戸建てに宅配ボックスが必要とされる背景
「共働きで不在が多く、再配達が面倒」「ネット通販をよく利用するが、受け取りに困っている」という方は多いのではないでしょうか。
2024年4月から物流業界で働き方改革関連法が施行され、ドライバーの残業時間が制限されることで「2024年問題」が顕在化しています。宅配ボックスは、再配達を減らし、配達員の負担軽減と自分の利便性向上を両立できる設備として注目されています。
この記事では、戸建て用宅配ボックスの種類、設置方法、費用、選び方のポイントを、LIXILやPanasonicなどメーカーの公式情報を元に解説します。
この記事のポイント
- 宅配ボックスは「据え置き型」「簡易ボックス型」「折りたたみ型」の3種類
- 戸建て住宅には防犯性の高い据え置き型(金属製)が向いている
- 費用は簡易型で3,000〜8,000円、設置型で本体5〜10万円+工事費1.5〜2万円
- サイズ選びは内寸(受け取り可能なサイズ)を確認することが重要
宅配ボックスの種類と特徴
据え置き型(金属製)の特徴
株式会社ナスタによると、据え置き型は戸建て住宅に最も向いているタイプです。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 素材 | スチール・ステンレス(耐久性・防犯性に優れる) |
| 設置方法 | 地面に置く、アンカー固定、壁掛け |
| 防犯性 | 高い(鍵付き、重量があり持ち去りにくい) |
| 価格帯 | 3〜10万円程度 |
金属製の大型宅配ボックスでも工事不要で設置できる製品があり、後付けが可能です。
簡易ボックス型・折りたたみ型の特徴
簡易型・折りたたみ型は手軽に設置できますが、注意点もあります。
| 種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 簡易ボックス型 | 安価(3,000〜8,000円)、設置が簡単 | 防犯性が低い、耐久性に劣る |
| 折りたたみ型 | 省スペース、使わないときコンパクト | 耐久性が低い、大型荷物に不向き |
簡易型を使用する場合は、ワイヤーロックやアンカー固定で盗難対策を行うことを推奨します。
設置方法と費用の目安
工事不要タイプの設置方法と費用
ソトカグによると、宅配ボックスの設置費用は以下の通りです。
| タイプ | 本体価格 | 工事費 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 簡易型 | 3,000〜8,000円 | 不要 | 3,000〜8,000円 |
| 据え置き型(工事不要) | 3〜7万円 | 不要 | 3〜7万円 |
| 据え置き型(アンカー固定) | 5〜10万円 | 1.5〜2万円 | 6.5〜12万円 |
DIY設置の場合は本体価格のみで済むため、コストを抑えられます。
埋め込み型・アンカー固定の工事費用
埋め込み型は新築時の施工が必要となり、後付けが困難です。アンカー固定は防犯性を高める効果がありますが、工事費(1.5〜2万円程度)が追加で発生します。
賃貸戸建ての場合、埋め込み型やアンカー固定は大家への確認が必要です。工事不要の据え置き型であれば、設置可能な場合が多いです。
選び方のポイント
サイズの選び方(内寸と受け取り荷物の大きさ)
宅配ボックスのサイズ選びでは、外寸ではなく内寸(受け取り可能なサイズ) を確認することが重要です。
- 普段受け取る荷物の大きさ: 最大サイズを想定
- 設置場所の広さ: 玄関前、門扉脇などのスペース
- 配送業者の対応サイズ: 一般的な宅配便のサイズ
サイズが小さすぎると大型荷物が入らず、結局再配達になる可能性があります。
素材の選び方(スチール・ステンレス・樹脂)
素材によって耐久性と防犯性が異なります。
| 素材 | 耐久性 | 防犯性 | 価格 |
|---|---|---|---|
| スチール | 高い | 高い | 中〜高 |
| ステンレス | 非常に高い | 高い | 高い |
| 樹脂(ポリエステル) | 低い | 低い | 安い |
戸建て住宅で長期間使用する場合は、スチールまたはステンレス製を推奨します。
盗難対策と設置時の注意点
防犯性を高める設置場所と固定方法
宅配ボックスの盗難対策として、以下の方法があります。
- アンカー固定: コンクリートやタイルの床にボルトで固定(最も効果的)
- ワイヤーロック: 簡易型の場合の補助的な対策
- 重量のある製品選び: 持ち去りにくい20kg以上の製品
簡易型は軽量で持ち運びやすいため、アンカー固定やワイヤーロックを併用することを推奨します。
配達員が見つけやすい場所選び
LIXILによると、設置場所の選び方も重要です。
- 理想的な場所: 門扉や外構まわり、配達員が見つけやすい位置
- 避けるべき場所: 死角になる場所、玄関から遠すぎる場所
配達員が見つけられないと、結局インターホンを鳴らされてしまうため、目立つ位置への設置を推奨します。
まとめ:状況別おすすめの選び方
戸建て用宅配ボックスは、不在時の荷物受け取りを便利にする設備です。種類は「据え置き型」「簡易ボックス型」「折りたたみ型」の3つがあり、戸建て住宅には防犯性の高い据え置き型(金属製)が向いています。
状況別のおすすめ:
- コストを抑えたい: 簡易型(3,000〜8,000円)+ワイヤーロック
- 防犯性を重視: 据え置き型(金属製)+アンカー固定
- 賃貸戸建て: 工事不要の据え置き型
- 新築予定: 埋め込み型を設計時に検討
設置費用は製品・工事内容により異なるため、複数の製品を比較検討することを推奨します。なお、2024年度は子育てエコホーム支援事業で補助金が出ていましたが、最新の補助金制度についてはお住まいの自治体にご確認ください。
