不動産登記費用の相場と内訳|司法書士報酬と登録免許税の目安

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/26

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不動産登記費用とは何か|取引コストとしての重要性

不動産を購入・売却・相続する際、「登記費用はいくらかかるのか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、法務局および国税庁の公式情報を元に、登記費用の相場、内訳、計算方法を詳しく解説します。

初めての不動産取引でも、登記費用の見通しを正確に立てられるようになります。

この記事のポイント

  • 登記費用は登録免許税(国への税金)と司法書士報酬(専門家への手数料)で構成される
  • 所有権移転登記の費用相場は総額20万円〜40万円が目安(物件により100万円近くなることもある)
  • 登録免許税は固定資産税評価額×税率で計算され、軽減措置の適用で税率が下がる場合がある
  • 司法書士報酬は事務所ごとに異なるため、複数見積もりを取ることが重要

(1) 登記費用が必要な理由(権利保護・取引安全)

不動産登記は、不動産の所有権や抵当権を公的に記録する手続きです。登記を行うことで、「誰が所有者か」「担保が設定されているか」が明確になり、権利保護と取引安全が確保されます。

登記費用は、この手続きに必要な税金と専門家への手数料です。

(2) 登記費用の相場(総額20万円〜40万円程度)

所有権移転登記の費用相場は総額20万円〜40万円が目安です。物件価格や地域により異なり、100万円近くなることもあります。

登記費用とは、不動産の登記を行うために必要な費用で、登録免許税(国への税金)と司法書士報酬(専門家への手数料)で構成されます。

(3) 不動産取引全体に占める登記費用の割合

不動産取引では、物件価格以外に諸費用(登記費用、仲介手数料、印紙税等)が発生します。登記費用は諸費用全体の中で大きな割合を占めるため、事前に正確な金額を把握することが重要です。

登記費用の構成要素|登録免許税と司法書士報酬の違い

(1) 登録免許税(国への税金)の特徴

登録免許税は、不動産登記を行う際に国に納める税金です。固定資産税評価額×税率で計算されます(土地2%、新築建物0.4%、中古建物2%が基本税率)。

登録免許税は法律で定められた税金のため、司法書士事務所ごとに金額が変わることはありません(固定額)。

(出典: 国税庁

(2) 司法書士報酬(専門家への手数料)の特徴

司法書士報酬は、登記手続きを司法書士に依頼する場合の手数料です。所有権移転登記で5万円〜10万円程度が相場です(事務所ごとに異なります)。

司法書士報酬は事務所ごとに大きく異なるため、複数の司法書士から見積もりを取ることで費用を抑えられる可能性があります。

(3) その他の費用(事前調査費用・書類取得費用)

登記費用には、登録免許税と司法書士報酬以外に以下の費用が含まれます。

その他の費用

項目 費用目安
事前調査費用 5,000円程度
書類取得費用(登記事項証明書等) 1,000円〜3,000円
交通費・郵送費 実費

これらの費用は司法書士報酬に含まれる場合と別途請求される場合があるため、見積もり時に確認しましょう。

登録免許税の計算方法と税率一覧

(1) 登録免許税の計算式(固定資産税評価額×税率)

登録免許税は以下の式で計算されます。

計算式: 固定資産税評価額 × 税率 = 登録免許税

固定資産税評価額は、市町村が決定する不動産の評価額です。固定資産税課税標準額とは異なるため注意が必要です。正確な金額は、市町村で発行される「固定資産税評価証明書」で確認できます。

(出典: 法務局

(2) 所有権移転登記の税率(売買2%・相続0.4%・贈与2%)

所有権移転登記は、不動産の所有者が変わったことを登記簿に記録する手続きです。登録免許税の税率は登記原因(売買、相続、贈与等)により異なります。

所有権移転登記の税率

登記原因 税率(土地) 税率(建物)
売買 2% 2%
相続 0.4% 0.4%
贈与 2% 2%

(出典: 国税庁

(3) 所有権保存登記・抵当権設定登記の税率

所有権保存登記は、新築建物の所有者を初めて登記簿に記録する手続きです。登録免許税の税率は0.4%です(軽減措置適用時は0.15%)。

抵当権設定登記は、住宅ローン等の借入時に、不動産を担保として金融機関の抵当権を登記簿に記録する手続きです。債権金額×0.4%で計算されます(軽減措置適用時は0.1%)。

登記種別ごとの税率

登記種別 課税標準 基本税率 軽減税率
所有権保存登記 不動産の価額 0.4% 0.15%
抵当権設定登記 債権金額 0.4% 0.1%

(4) 軽減措置の適用条件(2027年3月31日まで税率0.3%)

一定条件を満たす住宅用家屋では、2027年3月31日まで登録免許税が0.3%に軽減されます(通常2%)。

軽減措置の適用条件

  • 床面積50㎡以上
  • 築20年以内(耐火建築物は25年以内)
  • 自己居住用の住宅
  • 取得後1年以内の登記

軽減措置には適用期限があるため、期限後は税率が上がる可能性があります。詳細は法務局または司法書士に確認してください。

(出典: 国税庁

司法書士報酬の相場と地域差

(1) 所有権移転登記の司法書士報酬(5万円〜10万円程度)

所有権移転登記の司法書士報酬は5万円〜10万円程度が相場です。2024年3月の日本司法書士連合会報酬アンケート調査によると、司法書士報酬は2万円〜9万円程度と幅があります。

一般的には5万円〜10万円程度ですが、複雑なケースではそれ以上になることもあります。

(2) 所有権保存登記の司法書士報酬(2.5万円前後)

所有権保存登記の司法書士報酬は2.5万円前後が平均です。新築建物の場合、所有権保存登記と抵当権設定登記を同時に行うことが多く、合計で5万円〜7万円程度が目安です。

(3) 抵当権設定登記の司法書士報酬(2万円〜7万円程度)

抵当権設定登記の司法書士報酬は2万円〜7万円程度が相場です。債権金額(住宅ローン借入額)により報酬が変動する場合があります。

(4) 地域差と事務所ごとの報酬差(複数見積もりの重要性)

司法書士報酬は地域により異なります。専門家の数が多い都市部では競争により報酬が下がる傾向があり、専門家の数が少ない地方では報酬が高くなる傾向があります。

また、同じ地域でも事務所ごとに報酬が異なるため、複数の司法書士から見積もりを取ることで費用を抑えられる可能性があります。

司法書士報酬を抑えるポイント

  • 複数の司法書士から見積もりを取る(数万円の差が出ることもある)
  • 不動産会社や金融機関が紹介する司法書士より、自分で探した司法書士の方が報酬が安い場合がある
  • ただし、住宅ローンを利用する場合、金融機関が指定する司法書士を使わなければならないケースがある

物件種別・取引類型別の登記費用の具体例

(1) 新築戸建ての購入(所有権保存+抵当権設定)

新築戸建てを購入する場合、以下の登記が必要です。

新築戸建ての登記費用例

項目 金額目安
所有権保存登記(登録免許税) 3万円〜10万円
所有権保存登記(司法書士報酬) 2.5万円前後
抵当権設定登記(登録免許税) 2万円〜10万円
抵当権設定登記(司法書士報酬) 2万円〜7万円
合計 10万円〜30万円

物件価格や住宅ローン借入額により金額は変動します。

(2) 中古マンションの購入(所有権移転+抵当権設定)

中古マンションを購入する場合、以下の登記が必要です。

中古マンションの登記費用例(物件価格3,000万円の場合)

項目 金額目安
所有権移転登記(登録免許税) 9万円(軽減措置適用時)〜60万円
所有権移転登記(司法書士報酬) 5万円〜10万円
抵当権設定登記(登録免許税) 3万円〜12万円
抵当権設定登記(司法書士報酬) 2万円〜7万円
合計 19万円〜89万円

軽減措置の適用有無により、登録免許税が大きく変わります。

(3) 相続による所有権移転登記

相続により不動産を取得した場合、所有権移転登記が必要です。

相続登記の費用例(固定資産税評価額2,000万円の場合)

項目 金額目安
所有権移転登記(登録免許税) 8万円(2,000万円×0.4%)
所有権移転登記(司法書士報酬) 5万円〜10万円
戸籍謄本・遺産分割協議書等の取得費用 1万円〜3万円
合計 14万円〜21万円

相続登記は2024年4月から義務化されており、相続開始から3年以内に登記しないと過料が科される可能性があります。

(4) 贈与による所有権移転登記

贈与により不動産を取得した場合、所有権移転登記が必要です。

贈与登記の費用例(固定資産税評価額2,000万円の場合)

項目 金額目安
所有権移転登記(登録免許税) 40万円(2,000万円×2%)
所有権移転登記(司法書士報酬) 5万円〜10万円
合計 45万円〜50万円

贈与の場合、登録免許税の税率が2%と高く、さらに贈与税が別途発生する可能性があります。税理士への相談を推奨します。

まとめ:登記費用を抑えるポイントと注意点

(1) 複数の司法書士から見積もりを取る

司法書士報酬は事務所ごとに大きく異なります(数万円の差が出ることもあります)。複数の司法書士から見積もりを取ることで、費用を抑えられる可能性があります。

不動産会社や金融機関が紹介する司法書士より、自分で探した司法書士の方が報酬が安い場合があります。ただし、住宅ローンを利用する場合、金融機関が指定する司法書士を使わなければならないケースがあります。

(2) 軽減措置の適用条件を確認する

一定条件を満たす住宅用家屋では、2027年3月31日まで登録免許税が軽減されます。床面積50㎡以上、築20年以内(耐火建築物は25年以内)等の条件を満たすか確認しましょう。

軽減措置を受けることで、登録免許税が数十万円単位で安くなる場合があります。詳細は法務局または司法書士に確認してください。

(3) 自分で登記する場合のメリット・デメリット

メリット:

  • 司法書士報酬(5万円〜10万円程度)が不要

デメリット:

  • 専門知識と時間が必要
  • 書類不備があると登記が受理されず、やり直しが必要
  • 登録免許税や書類取得費用は必要(司法書士に依頼しても同じ)

初めての不動産取引では、専門家(司法書士)への依頼を推奨します。

(4) 専門家(司法書士)への相談推奨

登記手続きは法律で定められた手続きです。不明点がある場合は、司法書士や法務局に相談することを推奨します。

登録免許税の税率や軽減措置は税制改正により変更される可能性があるため、最新情報は国税庁法務局の公式サイトで確認してください(2025年時点の情報)。

固定資産税評価額は市町村によって異なるため、正確な登録免許税額は固定資産税評価証明書で確認する必要があります。

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よくある質問

Q1登記費用の相場はいくらですか?

A1所有権移転登記の費用相場は総額20万円〜40万円が目安です(登録免許税+司法書士報酬)。登録免許税は固定資産税評価額×税率で計算され、物件価格や地域により異なります。司法書士報酬は事務所ごとに異なるため、複数見積もりを取ることが重要です。物件によっては100万円近くなることもあるため、詳細は司法書士に見積もりを依頼してください。

Q2登録免許税と司法書士報酬の違いは何ですか?

A2登録免許税は国に納める税金で、固定資産税評価額×税率で計算されます(固定額)。土地2%、新築建物0.4%、中古建物2%が基本税率です。一方、司法書士報酬は登記手続きを依頼する専門家への手数料で、事務所ごとに異なります(変動額)。所有権移転登記で5万円〜10万円程度が相場です。

Q3自分で登記すれば費用を抑えられますか?

A3司法書士報酬(5万円〜10万円程度)は不要になりますが、登録免許税や書類取得費用は必要です。専門知識と時間が必要で、書類不備があると登記が受理されないリスクがあります。登記手続きは法律で定められた手続きであり、初めての場合は専門家(司法書士)への依頼を推奨します。不明点がある場合は、法務局に相談することもできます。

Q4司法書士報酬の相場はいくらですか?

A4所有権移転登記で5万円〜10万円、所有権保存登記で2.5万円前後、抵当権設定登記で2万円〜7万円程度が相場です(2024年3月の日本司法書士連合会報酬アンケート調査)。司法書士報酬は地域や事務所ごとに異なるため、複数見積もりを取ることが重要です。専門家の数が多い都市部では競争により報酬が下がる傾向があります。

Q5登録免許税の軽減措置は受けられますか?

A5一定条件を満たす住宅用家屋では、2027年3月31日まで登録免許税が0.3%に軽減されます(通常2%)。適用条件は床面積50㎡以上、築20年以内(耐火建築物は25年以内)、自己居住用の住宅、取得後1年以内の登記等です。軽減措置を受けることで、登録免許税が数十万円単位で安くなる場合があります。詳細は法務局または司法書士に確認してください。

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Room Match編集部

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