不動産協会とは?役割と主要団体を徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/4

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不動産協会とは:業界団体の役割と種類

不動産業界で「不動産協会」という言葉を耳にすることは多いですが、実際にはどのような組織で、どんな役割を果たしているのでしょうか。

実は、日本には複数の不動産業界団体が存在し、それぞれ異なる役割と会員構成を持っています。この記事では、不動産協会の種類、役割、そして消費者や業界関係者にとってどう役立つのかを解説します。

この記事のポイント

  • 日本には複数の不動産業界団体が存在し、それぞれ異なる役割を担う
  • 主要団体は「不動産協会(RECAJ)」「全日本不動産協会(全日)」「全宅連」「不動産流通推進センター」の4つ
  • ハトマーク・ウサギマークは協会加盟の証であり、信頼できる業者の見分け方の一つ
  • 2025年問題への対応として、空き家活用や不動産DX推進が進んでいる

(1) 不動産業界を支える複数の協会・団体

日本の不動産業界は、複数の協会・団体によって支えられています。これらの団体は、業界の健全な発展、会員企業へのサポート、消費者保護などの役割を担っています。

主な団体としては、以下の4つが挙げられます。

  • 一般社団法人不動産協会(RECAJ):大手デベロッパーが中心
  • 公益社団法人全日本不動産協会(全日):中小不動産業者中心、ウサギマーク
  • 全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連):中小不動産業者中心、ハトマーク
  • 公益財団法人不動産流通推進センター:レインズ運営、宅建実務講習

(2) 業界団体の役割:政策提言、会員サポート、消費者保護

不動産業界団体の役割は、大きく分けて以下の3つです。

  1. 政策提言:国土交通省などに対して、業界の声を届け、政策形成に関与
  2. 会員サポート:会員企業向けに研修、情報提供、保証制度などを提供
  3. 消費者保護:不動産取引の透明性向上、トラブル時の相談窓口の設置

これらの活動により、不動産業界の健全な発展と消費者の安心・安全な取引が実現されています。

(3) 大きく分けて2つのタイプ:大手デベロッパー中心 vs 中小不動産業者中心

不動産業界団体は、会員構成により大きく2つのタイプに分けられます。

  • 大手デベロッパー中心:不動産協会(RECAJ)は、大手デベロッパーが中心の団体で、都市開発や政策提言を行います。
  • 中小不動産業者中心:全日本不動産協会(全日)と全宅連は、中小不動産業者が中心の団体で、会員向けのサポートや保証制度を提供します。

それぞれの団体は、会員企業のニーズに応じた活動を展開しています。

日本の主要な不動産業界団体4つを解説

日本の不動産業界を支える主要な4つの団体を詳しく見ていきましょう。

(1) 一般社団法人不動産協会(RECAJ):大手デベロッパー中心

一般社団法人不動産協会(RECAJ)は、大手デベロッパーが中心の業界団体です。主な会員企業には、三井不動産、三菱地所、住友不動産などの大手総合不動産会社が含まれます。

不動産協会の主な役割は、都市開発の推進、政策提言、業界全体の健全な発展です。2025年11月には、マンションの投機的短期転売に関する対策を発表し、業界の透明性向上に取り組んでいます。

(2) 公益社団法人全日本不動産協会(全日):ウサギマーク、業界最長の歴史

公益社団法人全日本不動産協会(全日)は、ウサギマークで知られる不動産業界団体です。業界最長の歴史を持ち、中小不動産業者を中心に多くの会員を擁しています。

全日の主な活動は、会員向けの研修・情報提供、保証制度の運営、消費者相談窓口の設置などです。ウサギマークは、全日に加盟している業者の証として、消費者に信頼感を与えます。

(3) 全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連):ハトマーク、宅建業法で規定

全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)は、ハトマークで知られる業界団体で、宅地建物取引業法(宅建業法)第74条で規定された団体です。

全宅連の主な活動は、会員向けサービス、保証制度の運営、ハトマークの普及などです。ハトマークは、全宅連に加盟している業者の証として、消費者に安心感を与えます。

(4) 公益財団法人不動産流通推進センター:レインズ運営、宅建実務講習

公益財団法人不動産流通推進センターは、レインズ(REINS:不動産流通標準情報システム)の開発・運営、宅建実務講習、不動産コンサルティング技能試験などを実施する組織です。

レインズは、不動産業者間で物件情報を共有するシステムであり、不動産取引の透明性向上に大きく貢献しています。また、宅建実務講習は、宅地建物取引士資格試験に合格した方が実務を始める前に受講する研修です。

団体名 特徴 マーク
不動産協会(RECAJ) 大手デベロッパー中心 なし
全日本不動産協会(全日) 中小業者中心、業界最長の歴史 ウサギマーク
全宅連 中小業者中心、宅建業法で規定 ハトマーク
不動産流通推進センター レインズ運営、宅建実務講習 なし

各団体の役割と活動内容

各団体の具体的な役割と活動内容を見ていきましょう。

(1) 不動産協会(RECAJ):都市開発の推進、政策提言、マンション投機的短期転売対策

不動産協会(RECAJ)は、大手デベロッパーが中心の団体であり、都市開発の推進や政策提言に力を入れています。

2025年11月には、マンションの投機的短期転売に関する対策を発表し、業界の透明性向上に取り組んでいます。投機的短期転売は、不動産市場の健全性を損なう行為として問題視されており、協会が業界全体でこの問題に対応しています。

(2) 全日本不動産協会(全日):会員サポート、消費者保護、業界の健全化

全日本不動産協会(全日)は、中小不動産業者を中心とした団体であり、会員向けの研修・情報提供、保証制度の運営、消費者相談窓口の設置などを行っています。

会員企業は、ウサギマークを使用することで、消費者に信頼感を与えることができます。また、保証制度により、万が一のトラブル時にも消費者を保護する仕組みが整っています。

(3) 全宅連:会員向けサービス、保証制度、ハトマークの普及

全宅連は、中小不動産業者を中心とした団体であり、会員向けサービス、保証制度の運営、ハトマークの普及などを行っています。

全宅連の保証制度は、宅建業法に基づくものであり、消費者が安心して不動産取引を行える環境を整えています。ハトマークは、全宅連に加盟している業者の証として、広く認知されています。

(4) 不動産流通推進センター:レインズの開発・運営、宅建実務講習、不動産コンサルティング技能試験

不動産流通推進センターは、レインズ(REINS)の開発・運営、宅建実務講習、不動産コンサルティング技能試験などを実施しています。

レインズは、不動産業者間で物件情報を共有するシステムであり、情報の透明性向上に大きく貢献しています。また、宅建実務講習は、宅地建物取引士資格試験に合格した方が実務を始める前に受講する必須の研修です。

業界関係者向け:協会加入のメリットと選び方

不動産業を始める際、どの協会に加入すべきか迷う方も多いでしょう。ここでは、協会加入のメリットと選び方を解説します。

(1) 加入のメリット:保証制度の利用、信頼性向上、業界情報の入手

協会に加入するメリットは、以下の3点です。

  1. 保証制度の利用:万が一のトラブル時に、消費者を保護する仕組みが整っている
  2. 信頼性向上:ハトマーク・ウサギマークを使用でき、消費者に信頼感を与える
  3. 業界情報の入手:協会から最新の業界動向、法改正情報などを入手できる

(2) 全日本不動産協会:中小不動産業者向け、ウサギマークの使用

全日本不動産協会(全日)は、中小不動産業者向けの団体です。ウサギマークを使用でき、消費者に信頼感を与えることができます。

会員向けには、研修・情報提供、保証制度、消費者相談窓口などのサービスが提供されます。

(3) 全宅連:中小不動産業者向け、ハトマークの使用、保証協会との連携

全宅連は、中小不動産業者向けの団体です。ハトマークを使用でき、消費者に安心感を与えることができます。

全宅連は、宅建業法第74条で規定された団体であり、保証協会との連携により、消費者保護の仕組みが整っています。

(4) 不動産協会(RECAJ):大手デベロッパー向け、政策提言の影響力

不動産協会(RECAJ)は、大手デベロッパー向けの団体です。政策提言の影響力が大きく、業界全体の方向性に関与できます。

会員企業は、都市開発や大規模プロジェクトに関する情報を入手でき、業界内でのネットワークを構築できます。

(5) 選び方:業務内容、会費、保証金、提供サービスを比較

協会を選ぶ際は、以下の点を比較して決定します。

  • 業務内容:大手デベロッパーなら不動産協会、中小業者なら全日または全宅連
  • 会費:各協会で会費が異なるため、事前に確認
  • 保証金:保証制度の利用に必要な保証金が異なる
  • 提供サービス:研修、情報提供、消費者相談窓口などのサービス内容を比較

消費者向け:信頼できる業者の見分け方

不動産取引を行う際、信頼できる業者を見分けることが重要です。ここでは、消費者向けのチェックポイントを解説します。

(1) ハトマーク・ウサギマークの確認(協会加盟の証)

ハトマーク(全宅連)やウサギマーク(全日)は、協会に加盟している業者の証です。これらのマークがある業者は、協会の基準を満たし、保証制度に加入しています。

業者のウェブサイトや店舗に、ハトマーク・ウサギマークが掲示されているかを確認しましょう。

(2) 保証制度の有無:取引の安全性

協会に加盟している業者は、保証制度に加入しています。万が一のトラブル時に、消費者を保護する仕組みが整っています。

不動産取引を行う際は、業者が保証制度に加入しているかを確認しましょう。

(3) レインズ加盟:物件情報の透明性

レインズ(REINS)に加盟している業者は、物件情報を業者間で共有しており、情報の透明性が高いです。

業者がレインズに加盟しているかを確認し、最新の物件情報を入手できる環境かをチェックしましょう。

(4) トラブル時の相談先:各協会の消費者相談窓口

万が一、不動産取引でトラブルが発生した場合、各協会の消費者相談窓口に相談できます。

これらの窓口では、専門家が対応し、トラブル解決をサポートします。

(5) 国民生活センター・国土交通省への相談も可能

協会の窓口以外にも、国民生活センターや国土交通省への相談も可能です。

  • 国民生活センター:消費者トラブル全般の相談窓口
  • 国土交通省:宅建業者の監督官庁、業者の違法行為に関する相談

まとめ:不動産協会の役割と今後の課題(2025年問題)

(1) 不動産協会の重要性:業界の健全化と消費者保護

不動産協会は、業界の健全な発展と消費者保護において重要な役割を果たしています。協会に加盟している業者は、一定の基準を満たし、保証制度に加入しているため、消費者は安心して取引を行えます。

(2) 2025年問題:団塊世代の高齢化と空き家問題(900万戸、13.8%)

アットホームの解説によると、2025年問題(団塊世代が75歳以上になることで日本社会に様々な影響が出る問題)により、空き家が増加しています。2023年時点で空き家は900万戸(13.8%、約7軒に1軒)に達し、過去最高を記録しました。

この問題は、不動産市場にも大きな影響を与えており、協会は空き家活用や不動産DX推進などの対策を進めています。

(3) 協会の対応:空き家活用、不動産DX推進、マンション管理DX部会の開催

不動産業界団体は、2025年問題への対応として、以下の取り組みを進めています。

  • 空き家活用:空き家を賃貸物件や地域活性化施設として再活用
  • 不動産DX推進:デジタル技術を活用した業務効率化と顧客サービス向上
  • マンション管理DX部会の開催:マンション管理のデジタル化を推進

(4) 今後の展望:変化する不動産市場への適応

不動産市場は、2025年問題による影響が段階的に現れると予想されます。急激な市場崩壊は予想されていませんが、空き家問題や高齢化による影響は無視できません。

不動産協会は、変化する市場環境に適応し、業界の健全な発展と消費者保護を継続していく必要があります。

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よくある質問

Q1全日本不動産協会(ウサギマーク)と全宅連(ハトマーク)の違いは?

A1どちらも宅地建物取引業者の業界団体で、保証制度や会員サポートを提供しています。全日本不動産協会は業界最長の歴史を持ち、全宅連は宅地建物取引業法(宅建業法)第74条で規定された団体です。業務内容は類似していますが、会費や提供サービスが異なります。不動産業を始める際は、業務内容、会費、保証金、提供サービスを比較して選択することが推奨されます。

Q2不動産業を始める際、どの協会に加入すべきか?

A2業務内容により選択が異なります。中小不動産業者なら全日本不動産協会または全宅連、大手デベロッパーなら一般社団法人不動産協会(RECAJ)が一般的です。全日本不動産協会に加入するとウサギマークを、全宅連に加入するとハトマークを使用でき、消費者に信頼感を与えることができます。会費、保証金、提供サービス(研修、情報提供、保証制度等)を比較して決定することを推奨します。

Q3消費者として、信頼できる不動産業者の見分け方は?

A3ハトマーク・ウサギマークの有無を確認しましょう。これらは協会加盟の証であり、業者が一定の基準を満たし、保証制度に加入していることを示します。また、保証制度の有無、レインズ(不動産流通標準情報システム)加盟、実績・口コミも重要なチェックポイントです。万が一トラブルが発生した場合は、各協会の消費者相談窓口、国民生活センター、国土交通省に相談できます。

Q42025年問題は不動産市場にどう影響するのか?

A42025年問題とは、団塊世代が75歳以上になることで日本社会に様々な影響が出る問題です。空き家が2023年時点で900万戸(13.8%、約7軒に1軒)に達し、過去最高を記録しました。不動産市場は段階的に変化すると予想されますが、急激な崩壊は予想されていません。不動産協会は空き家活用、不動産DX推進、マンション管理DX部会の開催などの対策を進めています。

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Room Match編集部

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