賃貸一戸建てのデメリットとは?メリットと比較して選び方を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/22

賃貸一戸建てとは|集合住宅との違いと基本知識

賃貸一戸建ては、マンションやアパートなどの集合住宅とは異なり、独立した一戸建て住宅を借りる賃貸形態です。「広々とした庭で子供やペットと暮らしたい」「生活音を気にせずに過ごしたい」という方に人気がある一方で、物件数の少なさや費用面でデメリットも存在します。

この記事では、賃貸一戸建ての主なデメリットとメリットを公平に比較し、マンション・アパートとの違い、初期費用の目安、選び方のポイントを解説します。賃貸一戸建てが自分に向いているかを判断する材料として役立ててください。

この記事のポイント

  • 賃貸一戸建ては全賃貸物件の約1.7%と物件数が少なく、希望条件に合う物件が見つけにくい
  • 家賃は集合住宅より約10%高く、冷暖房費も高くなる傾向(特に築年数が古い物件)
  • ペット相談可物件が約48%と集合住宅(約29%)より多く、ファミリー層に人気
  • 初期費用は家賃の5ヶ月分程度が相場で、敷金・礼金・仲介手数料等が必要

賃貸一戸建ての定義と特徴

賃貸一戸建ては、マンションやアパートと異なり、隣戸に接していない独立した住宅を賃貸する形態です。庭付きや駐車場付きの物件が多く、ファミリー層やペット飼育希望者に人気があります。

賃貸物件全体に占める一戸建ての割合(約1.7%)

新規建設される賃貸物件のうち、一戸建てはわずか約1.7%と非常に少ないです。そのため、希望するエリアや条件に合う物件を見つけるのが困難な場合があります。

契約形態の種類(定期借家契約・普通借家契約)

賃貸一戸建ての契約形態には、定期借家契約と普通借家契約の2種類があります。定期借家契約は契約期間満了で確定的に契約が終了し、更新がないため、住める期間が限定されます。一方、普通借家契約は更新が前提で、長期間住み続けることができます。契約前に必ず契約形態を確認しましょう。

2024年の賃貸一戸建て市場の動向

2024年時点で、賃貸一戸建てはファミリー層やペット飼育希望者に人気が高まっています。最新の物件では防犯カメラやスマートロック等のセキュリティ設備が進化しており、以前よりも安心して暮らせる環境が整いつつあります。

賃貸一戸建ての主なデメリット

賃貸一戸建てには、以下のようなデメリットがあります。契約前に十分理解しておきましょう。

デメリット①:物件数が少なく希望条件に合う物件が見つけにくい

賃貸一戸建ては全賃貸物件の約1.7%と非常に少ないため、希望するエリアや条件(間取り、家賃、駅からの距離等)に合う物件を見つけるのが困難です。複数の不動産ポータルサイトを活用し、根気強く探す必要があります。

デメリット②:家賃が集合住宅より約10%高い傾向

賃貸一戸建ての家賃は、マンションやアパートと比べて約10%高い傾向があります。広い床面積と駐車場が付いているため、総コストは高くなります。

デメリット③:冷暖房費が高くなる(特に冬季の暖房費)

一戸建ては集合住宅より床面積が広く、開口部(窓・ドア)が多いため、冷暖房費が高くなる傾向があります。特に築年数が古い物件は断熱材が不足していたり、隙間風が入りやすかったりするため、冬季の暖房費が高額になる可能性があります。

デメリット④:庭のメンテナンスが借主の義務(善管注意義務)

庭付きの一戸建ては魅力的ですが、草取りなどのメンテナンスは基本的に借主の責任です。草取りを怠ると善管注意義務違反となり、退去時に敷金から精算される場合があります。

デメリット⑤:防犯性が低く、セキュリティ対策は借主負担

一戸建ては開口部が多く、外部からの侵入リスクが集合住宅より高い傾向があります。防犯カメラや補助錠の設置などのセキュリティ対策は、基本的に借主の負担となります。

デメリット⑥:築年数が古い物件が多く、断熱性や設備が劣る

賃貸一戸建ては築年数が古い物件が多く、断熱性や設備が最新のマンションより劣る場合があります。内覧時に断熱性や隙間風の有無を必ず確認しましょう。

デメリット⑦:定期借家契約の場合は住める期間が限定される

定期借家契約の場合、契約期間満了で確定的に契約が終了し、原則として更新ができません。再契約には貸主の同意が必要で、住める期間が限定されるリスクがあります。

デメリット⑧:町内会・自治会への加入が前提の場合がある

物件によっては、町内会や自治会への加入が前提となっている場合があります。会費の支払いや行事への参加が求められることもあり、負担と感じる方もいます。

賃貸一戸建てのメリット

デメリットがある一方で、賃貸一戸建てには以下のようなメリットもあります。

メリット①:生活音を気にせず暮らせる(隣戸に接していない)

一戸建ては隣戸に接していないため、集合住宅のように生活音を気にする必要がありません。子供が室内で走り回っても、楽器を演奏しても、周囲への影響を気にせず暮らせます。

メリット②:庭付きでペットや子供の遊びスペースがある

庭付きの一戸建てなら、ペットや子供が安心して遊べるスペースがあります。家庭菜園やガーデニングを楽しむこともできます。

メリット③:ペット相談可物件が多い(約48% vs マンション・アパート約29%)

賃貸一戸建てはペット相談可物件が約48%と、マンション・アパート(約29%)より高い割合です。ペットを飼いたい方にとって、選択肢が広がります。

メリット④:駐車場付き物件が多く、駐車場代が不要

一戸建ては駐車場付き物件が多く、駐車場代が家賃に含まれていることが一般的です。集合住宅では駐車場代が月1〜3万円別途かかることが多いため、車を所有している方には経済的なメリットがあります。

メリット⑤:プライバシーが確保されやすい

一戸建ては独立した住宅のため、集合住宅より プライバシーが確保されやすいです。隣人との距離が物理的に離れているため、気兼ねなく暮らせます。

メリット⑥:戸建て暮らしを試せる(購入前のお試し住み)

将来的に戸建て住宅の購入を検討している方にとって、賃貸一戸建ては「お試し住み」として有効です。実際に戸建てで暮らすことで、メリット・デメリットを実感できます。

賃貸一戸建てとマンション・アパートの比較

賃貸一戸建てとマンション・アパートの主な違いを比較します。

項目 賃貸一戸建て マンション・アパート
家賃 約10%高い 一戸建てより安い
ペット飼育可能率 約48% 約29%
防音性 高い(隣戸に接していない) 物件により異なる
セキュリティ 低い(借主負担) 高い(オートロック等)
駐車場 家賃込み 月1〜3万円別途
町内会加入 前提の場合あり ほぼ不要

家賃相場の比較(一戸建ては約10%高い)

賃貸一戸建ての家賃は、同じエリアの集合住宅より約10%高い傾向があります。広い床面積と駐車場が付いている分、コストは高くなります。

ペット飼育可能率の比較(一戸建て48% vs 集合住宅29%)

山手線沿線の統計によると、ペット相談可物件の割合は一戸建てが約48%、マンション・アパートが約29%です。ペットを飼いたい方にとって、一戸建ては有利な選択肢です。

防音性・セキュリティの比較

一戸建ては隣戸に接していないため防音性は高いですが、開口部が多いためセキュリティは集合住宅より劣る傾向があります。最新の物件では防犯カメラやスマートロック等の設備が整いつつありますが、古い物件では借主自身で対策が必要です。

駐車場代の比較(一戸建ては家賃込み、集合住宅は月1〜3万円別途)

一戸建ては駐車場付き物件が多く、駐車場代が家賃に含まれていることが一般的です。集合住宅では駐車場代が月1〜3万円別途かかることが多いため、車を所有している方には一戸建ての方が経済的です。

近所付き合いの比較(一戸建ては町内会加入の可能性)

一戸建ては地域に根ざした住宅街に立地することが多く、町内会や自治会への加入が前提となる場合があります。集合住宅ではそのような負担はほぼありません。

賃貸一戸建ての初期費用と維持費

賃貸一戸建ての初期費用と維持費の目安を確認しましょう。

初期費用の相場(家賃の5ヶ月分程度)

賃貸一戸建ての初期費用は、家賃の5ヶ月分程度が相場です。家賃が高いほど初期費用も高額になるため、一戸建ては集合住宅より多めに用意が必要です。

初期費用の内訳(敷金・礼金・仲介手数料・火災保険等)

初期費用の主な内訳は以下の通りです。

項目 金額(目安)
敷金 家賃1〜2ヶ月分
礼金 家賃1〜2ヶ月分
仲介手数料 家賃1ヶ月分+消費税
火災保険料 1〜2万円
鍵交換費用 1〜2万円

毎月の維持費(家賃・光熱費・町内会費等)

毎月の維持費には、家賃、光熱費(電気・ガス・水道)、町内会費(物件による)が含まれます。一戸建ては床面積が広いため、光熱費は集合住宅より高くなる傾向があります。

初期費用を抑える方法(敷金・礼金ゼロ物件、フリーレント物件)

敷金・礼金が少ない物件や、フリーレント物件(一定期間家賃が無料)を選ぶことで、初期費用を抑えることができます。不動産ポータルサイトで条件を絞って検索しましょう。

費用シミュレーション例

家賃15万円の一戸建てを借りる場合の初期費用シミュレーション:

  • 敷金:30万円(家賃2ヶ月分)
  • 礼金:30万円(家賃2ヶ月分)
  • 仲介手数料:16.5万円(家賃1ヶ月分+消費税)
  • 火災保険料:2万円
  • 鍵交換費用:2万円
  • 合計:約80.5万円

まとめ:賃貸一戸建てが向いている人と選び方のポイント

賃貸一戸建ては、生活音を気にせず暮らしたい方、ペットを飼いたいファミリー層、戸建て購入前にお試し住みしたい方に向いています。

一方で、物件数が少なく希望条件に合う物件が見つけにくい、家賃や光熱費が集合住宅より高い、庭のメンテナンスや防犯対策が借主負担といったデメリットもあります。

契約前には、契約形態(定期借家 vs 普通借家)、管理会社の有無、内覧時の断熱性・防犯性の確認が重要です。複数の不動産ポータルサイトを活用し、条件に合う物件を根気強く探しましょう。

宅地建物取引士や不動産会社に相談することで、契約内容の詳細や注意点を確認でき、安心して賃貸一戸建てを選ぶことができます。

よくある質問

Q1賃貸一戸建ての主なデメリットTOP3は何ですか?

A1①物件数が少なく希望条件に合う物件が見つけにくい(全賃貸物件の約1.7%)、②家賃が集合住宅より約10%高い、③冷暖房費が高くなる(特に築年数が古い物件は断熱性が低い)の3つです。物件探しには複数の不動産ポータルサイトを活用し、根気強く探すことをおすすめします。

Q2賃貸一戸建てとマンション・アパートの最大の違いは?

A2生活音を気にせず暮らせる点と、ペット飼育可能率の高さ(一戸建て約48% vs マンション・アパート約29%)が最大の違いです。一方で、家賃は約10%高く、防犯性は集合住宅より劣る傾向があります。駐車場付き物件が多いため、車を所有している方には経済的なメリットもあります。

Q3賃貸一戸建ての初期費用はどのくらいかかりますか?

A3家賃の5ヶ月分程度が相場です。内訳は敷金(家賃1〜2ヶ月分)、礼金(家賃1〜2ヶ月分)、仲介手数料(家賃1ヶ月分+消費税)、火災保険料等です。敷金・礼金ゼロ物件やフリーレント物件を選ぶことで初期費用を抑えられます。家賃15万円の物件なら初期費用は約80万円が目安です。

Q4賃貸一戸建てが向いているのはどんな人ですか?

A4①ペットを飼いたいファミリー層、②生活音を気にせず暮らしたい人、③戸建て購入前にお試し住みしたい人に向いています。ただし、庭のメンテナンスが義務となるため、管理が負担と感じる人には向きません。契約前に契約形態(定期借家 vs 普通借家)を必ず確認し、宅地建物取引士や不動産会社に相談することをおすすめします。

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Room Match編集部

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