不動産一括査定を実際にやってみた｜利用前に知っておくべき基本
「不動産一括査定をやってみたいけど、しつこい営業電話が心配」「査定価格は信頼できるのか」と不安に感じていませんか。
この記事では、不動産一括査定サービスの利用体験をもとに、申し込みから結果までの流れ、査定額の実態、メリット・デメリット、営業電話への対処法を解説します。利用を検討している方が判断材料を得られる内容です。
この記事のポイント
- 一括査定は無料で利用でき、一度の申し込みで複数社に査定依頼が可能
- 査定額は会社により数百万円の差が出ることがある（査定額≠売却額）
- 営業電話を減らすには「メール対応希望」「机上査定希望」と申し込み時に明記
- 地方・郊外では対応する不動産会社が少ない場合がある
不動産一括査定サービスとは？仕組みと無料の理由
不動産一括査定サービスは、インターネット上で複数の不動産会社に一括して査定を依頼できるサービスです。
一括査定が無料で利用できる仕組み
利用者は無料で査定を依頼できます。これは、不動産会社がサイト運営者に紹介料を支払う仕組みになっているためです。不動産会社は新規顧客を獲得する機会として一括査定サイトを活用しています。
机上査定と訪問査定の違い
査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
| 査定方法 | 内容 | 結果までの期間 |
|---|---|---|
| 机上査定 | 物件情報のみで行う簡易査定 | 即日～3日 |
| 訪問査定 | 担当者が実際に物件を見て行う詳細査定 | 約1週間 |
まずは机上査定で相場を把握し、本格的に売却を検討する段階で訪問査定を依頼するのが一般的です。
一括査定を実際に利用した体験談｜申し込みから結果まで
実際に一括査定を利用した場合の流れを紹介します。
申し込み手続き（所要時間と必要な入力情報）
申し込みは多くのサイトで60秒～数分程度で完了します。入力が必要な主な情報は以下の通りです。
- 物件の種類（マンション、戸建て、土地など）
- 物件の所在地
- 築年数、間取り、面積
- 氏名、電話番号、メールアドレス
注意点: 匿名では利用できず、氏名・電話番号の入力が必須です。個人情報の取り扱いについては、各サイトのプライバシーポリシーを確認してください。
不動産会社からの連絡対応の実態
申し込み後、登録した不動産会社から電話やメールで連絡が届きます。6社に依頼した場合、6回以上の電話がかかってくるケースがあります。
電話の主な目的は、物件情報の確認と訪問査定の日程調整です。最初の1回は対応し、査定方法の希望や連絡手段の希望を伝えることをお勧めします。
査定結果が届くまでの期間
机上査定の場合は即日～3日、訪問査定の場合は1週間程度で結果が届きます。複数社に依頼した場合、査定結果が届くタイミングは会社によって異なります。
査定結果の実態｜査定額の差と査定根拠の違い
複数社に査定を依頼すると、査定額に差が出ることがあります。
査定額のばらつきはどの程度あるか
同じ物件でも、不動産会社により査定額に数百万円の差が出ることがあります。これは、各社が異なる市場データや販売戦略を基に査定を行っているためです。
査定額の根拠と説明内容の違い
査定結果を受け取ったら、査定額だけでなく以下の点を確認しましょう。
- 査定額の算出根拠（類似物件の成約事例、周辺相場など）
- 売却にかかる期間の見込み
- 販売戦略の提案内容
根拠の説明が具体的で、質問に丁寧に回答してくれる会社を選ぶことが重要です。
査定額と実際の売却価格の関係
重要: 査定額は売却額ではありません。査定額は「この価格で売り出せば売れる可能性がある」という想定価格です。実際の売却価格は市場動向や買主との交渉により変動します。
高めの査定額を提示して媒介契約を取ろうとする会社もあるため、査定額が高いからといって必ずしもその会社が最適とは限りません。
一括査定のメリット・デメリット
一括査定サービスのメリットとデメリットを整理します。
メリット：複数社比較・相場把握・時間短縮
- 複数社に一度に依頼可能: 一度の申し込みで複数の不動産会社に査定依頼ができ、時間と手間が大幅に削減できる
- 相場を把握できる: 複数社の査定結果を比較することで、物件の相場観を掴める
- 無料で利用可能: 査定依頼は完全無料（成約時に不動産会社に仲介手数料が発生）
デメリット：営業対応の負担・査定価格のばらつき
- 営業電話への対応が必要: 複数社から連絡が来るため、対応に時間がかかる
- 査定額のばらつき: 会社により査定額が異なり、どれが適正か判断しづらい
- 提携会社のみに依頼: サイトと提携していない不動産会社には依頼できない
しつこい営業電話への対処法と利用時の注意点
営業電話への対処法と、利用時に注意すべき点を解説します。
営業電話を減らすための申し込み時の工夫
しつこい電話を避けるには、申し込み時に以下の点を明記することが効果的です。
- 「メール対応希望」と備考欄に記載: 電話ではなくメールでの連絡を希望する旨を伝える
- 「机上査定希望」を選択: 訪問査定ではなく机上査定を選ぶことで、訪問日程調整の連絡を減らせる
- 訪問査定は2～3社に絞る: 多くの会社に訪問査定を依頼すると対応が大変になるため、絞り込むことを推奨
電話対応の断り方と注意すべき営業手法
売却の予定がなくなった場合や、他社に依頼することを決めた場合は、はっきりと断ることが重要です。
「他の会社に決めました」「今回は売却を見送ります」と明確に伝えましょう。曖昧な返答をすると、連絡が続く可能性があります。
改善されない場合は、サイト運営者にクレームを入れることも可能です。
地方・郊外での利用時の注意点
一括査定サービスは全国対応ですが、地方や郊外では対応可能な不動産会社が2～3社、または0社の場合があります。
都市部と比較して選択肢が限られるため、地方では一括査定サービスに加えて、地元の不動産会社への直接相談も検討することをお勧めします。
まとめ｜一括査定を上手に活用するためのポイント
不動産一括査定サービスは、複数の不動産会社に無料で査定を依頼でき、相場把握や会社比較に役立つサービスです。
一方で、営業電話への対応が必要になる点や、査定額と実際の売却価格が異なる点には注意が必要です。
上手に活用するためのポイントは以下の通りです。
- 申し込み時に「メール対応希望」「机上査定希望」と明記する
- 訪問査定を依頼する会社は2～3社に絞る
- 査定額だけでなく、根拠の説明や担当者の対応で判断する
- 地方・郊外では地元の不動産会社への直接相談も検討する
不動産売却は大きな金額が動く取引です。疑問点があれば、宅地建物取引士に相談することをお勧めします。