港区の不動産市場の特徴
港区で不動産購入を検討する際、「価格相場はどのくらいなのか」「どのエリアを選べばいいのか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、港区の不動産価格相場をエリア別に整理し、高級住宅地としての特徴や物件種別ごとの価格帯を解説します。国土交通省や不動産流通推進センター等の公的データに基づき、正確な情報を提供します。
初めて港区で不動産を購入する方でも、適切なエリアと予算を判断できるようになります。
この記事のポイント
- 港区の坪単価は178.29万円/坪で、東京23区平均の約1.7倍と最高級エリア
- マンション平均は約1億2,533万円、戸建て平均は4億1,888万円(2024年)
- 2024年のマンション価格は前年比+38.0%上昇、2014年比で約2.2倍に
- 高級住宅地(麻布・青山・白金台・赤坂)、オフィス街(虎ノ門・新橋・芝)、複合エリア(六本木・お台場)が混在
- 16路線が走り、新橋駅では8路線が利用可能で通勤利便性が非常に高い
(1) 東京23区でも最高級エリア(坪単価23区平均の約1.7倍)
SUMiTASによると、港区の坪単価は178.29万円で、東京23区平均の約1.7倍に達します。
港区の不動産市場の主な特徴は以下の通りです。
- 高級住宅地の集積: 麻布、青山、白金台、赤坂など日本を代表する高級住宅地
- ビジネスエリア: 虎ノ門、新橋、芝など東京の主要オフィス街
- 国際性: 外国人居住者が多く、インターナショナルスクールや外国人向けサービスが充実
- 交通利便性: 16路線が走り、都心各所へのアクセスが良好
- 文化・商業施設: 六本木ヒルズ、東京タワー、お台場など観光・商業施設が充実
これらの要因により、港区は国内外の富裕層に人気の高いエリアとなっています。
(2) 2024年の価格動向(前年比+38.0%上昇)
不動産価格相場データによると、2024年の港区の土地価格は前年比+38.0%(+459.1万円/坪)と大幅に上昇しました。
価格上昇の要因:
- 高所得層の需要増: 国内の富裕層による購入需要が堅調
- 外国人投資家の参入: 日本の不動産市場への海外投資が増加
- 供給不足: 新規供給が限られている一方、需要が高止まり
- 再開発: 虎ノ門・新橋周辺等で大規模再開発が進行中
- 金融緩和政策: 低金利環境が続き、高額物件の購入を後押し
オープンハウスによると、2024年のマンション平均売却価格は1億2,980万円と過去最高を記録し、2014年比で約2.2倍に達しました。
港区全体の価格相場
港区の不動産価格は物件種別によって大きく異なります。ここでは2024年時点の最新データをもとに、価格相場を整理します。
(1) マンションの平均価格
アットホームによると、港区のマンション平均価格は約1億2,533万円(70㎡換算)です。
| 年 | マンション平均価格 | 坪単価 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 2014年 | 5,797万円 | 112万円/坪 | - |
| 2024年 | 1億2,980万円 | 243万円/坪 | +38.0% |
(出典: オープンハウス)
10年間で約2.2倍の価格上昇を記録しています。
(2) 戸建ての平均価格
オープンハウスによると、2024年の戸建て平均売却価格は4億1,888万円です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均売却価格 | 4億1,888万円 |
| 平均面積 | 139.1m²(約42坪) |
| 坪単価 | 301万円/坪 |
戸建ては土地面積が広いため、マンションよりも高額になる傾向があります。
(3) 土地の坪単価・公示地価
土地代データによると、港区の2025年公示地価平均は以下の通りです。
| 項目 | 価格 | 前年比 |
|---|---|---|
| 全体平均 | 4,876,790円/m²(坪単価16,121,620円) | +11.59% |
| 住宅地平均 | 2,577,333円/m²(坪単価8,520,000円) | +12.66% |
| 商業地平均 | 6,229,411円/m²(坪単価20,590,000円) | +10.97% |
商業地の価格が住宅地の約2.4倍と高額です。
エリア別の価格相場と特徴
港区は多様なエリアで構成されており、それぞれ異なる特性があります。
(1) 高級住宅地(麻布・青山・白金台・赤坂)
SUUMOによると、麻布、青山、白金台、赤坂は日本を代表する高級住宅地です。
麻布の特徴:
- 外国人居住者が多く、インターナショナルスクールが充実
- 閑静な住宅街で、プライバシーが守られた環境
- 高級マンション・戸建てが中心
青山の特徴:
- ファッション・アート・グルメの最先端エリア
- 表参道、青山一丁目周辺に商業施設が集積
- 都心の利便性と落ち着いた住環境を両立
白金台の特徴:
- 「シロガネーゼ」の愛称で知られる高級住宅街
- 自然教育園、庭園美術館など緑と文化施設が充実
- ファミリー層に人気
赤坂の特徴:
- 赤坂御用地に隣接し、治安が良好
- 高級ホテル・レストランが多く、国際色豊か
- ビジネスと住宅が混在
価格帯: 高級マンションは2-3LDKで3-5億円が多いです。
(2) オフィス街(虎ノ門・新橋・芝)
ホームズによると、虎ノ門、新橋、芝は東京の主要オフィス街です。
虎ノ門の特徴:
- 大規模再開発が進行中(虎ノ門ヒルズ等)
- 外資系企業・大使館が多い
- タワーマンションが増加中
新橋の特徴:
- ターミナル駅(JR線・地下鉄8路線利用可能)
- オフィス街だが、居酒屋等の飲食店も充実
- 交通利便性は港区内でもトップクラス
芝の特徴:
- 東京タワーを擁する観光エリア
- オフィス・住宅・観光施設が混在
- 増上寺など歴史的建造物も多い
価格帯: オフィス街の住宅は利便性重視で、駅近物件が高額です。
(3) 複合エリア(六本木・お台場)
六本木の特徴:
- 六本木ヒルズ、東京ミッドタウン等の大型複合施設
- 外国人居住者が多く、国際色豊か
- ナイトライフ・アート・文化の中心地
お台場の特徴:
- 臨海副都心として開発されたエリア
- ショッピングモール、レジャー施設が充実
- ファミリー向けのタワーマンションが多い
価格帯: 六本木は高額、お台場は港区内では比較的購入しやすい価格帯です。
物件種別ごとの価格帯
港区の不動産を物件種別ごとに整理します。
(1) マンション(2LDK-4LDK別)
SUUMOによると、港区の中古マンション価格帯は以下の通りです。
| 間取り | 価格帯 | 推奨ターゲット |
|---|---|---|
| 2LDK | 約3,000万〜3億円 | カップル・小家族 |
| 3LDK | 約4,000万〜3.5億円 | ファミリー |
| 4LDK | 約4,000万〜3.5億円 | 大家族 |
高級マンションでは2-3LDKで3-5億円の物件も多く、エリアや築年数、設備により価格が大きく異なります。
(2) 戸建て
戸建ての平均売却価格は4億1,888万円(平均面積139.1m²、坪単価301万円)です。
戸建ての特徴:
- 土地面積が広く、マンションより高額
- 高級住宅地(麻布・青山・白金台等)では5億円以上の物件も多い
- プライバシーが守られた環境を求める層に人気
(3) タワーマンション
タワーマンション(高さ60m以上、おおむね20階建て以上)は、虎ノ門・新橋・お台場等に集中しています。
タワーマンションの特徴:
- 眺望・セキュリティ・共用施設が充実
- コンシェルジュサービス等のホテルライクなサービス
- 外国人居住者・富裕層に人気
- 価格帯は1億円〜5億円以上と幅広い
2024年11月には浜松町駅直結の46階建てタワーレジデンスが竣工し、未入居の新築物件として販売されています。
港区で不動産を購入・売却する際のポイント
港区で不動産を購入・売却する際は、以下のポイントを確認しましょう。
(1) 交通利便性(16路線、新橋駅8路線利用可能)
SUUMOによると、港区には16路線が走り、新橋駅では8路線が利用可能です。
| 主要駅 | 利用可能路線 | 主要駅へのアクセス |
|---|---|---|
| 新橋駅 | JR線、東京メトロ3線、都営地下鉄2線、ゆりかもめ | 東京駅5分、品川駅8分 |
| 六本木駅 | 東京メトロ2線 | 渋谷駅9分、新宿駅14分 |
| 麻布十番駅 | 東京メトロ2線 | 新橋駅10分、渋谷駅15分 |
| 赤坂見附駅 | 東京メトロ2線 | 永田町・国会議事堂前直結 |
通勤・通学に非常に便利な立地です。
(2) 売却期間の目安(仲介3-6ヶ月、買取約1ヶ月)
SUMiTASによると、港区での不動産売却期間の目安は以下の通りです。
| 売却方法 | 期間 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 仲介売却 | 3-6ヶ月 | 高値売却が期待できる | 時間がかかる、買主が見つからないリスク |
| 買取 | 約1ヶ月(最短1週間) | 短期間で確実に売却できる | 仲介より価格が低い(70-80%程度) |
港区は取引件数1,619件、平均売却価格8,466万円と市場は活発で、売却しやすい環境です。
(3) 高額物件の購入時の注意点
港区の不動産は高額のため、以下の点に注意が必要です。
住宅ローン審査:
- 高額物件のため、住宅ローン審査が厳格
- 頭金として物件価格の20-30%(数千万円〜1億円以上)が必要な場合が多い
- 年収・勤務先・勤続年数等が審査のポイント
価格変動リスク:
- 高額物件は市場環境の変化により大幅な価格変動リスクがある
- 2024年は前年比+38.0%上昇しているが、今後の動向は不透明
- 専門家(宅建士、不動産鑑定士、税理士等)への相談を推奨
維持費:
- マンションは管理費・修繕積立金が高額(月10万円以上も)
- 戸建ては固定資産税・都市計画税が高額
- ランニングコストを含めた総合的な判断が必要
まとめ:港区で不動産を選ぶために
港区の坪単価は178.29万円/坪で、東京23区平均の約1.7倍と最高級エリアです。マンション平均は約1億2,533万円、戸建て平均は4億1,888万円(2024年)で、2014年比で約2.2倍に価格が上昇しています。
高級住宅地(麻布・青山・白金台・赤坂)、オフィス街(虎ノ門・新橋・芝)、複合エリア(六本木・お台場)が混在し、それぞれ異なる特性があります。16路線が走り、新橋駅では8路線が利用可能で通勤利便性が非常に高いです。
マンションは2LDKで約3,000万〜3億円、3-4LDKで約4,000万〜3.5億円が目安で、高級マンションでは2-3LDKで3-5億円の物件も多いです。売却期間は仲介で3-6ヶ月、買取で約1ヶ月が目安です。
高額物件のため、住宅ローン審査が厳格で頭金も多額になる可能性があります。価格変動リスクも大きいため、市場動向を慎重に見極め、専門家(宅建士、不動産鑑定士、税理士等)への相談をおすすめします。
