松江市の土地購入が注目される理由
松江市は島根県の県庁所在地として、行政機能や商業施設が集積しており、山陰地方の中核都市として発展しています。宍道湖を中心とした自然景観、松江城周辺の歴史的エリア、新興住宅地等のバリエーションがあり、UIターンや移住先としても注目されています。
この記事では、松江市の土地価格相場、人気エリア、交通・生活環境、土地選びのポイントを、最新の公示地価データを元に解説します。
執筆時点(2025年)の市場動向を踏まえながら、エリア別の価格差、建築条件の違い、諸費用の目安まで、土地購入の判断材料を具体的に提示します。
この記事のポイント
- 松江市の平均土地価格は49,417円/㎡(163,364円/坪)で、前年比+0.54%と緩やかに上昇中(2025年)
- 駅近エリア(朝日町など)は172,000円/㎡、郊外(佐草町など)は340円/㎡と価格差が大きい
- 住宅地は38,063円/㎡、商業地は90,483円/㎡で約2.4倍の価格差
- 建築条件なし土地は自由に建築会社を選べるが、価格がやや高め
- 諸費用は物件価格の5〜10%が目安、仲介手数料・登記費用・税金が含まれる
松江市の土地価格相場【2025年最新】
(1) 平均価格と坪単価
2025年の松江市の平均土地価格は、公示地価・基準地価データによると、49,417円/㎡(163,364円/坪)です。前年比+0.54%と緩やかに上昇しており、住宅地は+0.11%、商業地は+0.69%の伸びを示しています。
| 項目 | 平均価格(円/㎡) | 坪単価(円/坪) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 全体平均 | 49,417 | 163,364 | +0.54% |
| 住宅地 | 38,063 | 125,829 | +0.11% |
| 商業地 | 90,483 | 299,118 | +0.69% |
住宅地と商業地の価格差は約2.4倍で、立地や用途により価格が大きく変動します。
(2) 住宅地と商業地の価格差・エリア別相場
松江市内でもエリアによる価格差が非常に大きく、最大500倍以上の開きがあります。
| エリア | 価格(円/㎡) | 坪単価(円/坪) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 朝日町(駅近) | 172,000 | 568,595 | JR松江駅徒歩圏、商業施設充実 |
| 県庁周辺 | 80,000〜100,000 | 264,462〜330,578 | 行政機関集積、利便性高い |
| 郊外住宅地 | 20,000〜40,000 | 66,116〜132,231 | 静かな環境、価格を抑えられる |
| 佐草町(郊外) | 340 | 1,124 | 自然環境豊か、車社会前提 |
駅近エリアは利便性が高く価格も高額ですが、郊外エリアは価格を抑えつつ広い土地を確保できるメリットがあります。
人気エリアと特徴
(1) 松江駅周辺・県庁周辺エリア
JR松江駅周辺と県庁周辺エリアは、松江市の中心部として商業施設、行政機関、医療機関が集積しています。
| 項目 | 松江駅周辺 | 県庁周辺 |
|---|---|---|
| 交通利便性 | JR山陰本線・一畑電車利用可 | バス路線充実 |
| 商業施設 | 駅ビル、商店街 | スーパー、銀行等 |
| 価格帯 | 80,000〜172,000円/㎡ | 80,000〜100,000円/㎡ |
| 向いている人 | 通勤・通学重視、利便性優先 | 行政サービス利用頻度高い |
松江駅周辺は交通アクセスが良好で、出雲市や米子市へのアクセスも便利です。県庁周辺は行政機関が近く、各種手続きがスムーズに行える利点があります。
(2) 郊外・住宅地エリア
郊外エリアは、駅から離れた住宅地や自然環境に恵まれたエリアで、価格を抑えつつ広い土地を確保できます。
| 項目 | 郊外住宅地 | 佐草町等(郊外) |
|---|---|---|
| 交通利便性 | 車社会前提、バス便 | 車必須 |
| 環境 | 静かな住宅街 | 自然環境豊か |
| 価格帯 | 20,000〜40,000円/㎡ | 340円/㎡〜 |
| 向いている人 | 静かな環境、価格重視 | 広い土地確保、自然重視 |
松江市は車社会のため、郊外エリアでも車があれば生活に不便はありません。広い土地を確保したい方、自然環境を重視する方におすすめです。
交通・生活環境
(1) JR松江駅と交通アクセス
JR松江駅は、山陰本線の主要駅で、出雲市や米子市へのアクセスが可能です。
| 方面 | 所要時間 | 備考 |
|---|---|---|
| 出雲市 | 約30分 | JR山陰本線 |
| 米子市 | 約40分 | JR山陰本線 |
| 岡山 | 約2時間30分 | 特急やくも |
| 広島 | 約3時間 | 高速バス・車 |
一畑電車(松江しんじ湖温泉駅)も利用でき、宍道湖沿線へのアクセスが便利です。松江市内はバス路線も充実しており、車がなくても一定の生活利便性が確保されています。
(2) 商業施設・医療機関・教育機関
松江市は県庁所在地として、商業施設、医療機関、教育機関が充実しています。
| 施設 | 主要施設 |
|---|---|
| 商業施設 | イオン松江、シャミネ松江、商店街 |
| 医療機関 | 松江市立病院、島根大学医学部附属病院 |
| 教育機関 | 島根大学、小中学校、高校多数 |
| 公共施設 | 島根県庁、松江市役所、図書館、美術館 |
日常の買い物から医療・教育まで、生活に必要な施設が揃っており、UIターン者にも暮らしやすい環境です。
土地選びのポイントと諸費用
(1) 建築条件付きと建築条件なしの違い
土地を購入する際、「建築条件付き土地」と「建築条件なし土地」の違いを理解しておくことが重要です。
| 項目 | 建築条件付き土地 | 建築条件なし土地 |
|---|---|---|
| 建築会社 | 指定された建築会社のみ | 自由に選べる |
| 価格 | やや低め | やや高め |
| 自由度 | 低い(指定会社の範囲内) | 高い(完全に自由) |
| 向いている人 | 価格を抑えたい、特定会社に依頼希望 | 建築会社を自由に選びたい |
建築条件付き土地の場合、指定された建築会社以外を選べない制約があることを契約前に十分理解すべきです。
(2) 諸費用の目安(仲介手数料・登記費用・税金)
土地購入時には、物件価格以外に諸費用がかかります。
| 費用項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格の3%+6万円+消費税(上限) | 不動産会社への報酬 |
| 登記費用 | 5〜15万円 | 司法書士報酬含む |
| 不動産取得税 | 固定資産税評価額の3〜4% | 取得後に納税 |
| 印紙税 | 1〜3万円 | 契約書に貼付 |
| 合計 | 物件価格の5〜10%程度 | 物件により変動 |
諸費用は物件価格の5〜10%程度が目安です。例えば、1,000万円の土地を購入する場合、50万円〜100万円の諸費用がかかる計算になります。
まとめ:松江市で土地を購入する際のチェックリスト
松江市の平均土地価格は49,417円/㎡(163,364円/坪)で、前年比+0.54%と緩やかに上昇しています。駅近エリア(朝日町など)は172,000円/㎡と高額ですが、郊外(佐草町など)は340円/㎡と、エリアによる価格差が非常に大きいです。
住宅地は38,063円/㎡、商業地は90,483円/㎡で約2.4倍の価格差があります。松江駅周辺・県庁周辺は利便性が高く人気ですが、郊外エリアは価格を抑えつつ広い土地を確保できます。
建築条件なし土地は自由に建築会社を選べますが、価格がやや高めです。諸費用は物件価格の5〜10%が目安で、仲介手数料・登記費用・税金が含まれます。
土地購入にあたっては、最新の公示地価や実勢価格を確認し、不動産会社、司法書士、税理士等の専門家に相談しながら、予算と利便性のバランスを慎重に検討してください。
