日興マンションの基本情報と立地の特徴
東京都中野区の「日興マンション」は、新中野駅徒歩1分という駅直結の好立地を持つ中古マンションです。1971年築で築50年を超えていますが、築年数の古さと駅近という立地の良さのどちらを優先すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、日興マンションの基本情報、価格相場、築古マンションの資産価値、旧耐震基準物件の注意点、駅近物件の強みを解説します。中古マンション購入・売却を検討している方が、適切な判断材料を得られるようになります。
この記事のポイント
- 日興マンションは1971年3月竣工の9階建て、総戸数88戸のマンション
- 新中野駅徒歩1分の駅直結立地で、資産価値が維持されている傾向
- 2024年の価格相場は㎡単価57万円~58万円、参考相場価格は1,263万円~4,416万円
- 2021年~2024年の取引で坪単価が前期比8.1%上昇し、駅近需要が高まっている
- 旧耐震基準物件のため、住宅ローン控除が適用されない可能性があり、大規模修繕履歴と管理組合の財務状況の確認が必須
(1) 物件概要(1971年3月竣工、9階建て、総戸数88戸)
日興マンションの基本スペックは以下の通りです(LIFULL HOME'Sのデータによる)。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 竣工年月 | 1971年3月 |
| 階数 | 地上9階 |
| 総戸数 | 88戸 |
| 所在地 | 東京都中野区中央 |
| 最寄駅 | 東京メトロ丸ノ内線「新中野駅」徒歩1分 |
2024年時点で築53年を経過しており、築古物件に分類されます。旧耐震基準(1981年6月以前の建築基準法)で建築されているため、購入・売却時には注意が必要です。
(2) 駅直結の好立地(新中野駅徒歩1分)
日興マンション最大の魅力は、新中野駅徒歩1分という駅直結の立地です。不動産広告では徒歩1分=80mで計算されるため(不動産公正取引協議会の基準)、マンションは駅から非常に近い位置にあります。
新中野駅からのアクセス:
- 東京メトロ丸ノ内線で新宿駅まで約5分
- 東京駅まで約20分
- 渋谷駅まで乗り換え1回で約15分
都心部へのアクセスが非常に良く、通勤・通学に便利な立地です。この駅近立地が、築53年という築古物件でも資産価値を維持している大きな要因です。
(3) 間取りタイプ(1R、1LDK、スタジオタイプ等)
日興マンションには、以下のような多様な間取りタイプがあります。
- 1R(ワンルーム): 単身者向け
- 1LDK: 単身者・DINKS向け
- スタジオタイプ: ワンルームより広めの間取り
専有面積は31〜40㎡の物件が最も取引が多く、単身者や若い世代に人気のあるコンパクトな物件です。
日興マンションの価格相場と市場動向
日興マンションの価格相場と市場動向を詳しく見ていきましょう。
(1) 2024年の価格相場(㎡単価57万円~58万円)
マンションマーケットのデータによると、2024年11月時点の日興マンションの価格相場は、㎡単価57万円~58万円です。
㎡単価の計算例:
- 専有面積40㎡の物件: 40㎡ × 57万円 = 2,280万円
- 専有面積70㎡の物件: 70㎡ × 58万円 = 4,060万円
この㎡単価は、新中野駅周辺の築古マンションとしては比較的高い水準です。駅徒歩1分という好立地が価格を支えています。
(2) 参考相場価格(1,263万円~4,416万円)
日興マンションの参考相場価格は、1,263万円~4,416万円のレンジです(マンションマーケットのデータによる)。
価格帯の幅が広いのは、以下の要因によるものです。
- 専有面積の違い: 30㎡台の物件と70㎡台の物件では価格が倍以上異なる
- 階数: 上階の物件は眺望が良く、価格が高い傾向
- リフォームの有無: 内装を一新した物件は高値で取引される
- 向き: 南向きの物件は日当たりが良く、人気が高い
(3) 取引データ分析(143件の売買履歴)
マンションレビューのデータによると、日興マンションには143件の売買履歴があります。これは、同マンションが活発に取引されていることを示しています。
取引の特徴:
- 専有面積31〜40㎡の物件が最も取引が多い(㎡単価59.9万円)
- 駅直結の立地により、築古物件でも需要がある
- 2024年には2,880万円で売り出された実績がある
(4) 坪単価の推移(2021-2024年で8.1%上昇)
三井のリハウスのデータによると、2021年~2024年の50件の取引では、坪単価が215万円で、前期比8.1%上昇しています。
これは、以下の要因によるものです。
- 駅近物件の需要増加: リモートワーク普及後も、都心へのアクセスが良い物件の人気は根強い
- 中野区の人気上昇: 中野区は住みやすい街として注目されている
- 築古物件でも駅近は強み: 駅徒歩1分という立地が資産価値を維持
築50年超マンションの資産価値と取引事例
築50年を超えるマンションでも、立地によっては資産価値を維持できる事例を見ていきましょう。
(1) 駅徒歩1分の立地が資産価値を維持
日興マンションは1971年築で築53年を経過していますが、新中野駅徒歩1分という駅直結の立地により、資産価値が維持されています。
一般的に、築年数が古くなるほど資産価値は下落しますが、以下の条件を満たす物件は下落幅が小さい傾向があります。
- 駅徒歩5分以内: 通勤・通学の利便性が高い
- 都心部へのアクセスが良い: 主要駅まで30分以内
- 適切な管理: 共用部分の清掃・修繕が行き届いている
日興マンションはこれらの条件を満たしているため、築古物件でも一定の需要があります。
(2) 31〜40㎡物件の取引実績(㎡単価59.9万円)
専有面積31〜40㎡の物件は、日興マンションで最も取引が多いタイプです。㎡単価59.9万円で取引されており、以下のような買い手がいます。
- 単身者: 都心へのアクセスが良く、通勤に便利
- 投資目的: 駅近物件は賃貸需要が高く、空室リスクが低い
- セカンドハウス: 都心での仕事用に購入
(3) 2024年の売り出し事例(2,880万円)
マンションレビューのデータによると、2024年には日興マンションの物件が2,880万円で売り出された実績があります。
この価格は、専有面積50㎡程度の物件と推測されます(㎡単価57万円で計算すると約2,850万円)。築53年という築古物件でも、駅徒歩1分の立地により、2,000万円台後半での売却が可能であることがわかります。
旧耐震基準物件の購入・売却時の注意点
日興マンションは1971年築のため、旧耐震基準で建築されています。購入・売却時の注意点を解説します。
(1) 旧耐震基準とは(1981年6月以前の建築基準法)
旧耐震基準とは、1981年6月以前の建築基準法に基づく耐震基準です。現行の新耐震基準(1981年6月以降)と比べて、耐震性能が低いとされています。
新耐震基準との違い:
- 旧耐震基準: 震度5程度の地震で倒壊しない設計
- 新耐震基準: 震度6強~7の地震で倒壊しない設計
旧耐震基準の物件は、大地震時の倒壊リスクが新耐震基準の物件より高い可能性があります。
(2) 住宅ローン控除が適用されない可能性
旧耐震基準の物件は、住宅ローン控除の適用条件を満たさない場合があります。
住宅ローン控除の適用条件(2025年時点):
- 新耐震基準に適合していること
- または耐震基準適合証明書を取得していること
日興マンションのような旧耐震基準物件は、耐震基準適合証明書を取得していない限り、住宅ローン控除が適用されない可能性があります。これは、購入希望者にとって大きなデメリットです。
(3) 買い手が住宅ローンを組めないリスク
旧耐震基準の物件は、一部の金融機関で住宅ローンの融資が受けられない、または融資額が制限される場合があります。
これにより、以下のようなリスクがあります。
- 買い手が限定される: 現金で購入できる人、または融資可能な金融機関を見つけられる人のみ
- 売却価格が下がる可能性: 買い手が限定されるため、価格交渉で不利になる場合がある
売却を検討している方は、この点を理解しておく必要があります。
(4) 大規模修繕履歴と管理組合の財務状況の確認
築50年超の物件では、大規模修繕が適切に行われているかが重要です。
確認事項:
- 大規模修繕の履歴: 過去に何回、どのような修繕が行われたか(外壁塗装・防水工事・配管更新等)
- 修繕積立金の残高: 将来の修繕に備えた資金が十分にあるか
- 管理組合の財務状況: 滞納者が多くないか、管理費・修繕積立金の値上げ予定がないか
修繕積立金が不足している場合、将来的に一時金の徴収や修繕積立金の大幅な値上げが行われる可能性があります。
駅近物件の強みと日興マンションの競争力
駅近物件の強みと、日興マンションの競争力を分析します。
(1) 駅徒歩1分が与える資産価値への影響
駅徒歩1分という立地は、資産価値に大きな影響を与えます。
駅近物件のメリット:
- 通勤・通学の利便性: 雨の日でも駅まですぐに到着
- 賃貸需要が高い: 投資目的で購入しても、空室リスクが低い
- 資産価値の下落幅が小さい: 築年数が経過しても、立地の良さが価値を支える
日興マンションのように、駅徒歩1分の物件は、築53年という築古物件でも一定の需要があります。
(2) 駅近物件の需要増加(2021-2024年の価格上昇)
三井のリハウスのデータによると、2021年~2024年の取引で坪単価が前期比8.1%上昇しています。これは、駅近物件の需要が高まっていることを示しています。
需要増加の背景:
- リモートワーク普及後も都心へのアクセス重視: 週に数回の出社でも、通勤時間が短い方が好まれる
- 中野区の人気上昇: 住みやすい街として注目され、物件需要が増加
- 築古物件でも駅近は選ばれる: 新築マンションの供給不足により、中古物件の需要が高まっている
(3) 築古物件でも駅近は強み
築古物件は一般的に敬遠されがちですが、駅近立地であれば以下のような強みがあります。
- 価格が手頃: 新築や築浅物件と比べて、購入価格が低い
- 立地の良さ: 駅近という条件は、築年数では変わらない
- リフォーム・リノベーションの余地: 内装を一新することで、快適に住める
日興マンションは、駅徒歩1分という立地の良さを最大限に活かせる物件です。
まとめ:日興マンション購入・売却の判断基準
日興マンションは、築53年という築古物件ながら、新中野駅徒歩1分という駅直結の好立地を持つマンションです。購入・売却を検討する際は、以下のポイントを押さえてください。
立地の強み:
- 新中野駅徒歩1分の駅直結立地
- 東京メトロ丸ノ内線で新宿駅まで約5分、東京駅まで約20分
- 駅近立地により、築古物件でも資産価値が維持されている
価格相場:
- 2024年の㎡単価は57万円~58万円
- 参考相場価格は1,263万円~4,416万円
- 2021年~2024年の取引で坪単価が前期比8.1%上昇
旧耐震基準物件のリスク:
- 1971年築の旧耐震基準物件のため、住宅ローン控除が適用されない可能性
- 買い手が住宅ローンを組めない場合があり、買い手が限定される
- 大規模修繕履歴と管理組合の財務状況の確認が必須
購入・売却の判断基準:
- 購入: 駅徒歩1分の立地を重視し、旧耐震基準のリスクを許容できるか
- 売却: 駅近の強みをアピールし、適正価格で売却できるか
築古物件は、管理状態や修繕履歴により資産価値が大きく変動します。複数の不動産会社に査定を依頼し、専門家(宅地建物取引士等)に相談しながら、慎重に判断してください。
