横浜市で中古戸建てを購入する前に知っておくべき価格相場とエリア選びのポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/18

横浜市の中古戸建て市場の特徴と魅力

横浜市で中古戸建ての購入を検討する際、「どのエリアを選べばいいのか」「価格相場はどのくらいなのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。

この記事では、横浜市18区の価格相場とエリア別の特徴、中古戸建て選びのチェックポイント、築年数と耐震基準の確認方法を、国土交通省の不動産取引価格情報等の公的データを元に解説します。

初めて中古戸建てを購入する方でも、適切なエリアと物件を選ぶための知識を得られます。

この記事のポイント

  • 横浜市内で約3,000件以上の中古戸建てが常時流通しており、選択肢が豊富
  • 価格相場はエリア・築年数・駅距離により大きく変動(都心アクセス重視エリアで4,000-8,000万円程度、郊外エリアで2,000-4,000万円程度が目安)
  • 2000年6月以降の新耐震基準施行後の物件を選ぶと耐震性が高い
  • ホームインスペクション(住宅診断)で雨漏り、シロアリ被害等を専門家にチェックしてもらうことを推奨
  • 再建築可否の確認が重要(接道2m未満の物件は建て替え不可)

(1) 横浜市内で約3,000件以上の物件が流通

横浜市の中古戸建て市場は非常に活発で、2024-2025年時点で約3,000件以上の物件が常時流通しています。

全18区で物件が幅広く流通しているため、都心アクセス重視、ファミリー向けの住環境重視、予算重視など、多様なニーズに対応できる選択肢があります。

複数の不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME'S、アットホーム等)を併用することで、より多くの物件を比較検討できます。

(2) 新築同様のリフォーム済み物件の増加傾向

近年、横浜市内ではリフォーム済み・リノベーション済みの中古戸建てが増加しています。

2024年築の新築同様の物件が中古市場に流通しているケースもあり、新築価格よりも割安で、内装・設備が新しい物件を購入できる可能性があります。

リフォーム済み物件は、キッチン・バス・トイレ等の水回り、壁紙・床材、外壁・屋根等が新品に近い状態で、引き渡し後すぐに快適に住めるメリットがあります。

(3) 区によって価格帯と特徴が大きく異なる

横浜市は18区から構成されており、区によって交通利便性、商業施設の充実度、教育環境、自然環境が大きく異なります。

そのため、価格相場もエリアによって大きく変動します。次のセクションで区別の特徴と価格相場を詳しく解説します。

横浜市18区の価格相場とエリア別の特徴

横浜市の中古戸建て価格は、駅からの距離、築年数、エリアにより大きく異なります。ここでは、都心アクセス重視エリア、ファミリー向けエリア、物件数豊富なエリアに分けて解説します。

(1) 都心アクセス重視エリア(中区・西区・神奈川区)

中区・西区: 横浜駅、みなとみらい、関内等の中心部に近く、都心へのアクセスが非常に良好です。商業施設が充実しており、都市生活を楽しみたい方に適しています。価格帯は高めです。

神奈川区: 横浜駅から1駅でアクセスでき、カップルや単身者にも人気のエリアです。中区・西区よりもやや価格帯が抑えられます。

(2) ファミリー向けエリア(港北区・緑区・青葉区・都筑区)

港北区: 緑豊かで大型公園があり、ファミリー層に人気のエリアです。教育環境も充実しています。

緑区・青葉区・都筑区: 閑静な住宅街が広がり、自然環境と教育環境のバランスが良いエリアです。子育て世代に特に人気があります。

これらのエリアは、都心へのアクセスと住環境のバランスが良く、長期的な居住に適しています。

(3) 物件数豊富で選択肢の多いエリア(戸塚区・保土ケ谷区・旭区)

戸塚区・保土ケ谷区: 横浜市内で特に物件数が多く、選択肢が豊富です。価格帯も比較的抑えられており、予算重視の方に適しています。

旭区: 広い敷地の物件が多く、ゆったりとした住環境を求める方に適しています。

これらのエリアは、駅からの距離や築年数によって価格差が大きいため、条件を柔軟に設定することで予算に合った物件を見つけやすくなります。

(4) 駅距離と築年数による価格差の目安

横浜市の中古戸建て価格は、以下のような要因で変動します。

要因 価格への影響
駅からの距離 徒歩10分以内は高め、15分以上は抑えられる
築年数 築10年以内は高め、築20年以上は抑えられる
エリア 都心アクセス重視エリア(中区・西区等)で4,000-8,000万円程度、郊外エリア(戸塚区等)で2,000-4,000万円程度が目安

(出典: 不動産ポータルサイトの価格データ、2024-2025年時点)

価格相場は市場動向により変動するため、最新の価格は複数の不動産ポータルサイトで確認することを推奨します。

中古戸建て選びの基本チェックポイント

中古戸建てを購入する際は、立地だけでなく、建物の状態、法的な制約を確認することが重要です。ここでは、購入者が特に重視すべきチェックポイントを解説します。

(1) 立地と交通アクセス

最寄駅からの距離、バス便の有無、主要駅(横浜駅、東京駅等)までの所要時間を確認します。

また、周辺に商業施設(スーパー、ドラッグストア等)、教育施設(保育園、小中学校等)、医療機関があるかもチェックします。

(2) 建物内部の傷・設備の劣化状況

中古住宅を購入した500人を対象としたアンケート調査では、過半数が「築年数」「建物内部の傷」「設備の劣化・老朽化」を重視したと回答しています。

特に、キッチン・バス・トイレ等の水回り、給湯器、エアコン等の設備は、築10年以降に劣化が進むため、交換・修繕費用を購入予算に織り込む必要があります。

(3) ホームインスペクション(住宅診断)の活用

ホームインスペクションとは、住宅診断士による建物の劣化状況・欠陥の有無を調査するサービスです。

雨漏り、シロアリ被害、外壁クラック等を専門家にチェックしてもらうことで、購入後の予期せぬ修繕費用を回避できます。費用は5-10万円程度です。

ホームインスペクションは任意ですが、築年数が古い物件や外観に不安がある場合は、専門家のチェックを受けることを推奨します。

(4) 再建築可否の確認(接道義務2m以上)

建築基準法では、敷地が道路に2m以上接していることが義務付けられています。

この接道義務を満たさない物件は「再建築不可物件」と呼ばれ、将来建て替えができません。

再建築不可物件は価格が安い場合がありますが、将来的な建て替えやローン審査に影響があるため、購入前に必ず確認してください。

築年数と耐震基準の確認方法

中古戸建ての築年数は、耐震性能に大きく影響します。ここでは、耐震基準の違いと確認方法を解説します。

(1) 1981年6月以前の旧耐震 vs 2000年6月以降の新耐震

日本の建築基準法における耐震基準は、以下のように改正されてきました。

時期 耐震基準 特徴
1981年6月以前 旧耐震基準 震度5程度の地震に耐えられる基準
1981年6月-2000年5月 新耐震基準 震度6-7の地震に耐えられる基準
2000年6月以降 改正新耐震基準 木造住宅の接合部・壁量の規定強化

2000年6月以降の新耐震基準施行後の物件は、耐震性が最も高いとされています。

それ以前の物件を購入する場合は、耐震診断を受け、必要に応じて耐震補強工事を検討してください。

(2) 外壁クラックの見方(0.5mm以上は要注意)

外壁のクラック(ひび割れ)は、建物の劣化状況を示す重要なサインです。

  • 0.5mm未満のクラック: 表面的なひび割れで、すぐに問題になることは少ない
  • 0.5mm以上または1m以上のクラック: 構造的な問題の可能性があり、専門家の診断が必要

外壁クラックが目立つ場合は、購入前に建築士やホームインスペクターに相談してください。

(3) 耐震補強工事の費用目安(100-200万円)

1981年6月以前の旧耐震基準の物件や、2000年6月以前の物件で耐震診断の結果が不十分だった場合は、耐震補強工事が必要になることがあります。

耐震補強工事の費用は、築年数や建物の状態により異なりますが、100-200万円程度が目安です。

耐震補強工事を行うことで、地震リスクを大幅に軽減できるため、長期的に安心して住むためには重要な投資です。

購入時の諸費用とリフォームコストの見積もり

中古戸建ての購入には、物件価格以外にも諸費用やリフォーム費用がかかります。ここでは、主な費用項目と目安を解説します。

(1) 仲介手数料の計算方法(売買価格×3%+6万円+消費税)

不動産会社を通じて物件を購入する場合、仲介手数料が発生します。

仲介手数料の上限は、以下の計算式で求められます。

仲介手数料の上限 = (売買価格 × 3% + 6万円)+ 消費税

例えば、売買価格が3,000万円の場合:

  • 仲介手数料 = (3,000万円 × 3% + 6万円)+ 消費税
  • = (90万円 + 6万円)× 1.1
  • = 105.6万円

仲介手数料は、売買契約時と引き渡し時に分割で支払うことが一般的です。

(2) 築10年以降のリフォーム費用の増加

中古戸建てを購入する場合、築年数に応じてリフォーム費用が増加します。

築年数 リフォーム内容 費用目安
築10年未満 軽微な修繕(クロス張替え等) 10-50万円
築10-20年 水回り設備交換(キッチン、バス等) 100-300万円
築20年以上 外壁・屋根塗装、床・壁の全面改修 300-500万円以上

リフォーム費用は、購入予算に織り込んで総予算を見積もることが重要です。

(3) 前所有者の売却理由と近隣トラブルの調査

中古戸建てを購入する際は、前所有者の売却理由を確認することを推奨します。

売却理由が「転勤」「住み替え」等の一般的なものであれば問題ありませんが、「近隣トラブル」「建物の不具合」等が理由の場合は、購入を慎重に検討する必要があります。

また、近隣住民とのトラブル(騒音、境界線問題等)の有無を、不動産会社や近隣住民への聞き込みで確認することも有効です。

まとめ:自分に合った中古戸建てを見つけるためのステップ

横浜市の中古戸建て市場は、約3,000件以上の物件が流通しており、選択肢が非常に豊富です。

価格相場はエリア・築年数・駅距離により大きく変動し、都心アクセス重視エリア(中区・西区等)で4,000-8,000万円程度、郊外エリア(戸塚区等)で2,000-4,000万円程度が目安です。

自分に合った中古戸建てを見つけるためには、以下のステップを実践してください。

  1. 複数の不動産ポータルサイトで物件を検索(SUUMO、HOME'S、アットホーム等)
  2. エリア・駅距離・築年数・価格帯の優先順位を決める
  3. 2000年6月以降の新耐震基準施行後の物件を優先的に検討
  4. ホームインスペクションで建物状態をチェック
  5. 再建築可否、前所有者の売却理由を確認
  6. 仲介手数料、リフォーム費用を含めた総予算を見積もる

信頼できる不動産会社や宅地建物取引士に相談しながら、無理のない資金計画を立て、長期的に安心して住める中古戸建てを選びましょう。

よくある質問

Q1横浜市の中古戸建ての価格相場はどのくらい?

A1横浜市の中古戸建て価格相場は、エリア・築年数・駅距離により大きく変動します。都心アクセス重視のエリア(中区・西区・神奈川区)で4,000-8,000万円程度、郊外のエリア(戸塚区・保土ケ谷区・旭区)で2,000-4,000万円程度が目安です。駅から徒歩10分以内は価格帯が高め、15分以上は抑えられる傾向があります。最新の価格相場は、複数の不動産ポータルサイトで確認してください。

Q2横浜市でファミリー向けの人気エリアは?

A2横浜市でファミリー向けに人気のエリアは、港北区、緑区、青葉区、都筑区です。これらのエリアは緑豊かで大型公園があり、教育環境も充実しています。閑静な住宅街が広がり、子育て世代に特に人気があります。都心へのアクセスと住環境のバランスが良く、長期的な居住に適しています。詳細な物件情報は、不動産ポータルサイトで検索してください。

Q3中古戸建て購入時に注意すべき築年数の目安は?

A32000年6月以降の改正新耐震基準施行後の物件を選ぶと、耐震性能が最も高く安心です。1981年6月以前の旧耐震基準の物件は、震度5程度の地震にしか耐えられない基準で建てられているため、耐震診断を受け、必要に応じて耐震補強工事(費用100-200万円程度)を検討してください。築年数が古い物件を購入する場合は、専門家のチェックを受けることを推奨します。

Q4ホームインスペクションは必要?

A4ホームインスペクション(住宅診断)は任意ですが、専門家による雨漏り、シロアリ被害、外壁クラック等のチェックを受けることを推奨します。特に築年数が古い物件や外観に不安がある場合は、購入後の予期せぬ修繕費用を回避するために有効です。費用は5-10万円程度で、住宅診断士が建物の劣化状況・欠陥の有無を調査します。詳細は宅地建物取引士にご相談ください。

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Room Match編集部

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