不動産学部とは?設置大学・カリキュラム・就職先を徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/3

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不動産学部とは何か(日本唯一の学部)

「不動産学部」という学部が日本に存在することをご存知でしょうか。大学進路を検討する際、不動産業界に興味がある方や、将来の安定したキャリアを築きたい方にとって、不動産学部は選択肢の一つです。

この記事では、日本で唯一の不動産学部である明海大学不動産学部の特徴・カリキュラム、不動産を学べる他の学部・大学、不動産業界への就職に有利な学部と資格、卒業後のキャリアパスを解説します。高校生・大学受験生や保護者が、将来の進路選択の判断材料を得られるよう提示します。

この記事のポイント

  • 明海大学が日本で唯一の不動産学部を持つ大学(1992年設立・日本初)
  • 不動産学部では法学・経済学・工学・経営学の4分野を統合して学び、宅建士資格取得を目指す
  • 2025年度から「社会デザイン専攻」と「不動産鑑定専攻」の2専攻制に移行
  • 不動産を学べる大学は全国に101校あり、経済学部・商学部・法学部・工学部でも関連知識を習得できる
  • 不動産業界への就職には宅地建物取引士の資格が最も重要で、在学中の取得を推奨

(1) 明海大学不動産学部の歴史(1992年設立・日本初)

明海大学不動産学部は、1992年に設立された日本初・唯一の不動産学部です。不動産業界が専門知識を持つ人材を必要としている中で、法律・経済・建築・経営を統合的に学べる学部として誕生しました。

設立の背景:

  • 1990年代のバブル崩壊後、不動産業界の健全な発展には専門教育が不可欠と認識された
  • 従来は法学部・経済学部・工学部等で断片的に学んでいた不動産知識を、一つの学部で体系的に学べる環境を整備

明海大学不動産学部は、30年以上にわたり不動産業界に専門人材を輩出してきました。

(参照: 明海大学「不動産学部 不動産学科」

(2) 不動産学部で学ぶ4分野(法学・経済学・工学・経営学)

不動産学部では、以下の4分野を統合して学びます。

分野 学習内容 不動産業界での活用
法学 民法(契約)、不動産登記法、宅地建物取引業法 契約書作成、法令遵守
経済学 不動産価格・賃料の決定、市場分析 価格査定、市場予測
工学 建築構造、都市開発、環境設計 物件評価、開発計画
経営学 投資効率、リスク管理、財務分析 不動産投資、事業計画

この4分野を統合することで、不動産の売買・賃貸・開発・管理の全プロセスを理解できる人材を育成します。

明海大学不動産学部の特徴とカリキュラム

(1) 2専攻制(社会デザイン専攻・不動産鑑定専攻)2025年度〜

2025年度から、明海大学不動産学部は以下の2専攻制に移行します。

社会デザイン専攻:

  • 総合的な不動産専門家を育成
  • 不動産の売買・賃貸・開発・管理の幅広い知識を習得
  • デベロッパー・仲介・管理会社への就職を目指す学生向け

不動産鑑定専攻:

  • 不動産鑑定士を目指す学生向け
  • 不動産の適正価格を鑑定する専門知識を深く学ぶ
  • 不動産鑑定士事務所・金融機関への就職を目指す学生向け

専攻制により、学生の目標に応じた専門性の高い教育を提供します。

(参照: 明海大学「日本で唯一の不動産学部の魅力」

(2) 宅建士資格取得サポート(1-2年次で目指す)

明海大学不動産学部では、宅地建物取引士(宅建士)の資格取得を1-2年次で目指すサポート体制が整っています。

サポート内容:

  • 必修科目: 宅建士試験に対応したカリキュラム
  • 模擬試験: 年複数回の模擬試験で実力を確認
  • 夏期ゼミ: 集中講義で合格を目指す

**宅地建物取引士(宅建士)**とは、不動産の売買・仲介・契約に必須の国家資格で、不動産業界で最も重要な資格です。不動産会社では、従業員の5人に1人以上が宅建士である必要があるため、資格取得者は就職に有利です。

(3) 進級要件としての宅建士資格取得(2年次・3年次)

明海大学不動産学部は、2年次・3年次の進級要件として宅建士資格取得を設定しています。これは、不動産業界で働く上で必須の知識を確実に習得させるための厳格な基準です。

進級要件の仕組み:

  • 1年次: 宅建士試験の学習を開始
  • 2年次: 宅建士資格取得を目指す(進級要件)
  • 3年次: 専門科目の学習を深める

資格取得が必須となるため、学習意欲の高い学生が集まり、高い合格率を維持しています。

(4) 実務的な学習内容(契約・価格・建築・投資効率)

不動産学部のカリキュラムは、実務に直結する内容が中心です。

実務的な学習例:

  • 契約実務: 売買契約書の作成、重要事項説明書の理解
  • 価格査定: 不動産鑑定評価の手法、市場分析
  • 建築知識: 建物の構造、耐震性、リフォーム計画
  • 投資効率: ROI(投資利益率)の計算、リスク管理

これらの知識は、不動産会社での即戦力として活躍するための基盤となります。

不動産を学べる他の学部と大学(101校)

(1) 経済学部・商学部での不動産学習

経済学部・商学部では、不動産の価格・市場分析・投資理論を学べます。

学習内容:

  • 不動産経済学: 価格決定メカニズム、需給分析
  • 金融論: 住宅ローン、不動産投資信託(REIT)
  • 財務分析: 投資効率の計算、リスク評価

経済学部・商学部は、不動産デベロッパーや金融機関(不動産金融部門)への就職を目指す学生に適しています。

(2) 法学部での不動産法律学習

法学部では、不動産に関する法律を深く学べます。

学習内容:

  • 民法(物権法、債権法): 不動産の所有権、契約
  • 不動産登記法: 登記の仕組み、権利関係の確認
  • 宅地建物取引業法: 不動産業の規制、消費者保護

法学部は、不動産仲介会社や法律事務所(不動産専門)への就職を目指す学生に適しています。

(3) 工学部・理工学部での建築・都市開発学習

工学部・理工学部の建築学科では、建物の構造・設計・都市開発を学べます。

学習内容:

  • 建築構造: 耐震設計、構造計算
  • 都市計画: 都市開発、再開発事業
  • 環境工学: エコ建築、省エネルギー設計

工学部・理工学部は、ゼネコン(建設会社)やデベロッパー(開発部門)への就職を目指す学生に適しています。

(4) 全国101校の大学・短大リスト

不動産関連のキャリアを目指せる大学は、全国に101校あります。明海大学以外でも、経済学部・商学部・法学部・工学部等で不動産に関する知識を学べます。

主な大学例:

  • 慶應義塾大学(経済学部・法学部)
  • 早稲田大学(政治経済学部・法学部)
  • 東京大学(経済学部・工学部)
  • 日本大学(法学部・経済学部・理工学部)

(参照: スタディサプリ進路「不動産を目指せる大学・短期大学一覧(101校)」

不動産業界への就職に有利な学部と資格

(1) 宅地建物取引士(最も重要な国家資格)

不動産業界への就職には、宅地建物取引士の資格が最も重要です。

宅建士が重要な理由:

  • 不動産会社では、従業員の5人に1人以上が宅建士である必要がある(宅地建物取引業法)
  • 宅建士のみが行える業務(重要事項説明、契約書への記名押印等)がある
  • 資格手当が支給される会社が多い(月1-3万円程度)

在学中に宅建士資格を取得することで、就職活動で大きなアドバンテージを得られます。

(2) 不動産鑑定士・管理業務主任者

宅建士以外にも、不動産業界で有利な資格があります。

資格 内容 難易度 就職先
不動産鑑定士 不動産の適正価格を鑑定 非常に高い 鑑定事務所、金融機関
管理業務主任者 マンション管理組合の運営 中程度 管理会社

不動産鑑定士は、宅建士よりも難易度が高く、合格率は数%程度です。在学中の取得は難しいですが、不動産鑑定専攻では鑑定士を目指すカリキュラムが提供されます。

(3) 大手不動産会社の採用基準(大学・大学院卒が多い)

大手不動産会社は、「大学または大学院卒」を採用基準とする企業が多いです。

大手不動産会社の採用基準:

  • 学歴: 大学卒・大学院卒
  • 資格: 宅建士(入社後取得でも可)
  • 専門知識: 法律・税金・建築等の知識があると有利

大手不動産会社への就職を目指す場合、大学進学が必須となります。

(4) 難関大学(慶應・早稲田・東大等)の採用傾向

大手不動産会社の採用は、慶應義塾大学・早稲田大学・東京大学等の難関大学が上位を占める傾向にあります。

難関大学が採用されやすい理由:

  • 企業ブランドとの親和性
  • 優秀な学生が集まる傾向
  • OB・OGネットワーク

ただし、学部不問の求人も多く、専門知識(法律・税金・建築等)があると有利です。明海大学不動産学部のように、専門性の高い教育を受けた学生も、就職活動で評価されます。

不動産学部卒業後のキャリアパスと進路

(1) 不動産会社(デベロッパー・仲介・管理)

不動産デベロッパー:

  • 大規模開発(タワーマンション、商業施設等)を手掛ける
  • 代表例: 三井不動産、三菱地所、住友不動産

不動産仲介会社:

  • 売買・賃貸の仲介サービスを提供
  • 代表例: 三井不動産リアルティ、東急リバブル、野村不動産ソリューションズ

不動産管理会社:

  • マンション・オフィスビルの管理業務
  • 代表例: 大和ライフネクスト、東急コミュニティー

(2) 建設業界・ゼネコン

ゼネコン(総合建設会社)では、不動産の開発・建設・施工を担当します。

代表例:

  • 大成建設、鹿島建設、清水建設、大林組、竹中工務店

建築学科出身者が多い業界ですが、不動産学部卒業生も不動産開発部門で活躍できます。

(3) 金融機関(不動産金融・投資)

金融機関の不動産金融部門では、住宅ローン・不動産投資・REIT(不動産投資信託)を扱います。

代表例:

  • 三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行
  • 野村證券、大和証券

不動産の価格査定・リスク評価の知識が活かせます。

(4) その他(地方自治体・IT企業・小売等)

不動産学部卒業生は、不動産業界以外でも幅広く活躍しています。

その他の進路:

  • 地方自治体: 都市計画・再開発部門
  • IT企業: 不動産テック(不動産×テクノロジー)
  • 製造業: 工場・物流施設の開発
  • 小売・飲食: 店舗開発部門

専門知識(法律・税金・建築等)があると、多様なキャリアパスで有利です。

まとめ:不動産学部と関連学部の選び方

明海大学が日本で唯一の不動産学部を持つ大学で、1992年設立以来、法学・経済学・工学・経営学の4分野を統合した専門教育を提供してきました。2025年度からは「社会デザイン専攻」と「不動産鑑定専攻」の2専攻制に移行し、学生の目標に応じた専門性の高い教育を実現します。

宅建士資格取得を進級要件とする厳格な基準により、不動産業界で即戦力として活躍できる人材を育成しています。一方、不動産を学べる大学は全国に101校あり、経済学部・商学部・法学部・工学部でも関連知識を習得できます。

不動産業界への就職には宅地建物取引士の資格が最も重要で、在学中の取得を推奨します。大手不動産会社の採用は難関大学が上位を占める傾向にありますが、専門知識(法律・税金・建築等)があると有利です。

不動産学部・経済学部・商学部・法学部・工学部のいずれを選ぶかは、将来の目標(デベロッパー・仲介・鑑定士・ゼネコン等)に応じて検討しましょう。詳細は、各大学の公式サイトや進路相談窓口にご確認ください。

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よくある質問

Q1日本で不動産学部がある大学はどこですか?

A1明海大学のみが日本で唯一の不動産学部を持つ大学です(1992年設立、日本初)。法学・経済学・工学・経営学の4分野を統合して学び、宅地建物取引士の資格取得を1-2年次で目指します。2025年度からは「社会デザイン専攻」と「不動産鑑定専攻」の2専攻制に移行します。ただし、経済学部・商学部・法学部・工学部等で不動産関連の知識を学べる大学は全国に101校あります。

Q2不動産学部では何を学びますか?

A2法学(民法・不動産登記法・宅地建物取引業法)、経済学(不動産価格・市場分析)、工学(建築構造・都市開発)、経営学(投資効率・リスク管理)の4分野を統合して学びます。契約実務・価格査定・建築知識・投資効率の計算など、実務に直結する内容が中心です。宅建士資格取得を進級要件としており、必修科目・模擬試験・夏期ゼミでサポートしています。

Q3不動産業界への就職に有利な学部はどこですか?

A3不動産学部・経済学部・商学部・法学部・建築学科等が有利です。大手不動産会社は「大学または大学院卒」を採用基準とする企業が多く、宅地建物取引士の資格が最も重要です(不動産会社では従業員の5人に1人以上が宅建士である必要があります)。慶應義塾大学・早稲田大学・東京大学等の難関大学が採用上位を占める傾向にありますが、専門知識(法律・税金・建築等)があると有利です。

Q4明海大学不動産学部の進級要件は何ですか?

A42年次・3年次の進級要件として宅地建物取引士の資格取得が設定されています。1年次に宅建士試験の学習を開始し、2年次で資格取得を目指します。必修科目・模擬試験・夏期ゼミでサポートしており、資格取得が必須となるため、学習意欲の高い学生が集まり、高い合格率を維持しています。

Q5不動産学部卒業後の進路はどこですか?

A5不動産会社(デベロッパー:三井不動産・三菱地所、仲介:三井不動産リアルティ・東急リバブル、管理:大和ライフネクスト等)、建設業界・ゼネコン(大成建設・鹿島建設等)、金融機関(不動産金融・REIT)、地方自治体(都市計画部門)、IT企業(不動産テック)、製造業、小売・飲食(店舗開発)等、多様なキャリアパスがあります。専門知識(法律・税金・建築等)があると有利です。

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Room Match編集部

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