住宅ローン本審査通過後の注意点|融資実行までにやるべきことと落ちるケース

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/12

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住宅ローン本審査通過後の流れ

住宅ローンの本審査に通過すると、多くの方は「これで安心」と感じるかもしれません。しかし、本審査通過は融資確定を意味しません。融資実行までに状況が変化すると、稀に承認が取り消されることがあります。

この記事では、本審査通過後から融資実行までの流れ、やるべきこと・やってはいけないこと、まれに起こる「否決」のケースを、金融機関の公式情報を元に解説します。

初めて住宅ローンを組む方でも、融資実行までの期間を安全に過ごせるようになります。

この記事のポイント

  • 本審査通過後も融資実行まで財務状況を変化させないことが重要
  • 転職・新規借入・クレジットカード新規作成は融資承認取り消しのリスクがある
  • 本審査から融資実行まで10〜14日+約30日(合計約40〜44日)が一般的
  • 買主都合の契約解除は物件価格の5〜10%の違約金が発生する可能性がある
  • 住宅ローン特約があれば、審査落ちの場合に違約金なしで契約解除可能

(1) 本審査承認の通知

本審査に通過すると、金融機関から「承認」の通知が届きます。この段階で、融資可能額・金利・返済期間などの条件が確定します。

承認通知を受け取ったら、次のステップである「住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)」の準備を進めます。

(2) 住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)

本審査承認後、金融機関と**住宅ローン契約(金銭消費貸借契約、通称「金消契約」)**を締結します。

この契約では、以下の内容が最終確定します:

項目 内容
融資額 借り入れる金額
金利 固定金利または変動金利
返済期間 最長35年(金融機関により異なる)
返済方法 元利均等返済または元金均等返済
団体信用生命保険 死亡・高度障害時の残債返済保険

一部金融機関では、**電子金消契約(オンライン契約)**が可能になり、来店不要で手続きが完了します(2025年時点)。詳細は金融機関にご確認ください。

(3) 融資実行と物件引き渡し

金消契約締結後、物件の引き渡し日に融資実行が行われます。金融機関が実際に資金を提供し、同日に物件の所有権が移転します。

融資実行日までは、本審査で申告した内容(勤務先・年収・借入状況等)に変更がないことが前提です。

本審査から融資実行までの期間

本審査通過から融資実行までの期間は、一般的に約40〜44日です。三井住友銀行の公式サイトによると、以下のスケジュールが目安となります。

(1) 本審査の期間(10〜14日)

本審査には、仮審査(事前審査)よりも詳細な書類提出が必要です。金融機関が以下の項目を審査します:

  • 収入証明(源泉徴収票、確定申告書等)
  • 勤続年数
  • 信用情報(クレジットカード・ローンの利用履歴)
  • 団体信用生命保険への加入可否
  • 物件の担保価値

審査結果は10〜14日程度で通知されます。

(2) 契約日の設定(承認から約30日後)

本審査承認後、金消契約の日程を設定します。多くの金融機関では、承認から約30日後に契約日を設定します。

この期間を利用して、必要書類(住民票、印鑑証明書等)を準備します。

(3) 融資実行日(物件引き渡し日)

融資実行日は、物件の引き渡し日と同日に設定されます。この日に、金融機関から売主へ資金が振り込まれ、物件の所有権が買主に移転します。

本審査通過後にやるべきこと

本審査通過後は、以下の3つを確実に実施してください。

(1) 住宅ローン契約の準備(必要書類の確認)

金消契約には、以下の書類が必要です(金融機関により異なります):

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート等)
  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 実印
  • 通帳・キャッシュカード(返済口座)

金融機関から指定された書類を早めに準備しましょう。

(2) 金融機関への報告義務(状況変化があった場合)

本審査通過後に以下の状況変化があった場合は、速やかに金融機関に報告してください:

  • 転職・退職
  • 収入減少
  • 新規借入(車のローン、教育ローン等)
  • 健康状態の変化
  • クレジットカードの新規作成・高額利用

報告を怠ると、契約違反と見なされ、融資承認が取り消される可能性があります。

(3) 住宅ローン特約の確認

売買契約に住宅ローン特約が含まれているか確認してください。この特約があれば、万が一融資が実行されなかった場合でも、違約金なしで契約解除が可能です。

住宅ローン特約は、買主を保護する重要な条項です。契約書を再確認し、不明点は不動産会社に質問しましょう。

本審査通過後にやってはいけないこと

本審査通過後は、融資実行まで財務状況を変化させないことが最重要です。以下の行動は絶対に避けてください。

(1) 新規借入(車のローン・教育ローン等)

車のローン、教育ローン、クレジットカードのキャッシング等、新規の借入は融資実行後まで控えてください

新規借入は、返済能力に影響を与え、金融機関が再審査または融資承認を取り消す可能性があります。

(2) クレジットカードの新規作成・高額利用

イー・ローンのFP解説によると、クレジットカードの新規作成や高額利用は危険です。

通常利用(日常の買い物、公共料金の支払い等)は問題ありませんが、以下は避けるべきです:

  • クレジットカードの新規作成(信用情報に照会履歴が残る)
  • 高額なショッピングローン(家具・家電の分割払い等)
  • リボ払いの多用(返済負担が増加)

(3) 転職・退職

SBIエステートファイナンスの解説によると、転職は年収・勤続年数に変化をもたらし、融資承認が取り消されることがあります

転職のタイミングは、融資実行後が適切です。やむを得ず転職が決まった場合は、速やかに金融機関に報告してください。

(4) 財務状況の変化

以下の変化も融資承認取り消しのリスクがあります:

  • 副業の開始(収入源の変化)
  • 勤務時間の短縮(収入減少)
  • 健康状態の悪化(団体信用生命保険への加入不可)

本審査承認後に落ちるケースと対策

本審査承認後に融資が取り消されるケースは稀ですが、以下の状況変化により起こり得ます。

(1) 転職・退職(年収・勤続年数の変化)

転職は、年収・勤務先・勤続年数に変化をもたらします。金融機関は、本審査時の申告内容と異なる状況を確認すると、融資を取り消すことがあります。

対策:転職は融資実行後に行う。転職が決まった場合は速やかに金融機関に報告する。

(2) 新規借入(返済能力の変化)

車のローン、教育ローン、クレジットカードのキャッシング等、新規借入は返済能力に影響します。

対策:融資実行まで新規借入を一切行わない。

(3) 信用情報の変化(支払い遅延等)

クレジットカードの支払い遅延、携帯電話料金の滞納等があると、信用情報に記録され、融資承認が取り消される可能性があります。

対策:融資実行まで支払い遅延を絶対に起こさない。

(4) 健康状態の悪化(団信加入不可)

多くの住宅ローンでは、**団体信用生命保険(団信)**への加入が必須です。本審査後に健康状態が悪化し、団信に加入できなくなると、融資が実行されないことがあります。

対策:健康状態に変化があった場合は、速やかに金融機関に報告する。

(5) 違約金のリスクと住宅ローン特約

リードホームの解説によると、買主都合の契約解除は物件価格の5〜10%の違約金が発生する可能性があります。

例えば、3,000万円の物件の場合、150〜300万円の違約金が発生します。

対策:売買契約に住宅ローン特約を含める。この特約があれば、融資が実行されなかった場合でも、違約金なしで契約解除が可能です。

まとめ:本審査通過後から融資実行までの心構え

住宅ローンの本審査に通過しても、融資実行まで油断は禁物です。転職・新規借入・クレジットカード新規作成等の財務状況の変化は、融資承認取り消しのリスクがあります。

本審査から融資実行まで、申告内容を変更せず、「おとなしく」過ごすことが重要です。売買契約に住宅ローン特約を含め、万が一の場合に備えましょう。

不明点や状況変化があれば、金融機関や不動産会社に速やかに相談してください。信頼できる専門家のサポートを受けながら、安全に融資実行を迎えましょう。

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よくある質問

Q1住宅ローン本審査に通ったらもう大丈夫ですか?

A1稀ですが、融資実行まで状況変化により承認が取り消されることがあります。本審査通過後も油断せず、融資実行まで財務状況を変化させないことが重要です。転職・新規借入・クレジットカード新規作成等は避け、申告内容に変更がないように過ごしてください。

Q2本審査通過後に転職してもいいですか?

A2融資実行前の転職は、融資承認取り消しのリスクが高いです。転職は年収・勤務先・勤続年数に変化をもたらし、金融機関が再審査または融資を取り消すことがあります。転職は融資実行後が適切です。やむを得ず転職が決まった場合は、速やかに金融機関に報告してください。

Q3本審査通過後にクレジットカードは使えますか?

A3通常利用(日常の買い物、公共料金の支払い等)は問題ありませんが、新規作成や高額利用は避けるべきです。クレジットカードの新規作成は信用情報に照会履歴が残り、高額なショッピングローンやリボ払いは返済負担が増加します。融資実行まで財務状況を変化させないことが重要です。

Q4本審査承認後に落ちた場合、違約金は発生しますか?

A4買主都合の契約解除は、物件価格の5〜10%の違約金が発生する可能性があります。例えば、3,000万円の物件の場合、150〜300万円の違約金です。しかし、売買契約に住宅ローン特約が含まれていれば、融資が実行されなかった場合でも違約金なしで契約解除が可能です。契約書を確認し、特約の有無を把握してください。

Q5本審査から融資実行までどれくらいかかりますか?

A5本審査は10〜14日程度、住宅ローン契約(金消契約)は承認から約30日後に設定することが多いです。融資実行は物件の引き渡し日に行われます。つまり、本審査通過から融資実行まで約40〜44日が一般的です。ただし、金融機関や物件の状況により異なるため、詳細は担当者にご確認ください。

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Room Match編集部

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