つくば市で不動産を探すには
茨城県つくば市で不動産を探す際、「つくば市の相場はどのくらいか」「どのエリアが人気か」「東京へのアクセスはどうか」「つくばエクスプレス開通で価格はどう変わったか」といった疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、つくば市の不動産市場の特徴、価格相場と推移、人気エリアの特性、つくばエクスプレスと不動産価格の関係、物件選びのポイントを、国土交通省の土地総合情報システムやSUUMO等の公式データを元に解説します。
つくば市で不動産購入・売却・賃貸を検討している方が、エリアの特性を理解し、適切な物件選びができるようになります。
この記事のポイント
- つくば市の一戸建て平均売買価格は4,369万円、中古マンションは3,940万円(2025年時点)で首都圏と比較すると手頃な価格帯
- 公示地価は前年比+4.47%、基準地価は+7.66%と上昇傾向が続いており、資産価値の維持が期待できる
- 人気エリアはつくば駅周辺(物件数10,159件)、研究学園駅(4,825件)、万博記念公園駅(4,368件)
- 2005年のつくばエクスプレス開通以降、秋葉原まで最速45分でアクセス可能となり、都心通勤圏として発展
- TX沿線開発が進み、商業施設・クリニック・学校・塾等の住環境が向上している
つくば市の不動産市場の特徴
つくば市は研究学園都市として独自の発展を遂げており、東京へのアクセスと住環境のバランスが取れた不動産市場が形成されています。
研究学園都市としての独自性
つくば市は1960年代から研究学園都市として整備され、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、産業技術総合研究所、筑波大学等の研究機関・教育機関が集積しています。
つくば市の研究・教育機関:
- JAXA筑波宇宙センター: 宇宙開発の中核施設
- 産業技術総合研究所: 国内最大級の公的研究機関
- 筑波大学: 国立大学、学生数約16,000人
- その他研究機関: 約300の研究機関・企業研究所が立地
このような研究・教育環境の充実により、研究者・技術者・教職員が多く居住し、教育レベルの高いファミリー層に人気のエリアとなっています。
東京へのアクセスと住環境のバランス
つくばエクスプレス(TX)の開通により、つくば市から東京都心へのアクセスが大幅に向上しました。
| 起点 | 終点 | 所要時間 |
|---|---|---|
| つくば駅 | 秋葉原駅 | 最速45分 |
| 研究学園駅 | 秋葉原駅 | 約50分 |
都心への通勤が可能でありながら、つくば市内は緑豊かで落ち着いた住環境が保たれています。広い土地を確保しやすく、一戸建て・マンションともに首都圏と比較して手頃な価格帯です。
教育・研究環境の充実
つくば市は教育環境の充実度が高く、子育て世帯に人気です。
教育環境の特徴:
- 公立学校: 市内に小学校・中学校が多数あり、教育熱心な地域
- 筑波大学附属学校: 附属小学校・中学校・高校があり、高い教育水準
- 学習塾: 進学塾・学習塾が充実
- 国際学校: 外国人研究者の子女向けの国際学校も立地
研究学園都市としての特性から、教育環境を重視するファミリー層に支持されています。
つくば市の不動産相場と価格推移
つくば市の不動産相場は、首都圏と比較すると手頃な価格帯です。
一戸建ての平均売買価格と相場
すまいValueによると、つくば市の一戸建ての価格相場は以下の通りです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 平均売買価格 | 4,369万円 |
| 売却価格中央値 | 2,980万円 |
| ㎡あたり価格 | 141,381円 |
(2023年度データ)
平均売買価格は4,369万円で、首都圏の一戸建て相場(6,000万~8,000万円)と比較すると手頃な価格帯です。
中古マンションの価格相場
中古マンションの価格相場は平均3,940万円です(2025年時点)。
SUUMOによると、つくば市の新築一戸建て物件数は317件で、価格帯は以下の通りです。
| 間取り | 価格帯 |
|---|---|
| 2LDK | 1,200万~1,500万円 |
| 3LDK・4LDK | 1,500万~6,000万円 |
新築一戸建ては間取りや立地により価格差がありますが、首都圏と比較すると広い住空間を手頃な価格で確保できます。
土地価格の推移(公示地価・基準地価)
土地代データによると、つくば市の土地価格は以下の通りです。
| 項目 | 価格 | 前年比 |
|---|---|---|
| 公示地価平均 | 8万1543円/㎡(坪単価26万9566円) | +4.47% |
| 基準地価平均 | 11万0577円/㎡(坪単価36万5543円) | +7.66% |
(2025年時点)
公示地価と基準地価の違い:
- 公示地価: 国土交通省が毎年1月1日時点で公表する土地価格
- 基準地価: 都道府県が毎年7月1日時点で公表する土地価格
つくば市の公示地価・基準地価ともに上昇傾向が続いており、資産価値の維持が期待できます。
エリアによる価格差
つくば市内でもエリアによる価格差が大きく、土地代データによると、学園南は市全体平均より坪単価60万円高いエリアです。
価格差が生じる要因:
- TX駅周辺: 駅からの距離が近いほど価格が高い
- 新興住宅地: TX沿線開発エリアは価格が高め
- 既存市街地: 駅から離れたエリアは価格が低め
エリア選びの際は、駅からの距離、商業施設・学校の立地、再開発計画等を総合的に考慮することが重要です。
つくば市の人気エリアと駅周辺の特性
つくば市内で人気の高いエリアと駅周辺の特性を解説します。
つくば駅周辺(物件数10,159件)
SUUMOによると、つくば駅周辺は最も人気のエリアで、物件数は10,159件です。
つくば駅周辺の特徴:
- 交通: つくばエクスプレスのターミナル駅、秋葉原まで最速45分
- 商業施設: イーアスつくば、BiViつくば等の大型商業施設が充実
- 研究機関: JAXA筑波宇宙センター、産業技術総合研究所等が近い
- 物件: マンション・一戸建てが豊富、駅直結のタワーマンションもあり
つくば駅周辺は商業施設・交通利便性が最も高く、都心への通勤者やファミリー層に人気です。
研究学園駅周辺(物件数4,825件)
研究学園駅周辺は、つくば駅に次ぐ人気エリアで、物件数は4,825件です。
研究学園駅周辺の特徴:
- 交通: つくばエクスプレスで秋葉原まで約50分
- 商業施設: イオンモールつくば、コストコ等の大型商業施設が近い
- 新興住宅地: TX沿線開発により新しい住宅地が整備
- 物件: 新築マンション・一戸建てが豊富、比較的新しい物件が多い
研究学園駅周辺は新興住宅地として開発が進み、新しい住環境を求める若いファミリー層に人気です。
万博記念公園駅・みどりの駅周辺
万博記念公園駅周辺は物件数4,368件、みどりの駅周辺は2,920件です。
万博記念公園駅の特徴:
- 交通: つくばエクスプレスで秋葉原まで約55分
- 商業施設: 駅周辺に商業施設が整備中
- 物件: 一戸建て・マンションが増加中
みどりの駅の特徴:
- 交通: つくばエクスプレスで秋葉原まで約60分
- 新興住宅地: 開発が進む新しいエリア
- 物件: 新築一戸建て・マンションが供給されている
万博記念公園駅・みどりの駅周辺は、つくば駅・研究学園駅と比較して価格が抑えられるため、広い住空間を求める層に人気です。
人気エリア(春日・島名・花畑・谷田部・要)
つくば市内で物件数が豊富なエリアは以下の通りです。
| エリア | 物件数 |
|---|---|
| 春日 | 1,159件 |
| 島名 | 1,050件 |
| 花畑 | 875件 |
| 谷田部 | 831件 |
| 要 | 761件 |
(出典: SUUMO「つくば市の不動産情報」)
これらのエリアは既存市街地として成熟しており、学校・商業施設・医療施設が充実しています。TX駅周辺と比較して価格が手頃で、地域に根差した生活を求める層に人気です。
つくばエクスプレスと不動産価格の関係
つくばエクスプレス(TX)の開通は、つくば市の不動産市場に大きな影響を与えました。
2005年の開通による市場変化
健美家によると、つくばエクスプレスは2005年8月24日に開通し、秋葉原~つくば間を最速45分で結ぶ鉄道路線です(全20駅)。
TX開通前後の変化:
- 開通前: 東京都心へのアクセスはJR常磐線・高速バス等で1時間以上
- 開通後: 秋葉原まで最速45分、都心通勤圏として注目
- 不動産価格: TX沿線開発により価格が上昇傾向
TX開通により、つくば市は「東京から遠いエリア」から「都心通勤圏」へと変貌しました。
TX沿線開発の進展
TX沿線では、駅周辺の再開発・商業施設・住宅地の整備が進められています。
沿線開発の内容:
- 商業施設: イーアスつくば、イオンモールつくば、コストコ等の大型商業施設が開業
- 医療施設: クリニック・病院が駅周辺に開業
- 教育施設: 学校・塾が充実
- 住宅地: 新築マンション・一戸建ての供給が増加
TX沿線開発により、つくば市の住環境が大幅に向上し、東京からの移住者が増加しています。
輸送人員の増加と利便性向上
健美家によると、つくばエクスプレスの輸送人員は年々増加傾向で、2017年度は1日当たり37万人と前年度比+1万6千人増でした。
輸送人員増加の要因:
- 東京への通勤需要: 都心へのアクセスが良好で、通勤者が増加
- 沿線開発: TX沿線の住宅地・商業施設の整備により居住者が増加
- 利便性向上: 運行本数の増加、快速・区間快速の運行
輸送人員の増加により、TX沿線の不動産需要が高まり、価格上昇が続いています。
つくば市で不動産を選ぶ際のポイント
つくば市で不動産を選ぶ際は、以下のポイントを押さえましょう。
駅からの距離と交通利便性
TX駅周辺は価格が高い一方で、交通利便性が最も高い立地です。
駅からの距離別の特徴:
- 駅徒歩5分以内: 価格が高いが、通勤・買い物の利便性が最も高い
- 駅徒歩10~15分: 価格と利便性のバランスが取れる
- 駅から離れた郊外: 価格が安く、広い土地を確保できるが、車が必須
ライフスタイルに応じて、駅からの距離を選びましょう。
教育・研究施設へのアクセス
つくば市は研究学園都市として、教育・研究施設が充実しています。
教育重視のエリア選び:
- 筑波大学附属学校近く: 附属小学校・中学校・高校に通いやすい
- 公立学校の評判: 市内の公立学校の教育水準が高いエリアを選ぶ
- 学習塾の充実度: 進学塾・学習塾が駅周辺に充実
子育て世帯は、教育環境を重視したエリア選びが推奨されます。
筑波大学周辺の賃貸需要とリスク
筑波大学周辺は学生向け賃貸需要が高いエリアです。
賃貸投資のメリット:
- 学生需要: 筑波大学の学生数約16,000人、毎年一定の賃貸需要がある
- 賃料相場: 学生向けワンルーム・1Kで3~5万円程度
賃貸投資のリスク:
- 卒業時期の空室: 卒業時期(3月)に空室が発生しやすい
- 学生減少リスク: 大学の定員変動により需要が変化する可能性
筑波大学周辺で賃貸投資を検討する場合は、空室リスクを考慮した収支計画が重要です。
再開発計画・都市計画の確認
TX沿線は再開発が進行中のため、駅周辺の再開発計画・都市計画を確認することが重要です。
確認すべき情報:
- 再開発計画: 駅周辺の商業施設・住宅地の開発予定
- 都市計画: 用途地域、建ぺい率・容積率の確認
- 道路整備: 新しい道路の開通予定
再開発計画により、将来的にエリアの利便性が向上し、資産価値が上昇する可能性があります。最新の情報は国土交通省の土地総合情報システムやつくば市の公式サイトでご確認ください。
まとめ:つくば市での不動産選びのポイント
つくば市は研究学園都市として独自の発展を遂げており、東京へのアクセスと住環境のバランスが取れた不動産市場が形成されています。一戸建て平均売買価格は4,369万円、中古マンションは3,940万円(2025年時点)で、首都圏と比較すると手頃な価格帯です。
公示地価は前年比+4.47%、基準地価は+7.66%と上昇傾向が続いており、資産価値の維持が期待できます。人気エリアはつくば駅周辺(物件数10,159件)、研究学園駅(4,825件)、万博記念公園駅(4,368件)で、TX沿線開発により住環境が向上しています。
2005年のつくばエクスプレス開通以降、秋葉原まで最速45分でアクセス可能となり、都心通勤圏として発展しました。輸送人員は年々増加傾向で、TX沿線の不動産需要が高まっています。
不動産を選ぶ際は、駅からの距離と交通利便性、教育・研究施設へのアクセス、再開発計画・都市計画の確認が重要です。エリアによる価格差が大きいため、複数のエリアを比較検討し、自分のライフスタイルに合った物件を選びましょう。
価格相場や税制は時期により変動するため、国土交通省の土地総合情報システム等の公式データを参照し、宅地建物取引士や税理士等の専門家への相談を推奨します。
