地震じゃないのに家が揺れる?不安を感じたらまず確認すべきこと
戸建てに住んでいて「地震でもないのに家が揺れる」と感じたことはありませんか?トラックや電車の通過時、強風の日、あるいは原因不明の揺れに不安を感じる方は少なくありません。
本記事の要点
- 木造住宅は揺れることで衝撃を吸収するため、揺れる=欠陥とは限らない
- 揺れる6つの主な原因:外部振動(トラック・電車)、軟弱地盤、建物の高さ(3階建て)、構造材の腐食、シロアリ被害、接合部の破損
- 地盤改良工事の費用相場:150-200万円(薬液注入工法)
- 旧耐震基準(昭和56年以前)の建物は特に注意が必要
- 対策:耐震診断→地盤改良・耐震リフォーム・制震装置の設置
- 放置すると建物の構造を痛め、頭痛や睡眠障害などの健康被害の可能性
本記事では、地震以外で戸建てが揺れる原因と、揺れを軽減する具体的な対策を詳しく解説します。
木造住宅は揺れることで衝撃を吸収する(揺れる=欠陥とは限らない)
まず、「家が揺れる=欠陥住宅」とは限らないことを理解しましょう。
木造住宅は、地震や強風などの外力に対して、揺れることで衝撃を吸収する構造になっています。これは建物の設計上、正常な挙動です。
木造住宅の特性:
- 木材は柔軟性があり、揺れることでエネルギーを吸収
- コンクリート造やマンションと比べて軽量なため、揺れやすい
- 建築基準法でも一定の揺れは許容範囲とされている
ただし、揺れが年々大きくなる、ひび割れが拡大する、床や壁が傾いているなどのサインがある場合は、構造的な問題の可能性があります。
揺れの原因を自己判断しない重要性
家が揺れる原因は多岐にわたるため、自己判断せず専門業者による耐震診断を受けることが重要です。
自己判断のリスク:
- 原因を誤って判断し、効果のない対策を実施してしまう
- 構造的な問題を見逃し、危険な状態を放置してしまう
- 不必要な工事に高額な費用をかけてしまう
専門業者(建築士、リフォーム会社、住宅診断士等)による耐震診断で、揺れの原因を正確に特定しましょう。
戸建てが揺れる6つの主な原因
戸建てが揺れる主な原因は、以下の6つに分類できます。
外部振動(トラック・電車・建設作業)
外部振動とは、トラックや電車の通行、建設作業等による地面の振動です。
外部振動による揺れの特徴:
- トラックや電車が通過するタイミングで揺れる
- 幹線道路や線路の近くの住宅で発生しやすい
- 建設工事中の杭打ち作業等でも揺れる
- 地盤が軟弱な場合、振動が増幅される
外部振動は完全に防ぐことは困難ですが、地盤改良や制震装置の設置で軽減できます。
軟弱地盤(埋立地・盛り土)
軟弱地盤とは、埋立地や盛り土など、地盤が弱い土地のことです。
軟弱地盤の特徴:
- 粘土質やシルト(細かい砂)の地盤
- 地下水位が高い
- 埋立地や盛り土で造成された土地
- 揺れが大きく増幅される
軟弱地盤の場合、地盤改良工事で地盤を強化することが推奨されます。
建物の高さ(木造3階建て等)
建物の高さも揺れやすさに影響します。
木造3階建ては揺れやすい理由:
- 高さがあるほど、先端部分(3階部分)の揺れが大きくなる
- 1階と比べて3階は揺れが大きく感じられる
- 風圧や外部振動の影響を受けやすい
木造3階建ての場合、制震装置(ダンパー)の設置で揺れを軽減できます。
構造材の腐食・劣化
構造材の腐食・劣化により、建物の強度が低下し揺れやすくなります。
腐食・劣化の原因:
- 雨漏りによる木材の腐食
- 湿気による木材の劣化
- 経年劣化(築年数が古い建物)
- 換気不足による結露
構造材の劣化は、耐震リフォームで柱や梁を補強することで改善できます。
シロアリ被害
シロアリ被害は、木造住宅の大敵です。
シロアリ被害の影響:
- 土台や柱がシロアリに食われ、強度が低下
- 揺れやすくなるだけでなく、倒壊リスクも高まる
- 被害が進行すると、床が沈む・壁がたわむ等の症状
シロアリ被害が疑われる場合、専門業者による点検と駆除が必要です。
接合部の破損・施工不良
接合部の破損・施工不良も揺れの原因になります。
接合部の問題:
- 柱と梁の接合部が緩んでいる
- 金物(筋交いプレート等)が不足している
- 施工時のミス(ボルトの締め忘れ等)
- 経年劣化による接合部の破損
新築でも施工不良があれば揺れる可能性があるため、建築士による点検が推奨されます。
交通振動による揺れ(トラック・電車・工事)
トラック通行による地面振動のメカニズム
トラック通行による地面振動は、以下のメカニズムで発生します:
- トラックが道路を走行すると、タイヤと路面の摩擦で振動が発生
- 道路の亀裂やマンホール回りで振動が増幅
- 地面に振動が伝わり、建物に到達
- 建物が揺れる
トラック振動は、道路の状態(亀裂・マンホール回りの段差等)に大きく影響されます。
軟弱地盤での振動増幅
軟弱地盤では、トラック振動が増幅されます。
振動増幅のメカニズム:
- 軟弱地盤は振動を吸収しにくい
- 粘土質やシルトの地盤では、振動が遠くまで伝わる
- 地下水位が高いと、振動がさらに増幅
軟弱地盤の場合、地盤改良工事で地盤を強化すると振動が軽減されます。
道路の補修・マンホール回りの補修の効果
道路の補修・マンホール回りの補修で、トラック振動を軽減できる場合があります。
道路補修の依頼方法:
- 市区町村の道路管理課に連絡
- 道路の亀裂やマンホール回りの段差を報告
- 道路管理者が現地調査を実施
- 必要に応じて補修工事を実施
道路の補修は無料で依頼できる場合が多いため、まずは市区町村に相談してみましょう。
強風・建物の構造による揺れ
木造3階建ては揺れやすい理由(高さがあるほど先端部分の揺れが大きい)
木造3階建ては、1階建て・2階建てと比べて揺れやすい傾向があります。
揺れやすい理由:
高さがあるほど、先端部分(3階部分)の揺れが大きい
- 振り子の原理で、高い位置ほど揺れの幅が大きくなる
- 1階では気にならない揺れでも、3階では大きく感じる
風圧の影響を受けやすい
- 強風時に建物全体が揺れる
- 台風や春一番などの強風日に顕著
外部振動の影響
- トラックや電車の振動が3階まで伝わる
旧耐震基準(昭和56年以前)の建物は注意
**旧耐震基準(昭和56年以前)**の建物は、特に注意が必要です。
旧耐震基準と新耐震基準の違い:
| 項目 | 旧耐震基準(昭和56年以前) | 新耐震基準(昭和56年以降) |
|---|---|---|
| 基準 | 震度5程度で倒壊しない | 震度6強〜7でも倒壊しない |
| 筋交い | 少ない | 多い(壁量が増加) |
| 耐震性 | 低い | 高い |
旧耐震基準の建物は、耐震診断を受け、必要に応じて耐震リフォームを実施することを推奨します。
建物の形状・軽量さの影響
建物の形状・軽量さも揺れやすさに影響します。
揺れやすい建物の特徴:
- 軽量な建物:木造住宅はコンクリート造と比べて軽量なため揺れやすい
- 細長い形状:幅が狭く高さがある建物は揺れやすい
- 1階が駐車場:1階の壁が少ない(ピロティ形式)と揺れやすい
- 壁量が少ない:大きな窓や吹き抜けが多いと揺れやすい
地盤・劣化による揺れと構造的問題のサイン
軟弱地盤(粘土質・シルト・地下水位が高い)の見分け方
軟弱地盤かどうかを見分ける方法を紹介します。
軟弱地盤の見分け方:
地名に「水」に関する文字が含まれる
- 例:池、沼、川、湿、田、浦、津、浜、港等
- 昔は水辺だった可能性が高い
周辺の建物の状況
- 隣家や近隣の建物が傾いている
- 道路に亀裂が多い
地盤調査報告書の確認
- 購入時の地盤調査報告書を確認
- 地耐力(N値)が低い場合は軟弱地盤
市区町村のハザードマップ
- 液状化危険度マップで確認
- 埋立地や盛り土の場所は軟弱地盤の可能性
構造的な問題のサイン(揺れが年々大きくなる・ひび割れ拡大・傾き)
構造的な問題がある場合、以下のサインが現れます。
要注意のサイン:
揺れが年々大きくなる
- 以前は気にならなかった揺れが、最近大きく感じる
- 構造材の劣化やシロアリ被害の可能性
ひび割れが拡大する
- 外壁や内壁のひび割れが年々広がる
- 構造的な歪みや地盤沈下の可能性
床や壁が傾いている
- ビー玉を床に置くと転がる
- ドアや窓の開閉がしにくくなった
- 地盤沈下や構造材の劣化の可能性
異音がする
- 風が吹いたり、揺れたりするときに「ギシギシ」「ミシミシ」という音
- 接合部の緩みや構造材の劣化の可能性
これらのサインがある場合は、早急に専門業者(建築士、リフォーム会社等)に相談しましょう。
放置すると建物の構造を痛め、健康被害(頭痛・睡眠障害)の可能性
家の揺れを放置すると、以下のリスクがあります:
建物へのリスク:
- 構造材の劣化が進行し、耐震性が低下
- ひび割れが拡大し、雨漏りの原因に
- 最悪の場合、大地震時の倒壊リスクが高まる
健康へのリスク:
- 頭痛:常に揺れを感じることでストレスが蓄積
- 睡眠障害:夜間のトラック通行で目が覚める、熟睡できない
- めまい・吐き気:揺れによる三半規管への影響
- 不安感:「倒壊するのでは」という恐怖心
早めに原因を特定し、対策を実施することが重要です。
揺れを軽減する4つの対策と費用相場
耐震診断(複数業者から相見積もり)
まずは、耐震診断を受けて原因を特定しましょう。
耐震診断の流れ:
- 複数業者(3社程度)に診断を依頼
- 現地調査(建物の目視確認、図面確認等)
- 診断報告書の受領
- 診断結果に基づき、対策の提案を受ける
耐震診断の費用:
- 一般診断:無料〜3万円程度
- 精密診断:10〜30万円程度
複数業者から相見積もりを取る重要性:
- 診断費用や工事費用の比較ができる
- 診断結果の妥当性を確認できる
- 過剰な工事を提案する業者を避けられる
地盤改良工事(薬液注入工法、費用150-200万円)
地盤改良工事で、軟弱地盤を強化できます。
薬液注入工法:
- 地盤に薬液を注入し、地盤を固化
- 建物を解体せずに施工可能
- 工期は1〜2週間程度
費用相場:
- 150〜200万円程度(30坪程度の建物)
- 地盤の状態や建物の規模により変動
効果:
- トラック振動や地震時の揺れが軽減
- 地盤沈下の進行を防ぐ
耐震リフォーム(柱・梁の補強)
耐震リフォームで、建物の強度を高めることができます。
耐震リフォームの内容:
- 柱や梁の補強(金物の追加、接合部の強化)
- 筋交いの追加
- 基礎の補強
- 外壁の張り替え(構造用合板の追加)
費用相場:
- 部分的な補強:50〜150万円
- 全体的な補強:150〜300万円
- 大規模な補強:300万円以上
補助金制度:
- 市区町村により、耐震リフォームの補助金制度がある場合あり
- 旧耐震基準(昭和56年以前)の建物が対象のケースが多い
- 補助額:工事費用の一部(数十万円程度)
制震装置・免震装置の設置(オイルダンパー式、積層ゴム等)
制震装置・免震装置の設置で、揺れを大幅に軽減できます。
制震装置:
- ダンパー等を梁・柱・土台に設置
- 揺れを吸収し、建物に伝わる振動を軽減
- オイルダンパー式が一般的(2024年時点で導入が増加)
- 費用相場:50〜150万円程度
- 繰り返しの揺れに効果的(余震対策にも有効)
免震装置:
- 建物と地面の間に設置
- 積層ゴム、ダンパー、ボールベアリング等
- 揺れを直接建物に伝えない
- 費用相場:200〜500万円程度(高額)
- 大地震時の被害を大幅に軽減
どちらを選ぶべきか:
- トラック振動・日常的な揺れ対策:制震装置が費用対効果が高い
- 大地震対策:予算があれば免震装置
- 木造3階建て:制震装置で十分効果が得られる
まとめ:揺れの原因を特定し、適切な対策を実施しよう
地震じゃないのに家が揺れる場合、原因は多岐にわたります。まずは専門業者による耐震診断を受け、原因を正確に特定することが重要です。
揺れる6つの主な原因:
- 外部振動(トラック・電車・建設作業)
- 軟弱地盤(埋立地・盛り土)
- 建物の高さ(木造3階建て等)
- 構造材の腐食・劣化
- シロアリ被害
- 接合部の破損・施工不良
揺れを軽減する4つの対策:
- 耐震診断(複数業者から相見積もり)
- 地盤改良工事(薬液注入工法、費用150-200万円)
- 耐震リフォーム(柱・梁の補強)
- 制震装置・免震装置の設置(オイルダンパー式、積層ゴム等)
次のアクション:
- 揺れのタイミング・パターンを記録する(トラック通過時、強風時等)
- 構造的な問題のサイン(ひび割れ・傾き等)を確認する
- 複数の専門業者(建築士、リフォーム会社、住宅診断士等)に耐震診断を依頼
- 診断結果に基づき、適切な対策を選択
- 市区町村の補助金制度を確認し、活用を検討
家の揺れを放置すると、建物の構造を痛めたり、健康被害(頭痛・睡眠障害)を引き起こす可能性があります。早めに原因を特定し、適切な対策を実施しましょう。


