なぜ大阪で土地を売るのか:売却を検討する理由
土地を所有している方の中には、「相続した土地をどう活用すればいいのか」「使わなくなった土地の維持費負担が重い」「住み替えのために資金が必要」といった理由で売却を検討する方が少なくありません。
この記事では、大阪府内の土地売却について、エリア別の価格相場、売却の流れ、高く売るコツ、税金・費用を、国土交通省の不動産取引価格情報や国税庁の税制情報を元に解説します。
初めて土地を売却する方でも、大阪での土地売却の手順と注意点を正確に理解できるようになります。
この記事のポイント
- 大阪府の土地価格相場は坪単価74万3995円/坪、前年比+3.48%(2024年第1四半期)
- エリア別価格差が大きく、大阪駅/梅田駅(1217万9900円/㎡)から八尾南駅(11万2611円/㎡)まで100倍以上の差がある
- 土地売却の流れは7ステップ:相場調べ→査定依頼→物件調査→媒介契約→売買契約→引渡→確定申告
- 高く売るコツは複数社査定(最低3社)、境界確定、相場の1割高めで売り出し
- 譲渡所得税は所有期間により税率が変わる(5年以下39.63%、5年超20.315%)
(1) 相続した土地の活用・現金化
相続した土地を活用できない場合、売却して現金化することで相続税の納税資金に充てたり、相続人間で公平に分割したりできます。
使わない土地を所有し続けると、固定資産税や管理費の負担が続きます。早めに売却することで、維持費負担を解消できます。
(2) 使わなくなった土地の維持費負担
土地を所有している限り、固定資産税が毎年かかります。大阪府の場合、評価額の1.4%が標準税率です。
使わない土地を所有し続けることで、年間数万円〜数十万円の税負担が発生します。売却することで、この負担を解消できます。
(3) 住み替えのための資金調達
住み替えのために新しい住宅を購入する資金が必要な場合、所有している土地を売却して資金を調達できます。
特に、大阪市中心部の土地は資産価値が高く、売却して得た資金で郊外の広い住宅を購入することも可能です。
大阪の土地市場の特徴とエリア別価格相場
(1) 大阪府全体の価格相場:坪単価74万3995円/坪、前年比+3.48%
大阪府の土地取引価格は、平均で坪単価74万3995円/坪(22万5058円/㎡)、前年比+3.48%です(2024年第1四半期)。
2024年地価公示では、住宅地+1.6%、商業地+10.4%と商業地の上昇が顕著です。2013-2024年で住宅地+2.3%、商業地+45.2%と、商業地が大幅上昇しています。
(2) エリア別価格差:大阪駅/梅田駅(1217万9900円/㎡)から八尾南駅(11万2611円/㎡)まで100倍以上
大阪府内のエリア別価格差は非常に大きく、以下のような傾向があります。
| エリア | 駅名 | 価格(㎡) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 大阪市北区 | 大阪駅/梅田駅 | 1217万9900円/㎡ | 府内最高価格 |
| 大阪市中央区 | 難波駅 | 600万円〜800万円/㎡ | 商業地として人気 |
| 大阪市天王寺区 | 天王寺駅 | 300万円〜500万円/㎡ | 再開発エリア |
| 北摂地域 | 箕面駅・豊中駅 | 100万円〜200万円/㎡ | 住宅地として人気 |
| 大阪市東側・南側 | 八尾南駅 | 11万2611円/㎡ | 価格が低めで推移 |
(出典: 土地代データ)
大阪駅/梅田駅周辺と八尾南駅周辺では、100倍以上の価格差があります。
(3) 大阪市中心部と周辺部の二極化:商業地+10.4%、住宅地+1.6%
2024年地価公示データによると、大阪市中心部の商業地は+10.4%と大幅上昇しているのに対し、住宅地は+1.6%と上昇が緩やかです。
大阪市中心部と周辺部で二極化が進行中で、東側・南側エリアは下落傾向にあります。売却タイミングに注意が必要です。
(4) 2024年地価公示データと今後の見通し
北摂地域(箕面市等)は新駅開業(箕面船場阪大前駅・箕面萱野駅)で交通利便性が向上し、住宅需要が拡大中です。
一方、円安・建材高騰で建築費が2-3割上昇(2024年4月現在)しており、今後は金利上昇リスクもあるため、買い手が減る可能性があります。
売却を検討している方は、エリアの動向を見極めながら、適切なタイミングで売却することが重要です。
土地売却の流れ:7ステップで解説
(1) ステップ1:相場を調べる
まずは、国土交通省の不動産取引価格情報で、周辺の土地の取引価格を調べましょう。
公示地価や基準地価も参考になりますが、実際の取引価格(実勢価格)を確認することが重要です。
(2) ステップ2:査定依頼(複数社査定が重要)
複数の不動産会社に査定依頼をします。最低3社、可能ならそれ以上に依頼しましょう。
査定額は不動産会社により異なるため、複数社を比較することで、適正価格を把握できます。
(3) ステップ3:物件調査(測量・境界確定)
境界が確定されていない土地は、測量・境界確定を実施します。費用は30-50万円、期間は半年以上かかることもあるため、早めの準備が重要です。
境界が確定されていないと売却できない、または大幅値引きになる可能性があります。
(4) ステップ4:媒介契約(専属専任、専任、一般の3種類)
不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には以下の3種類があります。
- 専属専任媒介契約: 1社のみに依頼、売主が自分で見つけた買主とも契約できない
- 専任媒介契約: 1社のみに依頼、売主が自分で見つけた買主とは契約できる
- 一般媒介契約: 複数社に依頼可能
期間は最長3ヶ月です。
(5) ステップ5:売買契約
買主が見つかったら、売買契約を結びます。契約時には、契約書の内容(契約不適合責任、手付金の扱い等)を専門家(宅建士等)に確認しましょう。
(6) ステップ6:引渡
売買代金の決済と同時に、土地の引渡しを行います。登記手続きも同時に行います。
(7) ステップ7:確定申告
売却した翌年の2月16日〜3月15日の間に確定申告を行います。譲渡所得税の納税が必要です。
大阪で土地を高く売るコツ
(1) 複数社査定(最低3社、可能ならそれ以上)
査定額は不動産会社により異なるため、複数社を比較することで、適正価格を把握できます。
1社のみの査定では、相場より安く売却してしまうリスクがあります。
(2) 境界確定:売却前に必ず実施(費用30-50万円、期間半年以上)
境界が確定されていない土地は、測量・境界確定を実施しましょう。
境界が確定されていないと、買主に敬遠され、売却価格が大幅に下がる可能性があります。
(3) 売り出し価格設定:相場の1割高めで売り出し(値下げ交渉前提)
売り出し価格は、相場の1割高めで設定しましょう。値下げ交渉を前提とした価格設定です。
相場通りで売り出すと、値下げ交渉で相場より安く売却してしまう可能性があります。
(4) 更地化の判断:古家は解体推奨、ただし再建築不可の場合は要注意
古家が建っている土地は、解体して更地にすることで、買主に好まれやすくなります。
ただし、再建築不可の土地は更地にすると新しく家を建てられず需要が下がるため、解体前に不動産会社に必ず相談してください。
更地化すると固定資産税が最大6倍に上がる点にも注意が必要です。売れるまでの間、税負担が増加します。
(5) 売却期間:高く売りたいなら9ヶ月〜1年の余裕を持つ
高く売りたいなら、9ヶ月〜1年の余裕を持ちましょう。焦ると値引き交渉で損をする可能性があります。
測量・境界確定に半年以上かかることもあるため、早めの準備が重要です。
土地売却にかかる税金と費用
(1) 税金の種類:印紙税、登録免許税、所得税、住民税、復興特別所得税
土地売却時の税金は以下の通りです。
| 税金 | 内容 | 金額目安 |
|---|---|---|
| 印紙税 | 売買契約書に貼付 | 1万円〜6万円(契約金額により異なる) |
| 登録免許税 | 抵当権抹消登記 | 1,000円/不動産1個 |
| 所得税 | 譲渡所得にかかる税金 | 譲渡所得×税率 |
| 住民税 | 譲渡所得にかかる税金 | 譲渡所得×税率 |
| 復興特別所得税 | 所得税の2.1% | 所得税×2.1% |
(出典: 国税庁)
(2) 譲渡所得税:所有期間5年以下39.63%、5年超20.315%
譲渡所得税は、所有期間により税率が大きく異なります。
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下): 所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63% = 39.63%
- 長期譲渡所得(所有期間5年超): 所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315% = 20.315%
所有期間が5年を超えると税率が約半分になるため、売却タイミングが重要です。
(3) その他の費用:仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税)、測量費用、解体費用
その他の費用は以下の通りです。
| 費用 | 金額目安 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格の3%+6万円+消費税(400万円超の場合) |
| 測量・境界確定費用 | 30万円〜50万円 |
| 解体費用 | 木造住宅100万円〜200万円(30坪程度) |
(4) 節税方法:3,000万円特別控除、所有期間10年超の軽減税率
節税方法として、以下のような特例があります。
- 3,000万円特別控除: マイホームを売却した場合、譲渡所得から3,000万円を控除できる
- 所有期間10年超の軽減税率: 所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合、6,000万円以下の部分は税率が14.21%に軽減される
詳細は国税庁の公式サイトでご確認ください。税理士への相談も推奨します。
まとめ:大阪で土地を売る際の判断基準
(1) エリアによる売却タイミングの違い(大阪市中心部と東側・南側)
大阪市中心部の商業地は価格が上昇傾向にあるため、今が売却のチャンスかもしれません。
一方、東側・南側エリアは下落傾向にあるため、早めの売却を検討することをおすすめします。
エリアの動向を見極めながら、適切なタイミングで売却しましょう。
(2) 専門家(宅建士、税理士)への相談の重要性
土地売却は、専門知識が必要な取引です。宅地建物取引士、税理士等の専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
特に、譲渡所得税は所有期間により税率が大きく異なるため、税理士への相談が重要です。
大阪で土地を売却する際は、複数社査定、境界確定、適切な売り出し価格設定を行い、慎重に進めましょう。


