庭付きマンション:専用庭のメリット・デメリット・選び方

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/4

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なぜ庭付きマンションが注目されるのか

庭付きマンションの購入を検討する際、「専用庭でどんなことができるのか」「管理は大変なのか」「防犯面は大丈夫なのか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、専用庭付きマンションの仕組み、メリット・デメリット、専用使用料と管理責任、物件選びのポイントを詳しく解説します。ガーデニング好きの方、小さな子供がいるファミリーにとって、購入判断の参考になります。

この記事のポイント

  • 専用庭は共用部分であり所有権はない、特定住戸の専用使用権のみ
  • メリット:ガーデニング、子供の遊び場、1階のため低価格・出入りスムーズ
  • デメリット:手入れ義務、専用使用料(月800-1,200円)、騒音・防犯面のリスク
  • 管理規約で禁止事項(BBQ、大規模改造等)を事前に確認することが重要

専用庭付きマンションとは

(1) 専用庭の定義

専用庭とは、マンションの1階住戸に付帯する庭のことです。庭と言っても、マンションの敷地内の一部を、特定の住戸の所有者が専用で使用できる形態を指します。

多くの場合、1階の住戸に面した庭(バルコニー・テラス状の空間)が専用庭として設定されています。

(2) 専用庭は共用部分(所有権はない)

専用庭は共用部分です。マンションの区分所有者全員が共有する部分であり、専用庭を使う住戸の所有者が所有権を持つわけではありません。

重要なポイント:

  • 専用庭は共用部分であり、マンション全体の所有物
  • 住戸の所有者は「専用使用権」のみを持つ
  • 大規模な改造(池の設置、庭の造成変更等)はできない

(3) 専用使用権とは

専用使用権とは、共用部分の一部を特定の区分所有者が排他的に使用できる権利です。

専用庭の場合、管理規約によって以下のようなルールが定められています。

  • 使用料: 月額800-1,200円程度(約35円/㎡)
  • 手入れ義務: 雑草の除去、害虫対策等は住戸所有者が負担
  • 使用ルール: BBQ禁止、夜間・早朝の活動制限等

詳細は物件ごとの管理規約を確認する必要があります。

(4) 主に1階住戸に付帯

専用庭は主に1階住戸に付帯します。1階ならではの特性として、以下の点があります。

1階住戸の特性:

  • エレベーター待ちなく出入りがスムーズ
  • 同マンション内では比較的低価格
  • 防犯面の懸念(侵入しやすい)
  • 上階からの視線(プライバシーの問題)

専用庭のメリットを享受できる一方、1階特有の注意点もあります。

専用庭のメリット

(1) ガーデニング・家庭菜園を楽しめる

専用庭の最大のメリットは、自由にガーデニングや家庭菜園を楽しめることです。

活用例:

  • 季節の花を植えて、庭を彩る
  • ハーブや野菜を栽培して、自家製の食材を収穫
  • 小さな樹木を植えて、緑豊かな空間を作る

ただし、地面に直接植える場合は管理規約で禁止されていることが多く、プランターやコンテナを使う必要があります。

(2) 子供の遊び場として活用できる

小さな子供がいるファミリーにとって、専用庭は安全な遊び場になります。

活用例:

  • ビニールプールを設置して水遊び
  • 砂場・ボール遊び等の屋外活動
  • 親が家事をしながら子供を見守れる

ただし、騒音が上階や隣接住戸に響きやすいため、時間帯や音量への配慮が必要です。

(3) リラックス・ワークスペースとして利用

テレワークの普及により、専用庭をリラックス・ワークスペースとして活用する方が増えています。

活用例:

  • テーブルと椅子を置いて、読書やコーヒータイム
  • テレワーク中のリフレッシュスペース
  • ヨガやストレッチの場

自然の中でリラックスできる空間は、マンション住まいでは貴重です。

(4) 1階のため低価格(同マンション内比較)

1階住戸は、同じマンション内の上階住戸と比べて価格が低い傾向があります。

価格が抑えられる理由:

  • 眺望が上階より劣る
  • 防犯面・プライバシー面の懸念
  • 上階の足音が聞こえる可能性

専用庭というメリットを享受しながら、価格を抑えられる点は魅力です。

(5) エレベーター待ちなく出入りスムーズ

1階住戸は、エレベーター待ちの必要がなく、出入りがスムーズです。

メリット:

  • 朝の通勤・通学時にエレベーター待ちのストレスがない
  • ベビーカーや大きな荷物の出し入れが楽
  • 災害時にも階段で素早く避難できる

子育て世帯や荷物の多い方にとって、大きな利便性です。

専用庭のデメリットと注意点

(1) 手入れの義務(雑草・害虫対策)

専用庭の手入れは、専用使用権を持つ住戸の所有者の義務です。

手入れ内容:

  • 雑草の定期的な除去
  • 害虫(蚊、アリ等)の駆除
  • 植栽の剪定、落ち葉の清掃

注意点:

  • 手入れを怠ると、雑草や害虫が発生し、他の住民に迷惑をかける
  • 近隣トラブルの原因となる可能性がある
  • 定期的なメンテナンスに時間と労力が必要

手入れの時間が確保できるか、購入前に検討することが重要です。

(2) 専用使用料の負担(月800-1,200円)

専用庭を使用するには、毎月専用使用料を支払う必要があります。

使用料の相場:

  • 月額800-1,200円(約35円/㎡)
  • 20㎡の庭なら月1,000円前後

注意点:

  • 管理費とは別に支払う
  • 物件によって金額が異なる
  • 管理規約で金額が変更される可能性がある

月1,000円程度ですが、年間で12,000円、10年で12万円の負担になります。

(3) 騒音トラブルのリスク

専用庭での活動は、上階や隣接住戸に騒音として響きやすいです。

トラブル事例:

  • 子供の遊び声、プール遊びの水音
  • BBQの臭い・煙
  • 夜間・早朝の活動(ガーデニング、リラックスタイム等)

対策:

  • 管理規約で禁止されている活動(BBQ等)は避ける
  • 夜間・早朝の活動は控える
  • 大きな音が出る遊びは時間帯を考慮

近隣への配慮が不可欠です。

(4) 防犯面の懸念(1階は侵入しやすい)

1階は、上階と比べて侵入しやすく、防犯面で懸念があります。

リスク:

  • 専用庭側から侵入される可能性
  • 窓を開けたままにすると盗難のリスク
  • 夜間の人影が外から見えやすい

対策:

  • 柵やフェンスを設置(管理規約で許可されている範囲)
  • センサーライトの設置
  • 防犯カメラの設置
  • 窓に補助錠を取り付ける

防犯対策は必須です。

(5) プライバシーの問題(上階からの視線)

専用庭は、上階や隣接住戸から見下ろされる可能性があります。

問題点:

  • 庭での活動が上階から見える
  • 洗濯物が見える
  • リラックスタイムがプライベート感に欠ける

対策:

  • 目隠しフェンス・ラティスの設置(管理規約の範囲内)
  • 高めの植栽で視線を遮る
  • パラソル・オーニングで上からの視線を防ぐ

プライバシー対策も重要です。

(6) 虫が多い(特に夏場)

専用庭は緑が多いため、虫が発生しやすいです。

主な虫:

  • 蚊、アリ、ダンゴムシ、ナメクジ等
  • 夏場は特に多い

対策:

  • 虫よけスプレー、蚊取り線香の使用
  • 水たまりを作らない(蚊の発生源)
  • 定期的な清掃と剪定

虫が苦手な方は、購入前に慎重に検討してください。

専用使用料と管理責任、物件選びのポイント

(1) 専用使用料の相場(月800-1,200円、約35円/㎡)

専用使用料は、専用庭の面積に応じて設定されます。

相場:

  • 月額800-1,200円
  • 面積あたり約35円/㎡

:

  • 20㎡の庭: 月700-800円
  • 30㎡の庭: 月1,000-1,200円

物件購入前に、管理規約で使用料を確認してください。

(2) 使い方のルール(管理規約の確認)

専用庭の使い方は、マンションの管理規約で定められています。

一般的なルール:

  • 夜間・早朝の活動は避ける(騒音防止)
  • 他の住民に迷惑をかける活動は禁止
  • 共用部分のため、勝手な改造は不可

管理規約は物件ごとに異なるため、購入前に必ず確認してください。

(3) 禁止事項(BBQ、大規模改造、地面直接の栽培等)

管理規約で禁止されている活動の例を紹介します。

よくある禁止事項:

  • BBQ: 煙・臭いが上階に届く、火災リスク
  • 大規模改造: 池の設置、庭の造成変更等(共用部分のため)
  • 地面直接の栽培: 土壌の汚染・変質を避けるため
  • 夜間の活動: 騒音防止のため

購入前に管理規約を確認し、自分の希望する使い方が可能か確認してください。

(4) 防犯対策(柵の設置、センサーライト等)

1階の専用庭は、防犯対策が必須です。

推奨対策:

  • 柵・フェンスの設置: 管理規約で許可されている範囲内で設置
  • センサーライト: 人が近づくと自動点灯
  • 防犯カメラ: 録画機能付き
  • 窓の補助錠: 窓の開閉を制限

管理規約で設置可能な防犯設備を確認してください。

(5) プライバシー対策(目隠しフェンス、植栽)

プライバシーを確保するための対策も重要です。

推奨対策:

  • 目隠しフェンス・ラティス: 管理規約の範囲内で設置
  • 高めの植栽: 視線を遮る
  • パラソル・オーニング: 上からの視線を防ぐ
  • カーテン・ブラインド: 室内側の対策

管理規約で設置可能な範囲を確認してください。

(6) 購入前の確認ポイント

専用庭付きマンション購入前に、以下を確認してください。

確認ポイント:

  • 管理規約: 使用料、禁止事項、使用ルール
  • 専用庭の面積: 広さが十分か
  • 日当たり: ガーデニングに適した日照条件か
  • 防犯設備: フェンス、センサーライト等の設置可否
  • 周辺環境: 隣接住戸との距離、上階からの視線
  • 手入れの負担: 定期的なメンテナンスが可能か

不明点は、宅地建物取引士や管理組合に確認してください。

まとめ:専用庭付きマンションが向いている人

(1) ガーデニング好き・家庭菜園に興味がある人

専用庭は、ガーデニングや家庭菜園を楽しみたい方に最適です。

向いている人:

  • 季節の花や野菜を育てたい
  • 緑に囲まれた空間でリラックスしたい
  • 手入れの時間と余裕がある

(2) 小さな子供がいるファミリー

小さな子供がいるファミリーにとって、専用庭は安全な遊び場になります。

向いている人:

  • 子供を庭で遊ばせたい
  • プール遊びや砂場遊びを楽しませたい
  • 親が家事をしながら子供を見守りたい

ただし、騒音への配慮が必要です。

(3) 手入れの時間・余裕がある人

専用庭の手入れは義務です。時間と余裕がある方に向いています。

向いている人:

  • 定期的な雑草除去・害虫対策ができる
  • 庭の手入れを楽しめる
  • 近隣への配慮ができる

専用庭付きマンションは、ガーデニングや子育てを楽しみたい方に魅力的です。ただし、手入れ義務、専用使用料、騒音・防犯面のデメリットもあります。

管理規約を事前に確認し、自分のライフスタイルに合った物件を選んでください。詳細は宅地建物取引士や管理組合にご相談ください。

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よくある質問

Q1専用庭とは何ですか?

A1専用庭とは、マンションの共用部分であり、特定の住戸(主に1階)の所有者が専用使用権を持つ庭のことです。所有権はなく、管理規約で使用ルールが定められています。専用使用料(月800-1,200円程度)を支払い、手入れ義務を負います。ガーデニングや家庭菜園、子供の遊び場として活用できますが、大規模な改造(池の設置、庭の造成変更等)はできません。

Q2専用庭のメリットは何ですか?

A2主なメリットは以下の通りです。①ガーデニング・家庭菜園を楽しめる、②子供の遊び場として活用できる、③リラックス・ワークスペースとして利用可能、④1階のため同マンション内で比較すると低価格、⑤エレベーター待ちなく出入りがスムーズ。マンション住まいでありながら、庭の恩恵を受けられる点が最大の魅力です。

Q3専用庭のデメリットは何ですか?

A3主なデメリットは以下の通りです。①手入れの義務(雑草・害虫対策)、②専用使用料の負担(月800-1,200円)、③騒音トラブルのリスク(子供の遊び声、BBQ等)、④防犯面の懸念(1階は侵入しやすい)、⑤プライバシーの問題(上階からの視線)、⑥虫が多い(特に夏場)。手入れを怠ると近隣トラブルの原因となるため、定期的なメンテナンスが必須です。

Q4専用庭の管理は誰がするのですか?

A4専用使用権を持つ住戸の所有者が手入れの義務を負います。雑草の除去、害虫対策、植栽の剪定、落ち葉の清掃等は所有者の責任で行います。手入れを怠ると、雑草や害虫が発生し、他の住民に迷惑をかけるだけでなく、近隣トラブルの原因となります。管理規約で具体的なルールが定められているため、購入前に確認してください。

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Room Match編集部

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