マンションに乾太くんを導入する魅力と基礎知識
「マンションに乾太くんを設置したいけれど、本当に設置できるのか」と疑問に感じている方は少なくありません。
この記事では、マンションでのガス衣類乾燥機「乾太くん」の導入方法、設置条件、費用、注意点を、リンナイ公式や東京ガスの情報を元に解説します。
設置条件を正しく理解し、スムーズな導入を実現できます。
この記事のポイント
- マンションでも条件を満たせば乾太くんを設置できる(分譲マンション、管理規約で禁止されていない、ガス使用が条件)
- 設置費用は総額15万円〜20万円程度(本体価格7万円〜15万円、工事費3万円〜10万円)
- 電気式の3分の1の乾燥時間(6kg約60分)で、ランニングコストは約63円/回
- 管理組合への許可申請、運転音への配慮、避難経路の確保が重要
(1) 乾太くんとは(リンナイのガス衣類乾燥機)
乾太くんは、リンナイが製造・販売するガス衣類乾燥機です。ガス(都市ガス、プロパンガス)を動力源として、洗濯物を短時間で乾燥させます。
電気式の衣類乾燥機と比較して、乾燥時間が短く、ふわふわの仕上がりが特徴です。
(2) 電気式との違い(乾燥時間3分の1、ふわふわ仕上がり)
乾太くんと電気式乾燥機の主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 乾太くん(ガス式) | 電気式 |
|---|---|---|
| 乾燥時間(6kg) | 約60分 | 約180分 |
| 仕上がり | ふわふわ | やや硬め |
| ランニングコスト | 約63円/回(5kg) | 約30円/回 |
| 初期費用 | 15万円〜20万円 | 5万円〜10万円 |
(出典: 東京ガス ウチコト)
乾太くんは電気式の3分の1の時間で乾燥が完了し、忙しい家庭や共働き世帯に適しています。
(3) マンションでの導入トレンド(標準装備マンションが急増中)
2024年現在、生活者の高いニーズを反映して、新築時に「乾太くん」を全戸標準装備する分譲・賃貸マンションが全国に急増しています。
これまで後付けが一般的でしたが、最近では新築段階から標準装備される物件が増えているのが特徴です。
(4) 乾太くん標準装備マンションの事例(大阪府高槻市『シーンズ高槻真上町』等)
具体的な事例として、大阪府高槻市の『シーンズ高槻真上町』などが挙げられます。リンナイの導入事例によると、全戸に乾太くんが標準装備されており、入居者の満足度が高いとされています。
このような標準装備マンションは、設置条件をクリアする手間が不要で、入居時からすぐに使える点が魅力です。
マンションでの乾太くん設置条件(6つの必須条件)
マンションに乾太くんを設置するには、基本条件3つとベランダ設置の場合の追加条件5つをクリアする必要があります。
(1) 基本条件3つ(分譲マンション、管理規約で禁止されていない、都市ガス・プロパンガス使用)
乾太くんをマンションに設置するための基本条件は以下の3つです。
- 分譲マンションであること: 賃貸マンションの場合、設置可否は大家さんや管理会社の判断になります。
- 管理規約で設置が禁止されていないこと: 管理規約を確認し、ベランダへの設備設置が許可されているかをチェックします。
- 都市ガスまたはプロパンガスを使用していること: 乾太くんはガスを動力源とするため、オール電化マンションでは設置できません。
(出典: 東京ガス横浜中央エネルギー)
(2) ベランダ設置の追加条件5つ(雨水防止、スペース確保、給湯器設置済み、手すり高さ1.1m以上、避難経路60cm以上)
ベランダに乾太くんを設置する場合、基本条件に加えて以下の5つの条件を満たす必要があります。
| 条件 | 詳細 |
|---|---|
| 雨水防止 | 雨や水がかからない十分なスペースがある |
| スペース確保 | 乾太くんの前後左右に60cm以上のスペース |
| 給湯器設置済み | ベランダに給湯器が既に設置されている |
| 手すり高さ | 手すりの高さが1.1m以上ある |
| 避難経路確保 | 避難経路を塞がないように配置 |
(出典: 東京ガス横浜中央エネルギー)
特に避難経路の確保は重要で、火災時の避難を妨げないように前後左右に60cm以上のスペースを確保する必要があります。
(3) 設置場所の選択肢(ベランダ、室内、浴室乾燥機スペース等)
乾太くんの設置場所は、以下の選択肢があります。
- ベランダ: 最も一般的な設置場所。給湯器と並べて設置するケースが多い。
- 室内: 洗濯機の近くに設置し、洗濯から乾燥までの動線を短縮できる。ただし排湿管工事が必要。
- 浴室乾燥機スペース: 浴室乾燥機を撤去して乾太くんに置き換える方法。
設置場所により工事内容・費用が変わるため、専門業者に相談することを推奨します。
(4) リンナイ公式チェックリストの活用
リンナイ公式サイト「置ける!? 乾太くん」では、設置可否を確認できるチェックリストが公開されています。
このチェックリストを使用することで、自宅のマンションで乾太くんを設置できるかを事前に確認できます。設置を検討する際は、まずこのチェックリストで条件を満たしているかを確認しましょう。
乾太くんの導入手順と費用(本体価格・工事費の内訳)
乾太くんの導入には、管理組合への申請から工事完了まで複数のステップがあります。
(1) 導入手順(管理組合への申請→専門業者への相談→見積もり→工事→設置完了)
乾太くんを導入する際の標準的な手順は以下の通りです。
- 管理組合・管理会社への申請: ベランダは共有部分のため、設置前に必ず許可を取得します。無断設置は規約違反になる可能性があります。
- 専門業者への相談: ガス会社や設備工事業者に相談し、設置可否を確認します。
- 現地調査・見積もり: 業者が現地調査を行い、設置場所・工事内容・費用の見積もりを提示します。
- 工事日程の調整: 見積もりに納得したら、工事日程を決定します。
- 設置工事: ガス配管、排湿管、電源接続などの工事を実施します。
- 設置完了・動作確認: 工事完了後、正常に動作するか確認します。
(出典: 東京ガス横浜中央エネルギー)
(2) 本体価格の相場(3-5kg: 7-10万円、6kg以上: 15万円前後)
乾太くんの本体価格は、容量とタイプにより異なります。
| 容量・タイプ | 価格相場 |
|---|---|
| 3-5kg(スタンダード) | 7万円〜10万円 |
| 6kg以上(デラックス) | 15万円前後 |
(出典: 株式会社ミズテック)
デラックスタイプは、スタンダードタイプよりも機能が充実しており、予約タイマーや細かい温度調整が可能です。
(3) 工事費用の目安(3万円〜10万円、屋外設置や窓パネル利用で削減可能)
工事費用は、設置場所や配管の状況により変動します。
| 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|
| ベランダ設置(標準) | 3万円〜5万円 |
| 室内設置(排湿管工事あり) | 5万円〜10万円 |
| 屋外設置(窓パネル利用) | 3万円前後 |
(出典: 株式会社ミズテック)
屋外設置や窓パネルを利用すると、壁に穴を開ける工事が不要になり、費用を削減できます。
(4) 総額費用(スタンダードタイプ15万円前後、デラックスタイプ20万円前後)
本体価格と工事費を合わせた総額費用は以下の通りです。
- スタンダードタイプ(3-5kg): 約15万円前後
- デラックスタイプ(6kg以上): 約20万円前後
初期費用はやや高額ですが、電気式と比較して乾燥時間が短く、時間の節約効果が大きいため、費用対効果を検討する価値があります。
乾太くんのメリット・デメリットと向いている家庭
乾太くんには明確なメリットとデメリットがあります。導入前に自分の家庭に合うかを確認しましょう。
(1) メリット(6kg約60分、9kg約90分で乾燥、ランニングコスト約63円/回)
乾太くんの主なメリットは以下の通りです。
- 圧倒的な乾燥速度: 6kgの洗濯物を約60分、9kgを約90分で乾燥(電気式の3分の1)
- ふわふわの仕上がり: ガスの高温乾燥により、タオルや衣類がふわふわに
- ランニングコストが安い: 5kgの洗濯物で約63円/回(電気式は約30円だが時間がかかる)
- 花粉症対策: 外干しせずに乾燥できるため、花粉やPM2.5を避けられる
(出典: 東京ガス ウチコト)
(2) デメリット(設置条件が厳しい、洗濯物の移し替え、運転音)
一方で、以下のデメリットもあります。
- 設置条件が厳しい: 6つの条件を満たす必要があり、すべてのマンションで設置できるわけではない
- 洗濯物の移し替えが必要: 洗濯機と乾燥機が別のため、洗濯物を移す手間がかかる
- 運転音が気になる場合がある: 排湿筒から運転音が漏れ出し、設置場所と隣家の距離が近い場合は影響がある
- 初期費用が高い: 15万円〜20万円の初期投資が必要
(出典: 東京ガス ウチコト)
(3) おすすめの家庭(共働き世帯、忙しい家庭、花粉症対策)
乾太くんは以下のような家庭に特におすすめです。
- 共働き世帯: 帰宅後すぐに洗濯〜乾燥を完了させたい
- 忙しい家庭: 洗濯物を干す時間を節約したい
- 花粉症の方: 外干しを避けたい
- 子育て世帯: 大量の洗濯物を毎日処理したい
時間の節約効果が大きいため、「時間を買う」という視点で費用対効果を検討すると良いでしょう。
(4) 後悔する人・しない人の違い
乾太くんで後悔しない人の特徴は、以下の通りです。
- 設置条件を事前に十分確認した
- 初期費用を許容できる予算がある
- 時間の節約を重視している
- 管理組合の許可を正式に取得した
逆に、後悔する人は「設置条件を確認せずに購入した」「ランニングコストだけで判断した(初期費用を考慮しなかった)」などのケースが多いです。
マンションでの設置時の注意点とトラブル防止策
マンションで乾太くんを設置する際は、以下の注意点を押さえておくことが重要です。
(1) 管理組合・管理会社への許可申請(無断設置は規約違反)
ベランダは共有部分のため、管理会社や管理組合の許可なく設置すると規約違反になる可能性があります。
許可申請の際は、以下の書類を提出するのが一般的です。
- 設置場所の図面
- 工事内容の説明書
- 施工業者の情報
許可取得には数週間〜1ヶ月程度かかる場合があるため、余裕を持って申請しましょう。
(2) 運転音の隣家への影響(設置場所と距離の確認)
排湿筒から運転音が漏れ出すため、設置場所と隣家との距離が近い場合は影響を与える可能性があります。
設置前に以下を確認しましょう。
- 隣家のベランダや窓との距離
- 運転時間帯(深夜・早朝の使用は避ける)
- 防音対策の必要性
近隣トラブルを避けるため、設置前に隣家に一声かけておくと良いでしょう。
(3) 規定容量オーバーのリスク(衣類の縮み・シワ)
規定容量をオーバーして洗濯物を入れると、衣類が縮んだりシワがつく可能性が高くなります。
容量の目安は以下の通りです。
- 3kg: 1-2人分の洗濯物
- 5kg: 2-3人分の洗濯物
- 6kg: 3-4人分の洗濯物
- 9kg: 4-5人分の洗濯物
家族の人数に合った容量を選ぶことが重要です。
(4) 高層階設置や追加工事の費用確認
ガス設備がない場合や2階以上の高層階に設置する場合は、追加費用がかかる可能性があります。
具体的には以下のケースで追加費用が発生します。
- ガス配管を新設する必要がある
- 排湿管を長距離引き回す必要がある
- 高層階のため足場を組む必要がある
見積もり時に追加費用の有無を必ず確認しましょう。
まとめ:マンションでの乾太くん導入を成功させるポイント
マンションでの乾太くん導入は、設置条件をクリアし、管理組合の許可を得ることで実現できます。
基本条件3つ(分譲マンション、管理規約で禁止されていない、ガス使用)とベランダ設置の追加条件5つ(雨水防止、スペース、給湯器、手すり高さ、避難経路)を確認し、総額15万円〜20万円の初期費用を見込んでおきましょう。
電気式の3分の1の時間(6kg約60分)で乾燥でき、ランニングコストは約63円/回です。共働き世帯や忙しい家庭、花粉症対策を重視する方に特におすすめです。
リンナイ公式チェックリストで設置可否を確認し、専門業者に相談しながら導入を進めましょう。
