なぜ名古屋の不動産市場が注目されるのか
名古屋市は、東京・大阪に次ぐ日本第三の都市圏として、安定した不動産市場を形成しています。また、リニア中央新幹線の開業が予定されており、将来的な資産価値の向上が期待されています。
この記事では、名古屋市の不動産価格相場、人気エリアの特徴、東京・大阪との価格比較、購入・売却のポイントを解説します。名古屋市での不動産購入・売却を検討している方が、市場動向を理解し、エリア選びや取引タイミングの判断材料を得ることができます。
この記事のポイント
- 名古屋市の中古マンション価格は2015年から2024年の10年間で約46%上昇(1,903万円→2,770万円)
- 2024年時点で名古屋市の平均価格は約2,770万円(平米単価40万4,078円)
- 千種区、中区、東区が特に人気のエリア(文教地区・商業施設充実・交通アクセス良好)
- 東京都心部の値上がり約1.5倍、大阪市中心部約1.4倍に対し、名古屋市は1.2倍と上昇は緩やか
- 名古屋駅や栄駅から10〜15分以内のエリアは高価格で取引される傾向
名古屋市の不動産価格相場
(1) マンション価格の推移(10年間で46%上昇)
名古屋市の中古マンション価格は、2015年から2024年の10年間で大きく上昇しています。
| 年 | 平均価格 | 2015年比 |
|---|---|---|
| 2015年 | 1,903万円 | 基準 |
| 2024年 | 2,770万円 | +46% |
10年間で約46%の上昇を記録しており、着実に資産価値が向上しています。特に2024年1月〜3月には最高値を更新しました。
(2) 2024年の最新価格相場
2024年1〜3月期の名古屋市のマンション売却価格は、以下の通りです。
- 平米単価: 40万4,078円
- 前年比: +3.85%上昇
- 平均価格: 約2,770万円
中部圏全体の平均価格が約2,240万円、愛知県全体が約2,372万円であることを考えると、名古屋市は中部圏の中でも高い価格帯を維持しています。
(3) 平米単価と平均価格
名古屋市の不動産価格を理解する上で、平米単価と平均価格の両方を把握することが重要です。
平米単価: 1平方メートルあたりの価格で、物件の価格を比較する際の基準となります。2024年時点で名古屋市は40万4,078円です。
平均価格: 実際の取引価格の平均で、2024年時点で約2,770万円です。この価格は物件の広さ(平均的に約70㎡前後)を考慮した金額です。
名古屋の人気エリア
(1) 千種区の特徴(文教地区・子育て世帯に人気)
千種区は、名古屋市の東部に位置し、教育施設が充実していることから子育て世帯に人気のエリアです。
千種区の特徴:
- 文教地区: 名古屋大学をはじめとする教育施設が集まる
- 住みやすさ: 閑静な住宅街が広がり、治安が良い
- 交通アクセス: 覚王山駅から名古屋駅まで約14分、本山駅から栄駅まで約11分
- 商業施設: おしゃれなカフェや飲食店が多い(特に覚王山エリア)
千種区は、名古屋市の住みたい街ランキングで1位を獲得するなど(2020年調査)、非常に人気の高いエリアです。
(2) 中区の特徴(栄駅周辺・商業施設充実)
中区は、名古屋市の中心部に位置し、栄駅を中心に商業施設や飲食店が充実しているエリアです。
中区の特徴:
- 交通網: 地下鉄が発達し、市内各所へのアクセスが便利
- 商業施設: 栄駅周辺に百貨店、ショッピングモール、飲食店が集中
- 利便性: 買い物、外食、娯楽施設が充実
- 都心部: ビジネス・商業の中心地として賑わう
中区は、名古屋市の住みたい街ランキングで2位(2020年調査)にランクインしており、利便性を重視する方に人気です。
(3) 東区の特徴(都心部的特徴)
東区は、名古屋市の中心部東側に位置し、大手企業の本社・支社が多く集まるエリアです。
東区の特徴:
- ビジネスエリア: 大手企業のオフィスが多い
- 都心部的特徴: 商業施設と住宅地が混在
- 交通アクセス: 地下鉄やバスで名古屋駅・栄駅へアクセス良好
- 住宅地: オフィス街と並んで住宅地も広がっている
東区は、名古屋市の住みたい街ランキングで4位(2020年調査)にランクインしており、都心部での生活を希望する方に人気です。
(4) その他の注目エリア
千種区、中区、東区以外にも、以下のエリアが注目されています。
- 名東区: 千種区の東側に位置し、住宅地として人気
- 瑞穂区: 名古屋大学医学部周辺の文教地区
- 昭和区: 名古屋大学周辺の文教地区
名古屋と東京・大阪の不動産価格比較
(1) 価格上昇率の比較
名古屋市のマンション価格は上昇していますが、東京・大阪と比較すると上昇率は緩やかです。
| 都市 | 5〜6年前との比較 |
|---|---|
| 東京都心部 | 約1.5倍 |
| 大阪市中心部 | 約1.4倍 |
| 名古屋市 | 約1.2倍 |
東京や大阪では急激な値上がりが見られるのに対し、名古屋市は比較的安定した価格上昇を続けています。
(2) 名古屋の特徴(戸建需要が根強い)
名古屋市の不動産市場には、他都市と異なる特徴があります。
戸建住宅への需要が根強い:
- 名古屋市では戸建住宅への需要が根強く、マンション市場は他都市と比べて特殊
- 土地が比較的広く、戸建を選択しやすい環境
- マンション価格の上昇率が他都市より緩やかな理由の一つ
この特性により、名古屋市のマンション市場は東京・大阪とは異なる動きを見せています。
(3) 今後の市場予測
マンション需要は大きくは衰えず、交通利便性の高い名古屋市内の商業地では引き続き高い上昇率が継続する見込みです。
ただし、不動産市場は経済情勢や金融政策(金利動向等)の影響を受けやすいため、今後の見通しは慎重に判断する必要があります。執筆時点(2025年)の情報であり、最新情報は不動産仲介業者にご確認ください。
名古屋で不動産を購入・売却するポイント
(1) 高く売れるエリアの特徴
名古屋で不動産を高く売却できるエリアには、以下の特徴があります。
- 名古屋駅・栄駅からの距離: 10〜15分以内のエリアが人気
- 駅からの距離: 徒歩10〜15分以内が理想
- 交通アクセス: 名古屋駅や栄駅への直通駅の周辺エリア
- 商業施設: 買い物、飲食店へのアクセスが良好
(2) 複数社の査定比較
不動産を売却する際は、複数の不動産会社に査定依頼をして比較することが重要です。
査定比較のメリット:
- 適正な売却価格を把握できる
- 各社の強み・サービス内容を比較できる
- 高く売却できる可能性が高まる
一般的に、3〜5社に査定依頼をすることが推奨されます。
(3) 交通アクセスの重要性
名古屋で不動産を購入・売却する際、交通アクセスは最も重要なポイントの一つです。
交通アクセスのチェックポイント:
- 最寄り駅からの徒歩時間(10〜15分以内が理想)
- 名古屋駅・栄駅への所要時間(10〜15分以内が人気)
- 地下鉄の路線(桜通線、東山線、名城線等)
- バス便の充実度
(4) 机上査定と訪問査定の違い
不動産査定には、机上査定と訪問査定の2種類があります。
机上査定:
- 方法: 物件情報のみで行う簡易的な査定
- メリット: 訪問不要で短時間で結果が出る
- デメリット: 実際の状態を確認しないため精度が低い
訪問査定:
- 方法: 実際に物件を訪問して行う詳細な査定
- メリット: より正確な価格を算出可能
- デメリット: 訪問の手間と時間がかかる
正確な査定を希望する場合は、訪問査定を選択することを推奨します。
まとめ:名古屋の不動産市場の将来性
名古屋市の中古マンション価格は、2015年から2024年の10年間で約46%上昇し(1,903万円→2,770万円)、着実に資産価値が向上しています。2024年時点で平米単価40万4,078円、平均価格約2,770万円を記録しています。
千種区(文教地区・子育て世帯に人気)、中区(栄駅周辺・商業施設充実)、東区(都心部的特徴)が特に人気のエリアです。名古屋駅や栄駅から10〜15分以内、駅から徒歩10〜15分以内のエリアが高価格で取引される傾向があります。
東京都心部の値上がり約1.5倍、大阪市中心部約1.4倍に対し、名古屋市は1.2倍と上昇は緩やかです。これは、名古屋では戸建住宅への需要が根強く、マンション市場が他都市と異なる特性を持つためです。
名古屋で不動産を購入・売却する際のポイント:
- エリア選び: 千種区、中区、東区など交通アクセスが良好なエリアを優先
- 複数社の査定比較: 3〜5社に査定依頼をして適正価格を把握
- 交通アクセス: 名古屋駅・栄駅から10〜15分以内、駅から徒歩10〜15分以内を重視
- 市場動向の確認: 執筆時点(2025年)の情報であり、最新情報は不動産仲介業者に確認
マンション需要は大きくは衰えず、交通利便性の高い商業地では引き続き高い上昇率が継続する見込みです。ただし、不動産市場は変動する可能性があるため、専門家(不動産仲介業者等)への相談を推奨します。
