賃貸の火災保険はいくら?相場2年2万円・自己手配なら1万円

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/24

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賃貸マンションの火災保険とは?加入の必要性

賃貸マンションの契約時に「火災保険に加入してください」と言われ、「本当に必要なのか」「保険料が高いのでは」と疑問に感じる方は多いでしょう。

この記事では、賃貸マンションの火災保険の仕組み、補償内容、保険料相場、未加入のリスクを、ソニー損保やSUUMOの調査データを元に解説します。

初めて賃貸契約を結ぶ方でも、火災保険の必要性や適切な選び方を正確に把握できるようになります。

この記事のポイント

  • 賃貸火災保険は法的義務ではないが、ほとんどの賃貸契約で加入必須条件となっている
  • 3つの主要補償(家財保険、借家人賠償責任保険、個人賠償責任保険)がすべて含まれるプランを選ぶ
  • 保険料は不動産会社経由で2年2万円、自分で選ぶと約1万円が相場(約半額)
  • 火災保険未加入の場合、火災や水漏れ事故で数十万~数千万円の自己負担が発生する可能性
  • 2024年10月から火災保険料が全国平均13%値上げされた

(1) 賃貸火災保険の仕組み

賃貸マンションの火災保険は、入居者の家財と大家さんへの賠償責任をカバーする保険です。

持ち家の火災保険と異なり、建物そのものは大家さんが加入する保険で補償されます。入居者が加入する火災保険は、主に以下の2つの目的があります。

  • 家財の補償: 火災や水漏れで損害を受けた家具・家電を補償
  • 大家さんへの賠償: 入居者の過失で建物に損害を与えた場合の賠償責任を補償

(2) 法的義務と契約条件の違い

賃貸火災保険は法的義務ではありません。しかし、みんかぶ保険によると、「ほとんどの賃貸契約で火災保険加入が必須条件」となっています。

賃貸契約書に「火災保険加入を条件とする」と記載されている場合、未加入では契約が成立しません。

これは、大家さんが建物の損害リスクを回避するため、入居者に火災保険加入を求めているためです。

賃貸火災保険の補償内容

(1) 家財保険(家具・家電の補償)

家財保険は、火災・水漏れ・盗難等で入居者の所有物(家具・家電・衣類等)が損害を受けた際に補償する保険です。

補償範囲は保険商品により異なりますが、一般的には以下のような事故が対象です。

補償対象 具体例
火災・爆発 コンロの火災、ガス爆発
水漏れ 洗濯機の排水ホース破損、上階からの水漏れ
盗難 空き巣による貴重品盗難
落雷 雷による家電の故障

補償額は契約により異なりますが、100万円~300万円程度が一般的です。

(2) 借家人賠償責任保険(大家さんへの補償)

借家人賠償責任保険は、入居者の過失で建物に損害を与えた際に、大家さんへの賠償責任を補償する保険です。

SUUMOによると、「補償限度額は1,000万~2,000万円が一般的」とされています。

具体的には、以下のような事故が対象です。

  • 火災: 自室からの出火で建物を焼損
  • 水漏れ: 風呂の水を出しっぱなしにして床が水浸しになり、下階に被害
  • 爆発: ガス爆発で壁・床が破損

原状回復義務により、入居者は部屋を入居時の状態に戻す責任があります。借家人賠償責任保険がないと、数千万円の賠償請求を受ける可能性があります。

(3) 個人賠償責任保険(第三者への補償)

個人賠償責任保険は、日常生活で他人に損害を与えた際の賠償責任を補償する保険です。

賃貸マンションでは、以下のような事故が想定されます。

  • 水漏れ: 自室の水漏れで階下の住民の家財を損害
  • 自転車事故: 自転車で他人に怪我をさせた
  • ベランダからの落下物: 洗濯物が飛んで通行人に怪我をさせた

補償限度額は1,000万円~1億円程度が一般的です。年間保険料は数百円~数千円と比較的安価ですが、高額な賠償請求に備えて必ず付帯することをおすすめします。

保険料の相場と選び方

(1) 不動産会社経由と自己手配の違い(2年2万円vs1万円)

賃貸火災保険の保険料は、不動産会社経由で加入するか自分で選ぶかで大きく異なります。

SUUMOの調査によると、以下の相場感です。

加入方法 2年間の保険料
不動産会社経由 約2万円
自分で選ぶ 約1万円

自分で保険を選ぶと約半額になるため、保険料を抑えたい場合は自己手配を検討しましょう。

ただし、不動産会社が指定する保険以外を選ぶ場合は、契約前に確認する必要があります。

(2) 補償内容による保険料の違い

保険料は、補償内容により大きく異なります。

以下の要素が保険料に影響します。

  • 家財補償額: 100万円 < 300万円 < 500万円と高額になるほど保険料が上昇
  • 借家人賠償限度額: 1,000万円 < 2,000万円
  • 個人賠償限度額: 1,000万円 < 1億円
  • 免責金額: 免責金額(自己負担額)を設定すると保険料が下がる

必要最小限の補償内容に絞ることで、保険料を抑えることができます。

(3) 長期契約のメリット

火災保険は契約期間が長いほど、月あたりの保険料が安くなります。

ただし、賃貸契約は2年更新が一般的なため、火災保険も2年契約にすることが多いです。

長期契約(5年・10年)にすると保険料は安くなりますが、引越しの際に解約返戻金が少なくなる可能性があるため注意が必要です。

火災保険未加入のリスク

(1) 火災・水漏れ事故の自己負担額(数十万~数千万円)

みんかぶ保険によると、火災保険未加入の場合、「修理・建て替え費用が数十万~数千万円の自己負担」になる可能性があります。

具体例を示します。

事故内容 損害額の目安
自室からの出火でマンション1室全焼 500万~2,000万円
水漏れで階下3部屋が水浸し 100万~500万円
火災で隣室に延焼 1,000万~3,000万円

これらの損害はすべて入居者の自己負担となり、人生を大きく左右する金額です。

(2) 原状回復義務と賠償責任

賃貸契約には原状回復義務があり、退去時に部屋を入居時の状態に戻す必要があります。

火災や水漏れで建物が損傷した場合、入居者は大家さんへ賠償責任を負います。

借家人賠償責任保険がないと、大家さんの保険会社から数千万円の賠償請求を受ける可能性があります。

(3) 隣家からの延焼でも入居者負担のケース

失火責任法により、隣家からの延焼で自室が焼けた場合、失火者に重過失がない限り賠償請求できません。

つまり、自分の家財は自分で守る必要があります。火災保険未加入の場合、隣家の火災で自分の家財がすべて失われても補償されません。

自分で保険を選ぶ方法と注意点

(1) 必要な補償内容の確認

自分で火災保険を選ぶ際は、以下の3つの補償が含まれているか確認してください。

  • 家財保険: 火災・水漏れ・盗難等による家財の損害を補償
  • 借家人賠償責任保険: 大家さんへの賠償責任を補償(1,000万~2,000万円)
  • 個人賠償責任保険: 第三者への賠償責任を補償(1,000万~1億円)

これら3つがすべて含まれていないと、賃貸契約の条件を満たさない可能性があります。

(2) 契約前に不動産会社へ確認

不動産会社が指定する保険以外を選ぶ場合は、契約前に必ず確認しましょう。

「自分で火災保険を手配してもよいか」「必要な補償内容は何か」を事前に確認することで、契約後のトラブルを避けられます。

(3) 2024年の保険料値上げ動向

Diamond不動産によると、「2024年10月から火災保険料が全国平均13%値上げ」されました。

台風・ゲリラ豪雨など自然災害の増加が背景にあり、今後も保険料が上昇する可能性があります。

保険料を抑えるためには、自分で保険を選ぶ、必要最小限の補償内容に絞る、長期契約にする等の工夫が有効です。

まとめ:賃貸火災保険の選択基準

賃貸マンションの火災保険は、法的義務ではありませんが、ほとんどの賃貸契約で加入必須条件となっています。3つの主要補償(家財保険、借家人賠償責任保険、個人賠償責任保険)がすべて含まれるプランを選びましょう。

保険料は不動産会社経由で2年2万円、自分で選ぶと約1万円が相場です。自己手配すると約半額になるため、保険料を抑えたい場合は検討しましょう。

火災保険未加入の場合、火災や水漏れ事故で数十万~数千万円の自己負担が発生する可能性があります。原状回復義務により大家さんへの賠償責任も生じるため、加入は必須と考えてください。

保険選びに迷ったら、ファイナンシャルプランナーや保険代理店に相談しながら、自分に合ったプランを選びましょう。

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よくある質問

Q1賃貸マンションで火災保険は必須か?

A1法的義務ではありませんが、ほとんどの賃貸契約で火災保険加入が必須条件となっています。賃貸契約書に「火災保険加入を条件とする」と記載されている場合、未加入では契約が成立しません。大家さんが建物の損害リスクを回避するため、入居者に火災保険加入を求めているためです。

Q2火災保険に入らないとどうなるのか?

A2火災や水漏れ事故で数十万~数千万円の自己負担が発生する可能性があります。例えば、自室からの出火でマンション1室全焼すると500万~2,000万円、水漏れで階下3部屋が水浸しになると100万~500万円の損害額が想定されます。原状回復義務により大家さんへの賠償責任も生じ、保険会社から数千万円の賠償請求を受けるリスクもあります。

Q3保険料の相場はどのくらいか?

A3SUUMOの調査によると、不動産会社経由で2年間約2万円、自分で選ぶと約1万円が相場です。自己手配すると約半額になるため、保険料を抑えたい場合は自分で保険を選ぶことをおすすめします。補償内容や契約期間により異なりますが、2024年10月から火災保険料が全国平均13%値上げされたため、今後も保険料が上昇する可能性があります。

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Room Match編集部

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