マンション売却で売れない場合の対処法|原因分析と解決策

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/14

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マンション・土地が売れない場合の現状と対処の重要性

マンションや土地を売却しようとしても買い手がつかないと不安になるものです。売却が長引けば管理費や税金の負担が続き、資産価値の下落リスクも高まります。

この記事では売れない原因分析と対処法を実務データを元に解説します。HOME4Uによると土地売却の平均期間は90.9日、マンション売却では3ヶ月が目安です。この期間を超えたら対策が必要です。

この記事のポイント

  • マンション売却の平均期間は3ヶ月、土地は90.9日が目安。この期間を超えたら対策検討を
  • 売れない原因は価格設定・物件状態・販売活動の3つに大別され、それぞれ対処法が異なる
  • 価格見直しは土地で査定価格の約20%引きが目安だが、大幅値下げは逆効果になる可能性もある
  • 急ぐ場合は買取(市場価格の7〜8割だが短期現金化)、時間があるなら仲介を優先
  • 田舎の土地は空き家バンクや相続土地国庫帰属制度(2023年4月開始)の活用も選択肢

(1) 売却期間の目安(マンション3ヶ月、土地90.9日)

ノムコムの2024年版データによると、中古マンション売却の平均期間は3ヶ月です。土地はHOME4Uの調査で平均90.9日が標準です。この期間を大幅に超えたら対策を検討すべきです。

物件種別 平均売却期間 対策検討のタイミング
マンション 3ヶ月 3ヶ月以上売れない場合
土地 90.9日(約3ヶ月) 3〜4ヶ月以上売れない場合
田舎の土地 数年単位の場合も 6ヶ月以上売れない場合

(2) 売れないまま放置するリスク(管理費・税金・価値下落)

売れないまま放置すると、以下のコストとリスクが継続的に発生します。

マンションの場合:

  • 管理費: 共用部分の維持管理費用(月額1〜3万円程度)
  • 修繕積立金: 大規模修繕に備えた積立金(月額1〜3万円程度)
  • 固定資産税: 毎年1〜2月に課税(評価額の1.4%程度)

三井のリハウスによると、所有者はこれらの費用を負担する義務があり、年間数十万円になるケースもあります。

土地の場合:

  • 固定資産税: 毎年課税(評価額の1.4%程度)
  • 都市計画税: 市街化区域内の土地は追加課税(評価額の0.3%程度)
  • 管理コスト: 草刈り、境界確認等の維持管理費用

資産価値の下落リスク: 三井のリハウスは、売れない期間が長引くほど「売れ残り物件」というイメージがつき、さらに売却が困難になる悪循環に陥るリスクを指摘しています。特にマンションは築年数が経過するほど価値が下落するため、早期の対策が重要です。

2. 売れない主要原因の診断と類型化

売れない原因は大きく4つに分類できます。原因によって対処法が異なるため、まずは正確な診断が必要です。

(1) 価格設定の問題(相場より高すぎる)

最も多い原因が価格設定の問題です。東急株式会社の分析によると、売れない物件の多くは周辺相場より高すぎます。

チェックポイント: 周辺類似物件との価格比較、築年数・立地・設備を考慮した査定、希望価格と査定価格の乖離

ノムコムの2024年版データでは、査定価格より20%以上高い価格設定をした物件は、売却までの期間が平均の2倍以上かかるケースが多いとされています。

(2) 物件の状態・立地の問題

価格が適正でも物件の状態や立地に問題があると買い手がつきにくくなります。

マンションの場合:

  • 老朽化が進んでいる
  • 設備が古い(築30年以上で大規模修繕未実施等)
  • 駅から遠い、周辺環境が劣化している

土地の場合:

  • 形状が悪い(旗竿地、三角形等)
  • 接道条件が悪い(道路に面していない、幅員が狭い)
  • 災害リスクが高い(ハザードマップで浸水・土砂災害の危険地域)

(3) 販売活動の不足(広告・内覧対応)

不動産会社の販売活動が不十分な場合も売却が長引きます。

チェックポイント: 主要ポータルサイトへの掲載、魅力的な広告写真、内覧対応の迅速性、定期的な報告

東急株式会社は、販売活動が不十分な場合は不動産会社の変更も有効な対策と指摘しています。

(4) 田舎の土地特有の問題(需要の極端な低さ)

田舎の土地は、都市部と比較して需要が極端に低いという構造的な問題があります。

国土交通省関連の調査によると、2024年現在の全国空き地率は平均12.4%で、過疎地では売却に数年かかる場合もあります。

田舎の土地が売れにくい理由:

  • 人口減少で住宅需要が低い
  • 農地転用の制約がある
  • 上下水道等のインフラが未整備
  • 災害リスクが高い地域が多い

3. 価格設定の見直しと適正化の方法

価格が原因で売れない場合は、適切な値下げが必要です。ただし、大幅な値下げは逆効果になる可能性もあるため、慎重な判断が求められます。

(1) 値下げの目安(土地は査定価格から約20%引き)

HOME4Uの調査によると、土地の場合は査定価格から約20%引きが値下げの目安とされています。マンションの場合は、築年数や市場状況により異なりますが、5〜10%の値下げから検討することが一般的です。

物件種別 値下げの目安 注意点
マンション 5〜10%程度 築年数・市場状況で変動
土地 約20%引き 立地・形状で調整
田舎の土地 20〜30%以上 需要が極めて低いため

(出典: HOME4U

(2) 値下げのタイミングと幅の決め方

ノムコムの2024年版ガイドでは以下のタイミングで値下げを検討すべきとしています。

値下げのタイミング: 売却開始から3ヶ月経過、内覧希望者が少ない(月1〜2組以下)、内覧後に購入申し込みに至らない

値下げの幅: 最初は5〜10%程度、段階的に値下げして市場の反応を確認

(3) 大幅値下げのリスク(逆効果の可能性)

HOME4Uは、価格を大幅に下げすぎると「何か問題があるのでは」と疑われ、逆効果になる可能性を指摘しています。

大幅値下げが疑われる理由: 構造欠陥、近隣トラブル、事故物件等の疑念を持たれ、かえって買い手がつきにくくなります。段階的な値下げと市場反応の確認が重要です。

4. 販売活動の改善と不動産会社の変更

価格設定が適正でも売れない場合は、販売活動や不動産会社に問題がある可能性があります。

(1) 不動産会社変更のタイミング(3ヶ月以上売れない場合)

東急株式会社によると、3ヶ月以上売れない場合は会社変更を検討すべきです。

変更を検討すべきケース: 販売活動の報告が不十分(月1回以下)、広告掲載が少ない、内覧希望者がいない、価格交渉の提案がない

一般的な媒介契約は3ヶ月契約のため、契約期間終了時に他社への変更を検討できます。

(2) 地域特化型・顧客リスト充実の会社の選び方

東急株式会社は地域に強い会社や顧客リスト充実の会社を選ぶことが重要と指摘しています。

選ぶべき特徴: 当該地域の取引実績、顧客リスト保有、複数広告媒体掲載、定期報告

大手不動産会社だけでなく、地域密着型の中小不動産会社も選択肢として検討する価値があります。

(3) 広告・内覧対応の改善ポイント

販売活動の質を高めるためには、以下のポイントが重要です。

広告の改善: プロ撮影写真、詳細な物件情報記載、主要ポータルサイト掲載

内覧対応の改善: 清掃・整理整頓、柔軟な日程調整、内覧後フォローアップ

5. 買取サービス・公的支援制度の活用

仲介での売却が難しい場合や、早期に現金化したい場合は、買取サービスや公的支援制度の活用も選択肢になります。

(1) 買取と仲介の違い(価格7〜8割だが短期現金化)

買取は不動産会社が直接物件を買い取るサービスです。HOME4Uによると、買取価格は市場価格の7〜8割程度が相場ですが、短期間(数週間〜1ヶ月)で現金化できるメリットがあります。

項目 仲介 買取
価格 市場価格 市場価格の7〜8割
期間 3〜6ヶ月 数週間〜1ヶ月
手数料 仲介手数料が必要 不要
確実性 買い手が見つからない可能性 確実に売却可能

(出典: HOME4U

買取を検討すべきケース:

  • 転勤・離婚等で急いで現金化したい
  • 仲介で長期間売れなかった
  • 老朽化が進み、リフォーム費用をかけたくない

仲介を優先すべきケース:

  • 時間に余裕がある
  • 少しでも高く売却したい
  • 物件の状態が良く、市場での売却が見込める

(2) 相続土地国庫帰属制度(2023年4月開始、審査・費用あり)

2023年4月に開始された「相続土地国庫帰属制度」は、相続した土地を一定の要件下で国に引き取ってもらえる制度です。

制度の概要: 相続・遺贈で取得した土地が対象、審査あり、費用負担あり(審査手数料、負担金)

対象外の例: 建物がある土地、担保権設定土地、土壌汚染土地、境界不明確土地

詳細は法務局の公式サイトで確認するか、弁護士・司法書士への相談を推奨します。

(3) 空き家バンクの活用(自治体運営のマッチング)

空き家バンクは自治体が運営する空き家・空き地のマッチングサービスです。

メリット: 自治体運営で信頼性が高い、田舎暮らし希望者等へアプローチ可能、基本無料

デメリット: 情報拡散力が弱い、売却に時間がかかる

田舎の土地や古い戸建てなど、一般市場では売却が難しい物件の選択肢として検討する価値があります。

まとめ:状況別の最適な選択肢と次のアクション

マンションや土地が売れない場合は原因と状況により対処法が異なります。売れない原因を診断し、価格設定・物件状態・販売活動のどこに問題があるかを把握することが重要です。

価格が原因なら段階的値下げ、販売活動が不十分なら会社変更、早期現金化なら買取サービスを検討しましょう。田舎の土地は空き家バンクや相続土地国庫帰属制度の活用も選択肢です。

売れないまま放置すると管理費・税金の負担が続き資産価値も下落します。信頼できる不動産会社や専門家に相談しながら最適な選択肢を見つけてください。

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よくある質問

Q1マンションが何ヶ月売れないと対策が必要?

A1中古マンション売却の平均期間は3ヶ月です。3ヶ月以上経っても売れない場合は、価格設定や販売戦略の見直しが必要です。内覧希望者が少ない場合や、内覧後に購入申し込みに至らないケースが続く場合は、より早い段階での対策検討も推奨されます。

Q2値下げするならどれくらいが目安?

A2土地の場合は査定価格から約20%引きが目安とされています。マンションの場合は5〜10%程度の値下げから検討するのが一般的です。ただし、大幅な値下げは「何か問題があるのでは」と疑われ、逆効果になる可能性もあります。段階的に値下げを行い、市場の反応を見ながら調整することが重要です。

Q3買取と仲介はどう違う?どちらを選ぶべき?

A3買取は市場価格の7〜8割程度ですが、数週間〜1ヶ月で現金化できます。仲介は市場価格で売れますが、平均3〜6ヶ月かかります。転勤・離婚等で急いで現金化したい場合や、仲介で長期間売れなかった場合は買取を検討する価値があります。時間に余裕があり、少しでも高く売却したい場合は仲介を優先すべきです。

Q4売れない不動産は放棄できる?

A4不動産を勝手に放棄することはできず、売却や譲渡による所有権移転が必要です。相続放棄は相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する手続きが必要で、期限を過ぎると放棄できません。2023年4月に開始された相続土地国庫帰属制度を利用すれば、一定の要件下で相続した土地を国に引き取ってもらうことも可能です(審査・費用あり)。

Q5田舎の土地が売れない場合の処分方法は?

A5田舎の土地は需要が極めて低く、一般市場での売却が困難な場合が多いです。自治体が運営する空き家バンクに登録してマッチングを図る方法や、2023年4月に開始された相続土地国庫帰属制度の活用を検討できます。ただし、売却には数年単位かかる場合もあるため、長期的な視点で対策を講じる必要があります。詳細は自治体や専門家(弁護士・司法書士)にご相談ください。

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Room Match編集部

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