不動産会社選びの重要性
不動産の購入・賃貸を検討する際、「どの不動産会社に依頼すればいいのか」と迷われる方は少なくありません。
不動産会社には、全国展開の大手から地域密着型まで様々な種類があり、それぞれ異なる強み・サービス内容を持っています。この記事では、不動産会社の種類と特徴、信頼できる会社を見分けるポイント、仲介手数料の基礎知識を解説します。
不動産会社を選ぶ際の判断基準を正確に把握できるようになります。
この記事のポイント
- 物件情報はREINSデータベースで共有されているため、どの会社でも同じ物件を紹介可能
- 大手と地域密着型では特性が異なる:大手は情報量、地域密着型は丁寧な対応が強み
- 信頼できる不動産会社は物件のメリットだけでなくデメリットも正直に説明する
- 仲介手数料は物件価格の3%+6万円+消費税が上限(一部会社は無料または半額)
- 物件囲い込み(両手仲介狙いで物件を他社に紹介しない)を行う会社に注意
すまいる不動産の基礎知識
「すまいる不動産」という名称の会社は、全国に複数存在します。ここでは、主な3つのすまいる不動産を例に、会社の基礎知識を整理します。
(1) すまいる不動産は全国に複数存在
全国に「すまいる不動産」という名称の会社が複数あり、それぞれが独立した法人として営業しています。主なものとして、以下が挙げられます。
すまいる不動産株式会社(大阪市城東区)
すまいる不動産株式会社(大阪)は、大阪市城東区を拠点とする不動産会社です。
- 所在地:大阪市城東区
- 特徴:仲介手数料50%〜最大無料、自社施工で空調工事・電気工事も対応
(出典: すまいる不動産株式会社(大阪))
すまいる不動産(鳥取県)
すまいる不動産(鳥取)は、鳥取県を拠点とする地域密着型の不動産会社です。
- 所在地:鳥取県
- サービス内容:土地・戸建て・マンション等の売買仲介、当社が買主となる直接買取も可能
(出典: すまいる不動産(鳥取))
住まいる不動産(静岡)
住まいる不動産(静岡)は、静岡県を拠点とする不動産会社です。
- 所在地:静岡県
- サービス内容:不動産仲介・売買・管理・コンサルティング
- 営業状況:2024年8月更新、継続営業中
(出典: 住まいる不動産(静岡))
このように、同じ名称でも対応エリア・サービス内容が異なります。不動産会社を探す際は、ご自身が利用したい地域の会社かどうかを最初に確認することが重要です。
(2) 主なサービス内容
不動産会社が提供する主なサービスは以下の通りです。
仲介サービス
- 売主と買主、または貸主と借主の間に立って取引を仲介
- 物件の紹介、価格交渉、契約手続き、融資相談、引き渡しまでの調整
直接買取サービス
- 不動産会社が直接物件を買い取る
- 仲介より早く現金化できるが、価格は仲介より低い(相場の7-8割程度)
管理サービス
- 賃貸物件のオーナーから委託を受けて、入居者募集や物件管理を行う
- 家賃回収、トラブル対応、修繕手配等
(3) 仲介手数料無料・半額のサービス
すまいる不動産株式会社(大阪)の例では、「仲介手数料50%〜最大無料」のサービスを提供しています。
仲介手数料無料・半額の仕組み
- 売主からの手数料で補填:売主から手数料を受け取るため、買主は無料になる場合がある
- 他の費用が高い場合:仲介手数料は無料だが、他の費用(リフォーム費用等)が高い場合がある
- 自社施工で利益確保:自社施工で空調工事・電気工事を行い、利益を確保
仲介手数料無料は魅力的ですが、契約前に全体の費用を確認し、実績・対応の質も総合的に判断することを推奨します。
不動産会社の種類と特徴
不動産会社は大きく分けて「大手」と「地域密着型」の2種類があります。それぞれの特徴を理解することで、ご自身に合った会社を選べます。
(1) 大手不動産会社:情報量と全国ネットワーク
SUUMOによると、大手不動産会社の特徴は以下の通りです。
大手の強み
- 情報量:全国の物件情報にアクセス可能
- 全国ネットワーク:転勤・引越し先の物件探しに便利
- 幅広いサービス:住宅ローン、リフォーム、保険等の一括サポート
- ブランド力:大手の安心感、トラブル時の対応力
大手が向いているケース
- 転勤・引越しで複数エリアを検討している
- 住宅ローン・リフォーム等のサービスを一括で依頼したい
- ブランド力・安心感を重視したい
(2) 地域密着型不動産会社:丁寧な対応と地域知識
SUUMOによると、地域密着型不動産会社の特徴は以下の通りです。
地域密着型の強み
- 丁寧な対応:地域での評判を大切にするため、顧客対応が丁寧
- 地域知識:学区、治安、商業施設等の詳細な地域情報を把握
- 柔軟な対応:地主・大家との関係が深く、値引き交渉が可能な場合がある
- スタッフの安定性:転勤がなく、同じ担当者に長期間相談できる
地域密着型が向いているケース
- 特定エリアの詳細な地域情報が欲しい
- 柔軟な対応・個別相談を重視したい
- 地元の大家・管理会社との繋がりを活用したい
(3) REINSによる物件情報の共有
ナカジツによると、REINS(不動産流通標準情報システム)の仕組みは以下の通りです。
REINSの仕組み
- 物件情報の共有:全国の不動産会社が物件情報を共有するデータベース
- どの会社でも同じ物件を紹介可能:大手でも地域密着型でも、REINSに登録された物件を紹介できる
- 物件の質に大きな差はない:情報源が同じため、紹介される物件の質に大きな差はない
つまり、不動産会社選びで重要なのは「物件の多さ」ではなく、サービスの質・対応力・実績です。
信頼できる不動産会社を見分けるポイント
信頼できる不動産会社を見分けるための具体的なポイントを見ていきましょう。
(1) 実績(仲介件数、取引実績)の確認
ベステックスネットによると、実績確認の重要性は以下の通りです。
確認すべき実績
- 仲介件数:年間の仲介件数が多いほど、実績が豊富
- 取引実績:過去の成約事例、顧客の声
- 営業年数:5年以上の営業実績がある会社は信頼性が高い
- 免許番号:宅建業法に基づく免許番号を確認(公式サイト・店舗に掲示)
免許番号のカッコ内の数字は更新回数を示し、数字が大きいほど長年営業している証拠です(例:(1)は初回、(3)は3回更新=15年以上営業)。
(2) デメリットも正直に説明する担当者
ベステックスネットによると、信頼できる担当者の特徴は以下の通りです。
信頼できる担当者の特徴
- 物件のデメリットも説明する:メリットだけでなく、デメリット(日当たり、騒音、周辺環境等)も正直に説明
- 質問に丁寧に答える:専門知識を持ち、疑問に丁寧に答えてくれる
- 押し売りしない:無理に契約を迫らず、顧客のペースを尊重
- アフターサポート:契約後もトラブル対応・相談に乗ってくれる
物件のメリットだけを強調し、デメリットを隠す担当者は要注意です。
(3) 物件囲い込みの注意点
ベステックスネットによると、物件囲い込みとは以下のような行為です。
物件囲い込みとは
- 仲介会社が売主・買主双方から手数料を得るため、他社に物件を紹介しない行為
- 「両手仲介」を狙って、物件を独占する
- 違法ではないが、倫理的に問題がある
囲い込みを見抜くポイント
- 複数の不動産会社に問い合わせても、同じ物件が紹介されない場合は要注意
- 売却を依頼した物件が長期間売れない場合、囲い込みの可能性がある
物件囲い込みを避けるため、複数の不動産会社を利用し、情報を比較することをおすすめします。
(4) 担当者の質と対応
不動産会社選びでは、担当者の質が満足度に大きく影響します。
チェックポイント
- 初回の対応:問い合わせ時の対応速度、丁寧さ
- 専門知識:不動産の専門知識、地域情報の深さ
- コミュニケーション:質問に丁寧に答えてくれるか、理解しやすい説明か
- 相性:長期間付き合える担当者か、信頼できるか
担当者の質に不安がある場合は、担当者の変更を依頼するか、別の会社を検討しましょう。
仲介手数料の基礎知識
仲介手数料の仕組みを理解することで、費用を正しく把握できます。
(1) 仲介手数料の上限:物件価格の3%+6万円+消費税
ナカジツによると、仲介手数料の上限は以下の通りです。
仲介手数料の上限(売買)
| 物件価格 | 仲介手数料上限 |
|---|---|
| 400万円超 | 物件価格の3%+6万円+消費税 |
| 200万円超〜400万円以下 | 物件価格の4%+2万円+消費税 |
| 200万円以下 | 物件価格の5%+消費税 |
(出典: ナカジツ)
ほとんどの会社が法定上限で請求しますが、一部の会社では無料または半額のサービスを提供しています。
仲介手数料の上限(賃貸)
- 賃貸:家賃1ヶ月分+消費税が上限
(2) 仲介手数料無料・半額のサービス
仲介手数料無料・半額のサービスを提供する会社が増加しています。
仲介手数料無料の仕組み
- 売主からの手数料で補填:売主から手数料を受け取るため、買主は無料
- 自社施工で利益確保:リフォーム・工事等の自社施工で利益を確保
- 他の費用が高い場合:仲介手数料は無料だが、他の費用(リフォーム費用等)が高い場合がある
注意点
- 仲介手数料無料は魅力的だが、全体の費用を確認することが重要
- 実績・対応の質も総合的に判断する
- 契約前に、全ての費用の明細を確認する
(3) 両手仲介の仕組み
両手仲介とは、1つの不動産会社が売主・買主双方の仲介を行い、双方から手数料を受け取ることです。
両手仲介の仕組み
- 売主から手数料:物件価格の3%+6万円+消費税
- 買主から手数料:物件価格の3%+6万円+消費税
- 合計:物件価格の約6%+消費税を受け取れる
両手仲介の問題点
- 物件囲い込みのインセンティブになる(他社に紹介すると手数料が半分になる)
- 売主・買主双方の利益を公平に代表できない可能性
両手仲介自体は違法ではありませんが、物件囲い込みのリスクがあるため、注意が必要です。
まとめ:不動産会社選びのチェックリスト
不動産会社を選ぶ際の最終的なチェックリストをまとめます。
会社の確認
- 免許番号を確認(公式サイト・店舗に掲示)
- 営業年数5年以上の実績があるか
- 仲介件数・取引実績を確認
- 対応エリアがご自身の希望エリアと一致しているか
会社の種類
- 大手と地域密着型の違いを理解
- ご自身のニーズ(情報量・ブランド力 vs 丁寧な対応・地域知識)に合わせて選択
- REINSで物件情報は共有されていることを理解
担当者の質
- 物件のデメリットも正直に説明するか
- 質問に丁寧に答えてくれるか
- 押し売りしないか
- アフターサポートがあるか
仲介手数料
- 仲介手数料の上限を理解(物件価格の3%+6万円+消費税)
- 仲介手数料無料・半額のサービスの仕組みを理解
- 全体の費用を確認(仲介手数料以外の費用も含む)
物件囲い込みの注意
- 複数の不動産会社に問い合わせて情報を比較
- 同じ物件が他社で紹介されているか確認
- 売却依頼した物件が長期間売れない場合は囲い込みを疑う
不動産会社には、全国展開の大手から地域密着型まで様々な種類があり、それぞれ異なる強み・サービス内容を持っています。物件情報はREINSデータベースで共有されているため、どの会社でも同じ物件を紹介可能です。重要なのは、サービスの質・対応力・実績です。
大手と地域密着型では特性が異なります。大手は情報量と全国ネットワークが強み、地域密着型は丁寧な対応と地域知識が強みです。ご自身のニーズに合わせて選びましょう。
信頼できる不動産会社は、物件のメリットだけでなくデメリットも正直に説明します。仲介手数料は物件価格の3%+6万円+消費税が上限ですが、一部会社は無料または半額のサービスを提供しています。契約前に全体の費用を確認し、実績・対応の質も総合的に判断することを推奨します。
物件囲い込み(両手仲介狙いで物件を他社に紹介しない)を行う会社に注意し、複数の不動産会社を利用して情報を比較しましょう。宅建士等の専門家に相談しながら、納得のいく不動産取引を進めてください。
