商業登記費用とは|会社設立・役員変更・本店移転の費用を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2026/1/10

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商業登記費用が重要な理由

(1) 会社設立・変更時に必要な法的手続き

会社設立や役員変更、本店移転などの際、商業登記が法的に義務付けられています。商業登記とは、会社や法人の名称・所在地・代表者・資本金・役員構成等の情報を法務局で登記し、公示する制度です。

登記手続きには費用がかかり、その内訳は「登録免許税」と「司法書士報酬」の2つに大別されます。会社設立を検討する際、「登記費用はいくらかかるのか」「司法書士に依頼すべきか」「費用を節約する方法はあるか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、商業登記費用の内訳、会社設立・役員変更・本店移転の費用相場、節約方法を、法務局や司法書士事務所の公式情報を元に解説します。

登記費用の内訳を理解し、無駄なコストを抑えられるようになります。

この記事のポイント

  • 商業登記費用は登録免許税(国税で法定額)と司法書士報酬(自由設定)の2つで構成
  • 株式会社設立の費用は約24万円〜(登録免許税15万円+司法書士報酬5万円+定款認証費用4万円等)
  • 合同会社設立は約10万円〜(登録免許税6万円+司法書士報酬4万円等)
  • 役員変更は約4万円〜(登録免許税1-3万円+司法書士報酬3万円)
  • 電子定款を利用すると印紙代4万円が不要になるため、司法書士に依頼するメリットが大きい

(2) 費用の内訳を理解することの重要性

商業登記費用の内訳を理解することで、以下のメリットがあります。

  • 費用の見積もりを正確に立てられる: 会社設立時の初期費用を事前に把握できる
  • 節約方法を見つけられる: 電子定款の活用、分類コードによる登録免許税の節約など
  • 司法書士事務所を比較できる: 司法書士報酬は自由設定のため、複数の事務所に見積もりを依頼し、比較検討できる

商業登記費用の内訳と基礎知識

(1) 登録免許税とは

登録免許税とは、商業登記や不動産登記を申請する際に国に納付する税金です。登録免許税法により金額が定められており、登記の種類により定額制または資本金等の割合制があります。

登録免許税の特徴:

  • 国税(法定金額)
  • 登記の種類により金額が異なる
  • 登録免許税法別表第一に詳細が記載

主な登記の登録免許税:

登記の種類 登録免許税
株式会社設立 資本金の0.7%(最低15万円)
合同会社設立 資本金の0.7%(最低6万円)
役員変更(取締役会なし) 1万円
役員変更(取締役会あり) 3万円
本店移転(管轄内) 3万円
本店移転(管轄外) 6万円(移転元3万円+移転先3万円)

登録免許税は納付不足があると登記が却下されるため、正確な計算が必要です。

(2) 司法書士報酬とは

司法書士報酬とは、司法書士に登記手続きを依頼する際に支払う費用です。2003年以降は自由設定で、事務所により金額が異なります。

司法書士報酬の特徴:

  • 2003年以降は自由設定(事務所により異なる)
  • 登記の種類、会社の規模により金額が変動
  • 複雑な登記ほど報酬が高い

主な登記の司法書士報酬相場(2025年現在):

登記の種類 司法書士報酬相場
株式会社設立 5万円〜10万円
合同会社設立 3万円〜5万円
役員変更 2万円〜5万円
本店移転(管轄内) 2万円〜4万円
本店移転(管轄外) 4万円〜6万円

司法書士報酬は事務所により大きく異なるため、複数の事務所に見積もりを依頼することを推奨します。

(3) 登録免許税と司法書士報酬の違い

登録免許税と司法書士報酬の違いを理解することが重要です。

項目 登録免許税 司法書士報酬
支払先 国(法務局) 司法書士事務所
金額 法定金額(登録免許税法により決定) 自由設定(事務所により異なる)
性質 国税 サービス料
節約可能性 分類コード活用で一部節約可能 複数事務所を比較して節約可能

登録免許税は法定金額のため節約の余地が少ないですが、司法書士報酬は自由設定のため、比較検討により節約できます。

(4) 商業登記と不動産登記の違い

商業登記不動産登記は異なる制度です。混同しないよう注意してください。

項目 商業登記 不動産登記
対象 会社・法人の情報(名称、所在地、代表者、資本金、役員等) 土地・建物の権利(所有権、抵当権等)
管轄 会社の本店所在地を管轄する法務局 不動産の所在地を管轄する法務局
登記の種類 会社設立、役員変更、本店移転、商号変更等 所有権移転、抵当権設定、建物表題登記等

この記事では、会社・法人に関する商業登記の費用を解説します。

会社設立時の登記費用

(1) 株式会社設立の登録免許税(資本金の0.7%、最低15万円)

株式会社設立の登録免許税は、**資本金の0.7%(最低15万円)**です。

計算式:

登録免許税 = 資本金 × 0.7%

計算例:

資本金 登録免許税
100万円 15万円(最低額)
1,000万円 15万円(1,000万円 × 0.7% = 7万円 < 最低額15万円)
3,000万円 21万円(3,000万円 × 0.7% = 21万円)

資本金が2,143万円以下の場合、登録免許税は最低額の15万円になります。

(2) 合同会社設立の登録免許税(資本金の0.7%、最低6万円)

合同会社設立の登録免許税は、**資本金の0.7%(最低6万円)**です。

計算例:

資本金 登録免許税
100万円 6万円(最低額)
1,000万円 7万円(1,000万円 × 0.7% = 7万円)
3,000万円 21万円(3,000万円 × 0.7% = 21万円)

資本金が857万円以下の場合、登録免許税は最低額の6万円になります。

(3) 定款認証費用

株式会社設立の場合、定款認証費用が必要です(合同会社は不要)。

定款認証費用:

  • 公証人手数料: 5万円
  • 定款の謄本交付手数料: 約2,000円
  • 印紙代: 4万円(紙の定款の場合)

合計: 約9万円(紙の定款の場合)

電子定款を利用すると、印紙代4万円が不要になります(詳細は後述)。

(4) 電子定款による印紙代節約(4万円)

電子定款とは、電子文書で作成した定款です。電子定款を利用すると、印紙代4万円が不要になります。

紙の定款と電子定款の費用比較:

項目 紙の定款 電子定款
公証人手数料 5万円 5万円
謄本交付手数料 約2,000円 約2,000円
印紙代 4万円 0円
合計 約9万円 約5万円

電子定款は4万円節約できますが、電子署名のための専用設備(ICカードリーダー、電子証明書等)が必要で、個人が利用するには費用対効果が悪いです。司法書士に依頼すると、司法書士が電子定款を作成してくれるため、4万円の印紙代を節約できます。

(5) 会社設立の司法書士報酬相場

会社設立の司法書士報酬相場は以下の通りです(2025年現在)。

司法書士報酬相場:

会社形態 司法書士報酬相場
株式会社 5万円〜10万円
合同会社 3万円〜5万円

株式会社設立の総費用(資本金100万円の場合):

項目 金額
登録免許税 15万円
定款認証費用(電子定款) 約5万円
司法書士報酬 5万円〜10万円
合計 約25万円〜30万円

合同会社設立の総費用(資本金100万円の場合):

項目 金額
登録免許税 6万円
司法書士報酬 3万円〜5万円
合計 約9万円〜11万円

合同会社は株式会社より設立費用が安く、約15万円節約できます。

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役員変更・本店移転の登記費用

(1) 役員変更登記の登録免許税(1万円または3万円)

役員変更登記の登録免許税は、1万円または3万円です。

登録免許税:

会社の形態 登録免許税
取締役会なし 1万円
取締役会あり 3万円

取締役会を設置している会社の場合、登録免許税は3万円になります。

(2) 本店移転登記の登録免許税(管轄内3万円、管轄外6万円)

本店移転登記の登録免許税は、移転先が同じ法務局の管轄内か管轄外かにより異なります。

登録免許税:

移転の種類 登録免許税
管轄内移転 3万円
管轄外移転 6万円(移転元3万円+移転先3万円)

管轄外移転の場合、移転元と移転先の両方の法務局に登記申請が必要なため、登録免許税が6万円になります。

(3) 役員変更・本店移転の司法書士報酬相場

役員変更・本店移転の司法書士報酬相場は以下の通りです(2025年現在)。

司法書士報酬相場:

登記の種類 司法書士報酬相場
役員変更 2万円〜5万円
本店移転(管轄内) 2万円〜4万円
本店移転(管轄外) 4万円〜6万円

役員変更登記の総費用(取締役会なしの場合):

項目 金額
登録免許税 1万円
司法書士報酬 2万円〜5万円
合計 約3万円〜6万円

本店移転登記の総費用(管轄外移転の場合):

項目 金額
登録免許税 6万円
司法書士報酬 4万円〜6万円
合計 約10万円〜12万円

(4) 登記申請の期限と過料のリスク

商業登記には申請期限があり、期限を過ぎると過料(罰金)が科される可能性があります。

主な登記の申請期限:

登記の種類 申請期限
役員変更 変更後2週間以内
本店移転 移転後2週間以内
商号変更 変更後2週間以内

過料のリスク:

  • 期限を過ぎると、100万円以下の過料が科される可能性がある(会社法976条)
  • 実務上は数万円程度の過料が一般的

登記申請の期限を守ることが重要です。司法書士に依頼すると、期限管理も含めて対応してくれます。

登記費用を節約する方法

(1) 電子定款の活用(4万円節約)

電子定款を利用すると、印紙代4万円が節約できます。

節約方法:

  • 司法書士に依頼し、電子定款を作成してもらう
  • 印紙代4万円が不要になる

個人で電子定款を作成するには、電子署名のための専用設備(ICカードリーダー、電子証明書等)が必要で、費用対効果が悪いため、司法書士に依頼するメリットが大きいです。

(2) 分類コードによる登録免許税の節約

分類コードとは、登録免許税法別表第一の分類記号(カタカナで表記)です。同じ分類コードの登記を同時申請すると、登録免許税が加算されません。

節約例:

  • 役員変更(分類コード「ス」)+ 本店移転(分類コード「ケ」)を同時申請した場合、登録免許税は別々に計算される
  • 役員変更(分類コード「ス」)+ 役員変更(分類コード「ス」)を同時申請した場合、登録免許税は1回分のみ

このような節約方法は、専門知識がないと気づかないため、司法書士に相談することを推奨します。

(3) 複数の司法書士事務所への見積もり比較

司法書士報酬は自由設定のため、複数の事務所に見積もりを依頼し、比較検討することを推奨します。

見積もり比較のポイント:

  • 報酬の内訳を確認(登録免許税と司法書士報酬を分けて記載しているか)
  • サービス内容を確認(定款作成、議事録作成等が含まれているか)
  • 追加費用の有無を確認(交通費、郵送費等)

3社以上の見積もりを比較することで、相場を把握し、適正価格で依頼できます。

(4) AIツールによる登記書類の自作

近年、GVA法人登記等のAIツールにより、登記書類を自作し、司法書士報酬を削減する企業が増加しています。

AIツールのメリット:

  • 登記書類を自動生成
  • 司法書士報酬を節約
  • オンライン完結

AIツールのデメリット:

  • 専門知識が必要
  • 書類不備のリスク
  • 複雑な登記には向かない

AIツールは、シンプルな登記(役員変更等)には有効ですが、複雑な登記(会社分割、合併等)には司法書士への依頼を推奨します。

(5) 自分で登記する場合の注意点

自分で登記することも可能ですが、以下の注意点があります。

注意点:

  • 専門知識が必要(会社法、商業登記法の理解)
  • 書類不備があると登記が却下される
  • 電子定款の作成には専用設備が必要(費用対効果が悪い)
  • 時間がかかる(法務局への相談、書類作成、申請等)

シンプルな登記(役員変更等)であれば自分で登記することも検討できますが、会社設立等の複雑な登記は司法書士への依頼を推奨します。

まとめ:商業登記費用の見積もりと比較のポイント

商業登記費用は、登録免許税(国税で法定額)と司法書士報酬(自由設定)の2つで構成されます。株式会社設立の費用は約25万円〜30万円(登録免許税15万円+定款認証費用5万円+司法書士報酬5-10万円)、合同会社設立は約9万円〜11万円(登録免許税6万円+司法書士報酬3-5万円)が目安です。

役員変更は約3万円〜6万円(登録免許税1-3万円+司法書士報酬2-5万円)、本店移転(管轄外)は約10万円〜12万円(登録免許税6万円+司法書士報酬4-6万円)が目安です。

電子定款を利用すると印紙代4万円が節約できるため、司法書士に依頼するメリットが大きいです。司法書士報酬は事務所により異なるため、複数の事務所に見積もりを依頼し、比較検討してください。

登記申請には期限があり(役員変更は2週間以内等)、期限を過ぎると過料が科される可能性があるため、注意が必要です。商業登記は専門的な知識が必要であり、不安な場合は司法書士等の専門家への相談を推奨します。

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よくある質問

Q1商業登記費用はいくらかかるのか?

A1会社設立で約25-30万円(株式会社)、約9-11万円(合同会社)、役員変更で約3-6万円が目安です。内訳は登録免許税(国に納付する税金で法定金額)と司法書士報酬(専門家に支払う費用で事務所により異なる)です。株式会社設立の場合、登録免許税15万円+定款認証費用5万円(電子定款)+司法書士報酬5-10万円の合計となります。

Q2登録免許税と司法書士報酬の違いは何か?

A2登録免許税は国に納付する税金で法定金額です。登録免許税法により金額が定められており、登記の種類により定額制(役員変更1万円等)または資本金等の割合制(会社設立は資本金の0.7%、最低15万円等)があります。司法書士報酬は専門家に支払う費用で、2003年以降は自由設定のため事務所により金額が異なります。複数の事務所に見積もりを依頼し、比較検討することを推奨します。

Q3司法書士に依頼せず自分で登記できるのか?

A3可能ですが、専門知識が必要で、書類不備があると登記が却下されます。電子定款の作成には専用設備(ICカードリーダー、電子証明書等)が必要で、個人が利用するには費用対効果が悪いです。電子定款を利用しないと印紙代4万円が必要になるため、司法書士に依頼するメリットが大きいです。シンプルな登記(役員変更等)であれば自分で登記することも検討できますが、会社設立等の複雑な登記は司法書士への依頼を推奨します。

Q4商業登記の登録免許税はどうやって計算するのか?

A4登記の種類により定額制または資本金等の割合制があります。株式会社設立は資本金の0.7%(最低15万円)、合同会社設立は資本金の0.7%(最低6万円)です。役員変更は1万円または3万円(取締役会設置会社)、本店移転は管轄内3万円、管轄外6万円(移転元3万円+移転先3万円)です。登録免許税法別表第一に詳細が記載されています。

Q5登記申請の期限はあるのか?

A5役員変更は変更後2週間以内、本店移転は移転後2週間以内、商号変更は変更後2週間以内など、登記の種類により期限があります。期限を過ぎると、100万円以下の過料が科される可能性があります(会社法976条、実務上は数万円程度の過料が一般的)。登記申請の期限を守ることが重要です。司法書士に依頼すると、期限管理も含めて対応してくれます。

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