不動産会社の特徴と選び方|地域密着型とフランチャイズ

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/18

不動産会社の種類と特徴を理解する

不動産の売買や賃貸を検討する際、「どの不動産会社に依頼すればよいのか」と迷う方は多いでしょう。地域密着型、大手フランチャイズ、総合不動産サービス会社など、様々なタイプがあり、それぞれに特徴があります。

この記事では、不動産会社のタイプ別特徴、地域密着型と大手の違い、会社選びのポイントを解説します。アバンティア不動産、サンフロンティア不動産、フロンティア不動産等の具体例も交えて、公平に情報を提示します。

この記事のポイント

  • 不動産会社は地域密着型、大手フランチャイズ、総合不動産サービス、専門特化型に分類される
  • 地域密着型は地元の物件情報と市場知識が豊富、大手は全国ネットワークと信頼性が強み
  • 目的(売却・購入・賃貸・投資)に応じて会社を選び、複数社を比較検討することが重要
  • 2024年、不動産業界は新築販売からストック型ビジネス(仲介・リフォーム)へシフト中

地域密着型不動産会社

地域密着型不動産会社は、特定の地域(市区町村レベル)に特化した不動産会社です。地元で長年営業しており、地域の物件情報や市場動向に詳しいという特徴があります。

地元の人脈を活かした情報収集力と、きめ細かい対応が強みです。

大手フランチャイズ不動産会社(センチュリー21等)

大手フランチャイズ不動産会社は、全国に加盟店を持つチェーン型の不動産会社です。代表的なフランチャイズに、センチュリー21、ピタットハウス、アパマンショップ等があります。

例えば、センチュリー21フロンティア不動産販売は、大阪・兵庫・奈良・京都・滋賀の関西エリアで不動産売買仲介・リフォーム事業を展開しています。

全国ネットワークによる物件情報の豊富さとブランド力が強みです。

総合不動産サービス会社(AVANTIA GROUP等)

総合不動産サービス会社は、売買・賃貸・管理・リフォーム・新築住宅販売等を一社で提供する「ワンストップサービス」を特徴とします。

AVANTIA GROUPは、東海・関西・九州の3エリアで注文住宅・分譲住宅・土地・リフォーム・法人向け不動産をワンストップ提供しています。創業以来約2万棟の住宅供給実績があり、2024年4月からは他社物件の仲介販売にも本格参入しています。

ワンストップサービスにより、購入から管理、将来のリフォームまで一貫してサポートを受けられることが強みです。

専門特化型不動産会社(サンフロンティア不動産等)

専門特化型不動産会社は、特定の分野(オフィスビル、投資物件、ホテル等)に特化した不動産会社です。

サンフロンティア不動産は、東京都心の中小オフィスビル再生が中核事業です。買取・賃貸仲介・管理・修繕保証をワンストップ提供しており、東証8934で上場しています。ホテル事業も展開し、宿泊特化型ホテルを運営しています。

専門性の高い知識と豊富な実績が強みです。

地域密着型不動産会社の強みとサービス内容

地域に特化した物件情報と市場知識

地域密着型不動産会社は、地元の物件情報と市場知識が豊富です。大手には出回らない未公開物件や、地主との直接取引により得られる情報を持っている場合があります。

また、地域の相場観や将来の開発計画等、地元ならではの情報を提供できることが強みです。

地元密着のネットワークと情報網

地元で長年営業しているため、地主、工務店、金融機関等とのネットワークが構築されています。これにより、スムーズな取引や有利な条件での融資等が期待できます。

きめ細かい対応とアフターサービス

地域密着型は、顧客との距離が近く、きめ細かい対応が期待できます。購入後のトラブルやリフォームの相談等、長期的な関係を重視したサービスが特徴です。

地域の特性を活かした提案力

地域の特性(学校区、治安、商業施設、交通利便性等)を熟知しているため、顧客のライフスタイルに合わせた提案ができます。

大手フランチャイズ不動産会社の強みとサービス内容

全国ネットワークによる物件情報の豊富さ

大手フランチャイズは、全国の加盟店が持つ物件情報を共有しているため、幅広い選択肢を提示できます。転勤等で複数エリアを検討する場合、一社で対応できることが強みです。

ブランド力と信頼性

知名度の高いブランドは、一定のサービス品質が期待でき、安心感があります。また、トラブル発生時もフランチャイズ本部のサポートが受けられる場合があります。

標準化されたサービス品質

フランチャイズは、接客マニュアルや研修制度が整備されており、どの店舗でも一定のサービス品質が期待できます。地域密着型と比較して、担当者によるバラつきが少ない傾向があります。

転勤・広域エリア検討時の利便性

転勤が多い方や、複数エリアを検討している方にとって、全国ネットワークを持つ大手フランチャイズは利便性が高いです。同じブランドの店舗で、転勤先のエリアでもサポートを受けられます。

不動産会社の事業タイプ別の特徴

仲介専門会社(売買・賃貸の仲介に特化)

仲介専門会社は、売主と買主(または貸主と借主)の間に立ち、売買契約を成立させるサービスに特化しています。仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税が上限)が収益源です。

仲介専門会社は、特定の物件を売り込む利益相反がないため、公平な提案が期待できます。

デベロッパー系(自社物件の販売が中心)

デベロッパー系は、自社で開発した物件(分譲マンション、分譲住宅等)を販売することが中心です。AVANTIA GROUPの分譲住宅事業が該当します。

自社物件の品質管理が行き届いており、アフターサービスが充実している一方、他社物件の紹介は限定的な場合があります。

ワンストップサービス会社(売買・賃貸・管理・リフォームを一社で提供)

ワンストップサービス会社は、不動産の売買・賃貸・管理・リフォーム等を一社で提供します。AVANTIA GROUP、サンフロンティア不動産等が該当します。

ワンストップサービスのメリットは、窓口が一本化され、手続きがスムーズになることです。購入から管理、将来のリフォームまで一貫してサポートを受けられます。

専門特化型(オフィスビル再生、投資物件等に特化)

専門特化型は、特定の分野に特化しています。サンフロンティア不動産の「東京都心の中小オフィスビル再生」が代表例です。

専門性の高い知識とノウハウを持ち、一般の不動産会社では対応できないニーズに応えられることが強みです。

2024年のトレンド:ストック型ビジネスへのシフト

2024年、不動産業界では新築戸建て需要の低迷を受けて、ストック型ビジネス(既存住宅の仲介・リフォーム・管理等)へのシフトが進んでいます。

AVANTIA GROUPは、2024年4月から中部地域で住宅販売仲介を本格化し、自社物件だけでなく他社物件も扱うビジネスモデルに転換しています。2025年8月期の業績予想は新築戸建て需要の減少により下方修正されており、業界全体で構造変化が起きています。

不動産会社選びのポイントと注意点

目的に応じた会社選び(売却・購入・賃貸・投資)

不動産会社を選ぶ際は、まず目的を明確にしましょう。

目的 適した会社タイプ
地元で物件を購入 地域密着型
転勤で複数エリアを検討 大手フランチャイズ
新築住宅を購入 デベロッパー系、ハウスメーカー
投資物件を購入 専門特化型(投資物件に特化)
オフィスビルの賃貸・管理 専門特化型(オフィスビル特化)

対応エリアとサービス内容の確認

不動産会社により対応エリアとサービス内容が異なります。事前に確認しましょう。

  • AVANTIA GROUP: 東海・関西・九州の3エリア
  • センチュリー21フロンティア不動産販売: 大阪・兵庫・奈良・京都・滋賀
  • サンフロンティア不動産: 東京都心の中小オフィスビル

「アバンティア不動産」「サンフロンティア不動産」「フロンティア不動産」は全く異なる会社であるため、混同しないよう注意が必要です。

仲介手数料と付帯サービスの比較

仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が定められており、物件価格の3%+6万円+消費税が一般的です。多くの会社が上限額を請求しますが、一部の会社は割引や無料サービスを提供している場合があります。

仲介手数料だけでなく、付帯サービス(住宅ローン紹介、リフォーム相談、税務相談等)も含めて総合的に比較しましょう。

実績・評判・口コミの確認方法

不動産会社の実績・評判・口コミを確認する方法は以下の通りです。

  • 公式サイト: 会社概要、実績、サービス内容を確認
  • 口コミサイト: Googleマップ、不動産専門サイトのレビューを参照
  • 知人の紹介: 実際に利用した人の意見を聞く

ただし、口コミは主観的情報であるため、複数の情報源を参照し公平に判断することが重要です。

契約前の品質確認・保証内容の確認

低価格帯の物件や建売住宅を購入する場合、契約前に品質確認と保証内容の確認が重要です。

AVANTIAの口コミでは「契約前は熱心だが契約後の対応が悪い」「施工1年以内にタイルが割れる・ブロックから土が流れる等の不具合」という評価もあるため、以下を確認しましょう。

  • 住宅性能評価書: 第三者機関による性能評価があるか
  • アフター保証: 瑕疵担保責任保険、独自の保証制度の内容
  • 施工実績: 同じエリアでの施工実績と評判

複数社の比較検討が必須

不動産会社選びでは、複数社を比較検討することが必須です。最低でも3社程度に相談し、以下を比較しましょう。

  • 物件情報の豊富さ
  • 担当者の対応・提案力
  • 仲介手数料と付帯サービス
  • 実績・評判

複数社を比較することで、適正な価格やサービス内容が見えてきます。

まとめ:状況別の不動産会社の選び方

不動産会社は、地域密着型、大手フランチャイズ、総合不動産サービス、専門特化型に分類されます。地域密着型は地元の物件情報と市場知識が豊富、大手は全国ネットワークと信頼性が強みです。

目的(売却・購入・賃貸・投資)に応じて会社を選び、対応エリア、サービス内容、仲介手数料、実績・評判を確認し、複数社を比較検討することが重要です。

状況別の不動産会社の選び方は以下の通りです。

地元で物件を購入する場合

  • 地域密着型不動産会社
  • 地元の物件情報と市場知識が豊富
  • きめ細かい対応が期待できる

転勤等で複数エリアを検討する場合

  • 大手フランチャイズ不動産会社
  • 全国ネットワークによる物件情報の豊富さ
  • 標準化されたサービス品質

新築住宅を購入する場合

  • デベロッパー系、ハウスメーカー(AVANTIA GROUP等)
  • 自社物件の品質管理が行き届いている
  • ワンストップサービスで購入からアフターサービスまで一貫対応

投資物件を購入する場合

  • 専門特化型不動産会社(サンフロンティア不動産等)
  • 専門性の高い知識とノウハウ
  • オフィスビル再生等の特殊なニーズに対応

不動産の売買や賃貸は大きな決断です。信頼できる不動産会社や宅地建物取引士に相談しながら、自分の目的や予算に合った会社を選びましょう。

よくある質問

Q1地域密着型と大手フランチャイズ不動産会社の違いは何ですか?

A1地域密着型は地元の物件情報と市場知識が豊富で、きめ細かい対応が強みです。地元で長年営業しており、大手には出回らない未公開物件や地主との直接取引により得られる情報を持っている場合があります。大手フランチャイズは全国ネットワークによる物件情報の豊富さとブランド力が強みです。転勤等で複数エリアを検討する場合、一社で対応できることが利点です。地元で探す場合は地域密着型、転勤等で広域エリアを検討する場合は大手が適しています。

Q2「アバンティア不動産」「サンフロンティア不動産」「フロンティア不動産」は同じ会社ですか?

A2全く異なる会社です。AVANTIA GROUPは東海・関西・九州で総合不動産サービス(注文住宅・分譲住宅・土地・リフォーム)を展開し、約2万棟の住宅供給実績があります。サンフロンティア不動産は東京都心の中小オフィスビル再生に特化し、東証8934で上場しています。センチュリー21フロンティア不動産販売は関西エリア(大阪・兵庫・奈良・京都・滋賀)で売買仲介・リフォームを展開しています。名前に「フロンティア」が含まれますが、事業内容も対応エリアも全く異なります。

Q3不動産会社を選ぶ際の最も重要なポイントは何ですか?

A3目的(売却・購入・賃貸・投資)に応じて会社を選ぶことが最も重要です。地元で物件を購入する場合は地域密着型、転勤で複数エリアを検討する場合は大手フランチャイズ、新築住宅を購入する場合はデベロッパー系、投資物件を購入する場合は専門特化型が適しています。対応エリア、サービス内容、仲介手数料、実績・評判を確認し、最低でも3社程度の比較検討が必須です。契約前に品質確認と保証内容の確認も忘れずに行いましょう。

Q4仲介手数料は不動産会社によって違いますか?

A4仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が定められており(物件価格の3%+6万円+消費税)、多くの会社が上限額を請求します。一部の会社は割引や無料サービスを提供している場合があるため、仲介手数料だけでなく、付帯サービス(住宅ローン紹介、リフォーム相談、税務相談等)と合わせて総合的に比較することをお勧めします。また、仲介手数料が安い場合は、サービス内容に制限がある可能性があるため、事前に確認しましょう。

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Room Match編集部

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