マンションでゴキブリが出る悩みと対策の重要性
マンション居住者にとって、「ゴキブリが出るのは何階まで?」「高層階なら安心?」「新築でも出るの?」といった疑問は尽きません。
この記事では、マンション特有のゴキブリ発生原因、効果的な予防・駆除方法、ゴキブリが出にくいマンション選びのポイントを、害虫駆除専門家の情報を元に解説します。
購入・賃貸を検討中の方も、すでに居住中の方も、具体的な対策を実践できるようになります。
この記事のポイント
- マンションのゴキブリは排水管・換気扇・エレベーター経由で高層階にも到達する
- 6階以上で遭遇率が大幅減少、11階以上では年0.07回とほぼゼロに近づく(完全ゼロではない)
- 侵入経路を物理的にふさぐ(隙間テープ・パテ・フィルター)が最も効果的
- 1階に飲食店・コンビニがあるマンションは害虫発生率が高い
- 管理組合の定期駆除は共用部のみ、専有部は個人の責任
マンションでゴキブリが出る原因
(1) 共用部からの侵入:排水管・換気扇・エレベーター
マンションのゴキブリは、以下のルートで侵入します。
| 侵入経路 | 詳細 |
|---|---|
| 排水管 | 垂直に登る能力があり、高層階にも到達 |
| 換気扇 | 共用の換気ダクトを通じて移動 |
| エレベーター | エレベーター内部の隙間や配管経由 |
| エアコンのホース穴 | 3mm以上の隙間があれば侵入可能 |
ゴキブリは成虫で5mm以上、幼虫で3mm以上の隙間があれば侵入できます。
(2) 隣戸からの移動:壁や配管を垂直に登る能力
ゴキブリは壁や配管を垂直に登る能力があり、隣戸から移動してきます。
隣戸で大量発生した場合、共用の配管や壁を伝って他の住戸に広がる可能性があります。
(3) 1階テナントの影響:飲食店・コンビニからの侵入
1階に飲食店やコンビニがあるマンションは、食品の臭いやゴミによりゴキブリが集まりやすくなります。
購入・賃貸前に1階のテナント状況を確認することが重要です。
(4) ゴミ置き場の管理状態
ゴミ置き場の管理状態が悪いと、ゴキブリの温床になります。
以下のマンションはゴキブリ発生リスクが低くなります。
- 空調付きゴミ置き場(温度管理により繁殖を抑制)
- 常駐・日中清掃スタッフ(定期的な清掃とゴミ管理)
マンションのゴキブリ予防方法
(1) 侵入経路を物理的にふさぐ:隙間テープ・パテの活用
侵入経路を物理的にふさぐことが最も効果的です。
| 箇所 | 対策方法 |
|---|---|
| 窓・ドアの隙間 | 隙間テープでふさぐ |
| エアコンのホース穴 | 専用パテでふさぐ |
| 配管の隙間 | パテやシーリング材でふさぐ |
3mm以上の隙間があれば侵入可能なため、徹底的にふさぐことが重要です。
(2) 換気扇・排水口にフィルター・ネットを設置
換気扇や排水口は、ゴキブリの主要な侵入経路です。
以下の対策が効果的です。
- 換気扇フィルター:市販のフィルターを取り付け
- 排水口ネット:細かいメッシュのネットで封鎖
- 排水トラップの水を定期的に補充:水が乾くと侵入経路になる
(3) 定期的な清掃と段ボールの早期処分
段ボールはゴキブリの卵が付着していたり、餌になったりします。
引越し後は速やかに処分し、長期保管を避けてください。
定期的な清掃で、ゴキブリが好む暗くて湿った場所を減らすことが重要です。
(4) 食べ物管理:密閉容器・冷蔵庫保管
食べ物は密閉容器に入れ、冷蔵庫で保管してください。
以下を徹底することで、ゴキブリの餌を断ちます。
- 食べかすをすぐに片付ける
- ゴミ箱は蓋付きのものを使用
- ペットフードも密閉容器で保管
マンションのゴキブリ駆除方法
(1) 市販のゴキブリ駆除剤:ベイト剤・スプレー
市販の駆除剤には以下の種類があります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| ベイト剤 | ゴキブリが巣に持ち帰り、連鎖的に駆除 |
| スプレー | 目の前のゴキブリを即座に駆除 |
| くん煙剤 | 部屋全体を処理、隙間に隠れたゴキブリも駆除 |
ベイト剤は巣ごと駆除できるため、長期的な効果が期待できます。
(2) 専門業者への依頼:ダスキン等のマンション専用サービス
専門業者による駆除サービスも利用可能です。
ダスキンは「マンションのゴキさん同居お断りサービス」として、建物構造とゴキブリの生態に基づいて侵入経路を特定し、継続的に予防するサービスを提供しています。
自力での対策が難しい場合は、プロに依頼することをお勧めします。
(3) 管理組合の対応:共用部の定期駆除
分譲マンションでは、管理組合が共用部(廊下、階段、ゴミ置き場等)の定期駆除を行う場合があります。
ただし、専有部(室内)は区分所有者の責任となる場合が多いため、管理規約を確認してください。
(4) 賃貸の場合の費用負担:貸主・借主の責任範囲
賃貸マンションの場合、害虫駆除の費用負担は以下のように分かれます。
| 状況 | 費用負担 |
|---|---|
| 入居時から発生していた場合 | 貸主負担 |
| 入居後に発生した場合 | 借主負担 |
契約書の内容により異なるため、管理会社に確認してください。
ゴキブリが出にくいマンション選びのポイント
(1) 階数:6階以上、11階以上が推奨
ゴキブリが出にくいマンションを選ぶには、階数が重要なポイントです。
以下のデータを参考にしてください。
(2) 階数別の遭遇率データ:1-2階3.39回/年、11階以上0.07回/年
「おうちの」の調査によると、階数別のゴキブリ遭遇率は以下の通りです。
| 階数 | 年間遭遇回数 |
|---|---|
| 1-2階 | 3.39回 |
| 3-5階 | 3.61回 |
| 6-10階 | 1.28回 |
| 11階以上 | 0.07回 |
6階以上で遭遇率が大幅に減少し、11階以上では年0.07回とほぼゼロに近づきます。
ただし、完全にゼロではないため、予防対策は必要です。
(3) 1階テナントの確認:飲食店・コンビニの有無
1階に飲食店やコンビニがあると、害虫発生率が高くなります。
購入・賃貸前に必ず1階のテナント状況を確認してください。
(4) 管理体制:常駐清掃スタッフ・空調付きゴミ置き場
管理体制が整ったマンションは、害虫予防に効果的です。
以下の設備・サービスがあるマンションを選んでください。
- 常駐または日中清掃スタッフ
- 空調付きゴミ置き場
- 定期的な共用部の害虫駆除
(5) 周辺環境:公園・森林・飲食店の密集度
周辺環境も重要です。
以下の環境はゴキブリが多い傾向があります。
- 公園や森林の近く(湿度が高く害虫が多い)
- 飲食店密集エリア(食品の臭いやゴミが多い)
内覧時に周辺を歩いて確認してください。
(6) 築年数と管理状態:新築でも侵入リスクはある
新築マンションは配管・排水管の汚れが少なく、サッシや網戸が劣化していないため、害虫侵入が少ない傾向があります。
ただし、新築でも配管や換気扇から侵入する可能性があり、周辺環境や対策が重要です。
築年数が古いマンションは、外壁の湿気蓄積やコンクリートのヒビ、換気フィルターや網戸の劣化により害虫が侵入しやすくなります。
購入前に管理状態を確認してください。
まとめ:マンションのゴキブリ対策を総合的に実践する
マンションのゴキブリは、排水管・換気扇・エレベーター経由で高層階にも到達しますが、6階以上で遭遇率が大幅に減少し、11階以上では年0.07回とほぼゼロに近づきます。
侵入経路を物理的にふさぐ(隙間テープ・パテ・フィルター)ことが最も効果的で、定期的な清掃と食べ物管理を徹底することが重要です。
1階に飲食店・コンビニがあるマンションは害虫発生率が高いため、購入・賃貸前に必ず確認してください。
管理組合の定期駆除は共用部のみ対象となる場合が多いため、専有部は個人で対策を行い、必要に応じて専門業者に依頼してください。
継続的な取り組みにより、快適なマンション生活を実現できます。
