ソニー銀行住宅ローンの特徴と選び方のポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/19

ソニー銀行住宅ローンの特徴と選ぶ理由

住宅ローンは数千万円規模の長期債務です。金利の低さだけで選ぶと、手数料・審査基準・金利変動リスクなどの見落としで後悔する可能性があります。

この記事では、ソニー銀行公式サイト、モゲチェック、ダイヤモンド不動産研究所の情報を元に、ソニー銀行住宅ローンの特徴、メリット・デメリット、他行との比較を解説します。

ネット銀行の住宅ローンを検討している方が、自分に合った商品を選べるようになります。

この記事のポイント

  • 3つの商品(変動セレクト・固定セレクト・住宅ローン)から目的に応じて選択可能
  • AI自動審査で最短60分、Web完結・来店不要で申込から契約まで完結
  • 繰り上げ返済1万円から無料、がん団信50%が無料、100%も+0.1%と低コスト
  • 5年ルール・125%ルール非適用のため、金利上昇時に返済額が急増するリスクあり
  • 2024年オリコン顧客満足度調査2年連続総合1位、業界トップクラスの評価

3つの商品タイプと選び方

ソニー銀行は、3つの住宅ローン商品を提供しており、それぞれ金利・手数料の優遇内容が異なります。

変動セレクト住宅ローン(変動金利重視)

変動セレクト住宅ローンは、変動金利の優遇幅が大きい商品です。

項目 内容
金利優遇 変動金利の優遇幅が大きい
融資事務手数料 借入金額×2.2%
適している人 変動金利を重視する人

(出典: ソニー銀行公式サイト

変動金利は、固定金利より低い傾向がありますが、市場金利により変動するため、金利上昇リスクがあります。

ソニー銀行の変動金利は、年2回(5月・11月)見直されます。2024年8月に14年ぶりに0.2%引き上げ、11月にさらに0.05%引き上げられ、2.057%になりました。(出典: ソニー銀行

固定セレクト住宅ローン(固定金利重視)

固定セレクト住宅ローンは、固定金利(10年・15年・20年)の優遇幅が大きい商品です。

項目 内容
金利優遇 固定金利の優遇幅が大きい
融資事務手数料 借入金額×2.2%
適している人 固定金利を重視する人

固定金利は、一定期間金利が固定されるため、金利上昇リスクを回避できます。ただし、変動金利より金利が高めです。

20年超の長期固定金利は3.539%とやや高めのため、長期固定を検討する方は他行との比較を推奨します。(出典: ダイヤモンド不動産研究所

住宅ローン(手数料4.4万円定額)

住宅ローンは、融資事務手数料が4.4万円(税込)定額の商品です。

項目 内容
金利優遇 変動セレクト・固定セレクトより優遇幅が小さい
融資事務手数料 4.4万円(税込)定額
適している人 初期費用を抑えたい人

借入金額が少ない場合や、初期費用を抑えたい場合に有利です。

例(3,000万円借入の場合):

  • 変動セレクト: 3,000万円 × 2.2% = 66万円
  • 住宅ローン: 4.4万円

融資事務手数料で約60万円の差があるため、金利と手数料を総合的に比較することが重要です。

ソニー銀行住宅ローンのメリット

ソニー銀行住宅ローンの主なメリットを4つ解説します。

AI自動審査で最短60分・Web完結

ソニー銀行は、AI自動審査により最短60分で仮審査結果が確認できます。(出典: ソニー銀行公式サイト

申込から契約まで全てWeb完結で、来店不要です。

従来のメガバンクでは、店舗での相談・申込が必要でしたが、ネット銀行では全てオンラインで完結できます。

審査スピードが速いため、物件購入のスケジュールに余裕を持って対応できます。

繰り上げ返済1万円から無料・何度でも可能

繰り上げ返済は、元金1万円から可能で、インターネットで24時間いつでも何度でも無料です。(出典: ソニー銀行公式サイト

繰り上げ返済をすることで、以下のメリットがあります。

  • 総返済額を減らせる
  • 返済期間を短縮できる
  • 金利負担を軽減できる

メガバンクでは、繰り上げ返済に手数料(3,000~5,000円)がかかる場合がありますが、ソニー銀行は無料です。

がん団信50%が無料・100%も+0.1%と低コスト

ソニー銀行住宅ローンには、以下の団信が付帯します。

団信 上乗せ金利 内容
がん団信50% なし(無料) がんと診断された場合にローン残高の50%を保障
がん団信100% +0.1% がんと診断された場合にローン残高の100%を保障

(出典: ソニー銀行公式サイト

**がん団信50%**とは、がんと診断された場合に住宅ローン残高の50%が保険金で返済される団信です。ソニー銀行は上乗せ金利なしで提供しています。

**がん団信100%**は、がんと診断された場合にローン残高の100%が保険金で返済される団信で、上乗せ金利+0.1%と低コストです。

他のネット銀行では、がん団信100%に+0.2~0.3%の上乗せ金利がかかる場合もあり、ソニー銀行の保障は充実しています。

返済開始後も金利タイプ変更が自由

ソニー銀行住宅ローンは、返済開始後も金利タイプ(変動⇔固定)を自由に変更できます。(出典: モゲチェック

市場金利の動向に合わせて、柔軟に対応できます。

例:

  • 金利上昇が予想される場合:変動金利から固定金利に変更
  • 金利が安定している場合:固定金利から変動金利に変更

他の銀行では、金利タイプ変更に制限がある場合もありますが、ソニー銀行は柔軟な対応が可能です。

ソニー銀行住宅ローンのデメリットと注意点

ソニー銀行住宅ローンのデメリットと注意点を4つ解説します。

5年ルール・125%ルールが適用されない

ソニー銀行の変動金利型住宅ローンは、5年ルール・125%ルールが適用されません。(出典: ソニー銀行公式サイト

5年ルールとは、変動金利型住宅ローンで、金利が変動しても5年間は返済額を変えないルールです。

125%ルールとは、返済額の増加を前回の125%までに抑えるルールです。

ソニー銀行はこれらのルールを適用しないため、金利見直し時に返済額が直接変動します。

リスク:

  • 金利上昇時に返済額が急増する可能性がある
  • 返済計画が狂うリスクがある

金利上昇リスクを考慮した返済計画を立てることが重要です。ファイナンシャルプランナー(FP)への相談を推奨します。

変動セレクトは手数料が借入金額×2.2%と高額

変動セレクト住宅ローンの融資事務手数料は、借入金額×2.2%です。

借入金額が大きい場合、手数料も高額になります。

例(3,000万円借入の場合):

  • 変動セレクト: 66万円
  • 住宅ローン(4.4万円定額): 4.4万円

借入金額が大きい場合は、住宅ローン(4.4万円定額)の方が初期費用を抑えられる可能性があります。

金利と手数料を総合的に比較して、総返済額を計算することを推奨します。

20年超の長期固定金利は高め

ソニー銀行の20年超の長期固定金利は3.539%とやや高めです。(出典: ダイヤモンド不動産研究所

長期固定金利を検討する方は、以下の銀行との比較を推奨します。

  • 住宅金融支援機構のフラット35
  • メガバンクの長期固定金利
  • 他のネット銀行の長期固定金利

長期固定金利は、金利上昇リスクを完全に回避できるメリットがありますが、金利が高めに設定されています。

審査基準:年収400万円以上が必要

ソニー銀行の審査基準は、年収400万円以上が必要です。(出典: ダイヤモンド不動産研究所

また、以下の方は審査対象外です。

  • 無職
  • パート
  • 年金受給者

クレジットカードやローンの支払い延滞は審査で厳しく見られるため、事前にCIC・JICCで自身の信用情報を確認することを推奨します。

信用情報とは、クレジットカード・ローンの支払い履歴のことで、CIC・JICCなどの信用情報機関に記録され、住宅ローン審査で参照されます。

他のネット銀行との比較

主要ネット銀行との比較を解説します。

auじぶん銀行との比較(金利・団信)

ソニー銀行とauじぶん銀行を比較すると、以下の通りです。

項目 ソニー銀行 auじぶん銀行
変動金利 2.057%(2024年11月時点) 0.3%台
融資事務手数料 借入金額×2.2% or 4.4万円定額 借入金額×2.2%
がん団信50% 無料 無料
がん団信100% +0.1% 有料オプション

(出典: モゲチェックauじぶん銀行

auじぶん銀行の特徴:

  • 変動金利が0.3%台と非常に低い
  • 2024年3月、ネット銀行最速で累計4兆円達成
  • 2023年オリコン顧客満足度調査で金利・団信カバー1位

変動金利を重視する方は、auじぶん銀行が有力な選択肢です。

楽天銀行・住信SBIネット銀行との比較

銀行 変動金利 融資事務手数料 団信 特徴
ソニー銀行 2.057% 借入金額×2.2% or 4.4万円定額 がん50%無料、100%+0.1% 金利タイプ変更が自由
楽天銀行 1.002%~ 33万円定額 全疾病+がん50%無料 定額手数料が強み
住信SBIネット銀行 0.3%台 借入金額×2.2% 全疾病無料 2024年融資実行額No.1
auじぶん銀行 0.3%台 借入金額×2.2% 全疾病無料 金利が最も低い

(出典: モゲチェック、各銀行公式サイト)

金利を重視するならauじぶん銀行・住信SBIネット銀行、融資事務手数料を抑えたいなら楽天銀行、金利タイプ変更の柔軟性を重視するならソニー銀行が有力な選択肢です。

まとめ:ソニー銀行住宅ローンの選び方

ソニー銀行住宅ローンは、3つの商品タイプから選択でき、AI自動審査・Web完結、繰り上げ返済無料、がん団信50%無料などのメリットがあります。2024年オリコン顧客満足度調査2年連続総合1位と、業界トップクラスの評価を受けています。

一方、5年ルール・125%ルール非適用のため金利上昇リスクがあり、変動セレクトは手数料が高額、20年超の長期固定金利は高めなどのデメリットもあります。

住宅ローンは数千万円規模の長期債務です。以下のステップで慎重に検討することを推奨します。

  1. 複数のネット銀行(auじぶん・楽天・住信SBI等)の金利・団信・手数料を総合比較
  2. 自身の信用情報をCIC・JICCで事前確認
  3. ファイナンシャルプランナー(FP)や宅建士に相談
  4. 最新情報は各銀行の公式サイトで確認

変動金利は市場金利により変動するため、金利上昇リスクを考慮した返済計画を立てることが重要です。

よくある質問

Q1ソニー銀行の3つの商品の違いは?

A1変動セレクトは変動金利の優遇幅が大きく、固定セレクトは固定金利の優遇幅が大きい商品です。住宅ローンは融資事務手数料が4.4万円(税込)定額で、初期費用を抑えたい方に適しています。変動セレクト・固定セレクトの手数料は借入金額×2.2%です。目的に応じて選択することを推奨します。

Q25年ルール・125%ルールは適用されるのか?

A2ソニー銀行の変動金利型住宅ローンは、5年ルール・125%ルールが適用されません。金利見直し時に返済額が直接変動するため、金利上昇時に返済額が急増するリスクがあります。金利上昇リスクを考慮した返済計画を立てることが重要です。ファイナンシャルプランナーへの相談を推奨します。

Q3自己資金なしのフルローンは可能か?

A32023年11月から自己資金なしのフルローンが可能になりました。それ以前は、自己資金10%以上が最優遇金利の適用条件でした。ただし、フルローンの場合は審査が厳しくなる可能性があるため、自己資金を一部用意することを推奨します。詳細はソニー銀行公式サイトでご確認ください。

Q4審査は厳しいのか?

A4ソニー銀行の審査基準は、年収400万円以上が必要です。無職・パート・年金受給者は審査対象外です。クレジットカードやローンの支払い延滞は審査で厳しく見られるため、事前にCIC・JICCで自身の信用情報を確認することを推奨します。信用情報は住宅ローン審査で必ず参照される重要な情報です。

Q52024年の金利動向は?

A52024年8月に14年ぶりに変動金利を0.2%引き上げ(2.007%に)、11月にさらに0.05%引き上げ(2.057%に)しました。今後も市場金利の動向により変動する可能性があるため、最新情報はソニー銀行公式サイトで確認することを推奨します。金利は年2回(5月・11月)見直されます。

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Room Match編集部

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