中古一戸建て平屋の選び方完全ガイド:エリア別相場と購入の注意点

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/24

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なぜ今、中古一戸建て平屋が注目されるのか

「階段の上り下りがない暮らし」「老後も安心なバリアフリー住宅」「子育て世代にも適した効率的な動線」——こうした理由から、中古一戸建て平屋への関心が高まっています。新築より価格を抑えながら、全国の主要都市(大阪、京都、札幌、仙台など)で物件を探している方も多いでしょう。

しかし、中古住宅の購入には「築年数はどれくらいが適切か」「耐震性は大丈夫か」「リフォーム費用はいくらかかるのか」といった不安がつきものです。

この記事では、中古平屋一戸建ての購入を検討している方に向けて、平屋のメリット・デメリット、全国主要エリアの価格相場、物件選びのチェックポイント、住宅ローン控除の活用方法を、国土交通省国税庁の公式データをもとに解説します。

初めて中古住宅を購入する方でも、必要な知識と次のアクションを明確に把握できるようになります。

この記事のポイント

  • 平屋の着工棟数は2011年の約2.8万棟から2021年には約5.5万棟まで増加し、人気が急上昇している
  • 平屋の主なメリットはバリアフリー化のしやすさ、効率的な動線、メンテナンス費用の抑制
  • 築年数20~25年が価格と品質のバランスが良い狙い目で、2000年6月以降の物件は耐震性が高い
  • 中古住宅の住宅ローン控除は2022年に築年数制限が撤廃され、最大140万円(10年間)控除可能
  • 2025年の中古一戸建て市場は都心部と郊外で二極化が進行している

(1) 平屋の着工棟数が10年で2倍に増加

国土交通省の建築着工統計調査によると、平屋の着工棟数は2011年の約2.8万棟から2021年には約5.5万棟まで増加しました。この10年間で約2倍に増えており、平屋の人気が急上昇していることがわかります。

平屋が人気の理由

  • 高齢化社会の進行に伴うバリアフリー住宅への需要
  • セカンドライフを見据えた住み替えの増加
  • 子育て世代の「子どもの様子が見守りやすい」というニーズ
  • 階段がない分、掃除や家事の負担が軽減される

(2) バリアフリー・セカンドライフへの関心の高まり

40-60代の方がセカンドライフを見据えて住み替えを検討する際、「階段の上り下りがない」という点が最大の魅力となっています。また、子育て世代にとっても、ワンフロアで子どもの様子を見守りやすいことがメリットです。

新築平屋の建築坪単価は2階建てより高くなる傾向がありますが、中古平屋であれば価格を抑えつつ、理想の暮らしを実現できます。

平屋の基礎知識:メリット・デメリット徹底解説

(1) 平屋の7つのメリット:バリアフリー・効率的な動線・メンテナンス性

平屋には以下のような7つの主要なメリットがあります。

メリット 詳細
バリアフリー化しやすい 階段がないため、高齢者や小さな子どもがいる家庭に適している。将来的な改修も容易。
効率的な動線 ワンフロアで生活が完結するため、家事動線が短く、無駄な移動が少ない。
家族とのコミュニケーションが取りやすい リビングから各部屋への距離が近く、家族の様子を把握しやすい。
天井高を確保しやすい 2階がないため、屋根の形状を活かして天井を高く設計できる。開放感のある空間が実現可能。
メンテナンス費用を抑えやすい 外壁や屋根の点検・塗装が2階建てより容易で、足場を組む必要がない場合もあり、長期的なメンテナンス費用を抑えられる。
構造的に安定 2階がないため、重心が低く、地震や台風に対して安定している。
避難しやすい 火災や地震の際、すぐに屋外へ避難できる。

(2) 平屋の5つのデメリット:広い敷地・坪単価・防犯面

一方で、平屋には以下のような5つのデメリットもあります。

デメリット 詳細
広い敷地が必要 2階建てと同じ延べ床面積を確保するには、2倍の建築面積が必要。都心部では土地取得が困難な場合がある。
建物の坪単価が高くなりやすい 基礎や屋根の面積が2階建てより大きくなるため、建築コストが高くなる傾向。
日当たりや通風が悪くなる可能性 周囲の建物に囲まれると、1階部分のみでは採光や通風が制限される場合がある。
プライバシー確保が難しい すべての居室が1階にあるため、道路や隣家からの視線が気になることがある。
防犯面での配慮が必要 1階部分が外部に接しているため、窓の施錠、防犯カメラ、センサーライトなどの対策が必要。

(3) デメリットを解消する間取りの工夫

デメリットを解消するための間取りの工夫も可能です。

  • コの字型・ロの字型の配置:中庭を設けることで、プライバシーを確保しつつ採光・通風を確保
  • 高窓の設置:隣家からの視線を避けながら採光を確保
  • 防犯設備の充実:窓に格子や防犯フィルムを設置、センサーライトや防犯カメラを導入

中古平屋の場合、購入後にリフォームでこれらの工夫を追加することも可能です。

全国主要エリアの中古平屋一戸建て価格相場

(1) 東京23区・都心部の価格動向(2025年)

LIFULL HOME'Sマーケットレポート(2025年10月)によると、2025年の中古一戸建て平均価格は以下の通りです。

エリア 平均価格 前年比
東京23区 9,117万円 118.9%
東京都下 3,810万円 109.4%
東京都心6区 さらに高額 上昇傾向

東京23区の中古一戸建て価格は過去最高を更新しており、都心部では高騰が続いています。

(2) 大阪・京都・愛知など主要都市の相場比較

主要都市の中古一戸建て価格は、東京ほど高騰していませんが、エリアにより上昇傾向が見られます。

都市 価格水準(目安) 特徴
大阪市 4,000~6,000万円 都心部は上昇、郊外は横ばい
京都市 4,500~7,000万円 人気エリアは高値維持
名古屋市 3,500~5,000万円 比較的安定

※価格は築年数・立地・物件状態により大きく異なります。個別の査定が必要です。

(3) 札幌・仙台など地方都市の価格水準

地方都市では、都心部に比べて価格が抑えられています。

都市 価格水準(目安) 特徴
札幌市 2,000~3,500万円 広い土地を確保しやすい
仙台市 2,500~4,000万円 平屋人気が高い
さいたま市 3,000~5,000万円 首都圏郊外として人気

地方都市では、広い敷地を必要とする平屋の物件を探しやすく、価格も都心部より低い傾向があります。

失敗しない物件選びのチェックポイント

(1) 築年数の狙い目と耐震性の確認(2000年6月基準)

築年数の狙い目

中古住宅を購入する際、築年数は重要な判断基準です。築20~25年が価格と品質のバランスが良い狙い目とされています。

  • 築10年未満:価格が高いが、設備が新しく修繕の心配が少ない
  • 築10~20年:価格と品質のバランスが良い
  • 築20~25年:価格が下がり始め、コストパフォーマンスが高い
  • 築25年以上:価格は安いが、大規模修繕が必要になる可能性が高い

耐震性の確認

2000年6月の改正建築基準法施行後に建てられた物件は、耐震基準が大幅に強化されており、耐震性が高いとされています。購入前に以下の点を確認しましょう。

  • 建築年月日(2000年6月以降が望ましい)
  • 耐震診断の有無
  • 建ぺい率・容積率の適合性(違反物件は住宅ローンが組めない場合がある)

(2) ホームインスペクション(住宅診断)の活用

**ホームインスペクション(住宅診断)**は、専門家が住宅の劣化状況や欠陥の有無を診断するサービスです。購入前に実施することで、以下の問題を発見できます。

  • 雨漏りの有無
  • 床の傾きや劣化
  • シロアリ被害
  • 基礎や構造部分のひび割れ
  • 給排水管の劣化

費用は5~10万円程度ですが、購入後に高額な修繕費用が発生するリスクを大幅に減らせます。

(3) 購入者500人が重視した情報:設備・外壁・売主の売却理由

LIFULL HOME'Sの調査によると、中古住宅を購入した500人が重視した情報は以下の通りです。

重視した情報 割合
築年数 1位
家の中のキズや痛み 2位
設備の不具合・古さ 3位

内覧時のチェックポイント

  • 外壁・屋根:色褪せ、ダメージ、錆び、水シミ、塗装の剥がれ
  • 設備:キッチン、浴室、トイレ、給湯器の動作確認
  • 売主の売却理由:転勤、住み替え、相続などの納得できる理由か確認
  • 近隣住民の情報:騒音、トラブルの有無を不動産会社に確認

避けるべき物件の特徴

  • 建ぺい率・容積率違反の物件
  • 明らかに傾いている物件
  • 外壁・屋根の劣化が激しい物件(修繕費用が高額になる可能性)

購入の流れと資金計画:費用・税金・住宅ローン控除

(1) 中古一戸建て購入の初期費用(物件価格の5~10%)

中古一戸建ての初期費用は、物件価格の**5~10%**が目安です(新築の3~5%より高い)。

費用項目 目安額
仲介手数料 売買価格×3%+6万円+消費税
登記費用 10~20万円
不動産取得税 固定資産税評価額の3%(軽減措置あり)
火災保険 10年一括で20~30万円
住宅ローン融資手数料 3~5万円
引っ越し費用 10~30万円

例えば、3,000万円の物件の場合、初期費用は150~300万円程度です。

仲介手数料の計算例(3,000万円の物件):

  • 3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円
  • 消費税(10%)を含めると:105.6万円

(2) 住宅ローン控除:2022年改正で築年数制限撤廃

国税庁の公式情報によると、中古住宅の住宅ローン控除は以下の通りです。

控除額の計算

  • 年末残高(最大2,000万円)× 0.7% = 最大14万円/年
  • 10年間で最大140万円の控除

2022年度税制改正のポイント

  • 従来は「築20年以内(木造)」「築25年以内(鉄筋コンクリート)」という築年数制限があった
  • 2022年の改正で築年数制限が撤廃され、一定の耐震基準を満たせば適用可能に
  • これにより、築年数が古い物件でも控除を受けられるようになり、選択肢が大幅に拡大

適用条件

  • 床面積50㎡以上(合計所得金額1,000万円以下の場合は40㎡以上)
  • 住宅ローンの返済期間10年以上
  • 耐震基準適合証明書、既存住宅性能評価書、既存住宅売買瑕疵保険のいずれかを取得

(3) 購入後の修繕費用とリフォーム計画

築10年を超えると、大規模な修繕が必要になるケースが多くなります。

主な修繕項目と費用の目安

修繕項目 費用の目安 実施時期の目安
外壁塗装 80~150万円 築10~15年
屋根塗装・葺き替え 60~200万円 築15~20年
水回り設備交換 50~150万円 築15~20年
床・壁の張り替え 30~100万円 必要に応じて
給排水管の交換 50~100万円 築20~30年

購入前に修繕履歴を確認し、購入後の修繕費用を事前に見積もることが重要です。ホームインスペクションで専門家に診断してもらうと、より正確な見積もりが可能です。

まとめ:中古平屋一戸建て購入の成功の鍵

(1) 2025年の市場動向:都心部と郊外の二極化

日本経済新聞の分析によると、2025年の中古戸建て市場は都心部と郊外で二極化が進んでいます。

  • 都心部:価格上昇が続く(東京23区は前年比118.9%)
  • 郊外:横ばいまたは下落傾向(金利上昇の影響を受けやすい)

「2025年問題」による不動産価格の暴落は起こらず、むしろ都心部では価格が上昇しています。日銀のマイナス金利解除・利上げにより、住宅ローン金利の上昇が中長期的に購買力に影響を与える可能性があるため、資金計画は慎重に立てましょう。

(2) 物件探しの実践ステップ

中古平屋一戸建てを購入する際の実践ステップは以下の通りです。

  1. エリアと予算を決める:通勤・通学、生活利便性、将来の資産価値を考慮
  2. 複数の不動産ポータルサイトで物件を検索:SUUMO、HOME'S、アットホームなど
  3. 複数社に査定を依頼:大手と地域密着型の不動産会社を組み合わせる
  4. 内覧時のチェックリストを作成:築年数、耐震性、設備の状態、外壁・屋根の劣化、売主の売却理由
  5. ホームインスペクションを依頼:購入前に専門家に診断してもらう
  6. 住宅ローンの事前審査を受ける:予算と返済計画を確定
  7. 売買契約を締結:契約内容を慎重に確認し、不明点は質問する

(3) 専門家への相談と次のアクション

中古住宅の購入には、専門的な知識が必要です。以下の専門家への相談を推奨します。

  • 宅地建物取引士:物件の法的制限、契約内容の確認
  • ホームインスペクター:建物の劣化状況、修繕費用の見積もり
  • 税理士:住宅ローン控除の適用条件、不動産取得税の軽減措置
  • 金融機関:住宅ローンの借入額、返済計画

中古平屋一戸建ては、バリアフリー化しやすく、長期的なメンテナンス費用を抑えられる魅力的な選択肢です。築年数、耐震性、修繕履歴を慎重に確認し、専門家のサポートを受けながら、理想の住まいを見つけましょう。

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よくある質問

Q1中古一戸建て購入時の築年数の目安は?

A1築20~25年が価格と品質のバランスが良い狙い目です。2000年6月の改正建築基準法施行後に建てられた物件は、耐震基準が大幅に強化されており、耐震性が高いとされています。築10年を超えると大規模修繕が必要になるケースが多いため、購入前に修繕履歴を確認し、ホームインスペクション(住宅診断)で専門家に診断してもらうことを推奨します。

Q2中古住宅の耐震性はどうやって確認する?

A22000年6月の改正建築基準法施行後の物件は耐震性が高いとされています。ホームインスペクション(住宅診断)を利用すると、専門家が構造や劣化状況を詳細にチェックできます。また、建ぺい率・容積率違反の物件は違法建築物となり、住宅ローンが組めない場合があるため避けましょう。耐震診断の有無や、建築年月日を事前に確認することが重要です。

Q3中古一戸建てのリフォーム費用はいくらかかる?

A3築10年を超えると大規模修繕が必要になるケースが多くなります。外壁塗装は80~150万円、屋根塗装・葺き替えは60~200万円、水回り設備の交換は50~150万円が目安です。購入前に修繕履歴を確認し、ホームインスペクションで専門家に診断してもらうと、購入後の修繕費用を事前に正確に見積もることができます。

Q4中古住宅でも住宅ローン控除は受けられる?

A4受けられます。中古住宅の控除額は年末残高(最大2,000万円)×0.7%=最大14万円/年、10年間で最大140万円です。2022年度税制改正で従来の築年数制限(木造は築20年以内、鉄筋コンクリートは築25年以内)が撤廃され、一定の耐震基準を満たせば築年数に関係なく適用可能になりました。これにより選択肢が大幅に拡大しています。詳細は税理士への相談を推奨します。

Q5中古一戸建ての初期費用はどれくらい?

A5物件価格の5~10%が目安です(新築の3~5%より高い)。主な費用項目は、仲介手数料(売買価格×3%+6万円+消費税)、登記費用(10~20万円)、不動産取得税、火災保険、住宅ローン融資手数料、引っ越し費用などです。例えば3,000万円の物件の場合、初期費用は150~300万円程度になります。事前に不動産会社や金融機関に確認することが重要です。

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Room Match編集部

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