不動産登記簿謄本をオンラインで取得する方法|手続きと注意点を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/10

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不動産登記簿謄本のオンライン取得|時間とコストを削減する方法

不動産の購入・売却・相続等で登記簿謄本が必要になった際、「法務局に行く時間がない」「急ぎで取得したい」と悩む方は少なくありません。

この記事では、不動産登記簿謄本のオンライン取得方法、登記情報提供サービスと登記ねっとの違い、手数料と受け取り方法、地番の調べ方、注意点を、法務省の公式情報を元に解説します。

登記簿謄本の取得を検討している方が、オンラインで効率的に取得できるようになります。

この記事のポイント

  • 登記情報提供サービスは閲覧のみで良い場合に最も安価(全部事項332円)、PDF即時取得可能
  • 登記ねっとの「かんたん証明書請求」は専用ソフト不要でブラウザから手軽に利用できる
  • オンライン請求で窓口受取を選ぶと480円、郵送受取だと500円で取得可能
  • 地番・家屋番号が必要なので、住居表示しか分からない場合は事前に法務局で確認が必要
  • 登記情報提供サービスのPDFは証明力がないため、銀行融資や裁判所提出には使用不可

登記簿謄本(登記事項証明書)とは|役割と種類の基礎知識

登記簿謄本の記載内容と用途(所有者・権利関係・面積)

登記簿謄本(登記事項証明書)とは、不動産の所有者・権利関係・面積等が記載された公的証明書です。法務局が発行します。

不動産取引、融資申請、相続手続き、裁判所提出など、様々な場面で利用されます。

全部事項証明書と現在事項証明書の違い

登記事項証明書には、「全部事項証明書」と「現在事項証明書」があります。

  • 全部事項証明書: 登記記録の全ての事項が記載された証明書(過去の抵当権設定履歴等も含む)
  • 現在事項証明書: 現在有効な事項のみが記載された証明書(過去の抹消済み事項は記載されない)

一般的には、全部事項証明書を取得することが多いです。

登記情報と登記事項証明書の違い(証明力の有無)

「登記情報」と「登記事項証明書」は異なります。

  • 登記情報: 登記情報提供サービスで取得できるPDFデータ。証明力なし(閲覧用)
  • 登記事項証明書: 法務局が発行する正本。法的証明力あり(融資・裁判所提出可)

用途に応じて使い分けが必要です。

登記情報提供サービスの使い方|PDF閲覧・即時取得(332円)

一時利用・個人登録・法人登録の3つの利用方法

登記情報提供サービスは、一般財団法人民事法務協会が運営する、登記情報をオンラインで閲覧できるサービスです。

利用方法は以下の3つです。

  • 一時利用: クレジットカード決済のみ。登録不要で即時利用可能
  • 個人登録: 事前登録が必要(1週間程度)。クレジットカード決済可能
  • 法人登録: 事前登録が必要(1週間程度)。請求書払い可能

急ぎの場合は一時利用が便利です。

地番・家屋番号の調べ方(住居表示との違い)

オンライン取得時は、地番・家屋番号が必須です。

地番とは、土地を特定するための番号で、住居表示(住所)とは異なります。家屋番号は、建物を特定するための番号です。

住居表示しか分からない場合は、法務局窓口または電話で照会可能です。事前確認が必要です。

利用時間と決済方法(クレジットカード決済可能)

登記情報提供サービスの利用時間は、土日祝も含めて8:30〜18:00です。

決済方法は、クレジットカード決済(一時利用・個人登録)または請求書払い(法人登録)です。

PDFの証明力と利用上の制限(融資・裁判所提出不可)

登記情報提供サービスで取得したPDFには、法的証明力がありません。閲覧のみが目的であれば問題ありませんが、銀行融資や裁判所提出には使用できません。

これらの用途には、登記ねっとで正本を取得する必要があります。

登記ねっと「かんたん証明書請求」の使い方|正本の郵送・窓口受取

申請者情報登録の手順(専用ソフト不要・ブラウザで完結)

登記ねっとは、法務局が運営する「登記・供託オンライン申請システム」の通称です。

「かんたん証明書請求」は、専用ソフト不要でブラウザから手軽に利用できるサービスです。初回利用時は申請者情報登録が必要です。

請求手順と必要情報(地番・家屋番号・受取方法)

請求手順は以下の通りです。

  1. 申請者情報登録(初回のみ)
  2. 地番・家屋番号を入力
  3. 受取方法を選択(窓口受取・郵送受取)
  4. 決済(インターネットバンキング・クレジットカード・電子納付)

地番・家屋番号が分からない場合は、事前に法務局で確認してください。

申請用総合ソフトとの違い(簡易版と本格版)

登記ねっとには、「かんたん証明書請求」と「申請用総合ソフト」の2種類があります。

  • かんたん証明書請求: ブラウザで完結。証明書請求専用(簡易版)
  • 申請用総合ソフト: 専用ソフトのインストールが必要。登記申請全般に対応(本格版)

証明書請求のみであれば、かんたん証明書請求が便利です。

オンライン取得の手数料と受け取り方法|サービス別の比較

登記情報提供サービス(全部事項332円・PDF即時)

登記情報提供サービスの利用料金は、全部事項情報が332円です。PDF形式で即時取得可能です。

登記ねっと窓口受取(480円・最短翌営業日)

法務局によると、登記ねっとで請求し、窓口で受け取る場合の手数料は480円です。最短翌営業日に受け取れます。

登記ねっと郵送受取(500円・数日後)

登記ねっとで請求し、郵送で受け取る場合の手数料は500円です。受け取りまで数日かかります。

窓口請求(600円)との比較

法務局窓口で直接請求する場合の手数料は600円です。オンライン請求の方が安価で、時間も削減できます。

取得方法 手数料 受取時期 証明力
登記情報提供サービス 332円 即時 なし(閲覧用)
登記ねっと(窓口受取) 480円 最短翌営業日 あり
登記ねっと(郵送受取) 500円 数日後 あり
法務局窓口 600円 即日 あり

(出典: 法務局登記情報提供サービス

オンライン請求の注意点とよくある質問|地番・証明力・利用時間

住所と地番の違いと調べ方(法務局での事前確認)

住所(住居表示)と地番は異なります。地番が分からない場合は、法務局窓口または電話で照会可能です。

オンライン取得時は地番・家屋番号が必須のため、事前確認を推奨します。

入力ミスによる誤った情報取得のリスク

地番・家屋番号の入力ミスにより、全く異なる不動産の情報が届く可能性があります。入力内容を十分に確認してください。

利用時間の制限(登記情報提供サービスは土日祝可・登記ねっとは平日のみ)

登記情報提供サービスは土日祝も利用可能(8:30〜18:00)ですが、登記ねっとは平日のみの利用となります。

利用時間外は請求できないため、注意が必要です。

専門家(司法書士等)への相談が必要なケース

登記簿謄本の内容が複雑な場合や、取得した情報の解釈が不明な場合は、司法書士等の専門家への相談を推奨します。

特に、相続・抵当権設定・所有権移転等の登記手続きを伴う場合は、専門家のサポートを受けることで、手続きを安全に進められます。

まとめ|オンラインで効率的に登記簿謄本を取得する方法

不動産登記簿謄本は、登記情報提供サービス(PDF閲覧・332円・即時取得)または登記ねっと(正本発行・窓口480円/郵送500円)でオンライン取得できます。

登記情報提供サービスは閲覧のみで良い場合に最も安価で便利ですが、PDFは証明力がないため、銀行融資や裁判所提出には使用できません。これらの用途には、登記ねっとで正本を取得する必要があります。

オンライン取得時は、地番・家屋番号が必須です。住居表示しか分からない場合は、事前に法務局で確認してください。

登記ねっとの「かんたん証明書請求」は、専用ソフト不要でブラウザから手軽に利用できます。急ぎの場合は登記情報提供サービス(即時)、正本が必要な場合は登記ねっと(窓口受取・最短翌営業日)を選択しましょう。

登記簿謄本の内容が複雑な場合や、登記手続きを伴う場合は、司法書士等の専門家への相談を推奨します。

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よくある質問

Q1不動産登記簿謄本はオンラインで取得できますか?

A1取得可能です。登記情報提供サービス(PDF閲覧・332円・即時取得)または登記ねっと(正本発行・窓口受取480円/郵送受取500円)を利用できます。法務局に行く必要はありません。ただし、登記情報提供サービスのPDFは証明力がないため、銀行融資や裁判所提出には登記ねっとで正本を取得する必要があります。

Q2登記情報提供サービスと登記ねっとの違いは何ですか?

A2登記情報提供サービスはPDF閲覧のみで証明力なし(332円・即時)、登記ねっとは正本発行で法的証明力あり(窓口480円/郵送500円)です。用途に応じて使い分けが必要です。閲覧のみならPDFで十分ですが、融資申請や裁判所提出には正本が必要です。登記情報提供サービスは土日祝も利用可能ですが、登記ねっとは平日のみです。

Q3オンラインで取得した登記簿謄本は即日発行できますか?

A3登記情報提供サービスなら即時PDF取得可能です。登記ねっとの窓口受取は最短翌営業日、郵送受取は数日後です。急ぎの場合は登記情報提供サービスが便利ですが、証明力がないため閲覧のみが目的の場合に限ります。正本が必要な場合は、登記ねっとの窓口受取が最も早い選択肢です。

Q4住所しか分からない場合、地番はどうやって調べますか?

A4法務局窓口または電話で照会可能です。住居表示(住所)と地番は異なるため、事前確認が必要です。オンライン取得時は地番・家屋番号が必須です。入力ミスにより誤った不動産の情報が届く可能性があるため、地番・家屋番号の正確な入力が重要です。不明な場合は、必ず法務局で確認してください。

Q5登記情報提供サービスで取得したPDFは公的証明書として使えますか?

A5使えません。証明力がないため、銀行融資や裁判所提出には登記ねっとで正本を取得する必要があります。閲覧のみならPDFで十分ですが、公的手続きには正本が必須です。一部行政機関への申請では照会番号の添付で登記事項証明書の代わりにできるケースもありますが、事前に提出先に確認してください。

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Room Match編集部

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