不動産無料査定のトラブル事例・対処法・安全な利用方法

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/24

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不動産無料査定サービスとトラブルの実態

不動産の売却を検討する際、「無料査定」は物件の価値を知る第一歩です。しかし、「しつこい営業電話が止まらない」「査定額と実際の売却価格が大きく違った」といったトラブルも少なくありません。

この記事では、不動産無料査定サービスでよくあるトラブル事例と対処法、安全に利用するためのポイントを解説します。初めて査定を依頼する方でも、リスクを理解し、賢く活用できるようになります。

この記事のポイント

  • 最も多いトラブルは「しつこい営業電話・メール」(一括査定サイト利用時は特に注意)
  • 高額査定は契約獲得目的の場合があり、査定額の根拠確認と複数社比較が必須
  • 申し込み時に「連絡はメールのみ」と記載、または匿名査定サービスを利用することでトラブルを回避可能
  • 個人情報保護方針の確認と信頼できる業者選びが重要
  • トラブルが深刻な場合は、都道府県の不動産取引相談窓口や宅建協会への相談を推奨

(1) 無料査定サービスの仕組み(媒介契約獲得が目的)

不動産無料査定とは、不動産会社が物件の売却価格を無料で見積もるサービスです。なぜ無料なのかというと、査定自体は媒介契約(売却・購入を不動産会社に依頼する契約)を獲得するための営業活動の一環だからです。

不動産会社は、査定を通じて売主と接点を持ち、最終的に媒介契約を結ぶことで仲介手数料を得ることを目指しています。この仕組みを理解していないと、「無料なのになぜこんなに積極的な営業をされるのか」と戸惑うことになります。

(2) 一括査定サイトのビジネスモデル(紹介料約15,000円)

一括査定サイトは、1回の申し込みで複数の不動産会社に査定依頼できる便利なサービスです。しかし、その裏側には以下のようなビジネスモデルがあります。

  • 不動産会社は、一括査定サイトに約15,000円の紹介料を支払っている
  • 紹介料を払っている以上、不動産会社は積極的に営業活動を行う
  • 結果として、電話やメールでの営業が頻繁に行われる

このビジネスモデルを知っておくことで、「なぜこんなに営業が多いのか」が理解でき、適切な対処法を選ぶことができます。

(3) 2024年時点のトラブル動向

2024年時点でも、「しつこい営業電話」が不動産無料査定の主要なトラブルとして継続しています。一方で、匿名査定サービス(LIFULL HOME'S等)が普及し、個人情報を提供せずに概算価格を把握できる選択肢が増加しています。

また、一括査定サイトの審査基準や個人情報保護方針もサイトによって差があるため、利用前の確認が重要になっています。

不動産無料査定でよくあるトラブル事例

実際にどのようなトラブルが報告されているのか、主要な事例を見ていきましょう。

(1) しつこい営業電話・メール(最多トラブル)

最も多いのが、査定申し込み後の営業電話・メールです。一括査定サイトを利用すると、複数社から一斉に連絡が来ることがあり、「1日に何度も電話がかかってくる」「断っても止まらない」といったケースが報告されています。

特に一括査定サイトでは、各社が紹介料を払っているため、積極的な営業活動が行われます。メンタル的な負担になることもあり、事前の対策が重要です。

(2) 査定額と実売価格の大きな乖離(1,000万円以上の差も)

「査定額3,500万円と言われたのに、実際は2,500万円でしか売れなかった」といったケースも珍しくありません。これは、一部の不動産会社が契約獲得を目的に、市場価格から大きくかけ離れた高額査定を提示するためです。

査定額はあくまで目安であり、実際の売却価格(実勢価格)とは異なることを理解しておく必要があります。

(3) 個人情報の取り扱いに関する不安

一括査定サイトでは、氏名・住所・電話番号・メールアドレス等の個人情報を入力します。個人情報保護体制が弱いサイトや業者を利用すると、情報漏洩・悪用のリスクがあります。

特に、審査基準が不明確なサイトや、プライバシーポリシーが不十分なサイトは避けるべきです。

(4) 地方での対応業者不足

一括査定サイトは都市部では便利ですが、地方では対応する不動産会社が少なく、「情報を入力しても査定依頼が成立しない」ケースがあります。

地方の場合は、地域密着型の不動産会社に直接依頼する方が効率的な場合もあります。

(5) 訪問査定で近所に売却が知られるリスク

訪問査定(実際に物件を見て査定する方法)では、不動産会社が会社ロゴ入りの車で来ることがあり、近所に売却を検討していることが知られるリスクがあります。

プライバシーを重視する場合は、事前に「ロゴなしの車で来てほしい」と依頼することもできます。

しつこい営業電話・メールへの対処法

トラブルの中で最も多い「しつこい営業」への対処法を具体的に解説します。

(1) 「他社で決めました」と明確に断る方法

営業電話が来たら、「他社で決めました」と明確に伝えるのが最も効果的です。曖昧な対応(「検討中です」「また連絡します」等)は、営業を長引かせる原因になります。

断る際のポイント:

  • はっきりと「他社で決めた」と伝える
  • 理由を詳しく説明しない(長引くため)
  • 何度も電話が来る場合は「今後一切の連絡を控えてください」と伝える

(2) 申し込み時に「連絡はメールのみ」と記載する

一括査定サイトの申し込みフォームには、「連絡方法の希望」を記載できる欄があることが多いです。ここに「連絡はメールのみでお願いします」と明記することで、営業電話を大幅に減らすことができます。

ただし、全ての不動産会社がこの要望に従うとは限らないため、完全に電話を避けたい場合は匿名査定サービスの利用を検討してください。

(3) 上長への相談・都道府県の相談窓口の活用

しつこい営業が改善されない場合は、以下の対応を取ることができます。

  • 営業担当者の上長(店長等)に相談する
  • 都道府県の不動産取引相談窓口に連絡する
  • 宅地建物取引業協会(宅建協会)に相談する

特に、脅迫的な言動や違法な営業行為があった場合は、速やかに相談窓口に連絡してください。

(4) 匿名査定サービスの利用

匿名査定サービス(LIFULL HOME'S等)を使えば、個人情報(氏名・電話番号等)を提供せずに概算価格を確認できます。まずは匿名査定で相場を把握し、具体的に売却を検討する段階で正式な査定を依頼する、という使い方も有効です。

高額査定の誘い水と査定額の見極め方

高額査定は一見魅力的ですが、注意が必要です。

(1) 契約獲得目的の高額査定の仕組み

一部の不動産会社は、媒介契約を獲得するために、市場価格よりも高い査定額を提示します。「この会社なら高く売れそう」と期待して契約したものの、実際には「この価格では売れないので値下げしましょう」と後から提案されるケースがあります。

結果として、他社の現実的な査定額で売却できたタイミングを逃し、売却期間が長引くリスクがあります。

(2) 査定額の根拠を必ず確認する

査定額を提示された際は、必ず以下を確認してください。

  • どのような方法で査定額を算出したか(類似物件の取引事例、公示地価等)
  • 査定額の根拠となるデータ(具体的な取引事例、築年数、立地条件等)
  • 実際にその価格で売却できる可能性はどの程度か

根拠を明確に説明できない業者は、信頼性に疑問があります。

(3) 複数社(3-5社)の査定を比較する

1社だけの査定では、その価格が妥当かどうか判断できません。最低でも3社、できれば5社程度の査定を比較することで、適正な相場を把握できます。

比較する際は、以下の点をチェックしてください。

項目 確認ポイント
査定額 最高額・最低額・平均額を確認
根拠 具体的なデータがあるか
対応 丁寧な説明があるか
実績 その地域での売却実績があるか

(4) 実勢価格との乖離に注意

査定額と実勢価格(実際に市場で取引される価格)は異なることがあります。国土交通省の「不動産取引価格情報検索」や、不動産ポータルサイトの成約事例を参考に、自分でも相場を調べることをおすすめします。

安全に無料査定を利用するためのポイント

トラブルを避けて、安全に査定サービスを活用するためのポイントをまとめます。

(1) 信頼できる一括査定サイトの選び方(個人情報保護方針の確認)

一括査定サイトを選ぶ際は、以下を確認してください。

  • 個人情報保護方針(プライバシーポリシー)が明記されているか
  • 提携している不動産会社の審査基準が明確か
  • 運営会社が信頼できる企業か(上場企業、大手不動産会社系列等)
  • 利用者の評判・口コミはどうか

審査基準が不明確なサイトは、悪質な業者が混じっている可能性があるため避けるべきです。

(2) 匿名査定サービスの活用(LIFULL HOME'S等)

まずは匿名査定で概算価格を把握し、具体的に売却を検討する段階で正式な査定を依頼する、という2段階の活用方法が効果的です。

匿名査定では電話番号・メールアドレスが伝わらないため、営業電話のリスクを完全に避けることができます。

(3) 不動産会社の実績・評判の確認

査定を依頼する前に、不動産会社の実績・評判を確認しましょう。

  • その地域での売却実績(件数、平均売却期間等)
  • 宅地建物取引業の免許番号(国土交通省の検索サイトで確認可能)
  • インターネット上の口コミ・評判(ただし、競合他社による虚偽情報もあるため参考程度に)

地域密着型の不動産会社は、その地域の相場や買い手ニーズを熟知している場合が多く、大手とは異なる強みがあります。

(4) 媒介契約前に確認すべき項目

査定後、実際に媒介契約を結ぶ前には、以下を確認してください。

  • 契約の種類(専属専任、専任、一般のどれか)
  • 契約期間(通常3ヶ月)
  • 仲介手数料の金額・支払い時期
  • 売却活動の内容(広告の方法、頻度等)
  • 契約解除の条件

契約内容を十分に理解しないまま契約すると、後でトラブルになる可能性があります。不明点は必ず質問し、納得した上で契約してください。

まとめ:トラブルを避けて賢く査定サービスを活用する方法

不動産無料査定サービスは、物件の価値を知り、適切な売却計画を立てるために有効なツールです。しかし、しつこい営業電話や高額査定の誘い水といったトラブルも存在するため、以下のポイントを押さえて利用することが重要です。

  • 申し込み時に「連絡はメールのみ」と記載する、または匿名査定サービスを利用する
  • 査定額の根拠を必ず確認し、複数社(3-5社)を比較する
  • 個人情報保護方針が明確な一括査定サイトを選ぶ
  • トラブルが深刻な場合は、都道府県の不動産取引相談窓口や宅建協会に相談する

これらの対策を取ることで、トラブルを避けながら、適正な査定額を把握し、信頼できる不動産会社を見つけることができます。売却活動を成功させるために、慎重かつ賢く査定サービスを活用しましょう。

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よくある質問

Q1不動産無料査定で最も多いトラブルは何ですか?

A1最も多いのは「しつこい営業電話・メール」です。一括査定サイトを利用すると、各不動産会社が約15,000円の紹介料を払っているため、積極的な営業活動が行われます。申し込み時に「連絡はメールのみでお願いします」と記載することで、営業電話を大幅に減らすことができます。また、匿名査定サービス(LIFULL HOME'S等)を利用すれば、電話番号を提供せずに概算価格を把握できます。

Q2しつこい営業電話が来たらどう対処すればいいですか?

A2「他社で決めました」と明確に伝えるのが最も効果的です。曖昧な対応(「検討中です」等)は営業を長引かせる原因になります。何度も電話が来る場合は「今後一切の連絡を控えてください」と伝えてください。改善されない場合は、営業担当者の上長に相談する、または都道府県の不動産取引相談窓口や宅地建物取引業協会に連絡することもできます。

Q3査定額が高すぎる会社は信用できますか?

A3注意が必要です。一部の不動産会社は、媒介契約獲得を目的に市場価格から大きくかけ離れた高額査定を提示します(1,000万円以上の差も珍しくありません)。査定額の根拠(類似物件の取引事例、公示地価等)を必ず確認し、複数社(3-5社)の査定を比較してください。根拠を明確に説明できない業者は、信頼性に疑問があります。

Q4個人情報が悪用されるリスクはありますか?

A4個人情報保護体制が弱いサイトや業者を利用すると、情報漏洩・悪用のリスクがあります。一括査定サイトを選ぶ際は、個人情報保護方針(プライバシーポリシー)が明記されているか、提携業者の審査基準が明確か、運営会社が信頼できるかを確認してください。匿名査定サービスを使えば、個人情報を提供せずに概算価格を把握できるため、より安全です。

Q5一括査定サイトは安全に利用できますか?

A5サイトの審査基準や個人情報保護方針によります。信頼できるサイトを選べば、複数社を効率的に比較できるメリットがあります。一方、営業電話のリスクもあるため、個人情報保護方針を必ず確認してください。まずは匿名査定で相場を把握し、具体的に売却を検討する段階で一括査定サイトを利用する、という2段階の活用方法も効果的です。

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Room Match編集部

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