賃貸不動産屋の選び方|良い仲介会社を見分けるポイントと注意点

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/14

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なぜ賃貸不動産屋選びが重要なのか

賃貸物件を探す際、「どの不動産屋に相談すればいいのかわからない」と悩む方は少なくありません。不動産屋選びを間違えると、おとり物件に騙されたり、高額な仲介手数料を請求されたり、トラブルに巻き込まれたりするリスクがあります。

この記事では、賃貸不動産屋の選び方、良い不動産屋を見分けるポイント、避けるべき不動産屋の特徴を、東京都住宅政策本部の公式情報を元に解説します。

初めての一人暮らしや引っ越しを検討されている方でも、信頼できる不動産屋を見つけられるようになります。

この記事のポイント

  • 賃貸不動産屋は全国約47,000社存在し、大手チェーンと地域密着型に大別される
  • 良い不動産屋の見分け方は、担当者の対応力・仲介手数料の透明性・おとり物件の有無が鍵
  • 仲介手数料の法律上限は家賃1ヶ月分×1.1(消費税込み)、原則は貸主・借主各0.5ヶ月分
  • おとり物件(存在しない物件で客を呼ぶ手法)は宅建業法違反であり、内見できない物件は避ける
  • 賃貸トラブルは年間17,200件(東京都、2020年)、敷金返還・原状回復費用が最多

賃貸不動産屋の種類と特徴|大手チェーンvs地域密着型

(1) 大手チェーン(エイブル、アパマンショップ等)の特徴

大手チェーンとは、エイブル、アパマンショップ、ピタットハウス等、全国展開する不動産会社です。

メリット:

  • 物件数が豊富(全国ネットワークを活用)
  • 広範囲のエリアで物件を探せる
  • 店舗数が多く、アクセスしやすい
  • 一定のサービス水準が保たれている

デメリット:

  • 地域特有の物件情報に弱い場合がある
  • 担当者の対応にばらつきがある

向いている人:

  • 広範囲でエリアを探したい
  • 転勤・進学等で初めての土地に引っ越す
  • 全国規模のネットワークを活用したい

(2) 地域密着型の特徴

地域密着型とは、特定地域に特化した不動産会社です。

メリット:

  • 地域の物件情報に詳しい
  • 大手にない物件を扱っている場合がある
  • 長期的な関係構築が可能
  • 地域の住環境・治安情報に精通

デメリット:

  • 物件数が限られる場合がある
  • 広範囲の物件探しには不向き

向いている人:

  • エリアが決まっている
  • 地域の詳しい情報が欲しい
  • 長期的に同じ地域に住む予定

(3) どちらを選ぶべきか(エリア・目的別)

状況 推奨タイプ 理由
エリアが決まっている 地域密着型 地域情報・非公開物件に強い
広範囲で探したい 大手チェーン 物件数が豊富、全国ネットワーク
初めての土地 大手チェーン 一定のサービス水準、安心感
長期的に住む予定 地域密着型 長期的な関係構築、地域の詳しい情報

併用も有効:

  • 複数社を比較することで、おとり物件を見極めたり、仲介手数料を交渉したりできます

良い賃貸不動産屋を見分ける5つのポイント

(1) 担当者の対応力(レスポンス・知識・丁寧さ)

良い担当者の特徴:

  • 問い合わせへのレスポンスが早い(24時間以内)
  • 物件の詳細を把握している
  • 希望条件を丁寧にヒアリングする
  • デメリットも正直に説明する

注意すべき担当者:

  • 返信が遅い(2-3日以上)
  • 物件の詳細を把握していない
  • 強引に契約を迫る
  • デメリットを隠す

担当者の対応力は、入居後のトラブル対応にも影響するため、最も重要なポイントです。

(2) 仲介手数料の透明性

SUUMOによると、仲介手数料の法律上限は**家賃1ヶ月分×1.1(消費税込み)**です。

原則:

  • 貸主・借主それぞれ0.5ヶ月分
  • 借主の同意があれば1ヶ月分まで請求可能

チェックポイント:

  • 仲介手数料を事前に明示しているか
  • 無料・半額の場合、理由を説明しているか
  • 追加料金(鍵交換費用、消毒費用等)を明確に説明しているか

仲介手数料無料・半額の仕組み:

  • 貸主からの広告料(AD)で収益化
  • 管理会社が仲介も兼ねている

これらの仕組みを理解し、不明点は必ず確認しましょう。

(3) おとり物件の有無

おとり物件とは、存在しない・成約済みの物件を広告掲載して客を呼ぶ悪質な手法です(宅建業法違反)。

見分け方:

  • 条件が良すぎる物件(相場より家賃が安い、駅近で広い等)
  • 問い合わせ後に「この物件は成約済みです」と別物件を勧める
  • 内見できない物件

対策:

  • 実際に内見できるか確認
  • 複数社で同じ物件を照合
  • おとり物件が疑われる場合は避ける

(4) 物件情報の豊富さと更新頻度

良い不動産屋の特徴:

  • 物件情報が常に最新
  • 空き状況がリアルタイムで反映
  • 条件に合った複数の物件を提案

注意すべき不動産屋:

  • 物件情報が古い(成約済み物件が掲載されたまま)
  • 空き状況が不明確
  • 提案物件が少ない(特定の物件に誘導)

(5) 口コミ・評判の確認

Googleマップ、不動産ポータルサイト(SUUMO、LIFULL HOME'S等)の口コミを参考にしましょう。

チェックポイント:

  • 評価の平均点(3.5以上が目安)
  • 具体的なコメント内容(対応力、トラブル対応等)
  • 複数の口コミサイトで確認

注意:

  • 口コミは主観的な意見であり、全てを鵜呑みにしない
  • 自分で実際に問い合わせて確認することが重要

避けるべき不動産屋の特徴とトラブル事例

(1) おとり物件を使った集客(宅建業法違反)

前述の通り、おとり物件は宅建業法違反です。このような不動産屋は避けましょう。

典型的なパターン:

  1. 魅力的な物件をネット掲載
  2. 問い合わせると「成約済み」と言われる
  3. 別の物件(条件が劣る)を勧められる

(2) 過度な営業・強引な契約誘導

避けるべき営業手法:

  • 「今日中に決めないと次の人に取られる」と焦らせる
  • 複数の物件を比較させない
  • デメリットを説明しない
  • 重要事項説明を急ぐ・簡略化する

対策:

  • 即断を避け、冷静に判断する時間を取る
  • 複数社を比較する
  • 重要事項説明は必ず理解するまで確認

(3) 賃貸トラブルの実態(年間17,200件、東京都2020年)

東京都住宅政策本部によると、東京都の賃貸住宅トラブル相談件数は年間17,200件(2020年)です。

主なトラブル:

  1. 敷金返還・原状回復費用(最多)
  2. 騒音問題
  3. 設備故障・修繕対応
  4. 家賃滞納

トラブルを避けるために:

  • 契約前に重要事項説明を丁寧に確認
  • 敷金・礼金・原状回復の条件を明確化
  • 入居前に物件の状態を写真で記録
  • トラブル時の対応窓口を確認

内見・問い合わせ時のチェックリスト

(1) 問い合わせ時の確認事項(仲介手数料、物件の空き状況)

問い合わせ時に確認すべきこと:

  • 物件の空き状況(成約済みでないか)
  • 仲介手数料の金額
  • 敷金・礼金・初期費用の詳細
  • 内見可能な日時
  • 物件の築年数・設備

(2) 内見時のチェックポイント(設備、騒音、周辺環境)

室内:

  • 水回り(キッチン、浴室、トイレ)の状態
  • 収納の広さ
  • 日当たり・風通し
  • 壁・床の傷・汚れ

周辺環境:

  • 駅・バス停までの実際の距離
  • スーパー・コンビニの有無
  • 治安・騒音(昼夜の違い)

建物:

  • エレベーターの有無
  • ゴミ置き場の管理状態
  • 共用部の清潔さ

(3) 契約前の最終確認(重要事項説明、契約条件)

重要事項説明で確認すべきこと:

  • 契約期間・更新条件
  • 敷金返還・原状回復の条件
  • 禁止事項(ペット、楽器等)
  • 設備の修繕責任(借主負担か貸主負担か)

不明点は必ず質問:

  • 宅地建物取引士が説明する義務がある
  • 理解できるまで何度でも質問してOK

まとめ:信頼できる賃貸不動産屋を見つける方法

賃貸不動産屋選びは、トラブルを避け、理想の物件を見つけるための第一歩です。担当者の対応力、仲介手数料の透明性、おとり物件の有無を確認し、複数社を比較することが重要です。

広範囲でエリアを探す場合は大手チェーン、特定エリアに絞る場合は地域密着型が推奨されます。おとり物件は宅建業法違反であり、内見できない物件は避けましょう。

賃貸トラブルは年間17,200件(東京都、2020年)発生しており、敷金返還・原状回復費用が最も多いトラブルです。契約前に重要事項説明を丁寧に確認し、不明点は必ず質問しましょう。

不動産屋選びのポイント:

  • 担当者の対応力を重視
  • 仲介手数料の法律上限(家賃1ヶ月分×1.1)を理解
  • おとり物件を見極める
  • 複数社を比較する

詳細は東京都住宅政策本部の賃貸住宅トラブル防止ガイドラインでご確認いただき、信頼できる不動産屋を見つけて理想の物件を探しましょう。

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よくある質問

Q1賃貸不動産屋はどうやって選べばいいですか?

A1担当者の対応力(レスポンスの速さ、知識、丁寧さ)、仲介手数料の透明性、おとり物件の有無、口コミ評判を総合的に判断しましょう。エリアが決まっている場合は地域密着型、広範囲で探す場合は大手チェーンが推奨されます。複数社を比較することで、おとり物件を見極めたり、仲介手数料を交渉したりできます。

Q2大手チェーンと地域密着型はどちらがいいですか?

A2広範囲でエリアを探す場合は大手チェーン(エイブル、アパマンショップ等)、特定エリアに絞る場合は地域密着型が推奨されます。大手は物件数が豊富で全国ネットワークを活用できますが、地域密着型は地域の物件情報に詳しく、長期的な関係構築や非公開物件に強みがあります。

Q3仲介手数料の相場はどれくらいですか?

A3法律上の上限は家賃1ヶ月分×1.1(消費税込み)です。原則は貸主・借主それぞれ0.5ヶ月分ですが、借主の同意があれば1ヶ月分まで請求可能です。仲介手数料無料・半額の不動産会社もあり、これは貸主からの広告料(AD)で収益化している場合が多いです。不明点は必ず事前に確認しましょう。

Q4おとり物件の見分け方は?

A4条件が良すぎる物件(相場より家賃が安い、駅近で広い等)、問い合わせ後に「この物件は成約済み」と別物件を勧めてくる、内見できない物件は注意が必要です。実際に内見できるか確認し、複数社で物件を照合することでおとり物件を見極められます。おとり物件は宅建業法違反です。

Q5複数の不動産屋を利用してもいいですか?

A5問題ありません。複数社を比較することで、おとり物件の見極め、仲介手数料の交渉、物件情報の豊富さを確認できます。ただし、同じ物件を複数社経由で契約するのは避けましょう。各不動産屋の担当者の対応力を比較し、信頼できる不動産屋を選ぶことが重要です。

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Room Match編集部

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