三階建て戸建てのメリット・デメリット|建築費用と注意点を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2026/1/10

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三階建て戸建てを検討するあなたへ

都市部や狭小地で注文住宅を建てる際、「限られた土地面積で十分な居住スペースを確保するために三階建てを検討しているが、建築費用や構造上の制約、老後の生活動線が不安」と感じる方は少なくありません。

この記事では、三階建て戸建てのメリット・デメリット、建築費用の目安、構造上の制約、設計時の注意点について、建築関連の信頼できる情報源を元に解説します。

三階建てを検討する方が、自分のライフスタイルや将来設計に合った判断ができるようになります。

この記事のポイント

  • 三階建ては狭い土地を有効活用でき、眺望・採光の良さが魅力だが、階段の負担と老後の不安がある
  • 建築費用は延床30坪で約1,200万-3,000万円、2階建てより2-3割増が目安
  • 構造計算が義務化されており、耐震等級3の取得が推奨される
  • 老後を見据えてバリアフリー設計やホームエレベーター(設置費用200万円~)を事前に検討することが重要

三階建てのメリット

(1) 狭い土地の有効活用

三階建ての最大のメリットは、狭い土地でも十分な居住スペースを確保できることです。都市部では土地価格が高いため、広い土地を購入するのは難しい場合があります。

三階建てにすることで、限られた土地面積でも4LDK-5LDKといった広い間取りを実現できます。

:

  • 2階建て(延床30坪): 土地60坪が必要
  • 3階建て(延床30坪): 土地40坪で可能

土地面積を抑えることで、土地代を節約し、建物にコストをかけられるメリットもあります。

(2) 眺望・採光の良さ

三階建ては高さがあるため、眺望が良く、周囲の建物に遮られにくいメリットがあります。特に3階部分は採光が良好で、明るく開放的な空間を実現できます。

メリット:

  • 都市部でも開放感のある空間
  • 日当たりの良い3階をリビングにする間取りも人気
  • プライバシーを確保しやすい

南向きの3階リビングにすることで、日中は照明不要で過ごせる場合もあります。

(3) 都市部で選べる土地の選択肢が広がる

三階建てを選択することで、都市部で選べる土地の選択肢が広がります。狭小地でも対応可能なため、駅近や人気エリアの土地を購入しやすくなります。

:

  • 駅徒歩5分の50坪の土地(2階建て必須): 5,000万円
  • 駅徒歩5分の35坪の土地(3階建て可能): 3,500万円

土地代を抑えることで、総予算内で理想の立地を実現できる可能性が高まります。

三階建てのデメリット

(1) 階段の負担と老後の不安

三階建ての最大のデメリットは、階段の上り下りが多く、老後の負担が大きいことです。若いうちは問題なくても、60代・70代になると階段の移動が困難になる可能性があります。

対策:

  • 生活の中心を2階に配置(寝室、LDK、水回り)
  • バリアフリー設計(手すり、段差解消)
  • ホームエレベーターの設置(設置費用200万円~、定期メンテナンス費用が必要)

老後を見据えた設計を事前に検討することで、長く快適に住み続けられる家になります。

(2) 冷暖房効率の問題

三階建ては上下の温度差が大きく、冷暖房効率が悪くなる傾向があります。特に夏は3階が非常に暑く、冬は1階が冷え込みやすくなります。

対策:

  • 断熱性の高い外壁とトリプルガラスの窓を採用
  • 各階に空調を設置(エアコン3台以上が一般的)
  • 各階の仕切りで空気の流れを調整

断熱性を高めることで、光熱費の削減にもつながります。

(3) 大型家具の搬入困難

三階建ては階段が多いため、大型家具(ソファ、冷蔵庫、ベッド等)の搬入が困難になる場合があります。特に、狭小地の三階建ては階段幅が狭く、大型家具が通らない可能性があります。

対策:

  • 階段幅を広めに設計(最低80cm以上推奨)
  • 外部クレーンによる搬入を検討(追加費用5-10万円)
  • 組み立て式家具を選ぶ

設計段階で搬入経路を確認しておくことが重要です。

(4) 維持管理費用の増加

三階建ては2階建てと比較して、外壁塗装・屋根修繕の費用が高くなります。

維持管理費用の目安:

  • 外壁塗装(35坪): 70-120万円(2階建ては50-80万円)
  • 屋根修繕(35坪): 30-50万円
  • 外壁塗装は10-15年ごとに実施が推奨される

長期的なメンテナンス費用も考慮して、予算計画を立てることが重要です。

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建築費用の目安と2階建てとの比較

(1) 建築費の相場(延床30坪で1,200万-3,000万円)

三階建ての建築費用は、延床30坪で約1,200万-3,000万円が相場です。価格幅が大きいのは、工法(木造・鉄骨造等)、設備(標準・高級)、デザイン(シンプル・複雑)により異なるためです。

建築費の内訳:

  • 本体工事費: 1,000万-2,500万円(70-80%)
  • 付帯工事費: 200万-400万円(地盤改良、外構等)
  • 諸費用: 100万-200万円(設計料、登記費用等)

(2) 2階建てより2-3割増の理由

三階建ては2階建てと比較して、建築費が2-3割増となります。

費用増加の理由:

  • 構造計算費: 20-50万円(3階建ては義務化)
  • 地盤改良費: 50-150万円(3階建ては荷重が大きいため)
  • 基礎工事費: 2階建てより強固な基礎が必要
  • 足場費用: 3階分の足場設置が必要

構造上の制約により、2階建てでは省略できる費用が追加で発生します。

(3) 構造計算費・地盤改良費の追加

三階建ては構造計算が義務化されています。構造計算とは、建物が外部の力(地震や風など)にどの程度耐えられるかを数値で確認するプロセスです。

構造計算費の相場:

  • 20-50万円(一般的な木造3階建て)
  • 50-100万円(複雑な構造・鉄骨造)

また、三階建ては荷重が大きいため、地盤改良が必要になる場合が多く、50-150万円の追加費用が発生します。

建築費用の比較(延床30坪の場合)

項目 2階建て 3階建て 差額
本体工事費 1,000万円 1,200万円 +200万円
構造計算費 0円 30万円 +30万円
地盤改良費 50万円 100万円 +50万円
合計 1,050万円 1,330万円 +280万円(約27%増)

(出典: Cleverly Home「3階建て住宅の価格相場は?」)

設計時の注意点(構造・法規制・老後への配慮)

(1) 構造計算の義務と耐震等級

三階建ては構造計算が義務化されています。また、耐震等級3の取得が推奨されます。

耐震等級とは:

  • 耐震等級1: 建築基準法の最低基準(震度6-7の地震で倒壊しない程度)
  • 耐震等級2: 等級1の1.25倍の耐震性能
  • 耐震等級3: 等級1の1.5倍の耐震性能(最高等級)

倒壊リスクのデータ:

  • 耐震等級1(新耐震基準): 倒壊率8.7%
  • 耐震等級3(2000年基準): 倒壊率2.2%

(出典: HapisuMu「木造3階建て住宅は地震が来ると危ない?」)

専門家の意見では、「耐震等級1の3階建ては危険」とされており、耐震等級3の取得が推奨されます。

(2) 北側斜線制限等の法規制

三階建ては、法規制により建築できる範囲が制限される場合があります。

主な法規制:

  • 北側斜線制限: 第1種・第2種低層住居専用地域等で適用、5m(10m)の高さから斜線を引く
  • 高さ制限: 第1種・第2種低層住居専用地域では10m(または12m)が上限
  • 日影規制: 周辺への日照を確保するための制限

これらの法規制により、3階部分の一部が削られる場合があります。設計前に自治体の建築指導課で確認することが重要です。

(3) バリアフリー設計とホームエレベーター

老後を見据えて、バリアフリー設計やホームエレベーターの設置を事前に検討することが重要です。

バリアフリー設計のポイント:

  • 寝室・LDK・水回りを2階に集約
  • 各階に手すりを設置
  • 段差を解消(バリアフリー)
  • 廊下・階段幅を広めに確保

ホームエレベーターの費用:

  • 設置費用: 200万円~
  • 定期メンテナンス費用: 年間5-10万円
  • 電気代: 月額1,000-2,000円

新築時にエレベーターシャフト(エレベーター用のスペース)を設けておくことで、将来的に低コストでホームエレベーターを設置できます。

まとめ:三階建て戸建ての判断ポイント

三階建て戸建ては、狭い土地を有効活用でき、眺望・採光の良さが魅力です。都市部で選べる土地の選択肢が広がるため、駅近や人気エリアの土地を購入しやすくなります。

一方で、階段の負担と老後の不安、冷暖房効率の問題、維持管理費用の増加といったデメリットがあります。建築費用は延床30坪で約1,200万-3,000万円で、2階建てより2-3割増が目安です。

構造計算が義務化されており、耐震等級3の取得が推奨されます。北側斜線制限等の法規制により、建築できる範囲が制限される場合があるため、設計前に自治体に確認することが重要です。

老後を見据えて、バリアフリー設計やホームエレベーター(設置費用200万円~)を事前に検討することで、長く快適に住み続けられる家になります。

三階建てを検討する際は、ライフスタイルや将来設計に合わせて、メリット・デメリットを慎重に比較検討することをお勧めします。

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よくある質問

Q1建築費は二階建てより高いのですか?

A1はい、三階建ては2階建てより2-3割増が目安です。延床30坪で約1,200万-3,000万円となります。費用増加の理由は、構造計算費(20-50万円)が義務化されていること、地盤改良費(50-150万円)が追加で必要になること、基礎工事費が2階建てより高くなることなどです。また、足場費用も3階分の設置が必要となるため、2階建てより高額になります。

Q2構造上の制約はありますか?

A2三階建ては構造計算が義務化されており、建物が外部の力(地震や風など)にどの程度耐えられるかを数値で確認するプロセスが必要です。また、耐震等級3の取得が推奨されます(耐震等級1の3階建ては危険との専門家意見があります)。さらに、北側斜線制限等の法規制により、建築できる範囲が制限される場合があります。第1種・第2種低層住居専用地域では5m(10m)の高さから斜線制限が適用され、3階部分の一部が削られることがあります。設計前に自治体の建築指導課で確認することが重要です。

Q3老後の生活は大丈夫ですか?

A3三階建ては階段の上り下りが多く、老後の負担が大きいです。60代・70代になると階段の移動が困難になる可能性があります。対策として、生活の中心(寝室、LDK、水回り)を2階に配置する、バリアフリー設計(手すり、段差解消)を採用する、ホームエレベーターの設置(設置費用200万円~、定期メンテナンス費用年間5-10万円)を事前に検討することが重要です。新築時にエレベーターシャフト(エレベーター用のスペース)を設けておくことで、将来的に低コストでホームエレベーターを設置できます。

Q4耐震性は大丈夫ですか?

A4三階建ては構造計算が義務化されており、耐震性は確保されています。ただし、耐震等級により倒壊リスクが異なります。耐震等級1(新耐震基準)の倒壊率は8.7%、耐震等級3(2000年基準)の倒壊率は2.2%というデータがあります。専門家の意見では、「耐震等級1の3階建ては危険」とされており、耐震等級3の取得が推奨されます。制震ダンパーの導入により、地震時の揺れを大幅に抑える対策も増加しています。設計時に耐震等級3の取得を明確に依頼することが重要です。

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