マンションから戸建てへの住み替えで後悔するケース|失敗しないための注意点

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/10

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マンションから戸建てへの住み替えを検討する理由

マンションから戸建てへの住み替えを検討する際、「住み替えた後に後悔しないか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、マンションから戸建てへ住み替えて後悔するケース、後悔しないための対策、住み替えの流れと費用を、実体験やHOME4Uなどの情報を元に解説します。

子どもの成長や在宅勤務の増加で広さを求めている方でも、住み替えのメリット・デメリットを正確に把握し、後悔しない選択ができるようになります。

この記事のポイント

  • 戸建てへ住み替えて後悔する理由は光熱費増加、セキュリティ低下、立地条件悪化が主
  • 後悔しないためには費用シミュレーション、立地選び、ライフスタイル変化の想定が重要
  • 住み替えは「売り先行」「買い先行」の選択で資金計画が大きく変わる
  • 住宅ローンが残っていても売却代金で完済するか住み替えローンで対応可能
  • マンション売却のベストタイミングは築10年以内または大規模修繕後

(1) 子どもの成長と部屋数の必要性

マンションから戸建てへの住み替えを検討する最も多い理由は、子どもの成長に伴う部屋数の必要性です。

よくあるケース:

  • 子どもが小学生になり個室が必要になった
  • 兄弟姉妹で部屋を分けたい
  • 在宅学習のスペースを確保したい

マンションの間取りでは部屋数が足りず、戸建てで広さと部屋数を確保したいと考える世帯が増えています。

(2) 在宅勤務の増加と広さへのニーズ

在宅勤務の普及により、「仕事専用のスペース」を求める層が増加しています。

在宅勤務で求められること:

  • 個室または仕切られた作業スペース
  • Web会議時の静かな環境
  • 収納スペース(資料・機材)

マンションでは狭さを感じ、戸建ての広さに魅力を感じる方が増えています。

(3) 管理費・修繕積立金の負担回避

マンションでは毎月の管理費・修繕積立金が発生し、長期的に見ると大きな負担となります。

費用例:

  • 管理費: 月1〜2万円程度
  • 修繕積立金: 月1〜3万円程度(築年数により増額傾向)
  • 駐車場代: 月5,000〜3万円程度(都市部)

戸建てではこれらの費用が不要になる点が、住み替えの動機の一つとなっています。

マンションから戸建てへ住み替えて後悔するケース

住まいサーフィン研究所の調査(395件の体験談)によると、戸建て購入後の後悔ポイントがいくつか明らかになっています。

(1) 光熱費の増加(広さ・断熱性能の影響)

戸建てに住み替えて最も多く聞かれる後悔が、光熱費の増加です。

光熱費が増える理由:

  • 床面積が広くなり冷暖房の範囲が拡大
  • マンションに比べて断熱性能が低い物件が多い
  • 天井が高い・窓が多いと熱効率が悪化

いえぽーとの実体験では、光熱費がマンション時代の1.5〜2倍になったとの報告があります。

(2) セキュリティ面の不安(オートロックがない)

戸建てではマンションのオートロック・監視カメラがなくなるため、セキュリティ面の不安を感じる方が多くいます。

セキュリティの変化:

  • オートロックがなく、玄関が直接道路に面する
  • 窓が多く、戸締まり箇所が増える
  • 不在時の侵入リスク

防犯カメラ・センサーライト・セキュリティシステムの追加で、費用がかかる場合があります。

(3) 立地条件の悪化(駅から遠い、利便性低下)

戸建ては駅から離れた場所に建てられることが多く、通勤時間の増加や利便性の低下を感じるケースがあります。

立地条件の変化:

  • 駅徒歩10分以内 → 徒歩15〜20分以上に
  • 周辺の商業施設・病院が減る
  • バス利用が必要になる

特に共働き世帯では、通勤時間の増加が家族の時間を圧迫すると感じる方もいます。

(4) 維持管理の負担(外壁塗装、庭の手入れ)

戸建ては管理費・修繕積立金が不要な一方、修繕を全て自己負担で行う必要があります。

主な維持費:

  • 外壁塗装: 10〜20年毎、100〜150万円程度
  • 屋根修繕: 10〜20年毎、50〜100万円程度
  • 庭の維持: 芝刈り・植木の手入れ、年間数万円
  • 設備交換: 給湯器・エアコン等、10〜15年毎

HOME4Uによると、これらの費用を事前に想定していないと、後悔につながるケースが多いとされています。

(5) 資産価値の下落(築年数による影響が大きい)

戸建ては築年数による資産価値下落がマンションより顕著です。

資産価値の目安:

  • 木造戸建て: 築20年でほぼ建物価値がゼロに
  • マンション: 築20年でも一定の価値を保つ傾向

将来売却を考えた場合、戸建ては立地次第で売りにくくなる可能性があります。

戸建てへの住み替えで後悔しないための対策

(1) ライフスタイルの変化を想定する(子どもの独立、高齢時の階段負担)

住み替え時点だけでなく、10年後・20年後のライフスタイルの変化を想定することが重要です。

想定すべきポイント:

  • 子どもが独立した後、広い家は必要か
  • 高齢になったとき、2階建ての階段は負担にならないか
  • 庭の手入れを続けられるか

平屋や1階で生活が完結する間取りを選ぶ、将来のリフォーム・バリアフリー化を視野に入れるなどの対策が有効です。

(2) 立地選びのポイント(将来の売却も見据える)

戸建ては立地選びが資産価値の維持に直結します。

重視すべき立地条件:

  • 駅徒歩圏内(徒歩15分以内)
  • 商業施設・病院・学校が近い
  • 再開発エリア・人気の学区
  • 災害リスクの低いエリア(ハザードマップ確認)

三井のリハウスによると、立地条件は将来の売却時にも大きく影響するため、妥協しないことが推奨されています。

(3) 費用シミュレーションを綿密に行う(光熱費・修繕費込み)

住み替え前に、戸建て購入後の年間費用をシミュレーションすることが重要です。

シミュレーション項目:

  • 住宅ローン返済
  • 固定資産税・都市計画税
  • 光熱費(マンション時代の1.5〜2倍を想定)
  • 修繕費の積立(年間10〜20万円程度)
  • 庭の維持費

管理費・修繕積立金が不要になっても、光熱費・修繕費の増加で逆に出費が増えるケースもあります。

(4) 住宅性能を確認する(断熱性能・耐震性能)

戸建て購入時は、断熱性能と耐震性能を必ず確認しましょう。

確認すべき性能:

  • 断熱等性能等級: 等級4以上(省エネ基準)
  • 耐震等級: 等級2以上(地震保険割引の対象)
  • 窓の断熱性: 複層ガラス・樹脂サッシ

断熱性能が高い住宅は光熱費を抑えられ、長期的なランニングコストの削減につながります。

住み替えの流れと売り先行・買い先行の選び方

(1) 住み替えの基本的な流れ

住み替えは、以下の流れで進めます。

基本の流れ:

  1. 現在の住まいの査定を依頼
  2. 新居の物件探し・内覧
  3. 売却活動開始(売り先行の場合)
  4. 新居の購入契約
  5. 現在の住まいの売却契約
  6. 引越し・引き渡し

SUUMOによると、住み替えには3〜6か月程度の期間が必要です。

(2) 売り先行のメリット・デメリット(資金計画が立てやすい、仮住まい必要)

売り先行は、現在の住まいを先に売却してから新居を購入する方法です。

メリット デメリット
資金計画が立てやすい 仮住まいが必要な場合がある
売却価格が確定するため安心 引越しが2回になる
ダブルローンのリスクなし 新居探しに時間的制約

おすすめケース: 住宅ローン残債がある、資金に余裕がない

(3) 買い先行のメリット・デメリット(仮住まい不要、ダブルローンのリスク)

買い先行は、新居を先に購入してから現在の住まいを売却する方法です。

メリット デメリット
仮住まい不要、引越し1回 ダブルローンのリスク
新居探しに時間をかけられる 売却が長引くと家計負担大
引渡し時期を調整しやすい 売却価格で譲歩する可能性

おすすめケース: 住宅ローン完済済み、資金に余裕がある

(4) 住宅ローンが残っている場合の対処法

住宅ローンが残っていても住み替えは可能です。

対処法:

  1. 売却代金で完済: 売却価格がローン残債を上回る場合
  2. 住み替えローン: 残債を新居のローンに上乗せして借りる(審査は厳しい)
  3. 自己資金で補填: 売却価格が残債を下回る場合、差額を自己資金で支払う

三菱地所の住まいリレーによると、ローン残債がある場合は「売り先行」が安全とされています。

住み替えにかかる費用とシミュレーション

(1) 諸費用の内訳(仲介手数料・登記費用・ローン手数料)

住み替えには、物件価格以外に諸費用がかかります。

売却時の諸費用:

  • 仲介手数料: 売却価格の3%+6万円+消費税
  • 抵当権抹消費用: 1〜2万円程度
  • 印紙税: 1〜3万円程度

購入時の諸費用:

  • 仲介手数料: 購入価格の3%+6万円+消費税
  • 登記費用: 20〜30万円程度
  • ローン手数料: 借入額の2%程度(金融機関により異なる)
  • 火災保険料: 10〜30万円程度
  • 印紙税: 2〜10万円程度

(2) 税金(譲渡所得税・不動産取得税)

住み替え時には、税金も発生します。

主な税金:

  • 譲渡所得税: マンション売却で利益が出た場合(3,000万円特別控除あり)
  • 不動産取得税: 戸建て購入時(軽減措置により実質ゼロになるケースもあり)
  • 固定資産税・都市計画税: 購入した年から毎年発生

(3) 費用シミュレーション例

: マンション売却3,500万円 → 戸建て購入4,000万円

項目 金額
マンション売却時の諸費用 約120万円
戸建て購入時の諸費用 約250万円
仮住まい費用(3か月) 約30万円
引越し費用(2回) 約30万円
合計 約430万円

諸費用は物件価格の5〜10%程度を見込む必要があります。

(4) 仮住まい費用と引越し費用

売り先行の場合、仮住まい費用と引越し費用(2回分)が発生します。

費用例:

  • 仮住まい賃料: 月10万円×3か月=30万円
  • 引越し費用: 1回15万円×2回=30万円
  • 合計: 約60万円

仮住まい期間を短縮できれば、費用を抑えられます。

まとめ:住み替えを成功させるために

マンションから戸建てへの住み替えで後悔する主な理由は、光熱費増加、セキュリティ低下、立地条件悪化、維持管理の負担です。後悔しないためには、費用シミュレーション、立地選び、ライフスタイル変化の想定が重要です。

住み替えは「売り先行」「買い先行」の選択で資金計画が大きく変わります。住宅ローンが残っている場合は売り先行が安全で、売却代金で完済するか住み替えローンで対応します。

マンション売却のベストタイミングは築10年以内または大規模修繕後です。費用は物件価格の5〜10%程度を見込み、不動産会社やFP(ファイナンシャルプランナー)への相談を推奨します。

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よくある質問

Q1住宅ローンが残っていても住み替えできますか?

A1可能です。売却代金で完済するか、住み替えローン(残債を新ローンに上乗せ)を利用します。ただし住み替えローンの審査は厳しく、必ず利用できるとは限りません。住宅ローン残債がある場合は、資金計画が立てやすい「売り先行」が安全です。

Q2売り先行と買い先行どちらがいいですか?

A2ローン残債ありなら売り先行を推奨します。資金計画が立てやすく安心ですが、仮住まいが必要な場合があります。買い先行は仮住まい不要で引越しが1回で済みますが、売却が長引くとダブルローンのリスクがあります。資金に余裕がある場合は買い先行も選択肢になります。

Q3戸建ての維持費はどのくらいかかりますか?

A3外壁塗装(10〜20年毎、100〜150万円程度)、屋根修繕(10〜20年毎、50〜100万円程度)、庭の維持費(年間数万円)、光熱費増加などが発生します。管理費・修繕積立金は不要ですが、その分自己負担で修繕を行う必要があり、年間10〜20万円程度の積立を推奨します。

Q4マンション売却のベストタイミングはいつですか?

A4築10年以内が高値で売れやすい傾向があります。住宅ローン控除を利用中なら10年経過後がおすすめです。大規模修繕後は外壁や設備がリニューアルされ資産価値が向上します。春先(2〜3月)は物件数が増加し、売却活動も活発になるため動きやすい時期です。

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Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

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