不動産ポータルサイトを使うべき理由
不動産探しを始める際、「どのサイトで探せばいいのか」と迷う方は多いでしょう。
この記事では、不動産ポータルサイトの基礎知識、主要サイト(SUUMO・HOME'S・アットホーム等)の特徴比較、賢い使い分け方、注意点を解説します。アットホームの調査データや、国土交通省の不動産情報ライブラリの公式情報を元に、効率的な物件探しの方法をお伝えします。
初めて不動産ポータルサイトを利用する方でも、サイトの選び方・活用方法を理解できるようになります。
この記事のポイント
- 不動産ポータルサイトは複数の不動産会社の物件を一括検索できる
- SUUMO・LIFULL HOME'S・アットホームなど複数サイトを併用することで、掲載物件の網羅性が高まる
- おとり物件に注意が必要(多くのユーザーが遭遇経験あり)
- 物件写真と実物のギャップを約7割が経験しており、必ず内見で確認すべき
- レインズ登録物件なら、掲載元以外の不動産会社からも紹介可能
(1) 複数の不動産会社の物件を一括検索できる
不動産ポータルサイトを使うと、複数の不動産会社が掲載する物件を一括で検索できます。個別に不動産会社を訪問する手間が省けるため、効率的に物件探しができます。
いえらぶCLOUDによると、日本には30以上の不動産ポータルサイトが存在しています。主要3大サイトはSUUMO・HOME'S・アットホームです。
(2) 相場感を掴んでから問い合わせできる
中古住宅のミカタによると、ポータルサイトは相場感を掴むのに有効です。希望エリアの物件価格・間取り・築年数の傾向を把握してから、不動産会社に問い合わせることで、適正価格かどうかの判断がしやすくなります。
不動産ポータルサイトとは何か
(1) ポータルサイトの定義と役割
アットホームによると、ポータルサイトとは、不動産を調べる際の入り口になるWebサイトです。複数の不動産会社が物件情報を掲載し、ユーザーが検索・比較できる場を提供しています。
不動産ポータルサイトの役割は以下の通りです。
- 物件検索: エリア・価格・間取りなどの条件で絞り込み
- 相場確認: 希望エリアの物件価格の傾向を把握
- 不動産会社紹介: 物件を掲載している不動産会社への問い合わせ
(2) レインズ(REINS)との関係
レインズ(REINS)は、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する不動産会社間の物件情報ネットワークです。多くのポータルサイト掲載物件は、レインズに登録されています。
レインズ登録物件であれば、掲載元以外の不動産会社からも購入・賃借が可能です。複数の会社に問い合わせて条件を比較することができます。
(3) 元付会社と客付会社の違い
不動産取引には「元付会社」と「客付会社」が存在します。
| 種類 | 役割 |
|---|---|
| 元付会社 | 売主・貸主から直接物件の販売・賃貸を依頼された不動産会社 |
| 客付会社 | 買主・借主を探して物件を紹介する不動産会社 |
ポータルサイトには、元付会社と客付会社の両方が物件を掲載しています。
主要な不動産ポータルサイトの特徴比較
(1) SUUMO(スーモ)の特徴
SUUMOはリクルートが運営する日本最大級の不動産情報サイトです。
特徴:
- 物件数: 大手不動産会社の物件が充実
- 検索機能: 詳細な検索条件設定が可能
- 付加サービス: 相場情報、タウン情報、住宅ローンシミュレーション
強み:
- 大手不動産会社の物件が多い
- 都心部の新築・高級物件に強い
(2) LIFULL HOME'S(ホームズ)の特徴
LIFULL HOME'Sはライフルが運営する総合不動産情報サイトです。
特徴:
- 物件数: 業界最多クラスの物件数
- 検索機能: 豊富な検索条件(通勤・通学時間、日当たり等)
- 付加サービス: おとり物件検知システム(約97%の精度で検知)
強み:
- 物件数が最多
- おとり物件対策に注力
(3) アットホームの特徴
アットホームはアットホーム株式会社が運営する不動産情報サイトです。
特徴:
- 加盟店数: 約55,000店舗で業界最多
- 地方物件: 全国に加盟店があり、地方物件に強い
- 老舗ネットワーク: 歴史が古く、老舗不動産業者との連携が強い
強み:
- 地方物件の情報が充実
- 地域密着型の不動産会社の物件が多い
(4) その他のポータルサイト(Yahoo!不動産、楽天不動産等)
その他にも、以下のポータルサイトがあります。
- Yahoo!不動産: Yahoo! JAPANが運営。SUUMOの物件情報も掲載
- 楽天不動産: 楽天が運営。楽天ポイントが貯まる
それぞれ独自の特徴がありますが、物件数はSUUMO・HOME'S・アットホームに比べると少ない傾向があります。
不動産ポータルサイトの賢い使い分け方
(1) 複数サイトを併用して物件の網羅性を高める
複数のポータルサイト(SUUMO、HOME'S、アットホーム)を併用することで、掲載物件の網羅性が高まります。サイトごとに掲載物件が異なる場合があるため、1つだけでなく2〜3サイトを比較することが推奨されます。
おとり物件対策としても、複数サイトで同じ物件を確認することが有効です。
(2) 写真の掲載点数が多い物件を優先チェック
アットホームの調査によると、約7割のユーザーが写真と内見時のギャップを経験しています。
写真の掲載点数が多い物件を優先的にチェックすることで、内見前に物件の状態を把握しやすくなります。
(3) ポータルサイトで相場感を掴んでから不動産会社に問い合わせる
ポータルサイトで希望エリアの物件価格・間取り・築年数の傾向を把握してから、不動産会社に問い合わせることで、適正価格かどうかの判断がしやすくなります。
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、不動産取引価格や地価公示等の公的データも確認できます。
(4) レインズ登録物件なら別の不動産会社でも紹介可能
レインズ(不動産流通機構のネットワーク)に登録されている物件であれば、掲載元以外の不動産会社からも購入・賃借が可能です。
気に入った物件があれば、複数の不動産会社に問い合わせて、仲介手数料や契約条件を比較することができます。
不動産ポータルサイトの注意点とリスク
(1) おとり物件の見分け方(相場より極端に安い、情報不明瞭、登録日古い)
SUUMOによると、おとり物件は宅地建物取引業法違反です。しかし、多くのユーザーが遭遇経験があります。
おとり物件の見分け方:
- 相場より極端に安い: 周辺相場より20〜30%以上安い物件は要注意
- 情報が不明瞭: 所在地・間取り図が曖昧な物件
- 募集登録日が古い: 数ヶ月前から掲載されている好条件物件
対策:
- 現地集合での内見を希望する(おとり物件は現地集合を嫌がる)
- 複数のポータルサイトで同じ物件を確認する
- 不動産会社に直接電話して「物件がまだ空いているか」を確認する
(2) 物件写真と内見時のギャップ(約7割が経験)
アットホームの調査によると、約7割のユーザーが写真と内見時のギャップを経験しています。
ギャップが生じる理由:
- 写真は広角レンズで撮影され、実際より広く見える
- 日当たりの良い時間帯に撮影されている
- 写真では設備の劣化が分かりにくい
対策:
- 写真だけで判断せず、必ず内見で確認する
- 写真の掲載点数が多い物件を優先チェック
- 複数の角度から撮影された物件は信頼性が高い
(3) 上位表示は広告費の影響を受ける場合がある
中古住宅のミカタによると、ポータルサイトの上位表示は広告費の影響を受ける場合があります。
「上位表示=良い物件」という誤解に注意してください。上位表示は資金力の影響もあり、必ずしも物件の良し悪しを反映していません。
検索条件を細かく設定し、自分の希望に合った物件を探すことが重要です。
まとめ:複数サイトを活用した効率的な物件探し
不動産ポータルサイトは、複数の不動産会社の物件を一括検索でき、相場感を掴むのに有効です。SUUMO・LIFULL HOME'S・アットホームなど複数サイトを併用することで、掲載物件の網羅性が高まります。
おとり物件に注意が必要で、相場より極端に安い物件、情報が不明瞭な物件、募集登録日が古い物件は要注意です。約7割のユーザーが写真と内見時のギャップを経験しているため、必ず内見で確認してください。
レインズ登録物件であれば、掲載元以外の不動産会社からも紹介可能です。複数の会社に問い合わせて、仲介手数料や契約条件を比較しながら、信頼できる不動産会社・宅地建物取引士に相談して物件探しを進めましょう。
