結論:相続が面倒に感じるのは「何からやれば」に答えが出ていないから
親が亡くなって相続手続きが必要になった——でも、何から手をつければいいのかわからない、やることが多すぎて気が重い。そんな風に感じている方は多いのではないでしょうか。
相続手続きが面倒に感じる最大の理由は、「やることが多すぎて優先順位がわからない」ことにあります。戸籍の収集、財産の調査、遺産分割協議、各種名義変更——リストアップするだけで気が遠くなりますが、実は最初の3ステップさえ踏めば、前に進むことができます。
最初の3ステップ
- 死亡届の提出(7日以内)
- 戸籍収集と相続人の確定
- 相続財産の把握
この3ステップを順番に進めることで、「次に何をすればいいか」が見えてきます。完璧を目指さず、まずは情報整理から始めることが大切です。
ステップ0:状況整理(何を優先すべきか)
相続手続きを始める前に、まず自分の状況を整理しましょう。以下の3つを確認することで、優先順位が見えてきます。
1. 遺言書の有無
遺言書がある場合は、その内容に従って手続きを進めます。ない場合は、遺産分割協議が必要です。
2. 相続財産の概要
不動産、預貯金、株式、保険などの大まかな把握。負債がある場合は、相続放棄の検討も必要です。
3. 相続人の人数
相続人が多いほど、手続きは複雑になります。連絡先を把握しておくことも大切です。
また、期限が決まっている手続きを先に確認しましょう。
- 死亡届:死亡を知った日から7日以内
- 相続放棄:相続を知った日から3ヶ月以内
- 相続登記:相続発生から3年以内(2024年4月から義務化)
全部を一度にやろうとせず、順番に進めることが大切です。
ステップ1:死亡届の提出(7日以内)
相続手続きの第一歩は、死亡届の提出です。死亡届は、死亡を知った日から7日以内に市区町村役場に提出する必要があります。
多くの場合、葬儀社が代行してくれます。死亡診断書も同時に取得しておきましょう。この書類は、銀行口座の凍結解除や保険金の請求など、様々な手続きで必要になります。
ステップ2:戸籍収集と相続人の確定
次に、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を収集します。これは、相続人全員を確定させるために必要です。相続人を1人でも漏らすと、遺産分割協議が無効になるため、丁寧に調査する必要があります。
被相続人が転籍を繰り返している場合は、複数の市区町村に請求する必要があります。戸籍の様式や記載内容は時期により異なるため、読み取りが難しいこともあります。
ステップ3:相続財産の把握
相続人が確定したら、次は相続財産の把握です。
プラスの財産
- 不動産(土地・建物)
- 預貯金
- 株式・投資信託
- 生命保険
- 貴金属・骨董品
マイナスの財産(負債)
- 住宅ローン
- クレジットカードの未払い
- 借入金
負債が多く、相続財産よりも負債が上回る場合は、相続放棄を検討すべきです。相続放棄は、相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。
固定資産評価証明書や残高証明書を取得して、財産の詳細を確認しましょう。
最初の3ステップを踏んだ後、どう進めるか迷っている方へ
自宅にいながら相続手続きを進められるサービスがあります。戸籍収集から相続登記まで、専門家が代行してくれます。
なぜ相続手続きは面倒に感じるのか(よくある詰まり)
相続手続きが面倒に感じる理由は、人によって異なります。ここでは、よくある詰まりポイントを整理します。
みんながハマる落とし穴
戸籍の収集が複雑
戸籍の様式や記載内容は、作成時期により異なるため読み取りが難しいことがあります。被相続人が転籍を繰り返している場合、出生から死亡までの戸籍を集めるのに時間がかかります。
遺言書の有無確認のタイミングや方法が不明
遺言書がある場合は、家庭裁判所での検認手続きが必要です(自筆証書遺言の場合)。検認手続きをせずに遺言書を開封すると、過料が科される可能性があります。
相続人全員の連絡先把握が煩雑
相続人が多い場合や、疎遠な親族がいる場合、連絡先を把握するのが大変です。相続人全員の署名押印が必要な遺産分割協議書を作成する際、1人でも連絡が取れないと手続きが進みません。
相続財産や負債の調査に時間がかかる
不動産、預貯金、株式、保険など、相続財産の種類が多いほど調査に時間がかかります。負債の有無も確認する必要があります。
ここは人によって正解が変わる
相続手続きには、ケースバイケースで正解が変わる部分があります。
遺言書の有無によって手続きが変わる
遺言書がある場合は、その内容に従って手続きを進めます。遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、合意した内容を遺産分割協議書に作成します。
相続財産の額によって相続税の申告が必要かどうかが変わる
相続財産が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 相続人の人数)を超える場合は、相続税の申告が必要です。申告期限は、相続を知った日から10ヶ月以内です。
相続人の人数や関係性によって手続きの複雑さが変わる
相続人が多いほど、合意形成が難しくなる傾向があります。また、相続人同士の関係性が悪い場合は、遺産分割協議が難航することがあります。
相続手続きの選択肢マップ(自分でやる/代行/放棄)
相続手続きには、大きく分けて3つの選択肢があります。それぞれのメリットとデメリットを整理します。
目的別に合う選択肢
時間を節約したい→代行サービス(相続ナビなど)
平日に役所や銀行に行く時間が取れない方、遠方在住の方におすすめです。戸籍収集から相続登記まで、専門家が代行してくれます。
費用を最小限に抑えたい→自分で手続き
時間に余裕がある方は、自分で戸籍謄本や印鑑証明書を揃えて相続登記を申請することが可能です。ただし、戸籍収集が複雑な場合は、専門家に依頼する方が効率的です。
負債が多い→相続放棄(3ヶ月以内)
負債が多く、相続財産よりも負債が上回る場合は、相続放棄を検討すべきです。相続放棄は、相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。
相続トラブルがある→弁護士に依頼
相続人同士で争いがある場合は、弁護士への依頼が必要です。訴訟・調停が必要な紛争案件は、弁護士の職務領域となります。
代行の方が楽なケース
以下のような場合は、代行サービスの利用が効率的です。
平日に役所や銀行に行く時間が取れない会社員
共働き世帯や会社員の方は、平日に休みを取るのが難しいことが多いです。代行サービスなら、自宅にいながら手続きを進めることができます。
遠方在住で実家に何度も帰省できない人
親の実家と離れた場所に住んでいる方は、何度も帰省して手続きするのが困難です。オンライン完結型の代行サービスなら、遠方からでも対応できます。
戸籍収集が複雑(転籍を繰り返している)
被相続人が転籍を繰り返している場合、出生から死亡までの戸籍を集めるのに時間がかかります。専門家に依頼すれば、職務上請求という制度を使って効率的に収集できます。
相続登記義務化(3年以内)の期限が迫っている
2024年4月から相続登記が義務化され、相続発生から3年以内に登記しないと過料(10万円以下)が科される可能性があります。期限が迫っている方は、代行サービスの利用がおすすめです。
代行サービスが効くのはこういう時
代行サービスは、全ての人に適しているわけではありません。ここでは、代行サービスが効くケースと、逆に向かないケースを整理します。
早く進めたい/専門知識がなくても安心したい
代行サービスのメリットは、以下の通りです。
戸籍収集から相続人確定を迅速に行える
専門家が職務上請求という制度を使って、戸籍謄本を代理で取得できます。転籍を繰り返している場合でも、効率的に収集できます。
各種名義変更や相続登記をスムーズに進められる
不動産の相続登記、銀行口座の名義変更・解約、証券口座の名義変更など、煩雑な手続きを代行してもらえます。
オンライン完結型なら自宅から手続き可能
オンライン相談と進捗確認により、平日に役所や銀行に行く必要がありません。スマホやPCを使って、自宅から手続きを進めることができます。
専門家のサポートで法的な不備を防げる
相続手続きには、法的な知識が必要な部分があります。専門家のサポートを受けることで、手続きの不備を防ぎ、トラブルを回避できます。
相続手続きを専門家に任せて、安心して進めたい方へ
戸籍収集から相続登記まで、専門家が代行してくれます。オンライン完結型なら、自宅にいながら手続きを進めることができます。
逆に向かない時
以下のような場合は、代行サービスが適さない可能性があります。
費用を最小限に抑えたい
代行サービスを利用すると、数十万円前後の費用がかかります。自分で手続きする場合は、登録免許税と実費のみで済みます。時間に余裕がある方は、自分で手続きすることを検討してもよいでしょう。
時間に余裕がある
退職後などで時間に余裕がある方は、自分で戸籍収集や相続登記を進めることも可能です。手続きの流れを理解しながら進めたい方には、自分でやる方法が合っているかもしれません。
相続トラブルがある
相続人同士で争いがある場合は、弁護士への依頼が必要です。一般的な相続代行サービスでは対応できません。
相続放棄を検討している
相続放棄を検討している場合は、家庭裁判所への申述が必要です。相続放棄は、相続を知った日から3ヶ月以内に行う必要があるため、早めに弁護士や司法書士に相談しましょう。
まとめ:相続が面倒に感じたら、この順で決める
相続手続きが面倒に感じたら、以下の順で進めることをおすすめします。
1. まず状況整理
- 遺言書の有無
- 相続財産の概要
- 相続人の人数
この3つを確認することで、優先順位が見えてきます。
2. 次に選択肢を決める
- 時間を節約したい→代行サービス(相続ナビなど)
- 費用を最小限に抑えたい→自分で手続き
- 負債が多い→相続放棄(3ヶ月以内)
- 相続トラブルがある→弁護士に依頼
自分の状況に合わせて、最適な選択肢を選びましょう。
3. 代行する場合は無料相談を申し込む
多くの代行サービスが無料相談を提供しています。まずは相談を申し込んで、見積もりを確認しましょう。
4. 完璧を目指さず、まずは情報整理から始める
相続手続きは、一度に全てを完璧にやろうとすると、途中で挫折してしまいます。まずは情報整理から始めて、順番に進めることが大切です。
相続手続きが面倒に感じるのは、「何からやれば」に答えが出ていないからです。最初の3ステップを踏めば、前に進むことができます。
