未公開土地とは何か?なぜ注目されるのか
土地を探している際、「ポータルサイトに良い物件が見つからない」「未公開土地というものがあると聞いたが、どうやって探せばいいのか」と疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、未公開土地の定義、仕組み、探し方、メリット・デメリット、注意点を、信頼できるメディアや国土交通省の情報を元に解説します。
初めて未公開土地を探す方でも、効率的な探し方や業者選びのポイントを理解し、希望の土地に出会えるようになります。
この記事のポイント
- 未公開土地とは、インターネット上の不動産情報サイトで公開されていない土地のこと
- 市場全体の20%以上が未公開物件として売買されている
- 主な探し方は、複数の不動産会社への相談、ハウスメーカーとの連携、現地調査
- 未公開土地の存在理由は、レインズ登録の猶予期間や両手取引を狙う不動産会社の戦略
- 未公開だからお得とは限らず、通常物件と同様に慎重な確認が必要
(1) 未公開土地の定義(インターネット上で公開されていない土地)
未公開土地とは、インターネット上の不動産情報サイト(SUUMO、HOME'S等)で公開されていない土地のことです。
将来的に公開される可能性がある点が特徴で、現時点では一般には知られていません。
(2) 未公開土地の市場規模(20%以上が未公開物件として売買)
Live-Raryによると、市場全体の20%以上が未公開物件として売買されています。
一定の市場規模があり、積極的に探すことで好条件の土地に出会える可能性があります。
(3) 未公開土地に出会うメリット
未公開土地の主なメリットは以下です。
- 競争が少ない: ポータルサイトに掲載されていないため、他の購入希望者との競争が少ない
- 希望条件に近い: 不動産会社が条件を把握した上で紹介するため、希望に近い土地が見つかりやすい
未公開土地と非公開物件の違い・仕組み
(1) 未公開土地と非公開物件の違い
| 項目 | 未公開土地 | 非公開物件 |
|---|---|---|
| 定義 | 現時点で公開されていない土地 | 将来的にも公開される予定がない土地 |
| 公開予定 | 将来的に公開される可能性あり | 公開される予定なし |
| レインズ掲載 | 掲載される予定(猶予期間中) | 掲載されている場合もある |
(2) なぜ未公開土地が存在するのか(レインズ登録の猶予期間、両手取引)
未公開土地が存在する主な理由は以下です。
1. レインズ登録義務の猶予期間: 宅地建物取引業法により、不動産会社は一定期間内にレインズ(不動産流通機構が運営する情報システム)に物件を登録する義務があります。
- 専属専任媒介契約: 5日以内
- 専任媒介契約: 7日以内
この猶予期間中は、未公開土地として扱われます。
2. 両手取引を狙う戦略: 不動産会社が売主と買主の両方から仲介手数料を受け取る「両手取引」を実現するため、自社で買主を見つけようとする場合があります。
この場合、意図的に公開を遅らせることがあります。
(3) 媒介契約の種類とレインズ登録義務(専属専任、専任、一般)
媒介契約の種類により、レインズ登録義務が異なります。
| 媒介契約の種類 | レインズ登録義務 | 複数社への依頼 |
|---|---|---|
| 専属専任媒介 | あり(5日以内) | 不可 |
| 専任媒介 | あり(7日以内) | 不可 |
| 一般媒介 | 任意(登録不要) | 可能 |
一般媒介契約の場合、レインズ登録が任意のため、未公開土地となりやすい傾向があります。
未公開土地の探し方
(1) 複数の不動産会社に相談する(地域密着型の強み)
リノベイズムによると、複数の不動産会社に希望条件を伝えることが最も効果的です。
地域密着型の不動産会社の強み:
- 地主とのつながりが強く、売却前の情報が集まりやすい
- 地域の事情に詳しく、適切な提案が期待できる
ポイント:
- 3社以上に相談し、情報の幅を広げる
- 希望条件を具体的に伝え、優先度を明確にする
(2) ハウスメーカー・工務店の営業担当者に相談する
ハウスメーカーや工務店の営業担当者は、複数の不動産会社とつながりがあり、未公開土地の情報を入手しやすい立場にあります。
メリット:
- 土地探しと建築業者選びを同時に進められる
- 建築可能性の判断が早く、効率的
(3) 現地調査で売地の看板をチェックする
希望エリアが決まっている場合、実際に歩いて売地の看板をチェックする方法も有効です。
手順:
- 希望エリアを歩き、「売地」の看板を探す
- 看板に記載された不動産会社に直接連絡
- 現地の状況を確認し、条件に合えば商談
(4) 不動産会社に繰り返し訪れて熱意を伝える
不動産会社を繰り返し訪れ、熱意を伝えることで、優先的に情報を提供してもらえる可能性が高まります。
ポイント:
- 定期的に連絡を取り、探している姿勢を示す
- 購入意欲が高いことを伝え、真剣度をアピール
(5) 公的情報源の活用(国土交通省の不動産情報ライブラリ)
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、不動産取引価格、地価公示などの公的情報を入手できます。
相場感を把握し、未公開土地の価格妥当性を判断する際に活用してください。
未公開土地のメリット・デメリットと注意点
(1) メリット:競争が少ない、希望条件に近い土地に出会える
メリット:
- 他の購入希望者との競争が少ない
- 不動産会社が条件を把握した上で紹介するため、希望に近い
(2) デメリット:情報が整備されていない、比較しづらい
デメリット:
- 情報が整備されていないことが多く、比較しづらい
- ポータルサイトのように複数物件を一覧で比較できない
(3) 注意点:未公開=お得とは限らない、問題物件のリスク
未公開だからといって、必ずしもお得な優良物件とは限りません。
リスク:
- 建築制限、土壌汚染、近隣トラブルなどの問題がある物件が紛れ込んでいる可能性
- 価格が相場より高い場合もある
対策:
- 通常物件と同様に、価格、立地、用途地域、インフラを慎重に確認
- 宅建士等の専門家に相談
(4) 現地確認と周辺調査の重要性(昼夜・晴雨の違いをチェック)
現地確認は必ず行い、以下をチェックしてください。
確認事項:
- 昼夜の違い: 日中と夜間の騒音、人通り、街灯の状況
- 晴雨の違い: 雨天時の排水状況、道路の冠水リスク
- 周辺環境: 隣地の状況、嫌悪施設の有無
土地探しを成功させるコツ
(1) 予算を明確に設定し、土地代と建築費のバランスを考える
予算を明確に設定し、土地代と建築費のバランスを考えましょう。
目安:
- 土地代:総予算の30〜40%
- 建築費:総予算の60〜70%
(2) 優先条件を1つに絞り、「60点の土地」を目指す
816cによると、2025年のトレンドとして、100点満点を求めず「60点の土地」を目指すことが推奨されています。
理由:
- 完璧を求めすぎると選択肢が狭まる
- 優先条件1つに絞ることで、選択肢が広がる
(3) 土地探しと建築業者選びを並行して進める
土地探しと建築業者選びを並行して進めることで、建築可能性の判断が早く、効率的です。
(4) 信頼できる不動産会社・ハウスメーカーの選び方
信頼できる業者を選ぶポイントは以下です。
- 実績と口コミを確認
- 宅建士の資格を持つ担当者がいるか
- 質問に丁寧に答えてくれるか
(5) 専門家(宅建士、税理士、土地家屋調査士)への相談
土地購入は高額取引のため、専門家への相談を推奨します。
- 宅建士: 土地の法的確認、契約書のチェック
- 税理士: 不動産取得税、固定資産税の試算
- 土地家屋調査士: 境界確認、測量
未公開土地を賢く活用するためのポイント
未公開土地を賢く活用するためには、以下のポイントを押さえましょう。
1. 複数の情報源を活用:
- 不動産会社、ハウスメーカー、現地調査を組み合わせる
2. 慎重な確認:
- 未公開だからお得とは限らず、通常物件と同様に確認
3. 専門家への相談:
- 宅建士、税理士、土地家屋調査士に相談し、リスクを最小化
4. 長期的な視点:
- 焦らず、じっくり探すことで良い土地に出会える
次のアクション:
- 複数の不動産会社(特に地域密着型)に相談
- ハウスメーカーや工務店の営業担当者に土地探しを依頼
- 希望エリアを実際に歩いて現地調査
- 国土交通省の不動産情報ライブラリで相場を確認
無理のない資金計画を立て、納得のいく土地選びを進めてください。
