても株式相続はできますか?

A2はい、可能です。ただし、遺産分割協議書がない場合は、法定相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書と、全員の署名捺印がある届出書が必要になります。相続人が多い場合は手続きが煩雑になるため、遺産分割協議を行って協議書を作成した方がスムーズに進むこともあります。

Q3法定相続情報一覧図とは何ですか?

A3法務局が発行する、相続関係を一覧にまとめた書類です。一度取得すれば、戸籍謄本の束の代わりとして複数の手続きで繰り返し使用できます。複数の証券会社や銀行で相続手続きを行う場合は、先に法定相続情報一覧図を取得しておくと便利です。

Q4印鑑証明書の有効期限はありますか?

A4多くの証券会社では発行後6か月以内のものを求められます。書類収集が長引いて手続き時に有効期限が切れていると、取り直しが必要になります。戸籍謄本の収集に時間がかかりそうな場合は、印鑑証明書は他の書類が揃ってから取得するのがおすすめです。

Q5相続した株式は必ず売却しないといけませんか?

A5いいえ、そのまま保有し続けることも可能です。相続手続きでは、被相続人名義の株式を相続人名義の証券口座に移管します。移管後は売却するか保有を続けるかを自由に選択できます。相続人が証券口座を持っていない場合は、新規で口座を開設する必要があります。